6 / 21
第6話【効きすぎる薬】
しおりを挟む
「それを用意してもらった小瓶に詰めて封をしたらお終いだよ」
「うん! やってみたけど、結構簡単ね。確かにこれなら私にも出来そう」
「うーん。まぁ。やらせてみてこう言うのもなんだけど……まぁ、しょうがないよねぇ。こればっかりは」
「え? なに? なんか問題?」
問いかけてみたけれど、エアはだんまりを決め込んでしまった。
私は首を傾げつつ、せっせと瓶詰めを進めていく。
この時、エアの違和感にきちんと気付いていれば、あんなことにはならなかった。
しかし私は初めて薬を作ったことが嬉しくて、鼻歌交じりで瓶詰めをしていたのだ。
☆
「早速作ってくれるなんて! 助かるよ。それで、かなり沢山あるけれど、これはどんな薬なんだい?」
「えーっと、傷や怪我を治すことが出来る薬よ」
『……で、いいんだよね?』
『うん。間違ってないよ』
瓶詰めが終わった薬を見せるために、カリナを呼んだところ、ちょうどアベルも時間が空いたと着いてきた。
そこで、アベルに向かって薬の説明をしている。
「材料としてお渡ししたのは、マスロー草とナブラの実のみです。他に様々な器具をお貸ししましたが……」
「うん。どちらも薬の原料としてはごく一般的な材料だね。うちでも多く取り扱ってるから、それだけで作れるならありがたい」
「問題は効能ですが、かなり小さな瓶をご所望でしたので、このようなサイズになっています」
「うん。小さいね。これは飲むのかな? それとも傷に塗るの?」
そう。エアが言った瓶のサイズをそのまま伝えたのだけれど、私が見てもすごく小さいと思う。
私の人差し指くらいの大きさだ。
そんな小さい瓶に詰めたおかげで、煮詰めた後なのに何本も薬ができていた。
この量で何が出来るのか、本当に効くのか我ながら心配になる。
『エア! 作った薬って、飲むの? それとも塗るの!?』
『どっちでもいいよ。全身に弱い傷なら飲めばいいし、深い傷があるなら塗ればいいさ』
『分かった!』
「アベル。その薬はどちらでも使えるの。小さな無数の傷なら飲めばいいし、深い怪我をしたのなら塗ればいいのよ」
「へぇ! そんな薬は初めて聞いたな。早速試して見たいところだけど……」
「ダメですよ。アベル様。ご自身でお試しになろうとしたでしょう。万が一この薬に大した効果がなかったら、どうなさるおつもりですか?」
「あはは。鋭いな。カリナは相変わらず。でもねぇ。怪我をした人なんて、そう都合よく――」
アベルが言いかけた途中で、屋敷の外から大きな何かが倒れる音がなった。
聞いた事のある男性の叫び声と、辺りが騒ぎ始めたのが聞こえてくる。
アベルが部屋の窓を開け事態を確認する。
「どうした! 何があった!?」
「あ! アベル様! 大変です!! エドワードが運んでいた荷物が崩れて!!」
その言葉に私も窓に近付き覗いてみると先ほどカリナと一緒に荷物を運んでくれたエドワードが、荷物の下敷きになっていた。
他の屋敷の人たちが慌てた様子で荷車から崩れた荷物を退けているが、かなりの重量のようだ。
「大変です!! エドワードの脚が!!」
「なんだと!?」
どうやら脚の上に落ちた荷物のせいで折れてしまっているようだ。
あのままでは完治まで長い時間が、もしくは下手をすると治らないかもしれない。
『どうしよう!? エア! 聖女だってバレるけど、治しにいってあげたい!!』
『うーん。エリスならそう言うと思ったよ。一応ね。それもあってのあの薬だからね……』
『なんのこと!?』
『エリスの性格とこの国のことを考えたら、こっちの方がまだマシかなってこと。今作った薬をさ。彼の脚にかけてあげなよ』
いまいちよく分からないけれど、エアは間違ったことは一切言ったことがない。
今回もそうだろうと、私は薬の瓶を持ち、アベルに声をかける。
「この薬を脚に塗ってあげて! 速く!!」
「なんだって!? ……分かった。おい! この薬をエドワードの脚に塗るんだ!」
外にいる一人が、窓を通してアベルから薬の瓶を受け取る。
そして痛みのためか苦悶の表情を見せ、呻き声を上げるエドワードの折れた脚に薬を塗った。
「ぐぁああ! ……なんだ? 痛みが急に……」
「おい! 大丈夫か!? 今アベル様からいただいた薬を塗ったからな!!」
突然のエドワードの変化に周囲に居た人たちも固唾を飲む。
そして、エドワードがなに事もなかったかのように、折れた脚でしっかりと立ち上がったのを見ると歓声が上がった。
☆☆☆
~その頃王都では~
「ローザ様! 大変です!! 王が! サルベー国王が倒れました!!」
「なんですって!?」
結局サラマンダーを見つけることが出来ないまま、ローザが悶々としている所に、凶報が舞い込んできた。
サルベー国王が病に倒れたと言うのだ。
しかし国王を始め、周囲の重鎮たちは楽観視をしていた。
そのための聖女、ローザがいるのだから。
【紅の聖女】であるローザは、四大元素の一つ火の精霊に愛された女性である。
聖女はその精霊力を使い、数々の奇跡の御業と呼べるようなことを成すと知られていた。
縁を持つ精霊の種類によって、得意なことには偏りがあるものの、得てしてそれは治癒の効果をもたらすとされているのが、この国サルタレロの一般的な知識だった。
現にローザも、今まで何度もサルベーに治癒を施してきた。
中でもローザが得意とするのは、病魔や毒などを身体から消滅させることによる治癒だった。
だから今回もローザが治して事なきを得ると、みなそう思っていた。
「どうすればいいのよ!? サラマンダーが居なくちゃ、精霊力を使えないじゃない!!」
ローザは狼狽えるものの、まさか自分からそのことを明かす訳にもいかず、時間稼ぎをした。
サラマンダーが見つかりさえすればなんとかなる、そう自分に言い聞かせ、見つかるはずもないかつてのパルを探し回った。
そうしているうちにサルベーの容態は刻一刻と悪化し、やがて巷では、サルベーが聖女に見捨てられたとか、聖女が力を失ったなどの噂が流れ始めた。
ローザはその噂に苛立ちながらも、必死の形相で城中を駆け回りサラマンダーを探したが、ついに見つかることはなかった。
「ローザ様。サルベー国王が先ほどご崩御されました」
「なんですって!?」
「誠に残念ですが……それで。ローザ様、元老院がローザ様の諮問を実施すると仰せです。ご同行願えますね?」
「いや……とは言えないみたいね……」
ローザの部屋に報せを持ってきたのは、いつもの侍女ではなく、帯剣した騎士たちだった。
その騎士に一人、口を開いていた男が一度だけ深く頷く。
今上聖女であるローザがその責務を果たさず、国王であるサルベーが逝去したのだ。
なぜ再三の要請を拒み、国王への治癒を施さなかったのか、弁明の機会と言うよりは断罪の場として呼び出されたのだろう。
もしここで拒めばこの場で切り捨てられる。
それを理解したローザは、諦めの気持ちで騎士たちに挟まれたまま、元老院の待つ広間へと、とぼとぼと足を進めていく他なかった。
こうして蒙昧な愚王は、自らの過ちにより、生涯に幕を閉じた。
そして、そのきっかけを作った当の本人も、自らの目論見とは裏腹な結果を、自身に招くことになったのだった。
「うん! やってみたけど、結構簡単ね。確かにこれなら私にも出来そう」
「うーん。まぁ。やらせてみてこう言うのもなんだけど……まぁ、しょうがないよねぇ。こればっかりは」
「え? なに? なんか問題?」
問いかけてみたけれど、エアはだんまりを決め込んでしまった。
私は首を傾げつつ、せっせと瓶詰めを進めていく。
この時、エアの違和感にきちんと気付いていれば、あんなことにはならなかった。
しかし私は初めて薬を作ったことが嬉しくて、鼻歌交じりで瓶詰めをしていたのだ。
☆
「早速作ってくれるなんて! 助かるよ。それで、かなり沢山あるけれど、これはどんな薬なんだい?」
「えーっと、傷や怪我を治すことが出来る薬よ」
『……で、いいんだよね?』
『うん。間違ってないよ』
瓶詰めが終わった薬を見せるために、カリナを呼んだところ、ちょうどアベルも時間が空いたと着いてきた。
そこで、アベルに向かって薬の説明をしている。
「材料としてお渡ししたのは、マスロー草とナブラの実のみです。他に様々な器具をお貸ししましたが……」
「うん。どちらも薬の原料としてはごく一般的な材料だね。うちでも多く取り扱ってるから、それだけで作れるならありがたい」
「問題は効能ですが、かなり小さな瓶をご所望でしたので、このようなサイズになっています」
「うん。小さいね。これは飲むのかな? それとも傷に塗るの?」
そう。エアが言った瓶のサイズをそのまま伝えたのだけれど、私が見てもすごく小さいと思う。
私の人差し指くらいの大きさだ。
そんな小さい瓶に詰めたおかげで、煮詰めた後なのに何本も薬ができていた。
この量で何が出来るのか、本当に効くのか我ながら心配になる。
『エア! 作った薬って、飲むの? それとも塗るの!?』
『どっちでもいいよ。全身に弱い傷なら飲めばいいし、深い傷があるなら塗ればいいさ』
『分かった!』
「アベル。その薬はどちらでも使えるの。小さな無数の傷なら飲めばいいし、深い怪我をしたのなら塗ればいいのよ」
「へぇ! そんな薬は初めて聞いたな。早速試して見たいところだけど……」
「ダメですよ。アベル様。ご自身でお試しになろうとしたでしょう。万が一この薬に大した効果がなかったら、どうなさるおつもりですか?」
「あはは。鋭いな。カリナは相変わらず。でもねぇ。怪我をした人なんて、そう都合よく――」
アベルが言いかけた途中で、屋敷の外から大きな何かが倒れる音がなった。
聞いた事のある男性の叫び声と、辺りが騒ぎ始めたのが聞こえてくる。
アベルが部屋の窓を開け事態を確認する。
「どうした! 何があった!?」
「あ! アベル様! 大変です!! エドワードが運んでいた荷物が崩れて!!」
その言葉に私も窓に近付き覗いてみると先ほどカリナと一緒に荷物を運んでくれたエドワードが、荷物の下敷きになっていた。
他の屋敷の人たちが慌てた様子で荷車から崩れた荷物を退けているが、かなりの重量のようだ。
「大変です!! エドワードの脚が!!」
「なんだと!?」
どうやら脚の上に落ちた荷物のせいで折れてしまっているようだ。
あのままでは完治まで長い時間が、もしくは下手をすると治らないかもしれない。
『どうしよう!? エア! 聖女だってバレるけど、治しにいってあげたい!!』
『うーん。エリスならそう言うと思ったよ。一応ね。それもあってのあの薬だからね……』
『なんのこと!?』
『エリスの性格とこの国のことを考えたら、こっちの方がまだマシかなってこと。今作った薬をさ。彼の脚にかけてあげなよ』
いまいちよく分からないけれど、エアは間違ったことは一切言ったことがない。
今回もそうだろうと、私は薬の瓶を持ち、アベルに声をかける。
「この薬を脚に塗ってあげて! 速く!!」
「なんだって!? ……分かった。おい! この薬をエドワードの脚に塗るんだ!」
外にいる一人が、窓を通してアベルから薬の瓶を受け取る。
そして痛みのためか苦悶の表情を見せ、呻き声を上げるエドワードの折れた脚に薬を塗った。
「ぐぁああ! ……なんだ? 痛みが急に……」
「おい! 大丈夫か!? 今アベル様からいただいた薬を塗ったからな!!」
突然のエドワードの変化に周囲に居た人たちも固唾を飲む。
そして、エドワードがなに事もなかったかのように、折れた脚でしっかりと立ち上がったのを見ると歓声が上がった。
☆☆☆
~その頃王都では~
「ローザ様! 大変です!! 王が! サルベー国王が倒れました!!」
「なんですって!?」
結局サラマンダーを見つけることが出来ないまま、ローザが悶々としている所に、凶報が舞い込んできた。
サルベー国王が病に倒れたと言うのだ。
しかし国王を始め、周囲の重鎮たちは楽観視をしていた。
そのための聖女、ローザがいるのだから。
【紅の聖女】であるローザは、四大元素の一つ火の精霊に愛された女性である。
聖女はその精霊力を使い、数々の奇跡の御業と呼べるようなことを成すと知られていた。
縁を持つ精霊の種類によって、得意なことには偏りがあるものの、得てしてそれは治癒の効果をもたらすとされているのが、この国サルタレロの一般的な知識だった。
現にローザも、今まで何度もサルベーに治癒を施してきた。
中でもローザが得意とするのは、病魔や毒などを身体から消滅させることによる治癒だった。
だから今回もローザが治して事なきを得ると、みなそう思っていた。
「どうすればいいのよ!? サラマンダーが居なくちゃ、精霊力を使えないじゃない!!」
ローザは狼狽えるものの、まさか自分からそのことを明かす訳にもいかず、時間稼ぎをした。
サラマンダーが見つかりさえすればなんとかなる、そう自分に言い聞かせ、見つかるはずもないかつてのパルを探し回った。
そうしているうちにサルベーの容態は刻一刻と悪化し、やがて巷では、サルベーが聖女に見捨てられたとか、聖女が力を失ったなどの噂が流れ始めた。
ローザはその噂に苛立ちながらも、必死の形相で城中を駆け回りサラマンダーを探したが、ついに見つかることはなかった。
「ローザ様。サルベー国王が先ほどご崩御されました」
「なんですって!?」
「誠に残念ですが……それで。ローザ様、元老院がローザ様の諮問を実施すると仰せです。ご同行願えますね?」
「いや……とは言えないみたいね……」
ローザの部屋に報せを持ってきたのは、いつもの侍女ではなく、帯剣した騎士たちだった。
その騎士に一人、口を開いていた男が一度だけ深く頷く。
今上聖女であるローザがその責務を果たさず、国王であるサルベーが逝去したのだ。
なぜ再三の要請を拒み、国王への治癒を施さなかったのか、弁明の機会と言うよりは断罪の場として呼び出されたのだろう。
もしここで拒めばこの場で切り捨てられる。
それを理解したローザは、諦めの気持ちで騎士たちに挟まれたまま、元老院の待つ広間へと、とぼとぼと足を進めていく他なかった。
こうして蒙昧な愚王は、自らの過ちにより、生涯に幕を閉じた。
そして、そのきっかけを作った当の本人も、自らの目論見とは裏腹な結果を、自身に招くことになったのだった。
17
新作ハイファンタジーの投稿を開始しました!
子育てほのぼの物語です! 下記リンクから飛べます!!
『 平穏時代の最強賢者〜伝説を信じて極限まで鍛え上げたのに、十回転生しても神話の魔王は復活しないので、自分で一から育てることにした 』
子育てほのぼの物語です! 下記リンクから飛べます!!
『 平穏時代の最強賢者〜伝説を信じて極限まで鍛え上げたのに、十回転生しても神話の魔王は復活しないので、自分で一から育てることにした 』
お気に入りに追加
1,548
あなたにおすすめの小説

秘密の多い令嬢は幸せになりたい
完菜
恋愛
前髪で瞳を隠して暮らす少女は、子爵家の長女でキャスティナ・クラーク・エジャートンと言う。少女の実の母は、7歳の時に亡くなり、父親が再婚すると生活が一変する。義母に存在を否定され貴族令嬢としての生活をさせてもらえない。そんなある日、ある夜会で素敵な出逢いを果たす。そこで出会った侯爵家の子息に、新しい生活を与えられる。新しい生活で出会った人々に導かれながら、努力と前向きな性格で、自分の居場所を作り上げて行く。そして、少女には秘密がある。幻の魔法と呼ばれる、癒し系魔法が使えるのだ。その魔法を使ってしまう事で、国を揺るがす事件に巻き込まれて行く。
完結が確定しています。全105話。

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。

お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
【短編】隣国から戻った婚約者様が、別人のように溺愛してくる件について
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
転生したディアナの髪は老婆のように醜い灰色の髪を持つ。この国では魔力量の高さと、髪の色素が鮮やかなものほど賞賛され、灰や、灰褐色などは差別されやすい。
ディアナは侯爵家の次女で、魔力量が多く才能がありながらも、家族は勿論、学院でも虐げられ、蔑まされて生きていた。
親同士がより魔力の高い子を残すため――と決めた、婚約者がいる。当然、婚約者と会うことは義務的な場合のみで、扱いも雑もいい所だった。
そんな婚約者のセレスティノ様は、隣国へ使節団として戻ってきてから様子がおかしい。
「明日は君の誕生日だったね。まだ予定が埋まっていないのなら、一日私にくれないだろうか」
「いえ、気にしないでください――ん?」
空耳だろうか。
なんとも婚約者らしい発言が聞こえた気がする。
「近くで見るとディアナの髪の色は、白銀のようで綺麗だな」
「(え? セレスティノ様が壊れた!?)……そんな、ことは? いつものように『醜い灰被りの髪』だって言ってくださって構わないのですが……」
「わ、私は一度だってそんなことは──いや、口には出していなかったが、そう思っていた時がある。自分が浅慮だった。本当に申し訳ない」
別人のように接するセレスティノ様に困惑するディアナ。
これは虐げられた令嬢が、セレスティノ様の言動や振る舞いに鼓舞され、前世でのやりたかったことを思い出す。
虐げられた才能令嬢×エリート王宮魔術師のラブコメディ

召喚から外れたら、もふもふになりました?
みん
恋愛
私の名前は望月杏子。家が隣だと言う事で幼馴染みの梶原陽真とは腐れ縁で、高校も同じ。しかも、モテる。そんな陽真と仲が良い?と言うだけで目をつけられた私。
今日も女子達に嫌味を言われながら一緒に帰る事に。
すると、帰り道の途中で、私達の足下が光り出し、慌てる陽真に名前を呼ばれたが、間に居た子に突き飛ばされて─。
気が付いたら、1人、どこかの森の中に居た。しかも──もふもふになっていた!?
他視点による話もあります。
❋今作品も、ゆるふわ設定となっております。独自の設定もあります。
メンタルも豆腐並みなので、軽い気持ちで読んで下さい❋

天才令嬢の医療改革〜女は信用出来ないと医術ギルドを追放された凄腕医師は隣国で宮廷医師となり王太子様から溺愛されて幸せを掴む〜
津ヶ谷
恋愛
人の命を救いたい。
それが、エミリア・メディが医師を目指した理由だった。
ある日、医学界をひっくり返すような論文を提出して、エミリアは帝国の医術ギルドから追い出されてしまう。
「これだから女は信用できないんだ」
しかし、その論文に興味を示した人間が居た。
隣国、マルティン王国の王太子である。
エミリアはその王太子の推薦により宮廷医師となる。
「治すよ。あなたの未来」
その医師が治すのは患者の未来。
伝説に語り継がれる医師の誕生だった。

義姉でも妻になれますか? 第一王子の婚約者として育てられたのに、候補から外されました
甘い秋空
恋愛
第一王子の婚約者として育てられ、同級生の第二王子のお義姉様だったのに、候補から外されました! え? 私、今度は第二王子の義妹ちゃんになったのですか! ひと風呂浴びてスッキリしたら…… (全4巻で完結します。サービスショットがあるため、R15にさせていただきました。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる