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仲違いならしてやるね!
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チトがおらぬ夜間、カフェがココを子守りすることになりましたが……。
カフェ「何を読んでるんだい」のびー
ココ「こないで」ぷい
カフェ「毎日読んでて飽きないの?」ごろごろ
ココ「うるさい」
カフェ「何よ。いつまで怒ってるつもり?」くあー
ココ「カフェなんて嫌いだ!」ぷい
カフェ「ふん……」くるり
ととと。
カフェ「ほら」ぺっ
ココ「何これ!」
カフェ「見たまんま、光る白い石よ」
ココ「すごーい!」きらきら
カフェ「月明かりで光るの」
ココ「はっ!い、いらないもん!」ころん
カフェ「そう」ぺたん
ココ「……ねえ」
カフェ「うん?」うとうと
ココ「人間って美味しいの?」
カフェ「おまじないでご馳走に変えるから、ね」
ココ「どうして食べるの?」
カフェ「何だかね、そうしないといけない気がするの」
ココ「意味わからない」
カフェ「人を誘っては食べての繰り返しさあ!にゃあああ!!」とびつき
ココ「わあああ!!」びくっ!
カフェ「ふっふっふっ」くすくす
ココ「大嫌い!」べしっ!
カフェ「にゃ!ぶつことないでしょう!」
ココ「僕を長いこと閉じ込めたでしょう!」
カフェ「でもあたしは罰として、一度かまどで焼かれたんだよ!」
ココ「……そっか」
カフェ(納得するんだ)
ココ「…………」ぺらり
カフェ「あー不便だわ。この生活」くねくね
ココ「あーもう!!」パタム!
カフェ「びっくりしたわね。何よ急に」
ココ「読んで!」
カフェ「にゃ?」
ココ「字、あんまり読めないの」
カフェ「そうなの」
ココ「うん」
カフェ「仕様のない。ほら、見せてごらんなさい」
ココ「この話を読んで」
カフェ「子ヤギと七匹のオオカミ」
花畑が広がる野原にある豪邸の前に、お母さんヤギと子ヤギがいました。
お母さんヤギは子ヤギに念を押して、こう言いました。
「いい?オオカミがいるから、戸締まりしっかりね。オオカミはガラガラ声に黒い足が特徴だから、十分気を付けるのよ」
子ヤギは適当に返事を返すと、お母さんヤギを見送り、戸締まりを終えたら、日課の筋肉トレーニングを始めました。
こんこん。
子ヤギがふくらはぎを鍛えていると、ドアがノックされました。
子ヤギはお母さんかと問いかけます。
「私私。お母さんよ、だから開けて下さいな」
あ、これはオオカミによる私私詐欺だなと。
子ヤギはすぐに閃いて、こう返しました。
子やぎ「ママの、風の口笛の様な清らかで美しい声には、ふんっ、まだまだだね」
オオカミはカチンときて、チョーク(炭酸カルシウムだけど真似しちゃやーよ)を買ってきて飲むと、声を清らかにしました。
「エンダアアアアア!!」
しかし酔いしれて調子に乗ったことと、ドアについている小窓にかかった黒い前足が見えたことで、子ヤギはオオカミだろと尻を叩いて挑発すると、腹筋のトレーニングを始めました。
カフェ「おもしろい?」
ココ「うん」
オオカミは町にでかけ、パン屋のおばさんを脅すと、前足にパン生地をつけてもらい、さらに小麦粉をふるいかけてもらいました。
こんこん。
子ヤギはオオカミのしつこさに呆れながらも、一応問いかけてあげました。
「お母さん?」
「ええ。私よ」
小窓にかかる白い足。
子やぎはそれを見てお母さんだと喜び、ついにドアを開けてしまいました。
するとそこには、七匹のオオカミが待ち受けていました。
「子ヤギ相手にオオカミが七匹か。いいだろう、来い」
一匹目を上腕二頭筋で締め上げ撃破。
二匹目をふくらはぎを使った全力の蹴りで撃破。
三匹目を顎を粉砕して撃破。
四匹目を岩に叩きつけ撃破。
五匹目を両目とも目潰しで撃破。
六匹目を両耳とも鼓膜破りで撃破。
七匹目を手刀で切り裂き撃破。
子ヤギはたった一人で、あっという間にオオカミ達を殲滅しました。
「パァフェクトバディ」
そして、オオカミ達の腹を裂いて石を限界まで詰めると、残らず湖に沈めました。
帰ってきたお母さんヤギと子ヤギは一緒に。
「やったやった!ざまあみろ!」
と、喜び踊りましたとさ。
カフェ「ひどい話ね……」ぱたむ
ココ「ん……」うとうと
カフェ「お姉ちゃんが帰ってくるまで寝てなさい」ぽふぽふ
ココ「食べないでね……」うとうと
カフェ「かぷ」
ココ「すー……すー……」すやすや
カフェ「はぁ……あたしは何をやっているのかしらね」
今夜は満月。
カフェはそれを見て、何だか懐かしく切ない気持ちになりました。
カフェ「あたしは一体、何者なの?」くびかしげ
チト「ただいまー」
カフェ「しっー」ととと
チト「あら、出迎えとはご苦労」
カフェ「ココ、寝てるわよ」
チト「何もしてないでしょうね?」
カフェ「少し味見したわ」
チト「待てババア!」
カフェ「待ちませんよ」たたっ!
チト「ちいっ!見つけたらゲロマズスープにしてやる、そんで食わずに便所に捨ててやるからな。ったく」ブツブツ
ココ「チト……?」ねむねむ
チト「ごめんね。いつも遅くなって」なでなで
ココ「ううん。今日もお疲れ様」
チト「ありがとう!ココ大好き!」ぎゅ
ココ「僕も大好きだよ、お姉ちゃん!」ぎゅ
カフェ「大好き……」
チト「さ、夕飯にしましょう」
ココ「うん!」
チト「ババア、いい加減に出てきなさい!夕食を作るよ!」
カフェ「今夜は何が食べたい?」ひょこ
チト「ありがたいことに、鳥をまるまる一羽貰ったから、これを美味しく調理する方法を教えなさい」
カフェ「はいはい」
チト「はいは一回」いら
カフェ「はーーーーーい」
チト「ムっカつくー……!」いらいら
カフェ「ふんっ」
これからはもう少し、仲良くやっていけるのかな。
続け!
カフェ「何を読んでるんだい」のびー
ココ「こないで」ぷい
カフェ「毎日読んでて飽きないの?」ごろごろ
ココ「うるさい」
カフェ「何よ。いつまで怒ってるつもり?」くあー
ココ「カフェなんて嫌いだ!」ぷい
カフェ「ふん……」くるり
ととと。
カフェ「ほら」ぺっ
ココ「何これ!」
カフェ「見たまんま、光る白い石よ」
ココ「すごーい!」きらきら
カフェ「月明かりで光るの」
ココ「はっ!い、いらないもん!」ころん
カフェ「そう」ぺたん
ココ「……ねえ」
カフェ「うん?」うとうと
ココ「人間って美味しいの?」
カフェ「おまじないでご馳走に変えるから、ね」
ココ「どうして食べるの?」
カフェ「何だかね、そうしないといけない気がするの」
ココ「意味わからない」
カフェ「人を誘っては食べての繰り返しさあ!にゃあああ!!」とびつき
ココ「わあああ!!」びくっ!
カフェ「ふっふっふっ」くすくす
ココ「大嫌い!」べしっ!
カフェ「にゃ!ぶつことないでしょう!」
ココ「僕を長いこと閉じ込めたでしょう!」
カフェ「でもあたしは罰として、一度かまどで焼かれたんだよ!」
ココ「……そっか」
カフェ(納得するんだ)
ココ「…………」ぺらり
カフェ「あー不便だわ。この生活」くねくね
ココ「あーもう!!」パタム!
カフェ「びっくりしたわね。何よ急に」
ココ「読んで!」
カフェ「にゃ?」
ココ「字、あんまり読めないの」
カフェ「そうなの」
ココ「うん」
カフェ「仕様のない。ほら、見せてごらんなさい」
ココ「この話を読んで」
カフェ「子ヤギと七匹のオオカミ」
花畑が広がる野原にある豪邸の前に、お母さんヤギと子ヤギがいました。
お母さんヤギは子ヤギに念を押して、こう言いました。
「いい?オオカミがいるから、戸締まりしっかりね。オオカミはガラガラ声に黒い足が特徴だから、十分気を付けるのよ」
子ヤギは適当に返事を返すと、お母さんヤギを見送り、戸締まりを終えたら、日課の筋肉トレーニングを始めました。
こんこん。
子ヤギがふくらはぎを鍛えていると、ドアがノックされました。
子ヤギはお母さんかと問いかけます。
「私私。お母さんよ、だから開けて下さいな」
あ、これはオオカミによる私私詐欺だなと。
子ヤギはすぐに閃いて、こう返しました。
子やぎ「ママの、風の口笛の様な清らかで美しい声には、ふんっ、まだまだだね」
オオカミはカチンときて、チョーク(炭酸カルシウムだけど真似しちゃやーよ)を買ってきて飲むと、声を清らかにしました。
「エンダアアアアア!!」
しかし酔いしれて調子に乗ったことと、ドアについている小窓にかかった黒い前足が見えたことで、子ヤギはオオカミだろと尻を叩いて挑発すると、腹筋のトレーニングを始めました。
カフェ「おもしろい?」
ココ「うん」
オオカミは町にでかけ、パン屋のおばさんを脅すと、前足にパン生地をつけてもらい、さらに小麦粉をふるいかけてもらいました。
こんこん。
子ヤギはオオカミのしつこさに呆れながらも、一応問いかけてあげました。
「お母さん?」
「ええ。私よ」
小窓にかかる白い足。
子やぎはそれを見てお母さんだと喜び、ついにドアを開けてしまいました。
するとそこには、七匹のオオカミが待ち受けていました。
「子ヤギ相手にオオカミが七匹か。いいだろう、来い」
一匹目を上腕二頭筋で締め上げ撃破。
二匹目をふくらはぎを使った全力の蹴りで撃破。
三匹目を顎を粉砕して撃破。
四匹目を岩に叩きつけ撃破。
五匹目を両目とも目潰しで撃破。
六匹目を両耳とも鼓膜破りで撃破。
七匹目を手刀で切り裂き撃破。
子ヤギはたった一人で、あっという間にオオカミ達を殲滅しました。
「パァフェクトバディ」
そして、オオカミ達の腹を裂いて石を限界まで詰めると、残らず湖に沈めました。
帰ってきたお母さんヤギと子ヤギは一緒に。
「やったやった!ざまあみろ!」
と、喜び踊りましたとさ。
カフェ「ひどい話ね……」ぱたむ
ココ「ん……」うとうと
カフェ「お姉ちゃんが帰ってくるまで寝てなさい」ぽふぽふ
ココ「食べないでね……」うとうと
カフェ「かぷ」
ココ「すー……すー……」すやすや
カフェ「はぁ……あたしは何をやっているのかしらね」
今夜は満月。
カフェはそれを見て、何だか懐かしく切ない気持ちになりました。
カフェ「あたしは一体、何者なの?」くびかしげ
チト「ただいまー」
カフェ「しっー」ととと
チト「あら、出迎えとはご苦労」
カフェ「ココ、寝てるわよ」
チト「何もしてないでしょうね?」
カフェ「少し味見したわ」
チト「待てババア!」
カフェ「待ちませんよ」たたっ!
チト「ちいっ!見つけたらゲロマズスープにしてやる、そんで食わずに便所に捨ててやるからな。ったく」ブツブツ
ココ「チト……?」ねむねむ
チト「ごめんね。いつも遅くなって」なでなで
ココ「ううん。今日もお疲れ様」
チト「ありがとう!ココ大好き!」ぎゅ
ココ「僕も大好きだよ、お姉ちゃん!」ぎゅ
カフェ「大好き……」
チト「さ、夕飯にしましょう」
ココ「うん!」
チト「ババア、いい加減に出てきなさい!夕食を作るよ!」
カフェ「今夜は何が食べたい?」ひょこ
チト「ありがたいことに、鳥をまるまる一羽貰ったから、これを美味しく調理する方法を教えなさい」
カフェ「はいはい」
チト「はいは一回」いら
カフェ「はーーーーーい」
チト「ムっカつくー……!」いらいら
カフェ「ふんっ」
これからはもう少し、仲良くやっていけるのかな。
続け!
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