上 下
28 / 115

シャンペンタワーでバリアゲ

しおりを挟む
イチゴ「神父さん、カレーがあって良かったのう」

神父「他にも美味しそうな料理が並んでいて、お酒も豊富だし、つい大人げなくはしゃいでおります。てへぺろこっつん」

ココア「ちょっとキモイかも」

神父「ええー別にいいじゃん」

ミルク「ちょーテンション上がってる」

ココア「酔ってるのでしょう。そっとしておきましょう」

ミルク「イチゴのお皿は、お肉料理ばっかりだね」

イチゴ「好きなもん腹いっぱい食う店じゃけえ」

ミルク「私はラーメンに麻婆豆腐を入れてみた。あとは煮物が美味しそうだったから」

ココア「ミルクはアレンジ派ですか」

ミルク「麻婆ラーメン美味しいよ。一口食べてみる?」

イチゴ「くれ!」

ミルク「やだ」

イチゴ「何でじゃ!初めて会ったあの日、マックでお昼ごはん食べた時もそうじゃった!」

ミルク「もしかして根に持つタイプなの。ちゃんとあげるから、はいどうぞ」

ココア「イチゴ。食事の時は、少し静かにお願いします」

イチゴ「ココアはベジタブルじゃのう」

ココア「私は栄養をしっかり考えて、パスタとサラダを選びました。スープは美容にいいフカヒレです」

イチゴ「さすがお嬢様じゃ。育ちがええ」

ココア「黙れ」

ミルク「もしかして。ココアは、お嬢様って言われるの嫌いなの?」

ココア「大嫌い。私は、みんなと同じように自由に生きる、そう決めて家を出ました」

イチゴ「じゃあ、今日こそ好きなもん自由に食えばええ。せっかく色々あるのじゃけえ」

ココア「けど、お肉料理ばっかりですし」

ミルク「煮物は野菜も魚もあるよ。この筑前煮ならどうかな、ゴボウあげる」

ココア「和食はあまり食べたことなくて」

イチゴ「うまいから食うてみい」

ココア「あむ……美味しい」

ミルク「良かった。あとで、他の煮物料理も食べてみるといいよ」

ココア「うん。そうします」

イチゴ「そうじゃ。自由に生きたきゃ今度ホストの兄ちゃんに会わせちゃる」

神父「ホストの兄ちゃん!?」

ココア「ホストって、ホストクラブで働くハンサムボーイのことでしょう。ホストクラブは大人しか入れないお店です」

神父「よく知っていますね。そう、子供が行ってはいけません」

イチゴ「ホストクラブにはいかんよ。知り合いにホストの兄ちゃんがおるけ」

ミルク「ネオン街出身だもんね」

イチゴ「わしの通ってた新ルモンド幼稚園はホストが先生じゃったけえのう」

ミルク「それはおかしい」

イチゴ「わしに社会の厳しさを教えてくれたのもホストの兄ちゃん達じゃ」

ココア「その性格とか言葉とか全部ホストの兄ちゃんの影響ですか。納得しました」

イチゴ「お昼ごはんは、よう盛り上がってのう。牛乳タワーとか好きじゃった。みんな元気しとったらええけど」

ミルク「五才で何言ってるの」

ココア「幼稚園を離れて一ヶ月も経ってないでしょう」

イチゴ「神父さん、ワイングラス持って」

神父「え?なに?」

イチゴ「グイグイ飲んで!イケイケ飲んじゃって!でも一気はダメよ飲み過ぎも注意!それバリアゲふうふう!」

ココア「恥ずかしいからやめなさい!」

イチゴ「一緒に手拍子やってくれ」

ココア「やるわけないでしょう!」

イチゴ「わしゃあ苦手な牛乳を飲まされる時、いつもこんな風にして乗せられたものじゃ。まあ、正直たのしかった」

ココア「知るか!」

ミルク「やめて。みんな見てるから、二人とも大声出さないで」

イチゴ「ごめんなさい」

神父「落ち着いてご飯を食べなさい。この美しい景色も楽しんで」

イチゴ「ほんま美しいのう」

ミルク「この景色を見てると、アンデットがいるなんて嘘みたいに思う。ここには、どうして襲ってこないのかな」

ココア「人の暮らす都市は高いところにあり、都市を守るセイントタワーだってあります。襲ってくることはありません。ここならいつまでも平和でしょう」

イチゴ「アンデットがいなくなって、世界に争いのない明日が来ればいいのにね」

ミルク「急に大人になった」

イチゴ「平和にルネサンス」

神父「乾杯。あなた達に神の御加護がありますように」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

異世界楽々通販サバイバル

shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。 近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。 そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。 そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。 しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。 「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」

【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!

宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。 そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。 慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。 貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。 しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。 〰️ 〰️ 〰️ 中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。 完結しました。いつもありがとうございます!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

精霊のジレンマ

さんが
ファンタジー
普通の社会人だったはずだが、気が付けば異世界にいた。アシスという精霊と魔法が存在する世界。しかし異世界転移した、瞬間に消滅しそうになる。存在を否定されるかのように。 そこに精霊が自らを犠牲にして、主人公の命を助ける。居ても居なくても変わらない、誰も覚えてもいない存在。でも、何故か精霊達が助けてくれる。 自分の存在とは何なんだ? 主人公と精霊達や仲間達との旅で、この世界の隠された秘密が解き明かされていく。 小説家になろうでも投稿しています。また閑話も投稿していますので興味ある方は、そちらも宜しくお願いします。

水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?

ラララキヲ
ファンタジー
 わたくしは出来損ない。  誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。  それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。  水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。  そんなわたくしでも期待されている事がある。  それは『子を生むこと』。  血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……  政略結婚で決められた婚約者。  そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。  婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……  しかし……──  そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。  前世の記憶、前世の知識……  わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……  水魔法しか使えない出来損ない……  でも水は使える……  水……水分……液体…………  あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?  そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──   【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】 【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】 【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

ちょいダン? ~仕事帰り、ちょいとダンジョンに寄っていかない?~

テツみン
SF
東京、大手町の地下に突如現れたダンジョン。通称、『ちょいダン』。そこは、仕事帰りに『ちょい』と冒険を楽しむ場所。 大手町周辺の企業で働く若手サラリーマンたちが『ダンジョン』という娯楽を手に入れ、新たなライフスタイルを生み出していく―― これは、そんな日々を綴った物語。

超能力者の私生活

盛り塩
SF
超能力少女達の異能力バトル物語。ギャグ・グロ注意です。 超能力の暴走によって生まれる怪物『ベヒモス』 過去、これに両親を殺された主人公『宝塚女優』(ヒロインと読む)は、超能力者を集め訓練する国家組織『JPA』(日本神術協会)にスカウトされ、そこで出会った仲間達と供に、宿敵ベヒモスとの戦いや能力の真相について究明していく物語です。 ※カクヨムにて先行投降しております。

処理中です...