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第45話【救いの手】
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私は自分の目を、耳を疑った。
これは私の願望が見せる幻覚なのではないかと。
しかし、確かに目の前には、以前私を守ると誓いを立てた兵士が、クロムが立っている。
今は後ろ姿しか見えないが、見間違うはずもない。
「なんだァ? テメェはァ。おもしれェ……おもしれェよゥ‼︎ 俺はこんなにおもしれェのは始めてたァァ‼︎」
暴れ牛はクロムを見つめながら、口角を広げた。
私はその姿に身震いしてしまう。
「はっ! 俺は大事な聖女様をこんなにも怖がらせたお前に怒り心頭なんだよ! 遊びたいんなら他所へ行きな!」
「ハハァ‼︎ 戦場ほど遊びに適した場所はねェよォ! こんなおもしれェやつと出会えるんだからよォ‼︎」
言い切る前に、暴れ牛はその場から飛ぶように前進し、クロムに向かって曲刀を振るった。
剣をすでに構えていたクロムは、それを安定した動きで受け止め、さらに剣を滑らせ暴れ牛の態勢を崩す。
「はぁ!」
横に流れた暴れ牛の頭上から、クロムの振り下ろしが襲う。
暴れ牛はまるで曲芸の様に曲刀を持った腕をくねらせ、刃の腹でクロムの一撃を受け止めた。
その後も攻防が続き、少しずつお互いの身体に細かい傷が増えていく。
戦闘に詳しくない私だが、どちらが優勢かは明らかだった。
「どうした? さっきの威勢はもうお終いか?」
「ウルセェよォ! テメェ、ちょっと調子に乗ってるんじゃねェの⁉︎」
クロムの挑発に暴れ牛が大振りの一撃を放つ。
素早く身体を後退させ、ギリギリでその攻撃を交わし、お返しとばかりに剣を横に払った。
「グゥゥ‼︎」
出会ってから初めて、暴れ牛が苦しそうな声を漏らす。
深くついた傷からは、大量の黒い液体が流れ出していた。
「これで! 終わりだ‼︎」
勝機と見たクロムは、自分が同じ轍を踏まぬよう、細かく正確な連撃を放った。
暴れ牛の体の至るところに、小さくない傷がついていく。
「ウゼェ! ウゼェよォ‼︎」
「……⁉︎」
突然叫んだ暴れ牛の目が赤く染まり、それと同時に、身体を上から地面へと押し付ける見えない力が生じた。
動けないほどではないが、身体の動きを強く制限される、そんな力だ。
「くっ! 魔呪か!」
「クロム! 待って! すぐに解呪を‼︎」
魔族は個体数が極端に少ない代わりに、魔獣にはない力を使う。
元々の個体能力が高いことに加えて、魔呪という、呪いを相手に付与するのだ。
魔族にも格があるらしく、使える魔呪にも差異がある。
今受けた魔呪は、恐らく【鈍重】。
呪いを受けた者の身体を極端に重くさせるものだ。
一緒に呪いを受けた私には分かる。
この呪いを受けたまま、暴れ牛と戦えば、クロムに勝ち目などないだろう。
私は一刻も早く、クロムの呪いを解かなければと、解呪の魔法を唱えようとした。
しかし、暴れ牛は、それを理解していた。
「かはっ‼︎」
身体に今まで感じたとこのない衝撃を受け、私は吹き飛ばされ、そのまま地面に打ち付けられる。
どこが痛いのかすら分からない激痛に、呼吸をするのすら困難になってしまった。
腹部を一度触った手を目線まで持ってくると、真っ赤な血で濡れていた。
「テメェは後だァ。一気に殺したらおもしろくねェからよォ」
「聖女様‼︎ 貴様ぁ‼︎」
ボヤけた視界の中でクロムががむしゃらに剣を振るっているのが見えた。
しかし、先ほどの精細さは消え失せ、素人の私が分かるほどに動きが鈍い。
「ハハァ! 結局ゥ! 俺が一番強えェんだよォ‼︎」
暴れ牛はクロムの攻撃を全て弾き返し、さらに自由に動けなくなってしまったクロムを曲刀で斬りつける。
初めはなんとか防いでいたものの、徐々に捌ききれなくなり、身体にいくつも大きな傷を負う。
「オラァ‼︎」
「ぐはっ‼︎」
トドメとばかりに振った暴れ牛の攻撃に、クロムは吹き飛ばされ、口から鮮血を吐き出した。
内臓に大きな損傷を受けたのだろう。
「くそっ! 聖女様は! 聖女様だけは……!」
クロムが必死に腕で身体を起こそうとしながら、私に向かって叫ぶ。
今までの攻撃を受け、私なんか比べ物にならない怪我を負っているはずなのに、未だに私の身の安全を気にしてくれている。
それを見た暴れ牛は、クロムを嘲るような言葉を投げかけた。
「なんだァ? もしかして、テメェ、コイツのことがァ、好きなのかァ? アッハッハッハッハァァ‼︎ バカかァ? 戦場に恋愛感情持ち込むなんてよォ!」
暴れ牛は面白そうにクロムと私を交互に見てから、さらにクロムに言う。
「それじゃあァよォ。俺をこれだけ楽しませてくれたテメェにィ、プレゼントをやるぜェ。テメェより先にコイツをォ、なぶり殺しにしてやるからよォ」
「や……やめろ……‼︎」
「ハハァ! 弱ェテメェが悪いんだよォ。やめてほしかったらァ、力づくで止めるんだなァ‼︎」
「やめろー‼︎」
クロムは叫び声をまるで楽しむように、暴れ牛はゆっくりと私の方へと近づいてくる。
私の身体に暴れ牛の持つ曲刀が届くのも時間の問題だろう。
私は強い怒りを感じていた。
自分自身にだ。
私のせいで、クロムにあんな顔をさせてしまった。
全ての人に安寧を与えたいと願っていたのに。
もちろんそんな理想は荒唐無稽で、私が万能でないということは私が一番よく知っている。
それでも、私は、私の周りにいる人だけでも幸せそうな顔をして欲しいと、本心から願っている。
私は重たくなってしまった腕をクロムのいる方に向け上げる。
「クロム……そんな苦しそうな顔をしないで……あなたには、いつも私に見せてくれるような笑顔でいて欲しいのよ……」
クロムが時間を稼いでくれたおかげで用意することができた魔法を。
治癒と解呪の魔法をかけ合わせた、自分のできる限りの魔法を。
自分自身への怒りと、クロムへの慈しみの心を持って、私はクロムに回復魔法を唱えた。
いつだったか、私の誕生日祝いだとベリル王子がくれたペンダントの中の魔石が音を立てて割れる。
魔法を唱え終えた瞬間、私は自分の意識を手放した。
☆☆☆
いつもお読みいただきありがとうございす!
宣伝させてください。
昨日から、新作の投稿を開始しました。
「千年の眠りから覚めた天才魔道具師は創りたい~冬眠装置に誤って入った私が目覚めたのは、一度文明が滅びた後の未来でした~」
こちらも女主人公の話です。
良かったら、読んでいただき、面白そうだと感じましたら、ぜひぜひお気に入りを押していただけたらと思います。
よろしくお願いしますm(*_ _)m
これは私の願望が見せる幻覚なのではないかと。
しかし、確かに目の前には、以前私を守ると誓いを立てた兵士が、クロムが立っている。
今は後ろ姿しか見えないが、見間違うはずもない。
「なんだァ? テメェはァ。おもしれェ……おもしれェよゥ‼︎ 俺はこんなにおもしれェのは始めてたァァ‼︎」
暴れ牛はクロムを見つめながら、口角を広げた。
私はその姿に身震いしてしまう。
「はっ! 俺は大事な聖女様をこんなにも怖がらせたお前に怒り心頭なんだよ! 遊びたいんなら他所へ行きな!」
「ハハァ‼︎ 戦場ほど遊びに適した場所はねェよォ! こんなおもしれェやつと出会えるんだからよォ‼︎」
言い切る前に、暴れ牛はその場から飛ぶように前進し、クロムに向かって曲刀を振るった。
剣をすでに構えていたクロムは、それを安定した動きで受け止め、さらに剣を滑らせ暴れ牛の態勢を崩す。
「はぁ!」
横に流れた暴れ牛の頭上から、クロムの振り下ろしが襲う。
暴れ牛はまるで曲芸の様に曲刀を持った腕をくねらせ、刃の腹でクロムの一撃を受け止めた。
その後も攻防が続き、少しずつお互いの身体に細かい傷が増えていく。
戦闘に詳しくない私だが、どちらが優勢かは明らかだった。
「どうした? さっきの威勢はもうお終いか?」
「ウルセェよォ! テメェ、ちょっと調子に乗ってるんじゃねェの⁉︎」
クロムの挑発に暴れ牛が大振りの一撃を放つ。
素早く身体を後退させ、ギリギリでその攻撃を交わし、お返しとばかりに剣を横に払った。
「グゥゥ‼︎」
出会ってから初めて、暴れ牛が苦しそうな声を漏らす。
深くついた傷からは、大量の黒い液体が流れ出していた。
「これで! 終わりだ‼︎」
勝機と見たクロムは、自分が同じ轍を踏まぬよう、細かく正確な連撃を放った。
暴れ牛の体の至るところに、小さくない傷がついていく。
「ウゼェ! ウゼェよォ‼︎」
「……⁉︎」
突然叫んだ暴れ牛の目が赤く染まり、それと同時に、身体を上から地面へと押し付ける見えない力が生じた。
動けないほどではないが、身体の動きを強く制限される、そんな力だ。
「くっ! 魔呪か!」
「クロム! 待って! すぐに解呪を‼︎」
魔族は個体数が極端に少ない代わりに、魔獣にはない力を使う。
元々の個体能力が高いことに加えて、魔呪という、呪いを相手に付与するのだ。
魔族にも格があるらしく、使える魔呪にも差異がある。
今受けた魔呪は、恐らく【鈍重】。
呪いを受けた者の身体を極端に重くさせるものだ。
一緒に呪いを受けた私には分かる。
この呪いを受けたまま、暴れ牛と戦えば、クロムに勝ち目などないだろう。
私は一刻も早く、クロムの呪いを解かなければと、解呪の魔法を唱えようとした。
しかし、暴れ牛は、それを理解していた。
「かはっ‼︎」
身体に今まで感じたとこのない衝撃を受け、私は吹き飛ばされ、そのまま地面に打ち付けられる。
どこが痛いのかすら分からない激痛に、呼吸をするのすら困難になってしまった。
腹部を一度触った手を目線まで持ってくると、真っ赤な血で濡れていた。
「テメェは後だァ。一気に殺したらおもしろくねェからよォ」
「聖女様‼︎ 貴様ぁ‼︎」
ボヤけた視界の中でクロムががむしゃらに剣を振るっているのが見えた。
しかし、先ほどの精細さは消え失せ、素人の私が分かるほどに動きが鈍い。
「ハハァ! 結局ゥ! 俺が一番強えェんだよォ‼︎」
暴れ牛はクロムの攻撃を全て弾き返し、さらに自由に動けなくなってしまったクロムを曲刀で斬りつける。
初めはなんとか防いでいたものの、徐々に捌ききれなくなり、身体にいくつも大きな傷を負う。
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「ぐはっ‼︎」
トドメとばかりに振った暴れ牛の攻撃に、クロムは吹き飛ばされ、口から鮮血を吐き出した。
内臓に大きな損傷を受けたのだろう。
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クロムが必死に腕で身体を起こそうとしながら、私に向かって叫ぶ。
今までの攻撃を受け、私なんか比べ物にならない怪我を負っているはずなのに、未だに私の身の安全を気にしてくれている。
それを見た暴れ牛は、クロムを嘲るような言葉を投げかけた。
「なんだァ? もしかして、テメェ、コイツのことがァ、好きなのかァ? アッハッハッハッハァァ‼︎ バカかァ? 戦場に恋愛感情持ち込むなんてよォ!」
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「やめろー‼︎」
クロムは叫び声をまるで楽しむように、暴れ牛はゆっくりと私の方へと近づいてくる。
私の身体に暴れ牛の持つ曲刀が届くのも時間の問題だろう。
私は強い怒りを感じていた。
自分自身にだ。
私のせいで、クロムにあんな顔をさせてしまった。
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