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両想い
20 イベントクエスト!
しおりを挟む外へはイベントステーションから、そのまま出ることができる
もちろん窒息しないので御安心
親父はゾウの鼻でスズメの娘を器用に抱いて、慣れない四足歩行で不安定に跳ねる
誠清、体が浮いて歩きにくいぞう
「重力が軽い」から仕方ない
重力のない惑星にいけば、人間の姿で自由に飛べるぞ
え!マジ!
行きたい!
反応したのは娘の方だった
親父と一緒に行く約束を交わす
そんな風に仲良く散歩して、妙ちくりんの変ちくりんを発見
コタツからタコ足配線らしくコードが八本飛び出している
お兄ちゃん
何か変なのいる
あれがイベントモンスターだよ
近付くと説明が目の前に出る
E.T.CAT と書いて エチキャット
突如ブラックホールから現れ、惑星エクスペリオンを支配するネコツキ
謎の電波を発信して彗星を呼び寄せ、それを食べて活動エネルギーを得る
とても攻撃的で、敵を見つけるとコードの先にあるプラグからエネルギーの結晶体を発射する
それを跳ね返してやっつけよう
分かったぞう!
親父は大人だから納得するのが早い
元気よく一人お返事して、子供たちに意見を求めずバトルスタートのアイコンを鼻でタッチしてしまった
すると、さっそく反応したエチキャットがニューとコードを伸ばして立ち上がる
親父!くるぞ!
息子は注意して、親父の後ろに下がった
親父と妹がどう対処するのか、まずは観察する
あっぶねえな!
避けんなっ!
悪い悪い
そんなにガオーて怒鳴んなや
恐いぞう
息子の怒声はシステムによってガオーと変換された
親父はいつもの癖が出たのか、向かってきたハンドボール級のエネルギー結晶体を命中する直前に綺麗に回避した
その結果、後ろにいた息子に、あわや命中するところだったのである
ここで娘の綾羽が翼を広げて飛び立った
直接、つっついてやろうという考えだろう
でも残念
あれ?効いてない
そりゃそうだ
コタツは固いからな
は?なにそれ
これは今までの戦闘とは違う
オマケの遊びなんだよ
跳ね返すしかないってこと?
そういうこと
親父が鼻を使って見事に返してみせる
どうだ、と言わんばかりの表情でこちらを振り返るが子供たちに反応はない
誠清も手伝え
三人で協力してやっつけるぞう
うーい
ゾウは鼻を使い、スズメは足で蹴って、ティーレックスは尻尾で跳ね返す
エチキャットは六発目が当たると、くるんと、ひっくり返った
露わになったコタツの中には毛のない猫がいて、驚いた顔をした後、無限の彼方へ光速で行ってしまった
それから、コタツは結晶化して粉々になり親父の体へ吸い込まれた
親父の驚愕の声はシステムによってパオーンという鳴き声に変換される
え!何!?
いちいち怯えるなよ面白いから
息子はつい本音を漏らしてしまい、咳払いをして誤魔化す
妹が爆笑して、その笑い声がシステムによって変換され、チヨチヨ鳴いているのは無視する
親父がリーダーだからポイントが吸収されたんだ
結晶集めがルールだって説明を、さっきイベントステーションで聞いただろう
ああ、そうだったな
それにしても体に入ってくるからびっくりしたぞう
語尾まで、ちょいちょいゾウさん化しているのが鬱陶しいが気にしない
引き続き散歩と討伐を繰り返す
しばらくして、あるものを発見した
お兄ちゃん
何か綺麗なのある
あれはラッキーボーナス
近付くと説明が目の前に出る
ラッキー!
これはエチキャットの電波に引き寄せられて落下した彗星です
彼らがやって来て食べてしまう前に砕いてしまいましょう
分かったぞう!
それはもういい
いちいち返事しなくていい
文句は口に出さないのが他人と円満に関わる秘訣
親父はキラキラレインボー結晶を、上体を持ち上げて体重を乗せた前足の一撃で粉々に踏み砕いた
バラバラにはなったが、まだ細かく砕く必要があるようだ
残りはスズメがつっついて、ティーレックスがふみふみしてあげた
おお!たくさんポイントが入ったぞう!
着ぐるみ入手まで、まだ遠いけど
一時間もあればいけるだろ
よーし!
あと一時間がんばるぞう!
おー
娘は飽きていた
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