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均等な真と嘘

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神父「カルポス。子供達がいない間にさっさと話を付けよう」

カルポス「どうして、あの子達をここへ連れて来たの。招待したのはあなただけよ」

神父「勉強させるためだ」

カルポス「勉強ね。あの子達は噂によると優秀に働いているらしいじゃない」

神父「優等生、自慢のファミリーだよ」

カルポス「でも、あんなにも幼い子供を戦場へ送り出すなんて教会も腐ったものね」

神父「私も些か同感に思う。が、違和感がある」

カルポス「まるで神様に導かれた天使ね」

神父「君は、神は実在すると思うか?」

カルポス「エイリアンのことでしょう。いるよ」

神父「同胞であろうヒューメイリアンは話が出来るのか?」

カルポス「出来る人もいるみたいね。悪い噂とは違って、挨拶や世間話程度みたいよ」

神父「では」

カルポス「この世界に干渉はほとんどしていない、らしい」

神父「なら誰だ。誰が黒幕なんだ」

カルポス「さあ?でも、私じゃないよ」

神父「知っているのか」

カルポス「私が平等や公平が好きなのを知っているでしょう」

神父「一つだけ教えてくれ。奴らの目的は何だ。捕らえても記憶が消されて情報が全く手に入らない。数も減ることなく、正直言って手詰まりだ」

カルポス「簡単なのに分からないの。相変わらずね」

神父「分からないから聞いている」

カルポス「いいよ、簡単な答を教えてあげる。肉体の究極化、精神の究極化、そして善悪を均等に備えた究極の知恵。これら三つを揃えることよ」

神父「その果てにあるのは、人類の進化」

カルポス「それは違う。人間の進化よ」

神父「分かった、ありがとう。何か必要なことはあるかね」

カルポス「あの子達とこれから一日過ごせるなら、それで十分よ」

神父「神に誓って嘘はないだろうね」

カルポス「ない。私は男に嘘はつかないもん」

神父「そうだったね」

カルポス「お昼はまだでしょう?」

神父「うん。出来たら連絡してくれ」

カルポス「嫌いなものはある?」

神父「特にない。何でもよく食べるいい子達だよ」

カルポス「よく知っているのね」

神父「あの子達の親ほどじゃない。親の代わりなど私にはとても……」

カルポス「親はどうしているの?」

神父「我慢強く祈っている、てところだろうか。教会とファミリーが誰にも厚く信頼されているからこそ、心苦しくも耐えて任せられるのだろう」

カルポス「なら、親代わりなんてとても……とかダサいこと言わないの」

神父「ダサくないしカッコつけてないし」

カルポス「凄くカッコつけた顔で俯いていたじゃない」

神父「カッコつけてないって言ってるだろう!」

カルポス「おほほ。ま、とにかく頑張んなさいよ」

神父「十分に頑張ってるもん。ぷんぷんだ」

カルポス「あなたがそうやってふざける時は、だいたい心が限界って時でしょう。今も覚えているよ」

神父「ふん、知ったようなことを。いいかそれだけじゃないぞ。今は、あの子達を笑わせる為にふざけることだってある」

カルポス「なんと。あのプライドレオンと呼ばれたキザ男が」

神父「その名前で呼ぶんじゃない。恥ずかしいから普通に名前を呼んでくれ」

カルポス「ジョン太郎。行ってらっしゃい」

神父「あの子達の前では呼ぶんじゃないぞ。絶対だぞ。フリじゃないからね」

カルポス「もういい。とっと消えて」

神父「くうん……」
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