31 / 41
第二章【天才、魔法の杖を作る】
第三十一話【アムレットの杖】
しおりを挟む
「予想以上に早かったな。すぐに持ってくるなどと言っていたが、まさかこんなにすぐに持ってくるとは」
俺から素材を受け取ったガストンは、妙に嬉しそうな顔をしてそう言った。
今日は安息日。
予定通りアムレットの杖の素材をガストンたちの所へ持ってきた。
「それにしても……サーミリア先生をよく撒けたな?」
予想通り、サーミリアはこの店にも同行すると言っていたらしい。
しかし、アムレットにしては珍しく機転を利かして、サーミリアには嘘の日時を伝えたのだとか。
「うん! 頑張った!」
アムレットは右手で握りこぶしを作り、俺に見せてくる。
そこへ、いつも通りティーポットと人数分のティーカップを載せた盆を持ったアメリアが席へ戻ってきた。
「さぁさ。今日はちょっと特別だよ? 久しぶりの仕事だからね!」
「久しぶり? どういうことです? 覇王オルガの杖を作ったアメリアさんたちなら、杖を作ってほしい人なんて山のようにいるんじゃ?」
ティーカップにハーブティを注ぎながらガストン同様嬉しそうな表情を見せるアメリアに、アムレットが不思議そうな顔をしながらそう聞いた。
全員分のカップの用意をし終わってから、アメリアはアムレットの質問に答える。
「そりゃあ、文字通り山のようにいたさ。でもね? 私もガストンも、作りたいと思った相手にしか杖を作らないことにしてるんだ。残念ながら、そんな奴はそんなに多くなかったってことさ」
アメリアの言葉に、ガストンは渋い顔をしながら続く。
「杖ってのはな。ただの道具じゃねぇんだ。魔法を使うやつにとって杖ってのはな、命綱だ。そいつの命を、命運を握るんだ。それが俺らの仕事だ。くだらねぇやつの命の面倒なんて俺はみたくもねぇ」
「まぁ、私らも若いころは色々作ったけどね。オルガ坊の杖を作ったら、あんた。相応しくないやつらが五万と来たさ。全員追い返してやったけどね」
この国を建国した覇王オルガは三百年前ほど前の人物だという話だ。
その覇王オルガをオルガ坊と呼ぶアメリアはいったい何歳なのだろうか。
エルフであるアメリアはサーメリアと同じ年だと言われても驚かないような若い顔をしているので、実年齢など想像のしようもない。
しわに刻まれた顔が豊富な髭や眉毛から見え隠れしているガストンも同様だ。
まぁ、彼らが何歳だろうが、問題ではないのだが。
「でも……じゃあ、なんで私の杖は作ってくれる気になってくれたんですか?」
アムレットは素直な疑問を二人に投げかける。
おそらく、自分が他にガストンとアメリアの杖を欲しがった有象無象と違う理由が分からないのだろう。
「そりゃあ、あんた。面白そうだったからさ」
「まぁ、俺が引き受けたのはそこの坊主の入れ知恵だが、アメリアの方は嬢ちゃんを気に入ったんだ。分かるだろ?」
アメリアとガストンがそれぞれ答えるが、アムレットはさっぱり分からない様子だ。
実を言うと、ガストンの攻略については教えることができたくらいだから、俺にも分かっているが、アメリアが相応しいと判断する基準が未だに分からない。
ここへアムレットの杖を連れてきたのは、ある意味一種の賭けだったが、賭けに勝った今も、タネは分からないというわけだ。
困った顔を続けるアムレットを見て、アメリアは俺の時には教えてくれなかった種明かしをしてくれた。
「まだ分からないって顔してるね。アムレット嬢ちゃんが飲んでるそのお茶が答えさ。ここへ来た時に一口飲んで、美味しいって言ったろ? 私が作るお茶は特別製でね。私が杖を作る価値があるって子は美味しく感じるんだよ」
「え⁉ この美味しいお茶にそんな秘密が⁉ 私、本当に美味しくて。思わず声に出ちゃうくらいでした」
「そうかい。嬉しいねぇ。そもそもお茶を勧めても手も付けないような輩もいたけどね。そんな奴は論外だね」
アメリアの話を横で聞いていた俺は、ふと疑問がわき、思わず横やりを入れる。
「ちょっと待ってくれ。じゃあ、なんで俺の杖作りを引き受けてくれたんだ? 俺は今も、その前もこのお茶が美味しいとは思えないぞ?」
俺の言葉にアメリアは目を細める。
「フィリオ坊や。あんたが初めてさ。私のお茶を美味しいと言わないのに、杖を作りたくなったのはね。アムレット嬢ちゃんには話してないのかもしれないけど、あんた、かなり特別だろ?」
アメリアは俺がフィリオという少年に身体を譲り受けた別の人間だということを気付いているのだろうか?
どうやってそのことを知ったのか気になったが、アムレットが不思議そうな顔で俺とアメリアの会話を聞いているので、今は深く突っ込むことはやめておく。
アメリアもわざと含みを持たせた言い方をしてくれたのだろう。
俺がどう答えるか迷い一瞬無言が続くと、ガストンが気を使ってくれたのか、それも関係なくなのか、話に参加してくる。
「坊主は確かに特別だ。あんな無茶な依頼をしてくるのは後にも先にも坊主だけだろうさ」
「まぁ、フィリオ坊やの話は今は後だよ。今はアムレット嬢ちゃんの杖を作るんだろう?」
「ああ。そうだな。それで、いったいどのくらいの期間でできるんだ?」
杖作りというのは興味があるものの、俺も詳しくはない。
できるだけ早いに越したことはないが、俺が要求した性能を考えれば、それなりの時間がかかっても仕方ないのかもしれない。
そんなことを思っていた俺に、ガストンは太くごつごつとした指を一本だけ立てて見せた。
「いち? ひと月か? かなりかかるな。まぁ仕方ないか」
「何抜かしてやがる。そんなに時間がかかるわけねぇだろう。一時間だ。一時間。今から作ってやるからそこで待ってろ」
「い、一時間⁉ そんな時間でできるもんなのか?」
「そりゃあ、用意を含めればもう少しかかるよ。でも、作るって決めたんだ。必要な準備はすでに終わらしてある。後はもらった素材にそれを施すだけさ。さぁさ。ちょっと席を外させてもらうよ」
そう言うとガストンとアメリアは立ち上がり別の部屋へと素材を持って向かった。
立ち上がった際に、杖作りの現場を見せてもらいたいと聞いたが、それはだめだと断られてしまったので、俺はアムレットと二人で大人しく待つ。
その間に、俺はアムレットに考えていた頼みごとを伝えることにした。
「アムレット。予想外に杖がすぐ入ることだし、できるだけ早く覚えてほしい魔法があるんだ。正直な話、すぐにこれを使えと言うのは無理だと思うが、杖があれば可能だと思う」
「なに? フィリオ君。すっごくまじめな顔してる。もしかして、大事な話?」
「ああ。この前のシャトゥを覚えているだろう? 腐獣の毒に侵されていた」
「うん! すっごい怖い毒なんだよね? フィリオ君が治してくれたって。あ! もしかして、私もその解毒魔法を?」
目を丸くするアムレットに、俺は一度首を縦に振る。
「知ってるだろ? 回復魔法は自分には効果がない。俺は腐獣の毒に効く解毒魔法を使えるが、万が一俺がその毒に侵されてしまったら、俺は俺自身を救えない」
「ほんとだ! え⁉ でも、腐獣は今どこにいるか分からないってフィリオ君言ってなかったっけ?」
「そうだ。どこにいるか、誰が使役しているのかも。もしかしたらすぐ近くにいるかもしれない。昔腐獣が現れた時は聖女が人々を救ったが、その聖女はもうこの世にいない。今その魔法を使えるのはおそらく世界で俺一人だ。それでは十分とは言えないだろう?」
「なんでフィリオ君がそんな凄い魔法を使えるか分からないけど、フィリオ君は特別だからなんだよね! 分かった! 私が使えるようになれるかどうか分からないけど、頑張るよ!」
アムレットは表情と仕草でやる気を俺に表明する。
俺は気が早いと思ったが、早速魔法の説明を始めることにした。
いくらアムレットが回復魔法への適性が高く、覚えがいいと言っても、教える魔法は原理も高等で、さらに計算も複雑だ。
少しずつゆっくりと教えていくが、すでに最初の方でアムレットは目を回し始めて。しまった。
「うーん……難しすぎるよぉ。フィリオ君。頭から煙が出そうだよ」
「ひとまず分からないところは置いておいて、全部暗記するつもりで覚えた方が早いかもしれないな。効率は無視して、必要最低限使えるようになれば、後は杖の力で補える」
そう話している時に、部屋の扉が開く音が聞こえ、俺とアムレットは視線を音がした方へと向けた。
右手にユニコーンの角を加工して作った真っ白な杖を持つガストンと、少し疲れた顔をしたアメリアが出てくる。
「できたぞ。嬢ちゃん。世界に一つだけ。正真正銘、嬢ちゃんのための嬢ちゃんだけの杖の完成だ」
俺から素材を受け取ったガストンは、妙に嬉しそうな顔をしてそう言った。
今日は安息日。
予定通りアムレットの杖の素材をガストンたちの所へ持ってきた。
「それにしても……サーミリア先生をよく撒けたな?」
予想通り、サーミリアはこの店にも同行すると言っていたらしい。
しかし、アムレットにしては珍しく機転を利かして、サーミリアには嘘の日時を伝えたのだとか。
「うん! 頑張った!」
アムレットは右手で握りこぶしを作り、俺に見せてくる。
そこへ、いつも通りティーポットと人数分のティーカップを載せた盆を持ったアメリアが席へ戻ってきた。
「さぁさ。今日はちょっと特別だよ? 久しぶりの仕事だからね!」
「久しぶり? どういうことです? 覇王オルガの杖を作ったアメリアさんたちなら、杖を作ってほしい人なんて山のようにいるんじゃ?」
ティーカップにハーブティを注ぎながらガストン同様嬉しそうな表情を見せるアメリアに、アムレットが不思議そうな顔をしながらそう聞いた。
全員分のカップの用意をし終わってから、アメリアはアムレットの質問に答える。
「そりゃあ、文字通り山のようにいたさ。でもね? 私もガストンも、作りたいと思った相手にしか杖を作らないことにしてるんだ。残念ながら、そんな奴はそんなに多くなかったってことさ」
アメリアの言葉に、ガストンは渋い顔をしながら続く。
「杖ってのはな。ただの道具じゃねぇんだ。魔法を使うやつにとって杖ってのはな、命綱だ。そいつの命を、命運を握るんだ。それが俺らの仕事だ。くだらねぇやつの命の面倒なんて俺はみたくもねぇ」
「まぁ、私らも若いころは色々作ったけどね。オルガ坊の杖を作ったら、あんた。相応しくないやつらが五万と来たさ。全員追い返してやったけどね」
この国を建国した覇王オルガは三百年前ほど前の人物だという話だ。
その覇王オルガをオルガ坊と呼ぶアメリアはいったい何歳なのだろうか。
エルフであるアメリアはサーメリアと同じ年だと言われても驚かないような若い顔をしているので、実年齢など想像のしようもない。
しわに刻まれた顔が豊富な髭や眉毛から見え隠れしているガストンも同様だ。
まぁ、彼らが何歳だろうが、問題ではないのだが。
「でも……じゃあ、なんで私の杖は作ってくれる気になってくれたんですか?」
アムレットは素直な疑問を二人に投げかける。
おそらく、自分が他にガストンとアメリアの杖を欲しがった有象無象と違う理由が分からないのだろう。
「そりゃあ、あんた。面白そうだったからさ」
「まぁ、俺が引き受けたのはそこの坊主の入れ知恵だが、アメリアの方は嬢ちゃんを気に入ったんだ。分かるだろ?」
アメリアとガストンがそれぞれ答えるが、アムレットはさっぱり分からない様子だ。
実を言うと、ガストンの攻略については教えることができたくらいだから、俺にも分かっているが、アメリアが相応しいと判断する基準が未だに分からない。
ここへアムレットの杖を連れてきたのは、ある意味一種の賭けだったが、賭けに勝った今も、タネは分からないというわけだ。
困った顔を続けるアムレットを見て、アメリアは俺の時には教えてくれなかった種明かしをしてくれた。
「まだ分からないって顔してるね。アムレット嬢ちゃんが飲んでるそのお茶が答えさ。ここへ来た時に一口飲んで、美味しいって言ったろ? 私が作るお茶は特別製でね。私が杖を作る価値があるって子は美味しく感じるんだよ」
「え⁉ この美味しいお茶にそんな秘密が⁉ 私、本当に美味しくて。思わず声に出ちゃうくらいでした」
「そうかい。嬉しいねぇ。そもそもお茶を勧めても手も付けないような輩もいたけどね。そんな奴は論外だね」
アメリアの話を横で聞いていた俺は、ふと疑問がわき、思わず横やりを入れる。
「ちょっと待ってくれ。じゃあ、なんで俺の杖作りを引き受けてくれたんだ? 俺は今も、その前もこのお茶が美味しいとは思えないぞ?」
俺の言葉にアメリアは目を細める。
「フィリオ坊や。あんたが初めてさ。私のお茶を美味しいと言わないのに、杖を作りたくなったのはね。アムレット嬢ちゃんには話してないのかもしれないけど、あんた、かなり特別だろ?」
アメリアは俺がフィリオという少年に身体を譲り受けた別の人間だということを気付いているのだろうか?
どうやってそのことを知ったのか気になったが、アムレットが不思議そうな顔で俺とアメリアの会話を聞いているので、今は深く突っ込むことはやめておく。
アメリアもわざと含みを持たせた言い方をしてくれたのだろう。
俺がどう答えるか迷い一瞬無言が続くと、ガストンが気を使ってくれたのか、それも関係なくなのか、話に参加してくる。
「坊主は確かに特別だ。あんな無茶な依頼をしてくるのは後にも先にも坊主だけだろうさ」
「まぁ、フィリオ坊やの話は今は後だよ。今はアムレット嬢ちゃんの杖を作るんだろう?」
「ああ。そうだな。それで、いったいどのくらいの期間でできるんだ?」
杖作りというのは興味があるものの、俺も詳しくはない。
できるだけ早いに越したことはないが、俺が要求した性能を考えれば、それなりの時間がかかっても仕方ないのかもしれない。
そんなことを思っていた俺に、ガストンは太くごつごつとした指を一本だけ立てて見せた。
「いち? ひと月か? かなりかかるな。まぁ仕方ないか」
「何抜かしてやがる。そんなに時間がかかるわけねぇだろう。一時間だ。一時間。今から作ってやるからそこで待ってろ」
「い、一時間⁉ そんな時間でできるもんなのか?」
「そりゃあ、用意を含めればもう少しかかるよ。でも、作るって決めたんだ。必要な準備はすでに終わらしてある。後はもらった素材にそれを施すだけさ。さぁさ。ちょっと席を外させてもらうよ」
そう言うとガストンとアメリアは立ち上がり別の部屋へと素材を持って向かった。
立ち上がった際に、杖作りの現場を見せてもらいたいと聞いたが、それはだめだと断られてしまったので、俺はアムレットと二人で大人しく待つ。
その間に、俺はアムレットに考えていた頼みごとを伝えることにした。
「アムレット。予想外に杖がすぐ入ることだし、できるだけ早く覚えてほしい魔法があるんだ。正直な話、すぐにこれを使えと言うのは無理だと思うが、杖があれば可能だと思う」
「なに? フィリオ君。すっごくまじめな顔してる。もしかして、大事な話?」
「ああ。この前のシャトゥを覚えているだろう? 腐獣の毒に侵されていた」
「うん! すっごい怖い毒なんだよね? フィリオ君が治してくれたって。あ! もしかして、私もその解毒魔法を?」
目を丸くするアムレットに、俺は一度首を縦に振る。
「知ってるだろ? 回復魔法は自分には効果がない。俺は腐獣の毒に効く解毒魔法を使えるが、万が一俺がその毒に侵されてしまったら、俺は俺自身を救えない」
「ほんとだ! え⁉ でも、腐獣は今どこにいるか分からないってフィリオ君言ってなかったっけ?」
「そうだ。どこにいるか、誰が使役しているのかも。もしかしたらすぐ近くにいるかもしれない。昔腐獣が現れた時は聖女が人々を救ったが、その聖女はもうこの世にいない。今その魔法を使えるのはおそらく世界で俺一人だ。それでは十分とは言えないだろう?」
「なんでフィリオ君がそんな凄い魔法を使えるか分からないけど、フィリオ君は特別だからなんだよね! 分かった! 私が使えるようになれるかどうか分からないけど、頑張るよ!」
アムレットは表情と仕草でやる気を俺に表明する。
俺は気が早いと思ったが、早速魔法の説明を始めることにした。
いくらアムレットが回復魔法への適性が高く、覚えがいいと言っても、教える魔法は原理も高等で、さらに計算も複雑だ。
少しずつゆっくりと教えていくが、すでに最初の方でアムレットは目を回し始めて。しまった。
「うーん……難しすぎるよぉ。フィリオ君。頭から煙が出そうだよ」
「ひとまず分からないところは置いておいて、全部暗記するつもりで覚えた方が早いかもしれないな。効率は無視して、必要最低限使えるようになれば、後は杖の力で補える」
そう話している時に、部屋の扉が開く音が聞こえ、俺とアムレットは視線を音がした方へと向けた。
右手にユニコーンの角を加工して作った真っ白な杖を持つガストンと、少し疲れた顔をしたアメリアが出てくる。
「できたぞ。嬢ちゃん。世界に一つだけ。正真正銘、嬢ちゃんのための嬢ちゃんだけの杖の完成だ」
0
思いついたネタを勢いで書いたので投稿しましたヾ(●´∇`●)ノ
『双子の侯爵令嬢の見習い執事は王太子』
評判が真逆な双子の姉妹のどちらかを婚約者に選ばなければいけなくなった王太子が侯爵家に身分を隠して執事として潜入するという異世界恋愛です。
タイトルから作品に飛べます。
よろしければこちらも読んでもらえると嬉しいです。
『双子の侯爵令嬢の見習い執事は王太子』
評判が真逆な双子の姉妹のどちらかを婚約者に選ばなければいけなくなった王太子が侯爵家に身分を隠して執事として潜入するという異世界恋愛です。
タイトルから作品に飛べます。
よろしければこちらも読んでもらえると嬉しいです。
お気に入りに追加
1,757
あなたにおすすめの小説

裏切られ追放という名の処刑宣告を受けた俺が、人族を助けるために勇者になるはずないだろ
井藤 美樹
ファンタジー
初代勇者が建国したエルヴァン聖王国で双子の王子が生まれた。
一人には勇者の証が。
もう片方には証がなかった。
人々は勇者の誕生を心から喜ぶ。人と魔族との争いが漸く終結すると――。
しかし、勇者の証を持つ王子は魔力がなかった。それに比べ、持たない王子は莫大な魔力を有していた。
それが判明したのは五歳の誕生日。
証を奪って生まれてきた大罪人として、王子は右手を斬り落とされ魔獣が棲む森へと捨てられた。
これは、俺と仲間の復讐の物語だ――

チートを貰えなかった落第勇者の帰還〜俺だけ能力引き継いで現代最強〜
あおぞら
ファンタジー
主人公小野隼人は、高校一年の夏に同じクラスの人と異世界に勇者として召喚される。
勇者は召喚の際にチートな能力を貰えるはずが、隼人は、【身体強化】と【感知】と言うありふれた能力しか貰えなかったが、しぶとく生き残り、10年目にして遂に帰還。
しかし帰還すると1ヶ月しか経っていなかった。
更に他のクラスメイトは異世界の出来事など覚えていない。
自分しか能力を持っていないことに気付いた隼人は、この力は隠して生きていくことを誓うが、いつの間にかこの世界の裏側に巻き込まれていく。
これは異世界で落ちこぼれ勇者だった隼人が、元の世界の引き継いだ能力を使って降り掛かる厄介ごとを払い除ける物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる