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旅立ち
14 親子喧嘩?
しおりを挟む息子の誠清と合流したのは昼過ぎだった
ネコツキを食い止める関所の役割を果たす特別区の要、あたらし団子町で待ち合わせた
役所の前に立派で精巧な三色団子の像が町のシンボルとして飾られている
上から順に桃白緑、それぞれ勇気希望平和を表している
そこに、慎ましく淡い桜模様をあしらったワンピースが似合う美少女が立っていた
おめかし桜桃だ
息子を見つけるや途端に笑顔になって、大きく手を振って迎えた
対して銀髪の長髪とヤンチャ盛りの息子は大いに憤った
なるほど、全くその気のない親父が柄になく女装に本気を出して待ち構えていれば息子としては複雑なものである
が、ここは心を鬼にしてあえてハッキリ言おう
マジでキッツいからやめて
桜桃は口を尖らせ不満を湛えた上目で抗議する
息子は許さなかった
お前の為にお洒落したんだぞ、、、
うっせえわ
仕方ないので見た目の装備を変える
便利な機能があるもので、戦い用の装備と見た目の衣装を分けて自由に変更できる
ということで、いつもの警備服に落ち着いた
それから心機一転
関所を抜けて峡谷を進むこと五分ほど
険しい崖に挟まれたそこに、ネコツキの大群による襲撃を受けて廃墟となってしまった小さな村がある
そこは現在や自然に飲まれて神秘的な空気で満たされていた
しかし小花に心浮かれる間もなく奴と対峙することになった
中ボスのチュチュリップだ
巨大なチューリップのネコツキで、花の部分だけが崩れた民家の中にあり、こいつの子分である小さなチュリップが地面からわらわら湧いてくる
見た目はチューリップに「根っこのねこ尾」の生えた植物のモンスターで、可愛いふりしてハードな攻撃を仕掛けてくる
想像してほしい
可愛いチューリップがキスをせがむように点の目を閉じて線の唇を尖らせてひょこひょこ跳ねてきて自爆する
ワイルドだろう
だが攻略は難しくない
爆発する前に投げてやればいい
それもきちんと親玉チュチュリップの花の中へ玉入れと同じに投げ入れる
なお、親玉は近付き過ぎると棘のある触手を生やして鞭打ってくるので注意が必要だ
綺麗な花にも棘がある
ごらん
桜桃のように弄ばれてしまう
こけつまろびつころころりん
笑ってはいけない戦闘は既に始まっている
親父がキレると怠いのだ
助けてくれや!
桜桃が半ギレで叫ぶ
しかしそう言われても、息子はなるだけ手伝わないことを約束していた
Dランクのバーストショットというレーザーライフルで触手をたまーに撃って退けたり、合間にチュチュリップを投げている
誤ってチュチュリップを親父の側で爆破してしまった時は焦った
イジメや嫌がらせ防止を理由に味方にダメージがいくことはない
でもびっくりしちゃう
そんなこんなで親父が度々怒鳴るので、息子も段々とイライラしてきた
明滅するチュリップをチュチュリップの中に放り込むのはまあまあ難しい
よりにもよってバスケゴール級に高い
そこへ向けてチュリップを片手でぶん投げる
ある程度は自動誘導補助プログラムによって軌道修正がされるが、それでも惜しいことが多い
ちなみにチュリップは手に持つと尾を引っ込めて花だけになる
すやすや顔がかわいいと評判
倒した
長かった
本当に疲れた
「でも、よく頑張った!お疲れさん」
桜桃は文句を言いながらも最後には息子の活躍を褒めてくれた
壁の壊れた民家の中にソファーがあったので、そこを借りて休むことにした
ポニーテールの美少女の隣へ長身銀髪長髪の青年が居並ぶ
これ飲めや
何これ
お父さんが作った特製のピーニャジュースだ
しばらく疲れなくて状態異常にもならんらしい
なら戦う前にくれよ
はっはっは!忘れてた!
よしじゃあボスと戦う前に飲もう
次は何
お父さん特製イチゴジュースだ
特別な効果はないけど回復薬みたいに少し体力が回復するぞ
いらない
そう言わずに飲めや
せっかくお父さんが畑で育てた苺なんだぞ
ちっ
舌打ちするな
分かった
飲む飲む飲むから
どうだ美味いか
ちっ美味いよ
いちいち舌打ちするな
お前は本当に、、、くどくど、、、
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