今日イチゴ明日ミルク明後日ココア

旭ガ丘ひつじ

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生きるオアシス

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ミルク「あっという間に到着したね」

イチゴ「あっつーい!」

ココア「日差しはギンギラ空気はカラカラの灼熱地獄です。ユーエフオーから降りたくないくらい」

イチゴ「砂もあっつーい!」

ココア「どうして素手で触るのですか。火傷しても知りませんよ」

ミルク「本当に熱すぎる。着物から着替えて良かった」

ココア「本当に。ローブでは、この暑さは耐えられません」

イチゴ「二人とも着替えてズルいぞ」

ミルク「イチゴは鎧だから仕方ないじゃん。というか反射が眩しい」

イチゴ「はよ森に入ろうっと」

ココア「ちょっと待ってください」

イチゴ「何じゃ」

ココア「反射が眩しい!」

イチゴ「何?」

ココア「足下を見てください。森の入り口から砂に苔みたいなのが生えています」

イチゴ「本当じゃ」

ココア「冷たい……ひんやりしています」

ミルク「それも持って帰ろう」

ココア「分かりました」

イチゴ「じゃ行くぞ。二人はブラウニーに乗って出発じゃ」

ブラ「ぶりゅりゅ!」

ミルク「暑くない?」

ブラ「ぶぴ!」

ミルク「暑さにやられないよう木陰を進もうね」

ココア「ほとんど木陰ですよ。信じられないくらい生い茂っています」

イチゴ「はあー涼しー」

ミルク「イチゴ、色んな植物を拾ってね」

イチゴ「任せとけ!」

ココア「トゲ等に気を付けてください。それと、くれぐれも色の派手な、それ!触らない!」

イチゴ「分かった。緑のやつだけ採るけえ」

ココア「あーびっくりした……毒があるかも知れませんからね」

イチゴ「グローブしちょるけ平気じゃ」

ココア「毒液を飛ばすタイプもあるかも知れません」

イチゴ「わしもブラウニーに乗せてくれ」

ココア「だめです」

イチゴ「嫌じゃ!二人だけズルいぞ!わしだけ毒でお腹を壊したくない!」

ココア「お腹を壊すどころか死んじゃいます」

イチゴ「嫌じゃー!わしゃあまだ死にとうない!」

ミルク「やめなよ。意地悪はだめだよ」

イチゴ「ミルク!」

ミルク「よっと。やっぱり私も採取を手伝うよ。この手袋を使ってね」

イチゴ「ありがとう。ええ友達じゃ」

ミルク「えへへ、照れるよ」

ココア「これでは、まるで私が悪者みたいです」

イチゴ「おまんも手伝うんけ」

ココア「ええ」

ミルク「よし、じゃあ三人で頑張ろう」

イチゴ「おー!」

ココア「見てください。あれバナナですよ」

イチゴ「食うてええか!」

ココア「やめておきなさい」

ミルク「果物がたくさん成ってるね」

ココア「オアシスの中心にある湖に近付いているのでしょうか」

イチゴ「採ってええ?」

ミルク「採るのはいいよ」

イチゴ「色は緑のけ?」

ココア「黄色でいいでしょう。あら?」

ミルク「どうしたの?」

ココア「見てください。かじった痕跡があります」

ミルク「注意書きの人影が絶対いるじゃん!黒魔術師かアンデットかユーマか知らないけど!」

ココア「この歯形から見て、どうやら人のようです」

イチゴ「持って帰ろう」

ミルク「いいよ。病気が広がりそうだし」

イチゴ「病気じゃと!逃げろ!」

ミルク「あ!待って!」

ココア「二人とも無闇に走ってはいけません!」

ブラ「ぶりぶりぶりゅりゅりゅぶぶっぶうー!!」

イチゴ「ストップ」

ミルク「あ、湖だ」

ココア「はあ……はあ……このバカコンビ」

ミルク「遅かったね」

ココア「おまえ」

ミルク「そこの木陰でお昼にしない?」

イチゴ「やった!お楽しみの時間じゃ!」

ココア「そうしましょう。一休みしたいです」

イチゴ「そうじゃ。ちょうどええ。湖の水で顔と手を洗おう」

ココア「バカ!危ないからやめなさい!」

イチゴ「こんなに透明で綺麗じゃぞ」

ブラ「んくんくんくんく……!」

ミルク「ちょー飲んでるよ」

ココア「ウンコは別」

イチゴ「ウンコ言ったな」

ココア「ファミリアは人とは違いますので。とにかく、湖の水と周辺の砂は私が採取しますので、二人は先に木陰に行ってください」

ミルク「分かった。お昼の準備して待ってるね」
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