26 / 133
第2章
第25話
しおりを挟む
「どうしたんだい? ついうっかり、魔力を全て注ぎ込んでしまってね。状況が視れないんだ。悪いけど、教えてくれないか、サラ」
声を出すのも辛いのだが、自業自得だからしょうがない。しばらくはここを動けないだろう。
ついいつも通り魔力枯渇になるまで魔力を注いでしまった。カインは地面にへたり込み、肩で息をする。
「どうしたって。目の前に恐らく火の精霊だと思われる鳥がいるんだけれど、何故か私にも見えるのよ。ぴよっとか鳴いてるし。普通、精霊の姿も声も見えないし聞こえないはずでしょう? ソフィ」
「ええ。驚いたわ。生まれたてで既に受肉するなんて。よほど高位の存在か、もしくは注がれた魔力が尋常じゃなかったか。あるいはそのどちらもかしらね」
「どういうこと?」
「普通の人には精霊の姿は見えないし、声も聞こえない。それは正しいわ。でも例外があるの。精霊が力を蓄えて自身の憑代となる肉体を持つ。受肉っていうんだけど、それをなした精霊は普通の人にも見ることも触ることさえ出来るようになるのよ」
「なんだかよく分からないが、それじゃあその鳥は高位な存在なんだろう。なんて言っても炎の神霊たるフェニックスの贈り物だからね。ところですまないが、しばらくここを動けそうにない。魔力枯渇を起こしたんだ。私を置いて皆家に戻ってくれて構わないよ」
鳥の姿をした火の精霊は、カインに近寄りその姿を見つめると首を左右に数回ゆっくりと傾げた。そして顔を真っ直ぐとカインの方に向けた。
突然、火の精霊の翼と鶏冠が赤く輝きを強めた。次の瞬間、火の精霊はくちばしを大きく開けると、その先端から赤い炎でできたシャボン玉のようなものを数個吐き出した。
その動きはとてもゆっくりだったが、いかんせん距離が短かったせいで、周りの皆が止める間もなく、その炎球はカインに到達した。サラ達が驚きの声を上げる。
視界がないせいで、何が起こったか分からなかったが、カインもまた驚いていた。頭痛と吐き気が消えたのだ。
慌てて魔力による視界を展開させた。万全ではないものの、問題なくいつも通りの視界を確保することができた。魔力が回復したのだ。
火の精霊はまるで何事もなかったかのように、小さな翼を羽ばたかせ、カインの右肩に乗ると、ぴよっと一声鳴いた。
◇
「それにしても色々驚きですね」
カインの体調が戻ったので、皆で家に戻ると、ソフィは開口一番に声を上げた。
「まず初めに、この火の精霊です。そもそも精霊の卵自体が稀な話ですが、生まれた瞬間受肉しているなんて、恐らくどんな文献にも載ってないと思います」
「精霊が受肉するっていうのはそんなに珍しいことなの?」
シャルルはそもそも精霊の存在に出会うのも初めての経験だ。その初めてが受肉したといわれる精霊なのだから、これがどれだけ珍しいことかなど、皆目見当もつかなかった。
「さっきも言ったけど、受肉するためには精霊が力を蓄える必要があるの。精霊には格に応じた器があって、その器に魔力を注がれることで、力を蓄えることが出来るの。」
ソフィが魔法を使う場合、精霊に自身の魔力を与え、その魔力により得た力を使って精霊が魔法を行使するという流れになっていた。
ひどく効率の悪いようにも見えるが、人間の最大魔力変換効率を100%とした場合、精霊の格にもよるが、その効率は100%を優に超え、200%や300%にも達した。精霊はいわゆる魔力増幅装置なのだ。
また、そもそも精霊の行使する魔法は、人間のそれと体系が大きく異なった。ソフィが得意とする雷魔法も精霊の力を借りなければ、実用的な威力で使用できる魔術師など、片手で数えるほどしかいないだろう。
「魔力の器は魔力を注がれることにより徐々に大きくなるんだけれど、受肉できるだけの器になるには相当な時間がかかるとされているわ。また、器だけ大きくても空では当然意味がない。器が大きければ大きいほど必要な魔力は膨大になるの」
「ということは、この鳥の器が大きくて、カインさんの魔力が膨大だったってこと?」
「いやぁ。そんなことはないだろう。まだ若い頃、冒険者になる前に一度測ったきりだけれど、私の魔力量は魔術師としてはかなり少ない方だったよ」
「うーん。そうなると話が合わないんですよねぇ」
ソフィは考え込んでしまった。
「そんなことよりこの子に名前を付けてあげましょ!」
無邪気な顔でサラは今一番の重要事項だと言わんばかりに主張した。サラは無類の動物好きなのだ。
特に猫が好きで、昔飼っていた猫をこよなく愛でていた。犬も飼っていたが、犬よりも猫派だった。
余談だが、カインは犬派だった。昔飼っていた犬は、猫を飼いたいとせがむサラに対抗して、カインが近所から譲り受けた犬だった。
ソフィの「色々驚き」の説明がまだ終わっていないが、サラにとってはよほど名前付けの方が大事だったのだろう。
「コマチはどうかしら?」
「それは昔飼っていた猫の名前じゃないか」
「えー、だってきっとこの鳥美人さんよ」
コマチというのは物語に出る東洋にある国の美人の名前だという。カインの代わりに物語を読み聞かせてくれた近所の女性の好きな話の一つだった。
昔飼っていた猫はメスで、サラが美人だ、コマチだと、その名前を付けた。カインには猫の美醜など分からなかったが。
ちなみに、一緒に飼っていた犬の名前はレモンといった。酸味の強い果物の皮の色に似た毛色をしていたため付けた名前だった。
そもそも精霊に性別や美醜の概念があるのだろうかとカインは悩んでしまった。
「うーん。今は小さいけど、きっともっと大きくなるから、マチは?」
我が子ながら残念なネーミングセンスだ。そんなことを考えていると、先ほどからカインの右肩にとまっていた火の精霊が、翼を一生懸命に羽ばたかせながら、サラの頭に移動すると、ぴよっ! と強めに鳴いた。
「ほら! 気に入ったみたいだよ! マチ。あなたは今日からマチ。ね。ソフィ。この子、この名前気に入ってるよね?」
「どうかしら。受肉するほど格の高い精霊なはずなのに、この精霊と会話ができないのよね・・・。嫌がってはいないみたいだけど」
きらきらと子供の用に目を輝かせたサラは、頭の上から火の精霊を両手を使い降ろすと、目の前に引き寄せ、頬擦りしようとした。
火の鳥は逃げるようにサラの手をすり抜けると、再びカインの右肩にとまった。
結局名前を付けないで火の精霊と呼び続けるのも可哀想だろうということと、他に代替案が出なかったため、鳥の姿をした火の精霊はマチと呼ばれることになった。
そうこうしている内に昼を過ぎてしまい、カインは慌ただしく昼食の支度を始めた。
ソフィは何やらまだ話したがっていたが、人が増え蓄えていた野菜では足りなくなったため、サラは畑に出かけてしまい、うやむやの内に話は終わってしまった。
「お父さん。ご飯を食べたら、稽古に付き合ってよ」
サラはカインが作った料理を口いっぱいに頬張りながら、カインに言った。
横ではソフィが美味しそうに、薄く焼いた生地の上に肉の燻製の薄切りや生野菜などを乗せ生地を折りたたんだ、この地方独特の食べ物を食べていた。案の定、その頬にはソースが付いていた。
シャルルも物珍しそうにその食べ物を食べていた。
「これ、街でお店を出したら流行りそうね」
「こんな誰でも作れる簡単で安い料理にわざわざお金を出す人なんていますかね?」
「私は出すよ! だって懐かしいもん!」
「うん。私もたまになら食べてみたいかな。なんかお洒落だし」
「きっと、若い女性に人気が出ると思うの。ヘルシーでお洒落だって宣伝出せばきっと火が付くわ」
食事の間すらも商魂逞しいシャルルに感心しながら、カインは先ほどサラが口にした言葉を考えていた。
確かにサラが村を出るまではカインが稽古の相手をしていた。しかし、それから三年間。
サラはますます実力を上げただろうし、カインは逆に年を取った。Sランクの冒険者、しかも剣士のサラの相手を、とうに引退して年老いた魔術師のカインに務まるだろうか。
しかし、表情を見るにサラはカインとの稽古を心底楽しみにしているようだ。
さすがに怪我はするまい。この体が動くまでは子供のわがままに付き合うのも父の役目だと、カインはしまい込んだ稽古用の木剣の場所を必死で思い出そうとした。
◇◇◇◇◇◇
いつも読んでいただきありがとうございます。
励みになりますので少しでも面白いと思っていただけたら感想、お気に入り登録をお願いします。
声を出すのも辛いのだが、自業自得だからしょうがない。しばらくはここを動けないだろう。
ついいつも通り魔力枯渇になるまで魔力を注いでしまった。カインは地面にへたり込み、肩で息をする。
「どうしたって。目の前に恐らく火の精霊だと思われる鳥がいるんだけれど、何故か私にも見えるのよ。ぴよっとか鳴いてるし。普通、精霊の姿も声も見えないし聞こえないはずでしょう? ソフィ」
「ええ。驚いたわ。生まれたてで既に受肉するなんて。よほど高位の存在か、もしくは注がれた魔力が尋常じゃなかったか。あるいはそのどちらもかしらね」
「どういうこと?」
「普通の人には精霊の姿は見えないし、声も聞こえない。それは正しいわ。でも例外があるの。精霊が力を蓄えて自身の憑代となる肉体を持つ。受肉っていうんだけど、それをなした精霊は普通の人にも見ることも触ることさえ出来るようになるのよ」
「なんだかよく分からないが、それじゃあその鳥は高位な存在なんだろう。なんて言っても炎の神霊たるフェニックスの贈り物だからね。ところですまないが、しばらくここを動けそうにない。魔力枯渇を起こしたんだ。私を置いて皆家に戻ってくれて構わないよ」
鳥の姿をした火の精霊は、カインに近寄りその姿を見つめると首を左右に数回ゆっくりと傾げた。そして顔を真っ直ぐとカインの方に向けた。
突然、火の精霊の翼と鶏冠が赤く輝きを強めた。次の瞬間、火の精霊はくちばしを大きく開けると、その先端から赤い炎でできたシャボン玉のようなものを数個吐き出した。
その動きはとてもゆっくりだったが、いかんせん距離が短かったせいで、周りの皆が止める間もなく、その炎球はカインに到達した。サラ達が驚きの声を上げる。
視界がないせいで、何が起こったか分からなかったが、カインもまた驚いていた。頭痛と吐き気が消えたのだ。
慌てて魔力による視界を展開させた。万全ではないものの、問題なくいつも通りの視界を確保することができた。魔力が回復したのだ。
火の精霊はまるで何事もなかったかのように、小さな翼を羽ばたかせ、カインの右肩に乗ると、ぴよっと一声鳴いた。
◇
「それにしても色々驚きですね」
カインの体調が戻ったので、皆で家に戻ると、ソフィは開口一番に声を上げた。
「まず初めに、この火の精霊です。そもそも精霊の卵自体が稀な話ですが、生まれた瞬間受肉しているなんて、恐らくどんな文献にも載ってないと思います」
「精霊が受肉するっていうのはそんなに珍しいことなの?」
シャルルはそもそも精霊の存在に出会うのも初めての経験だ。その初めてが受肉したといわれる精霊なのだから、これがどれだけ珍しいことかなど、皆目見当もつかなかった。
「さっきも言ったけど、受肉するためには精霊が力を蓄える必要があるの。精霊には格に応じた器があって、その器に魔力を注がれることで、力を蓄えることが出来るの。」
ソフィが魔法を使う場合、精霊に自身の魔力を与え、その魔力により得た力を使って精霊が魔法を行使するという流れになっていた。
ひどく効率の悪いようにも見えるが、人間の最大魔力変換効率を100%とした場合、精霊の格にもよるが、その効率は100%を優に超え、200%や300%にも達した。精霊はいわゆる魔力増幅装置なのだ。
また、そもそも精霊の行使する魔法は、人間のそれと体系が大きく異なった。ソフィが得意とする雷魔法も精霊の力を借りなければ、実用的な威力で使用できる魔術師など、片手で数えるほどしかいないだろう。
「魔力の器は魔力を注がれることにより徐々に大きくなるんだけれど、受肉できるだけの器になるには相当な時間がかかるとされているわ。また、器だけ大きくても空では当然意味がない。器が大きければ大きいほど必要な魔力は膨大になるの」
「ということは、この鳥の器が大きくて、カインさんの魔力が膨大だったってこと?」
「いやぁ。そんなことはないだろう。まだ若い頃、冒険者になる前に一度測ったきりだけれど、私の魔力量は魔術師としてはかなり少ない方だったよ」
「うーん。そうなると話が合わないんですよねぇ」
ソフィは考え込んでしまった。
「そんなことよりこの子に名前を付けてあげましょ!」
無邪気な顔でサラは今一番の重要事項だと言わんばかりに主張した。サラは無類の動物好きなのだ。
特に猫が好きで、昔飼っていた猫をこよなく愛でていた。犬も飼っていたが、犬よりも猫派だった。
余談だが、カインは犬派だった。昔飼っていた犬は、猫を飼いたいとせがむサラに対抗して、カインが近所から譲り受けた犬だった。
ソフィの「色々驚き」の説明がまだ終わっていないが、サラにとってはよほど名前付けの方が大事だったのだろう。
「コマチはどうかしら?」
「それは昔飼っていた猫の名前じゃないか」
「えー、だってきっとこの鳥美人さんよ」
コマチというのは物語に出る東洋にある国の美人の名前だという。カインの代わりに物語を読み聞かせてくれた近所の女性の好きな話の一つだった。
昔飼っていた猫はメスで、サラが美人だ、コマチだと、その名前を付けた。カインには猫の美醜など分からなかったが。
ちなみに、一緒に飼っていた犬の名前はレモンといった。酸味の強い果物の皮の色に似た毛色をしていたため付けた名前だった。
そもそも精霊に性別や美醜の概念があるのだろうかとカインは悩んでしまった。
「うーん。今は小さいけど、きっともっと大きくなるから、マチは?」
我が子ながら残念なネーミングセンスだ。そんなことを考えていると、先ほどからカインの右肩にとまっていた火の精霊が、翼を一生懸命に羽ばたかせながら、サラの頭に移動すると、ぴよっ! と強めに鳴いた。
「ほら! 気に入ったみたいだよ! マチ。あなたは今日からマチ。ね。ソフィ。この子、この名前気に入ってるよね?」
「どうかしら。受肉するほど格の高い精霊なはずなのに、この精霊と会話ができないのよね・・・。嫌がってはいないみたいだけど」
きらきらと子供の用に目を輝かせたサラは、頭の上から火の精霊を両手を使い降ろすと、目の前に引き寄せ、頬擦りしようとした。
火の鳥は逃げるようにサラの手をすり抜けると、再びカインの右肩にとまった。
結局名前を付けないで火の精霊と呼び続けるのも可哀想だろうということと、他に代替案が出なかったため、鳥の姿をした火の精霊はマチと呼ばれることになった。
そうこうしている内に昼を過ぎてしまい、カインは慌ただしく昼食の支度を始めた。
ソフィは何やらまだ話したがっていたが、人が増え蓄えていた野菜では足りなくなったため、サラは畑に出かけてしまい、うやむやの内に話は終わってしまった。
「お父さん。ご飯を食べたら、稽古に付き合ってよ」
サラはカインが作った料理を口いっぱいに頬張りながら、カインに言った。
横ではソフィが美味しそうに、薄く焼いた生地の上に肉の燻製の薄切りや生野菜などを乗せ生地を折りたたんだ、この地方独特の食べ物を食べていた。案の定、その頬にはソースが付いていた。
シャルルも物珍しそうにその食べ物を食べていた。
「これ、街でお店を出したら流行りそうね」
「こんな誰でも作れる簡単で安い料理にわざわざお金を出す人なんていますかね?」
「私は出すよ! だって懐かしいもん!」
「うん。私もたまになら食べてみたいかな。なんかお洒落だし」
「きっと、若い女性に人気が出ると思うの。ヘルシーでお洒落だって宣伝出せばきっと火が付くわ」
食事の間すらも商魂逞しいシャルルに感心しながら、カインは先ほどサラが口にした言葉を考えていた。
確かにサラが村を出るまではカインが稽古の相手をしていた。しかし、それから三年間。
サラはますます実力を上げただろうし、カインは逆に年を取った。Sランクの冒険者、しかも剣士のサラの相手を、とうに引退して年老いた魔術師のカインに務まるだろうか。
しかし、表情を見るにサラはカインとの稽古を心底楽しみにしているようだ。
さすがに怪我はするまい。この体が動くまでは子供のわがままに付き合うのも父の役目だと、カインはしまい込んだ稽古用の木剣の場所を必死で思い出そうとした。
◇◇◇◇◇◇
いつも読んでいただきありがとうございます。
励みになりますので少しでも面白いと思っていただけたら感想、お気に入り登録をお願いします。
0
お気に入りに追加
1,112
あなたにおすすめの小説
離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね?~魔道具師として自立を目指します!~
椿蛍
ファンタジー
【1章】
転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。
――そんなことってある?
私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。
彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。
時を止めて眠ること十年。
彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。
「どうやって生活していくつもりかな?」
「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」
「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」
――後悔するのは、旦那様たちですよ?
【2章】
「もう一度、君を妃に迎えたい」
今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。
再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?
――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね?
【3章】
『サーラちゃん、婚約おめでとう!』
私がリアムの婚約者!?
リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言!
ライバル認定された私。
妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの?
リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて――
【その他】
※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。
※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。
異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした
メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました!
1巻 2020年9月20日〜
2巻 2021年10月20日〜
3巻 2022年6月22日〜
これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます!
発売日に関しましては9月下旬頃になります。
題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。
旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~
なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。
────────────────────────────
主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。
とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。
これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。
※カクヨム、なろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる