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両想い
2 ヒロイン登場!
しおりを挟む親父と合流する少し前
お兄ちゃん
何?
自室でゲームを始めようとしていたところノックがあって、少しだけ開いた扉から妹が顔を覗かせた
相談がある
うん、で?
あのね、、、
お好み焼きとたこ焼きを食べ終えて、二人はフェアリーテイルという新世界へ転移した
ここはファンタジーな冒険が楽しめる世界で、メルヘンだけでなくダークな場所もある
また、武器は魔法に関するものがやはり多い
なんだこの童話みたいな町は!
桜桃は目を輝かせて意外な反応を見せた
親父はこういうものをあまり好まないだろう、と息子は思っていたので面食らった
妖精の都、フェアリーランド
現実世界で例えるならデンマークのような町
淡い色の木組みの家、石畳の道路、そして背の低い風車、何より蝶みたく飛び交う妖精が大人気
いいところだなあ
うん
こういう場所に住んでみたいもんだ
お母さんも、綾羽だって喜ぶだろう
いや、どうかな?
何でだ
あいつ今生意気だし
はあ?なにそれ
ムカつく
二人の背後から怒りの声が聞こえた
驚いた桜桃が振り返ると、ローブを着た髪の短い三白眼の少女がこちらを睨んでいた
もう来たのか
早かったな
息子は彼女が誰か知っているようだ
桜桃は息子に耳こすり
お前の彼女か?
は?バカじゃねーの
バカとは何だ!
「綾羽だよ」
え!
その名は誠清の妹
つまり孝一の一人娘の名前になる
まさか
そんなことって
綾羽なのか?
うん、そうだよ
久しぶりーお父ちゃん
お父ちゃんと呼んでくれたが、その声はどこか冷たい
態度もよそよそしい
数年越しに再会したからだろうか
しかし気が付けば、親父は娘に飛びついていた
ひでぶっ!
が、システムによってハグは弾かれて失敗
親父は強かに尻を打つ
何やってんの
バカじゃないの
キツイ三白眼で見下し嘲笑う娘
二人の悪態にお父さんは我慢の限界なんだぞ
お前までバカとは何だ!
お父さんはな!久しぶりに会えて、すっごく嬉しいんだ!
その場に座ったまま、まるで駄々をこねる子供のように怒る父
それは分かるけど、、、
対してドン引きする娘
綾羽は中学生になったんだから仕方ない
もう小学生じゃないんだよ
一方で息子がフォロー
親父は納得して立ち上がった
二人は大人の階段を上っている
幼いばかりではないのだ
お父さんが悪かった
でも、本当に嬉しいんだ
うん、それは分かるけど
抱きつかれるのは昔から好きじゃなかった
え!
だって力強いし、親父臭いし
はっはっはっ!
息子が大爆笑する
お父さんはすっごく傷ついたんだぞ、、、
そんな落ち込むことないじゃんもー
女の子なんだから、お父ちゃんにハグされるとか誰だって嫌なもんだよ
ああ、そうか
そりゃそうだな
俺が悪かった
もうしない
気まずい沈黙がおりる
とても親子が感動の再会を果たした雰囲気ではない
周りはみんな楽しそうで、孤独感と息苦しさが増す
ゲームしよ
そう言って手を引いてくれたのは娘だ
娘と息子の違いはこういう場合に見られる
気持ちの切り替えが早く、気が利くのだ
それが嘘誠どちらであろうとも
親父はすっかり機嫌を直した
ようし!さっそく最初のミステリースポットに行こう!
いや、その前に親父の武器を新調する
魔法の剣を使ってみたくない?
おお、、、魔法の剣か、、、!
使ってみたいだろ
敵がちょっと手強いけど、俺も綾羽もいるし何とかなるだろ
よし、それじゃあ案内してくれや
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