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言いつけを守らない悪い子に命はねえ!

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ココ「行ってらっしゃい!」

チト「はい、行ってきます!」

ココ「気を付けてね!」

チトを見送って少しの後、仲良しこよしの友達が、元気よく訪ねてきました。

ココ「おはよう!」

リート「おはよー!」

リートちゃんは、歳がココの一つ上。

オコゲ「おはよう」

オコゲくんは同じ歳で。

オカユ「くちゅん!」

オカユちゃんは、三つ下です。

ココ「今日も本を読む?」

リート「今日はお外に行こう!」

オコゲ「でも。川にはもう行かないよ」

リート「またこけるから?」

オカユ「おにさんドジ!」くすくす

オコゲ「仕方ないさ!」ぷい

とりあえず町へ出た四人は、そこでチトに偶然会い、いちごけーきを貰いました。

ココ「けーきは、五切れも入ってるよ」

オコゲ「じゃあ、一切れ余るね」

ココ「その一切れ、家に置いて来ていいかな?」

リート「チトお姉ちゃんに、とっといてあげるのね」

ココ「うん!」

オカユ「ココも優しい!」

ココ「えへへ」てれ

それからココは一度家に戻り、いちごけーきを一切れ、大事に戸棚にしまうと、すぐに家を飛び出しました。
その時。戸口にいた、一羽の白い鳩が話しかけてきました。

ぽっぽさん「お待ちなさい」

ココ「!?」びくっ

ぽっぽさん「怖がらないで。あなたに、伝えたいことがあるの」

ココ「君も魔女なの?」

ぽっぽさん「いいえ。あたいは黒いカラスよ」

ココ「嘘つき」じとー

ぽっぽさん「ポッポジョークよ。そこは笑って」くるっくー

ココ「へ、へへ」あいそわらい

ぽっぽさん「あたいは、神様の使いで来たのよ」

ココ「うっそー!」びっくり

ぽっぽさん「マジなのよん。それで、あなたに伝えたいことがあって来たの」

ココ「それは何ですか?」

ぽっぽさん「昨夜。あたいは、あなたのお家の屋根で休んだわ。その時に、あなたのお話を聞いたの」

ココ「そうなんだ」

ぽっぽさん「それでね。お得な鳩寄り情報があるのよん」

ココ「それって、人の役に立つの」

ぽっぽさん「立つの」

ココ「そう」

ぽっぽさん「ぽう」

ココ「あのう。友達が僕を待っているんだ」

ぽっぽさん「あら、それはごめんあそばせ。で、あなたに伝えたいことはね、ハシバミの枝のことよ」

ココ「ハシバミの枝?」

ぽっぽさん「ハシバミの枝はね。蛇や魔女から、あなたを守ってくれるのよ」

ココ「ええ!それはすごい!」

ぽっぽさん「さらに、願い事を叶えてくれる力があるらしいわ」

ココ「それって、どこにあるの?」

ぽっぽさん「それは神様のお導きのままよ」

白い鳩は翼を広げ、美しい鳩胸を強調すると。

ぽっぽさん「あなたスケベね」

と残して、大空へと羽ばたいて雲の中へ消えました。

ココ「……僕、病気なのかな」

ココは、首に下げた懐中時計に尋ねてみましたが、答えはもちろんありませんでした。

ココ「お待たせ」

オコゲ「遅かったね」

ココ「僕、病気かも知れない……」ずーん

リート「死んじゃうの?」うるうる

ココ「いや死なないよ!あのね、動物の言葉が分かるんだ」

オカユ「すっごーい!」きらきら

そこへ、荷車を引いたロバが通りかかりました。

ロバ「森の中にある、花に囲まれた湖に向かいな」

ココ「!?」

リート「どうしたの?聞こえたの?」わくわく

オカユ「何て!」ときとき

ココ「森の中にある、花に囲まれた湖に向かいな。て」

リート「本当に分かるんだ!ぶんだばぶんだばよー!」ぱちぱち!

オカユ「ぶんだばよー!」ぱちぱち!

ココ「それ、何ていう意味?」

オコゲ「ねえ、ココ」

ココ「ん?」

オコゲ「もしかしたら神様がいてさ。君を、どこかへ導こうとしているんじゃないかな?」むむ…

ココ「実は」

ココは、鳩とのやりとりを話しました。

オコゲ「なるほど、やっぱりそういうことか。でも、森にはオオカミといった獣がいるからね」

リート「私、パパに行っちゃ駄目って言いつけられてる」

オカユ「オカユも!」

ココ「いいよ。町で遊ぼう」

オコゲ「だけど。君には何か、どうしても叶えたい願い事があるんだろう」

ココ「この左手の、無い親指を生やすことだよ」

リート「ビックリドッキリショッキング!」わお!

ココ「え?」

リート「必ず見つけて叶えましょう!」

ココ「気にしなくていいよ」

リート「体はお大事に!」

そう言ってリートは、ココの左手を両手でぎゅっと握り、強く目を見つめました。

オコゲ「よし!僕も手伝うよ」

オカユ「オカユも!」

ココ「みんな……!でも、危険だよ」

オカユ「ココが話し合ってくれたら平気!」

リート「うん、そうだね!」

オコゲ「注意しながら。急いで行って、急いで帰ろう」

ココ「わかった……よし!じゃあ行こう!」

みんな「おー!」

こうして一行は、急いで森に繰り出しましたとさ。

続け!
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