14 / 14
第14話【舞台裏】
しおりを挟む
「いやぁ。それにしても上手くいったね」
種明かしは簡単だった。
ピエールの指示で酷い待遇にいた孤児たちを救うため、ミトラたちはできる限りのことをした。
一番大きかったのは、テイラーと出逢えたこと。
これがあったからこその作戦だった。
そこで知ったピエールの腹違いの弟、ダニエルのことを知った。
ピエールとは異なり、前領主の信念をきちんと受け継いだ善人だった。
「ダニエル様が居たからこの作戦を思いついたのです」
「とは言ってもまさかあのガーミラ侯をダシに使うとは。思い出しただけでも脚が震えるよ」
本来長男が家督を継ぐのが正当だが、前領主は人格に問題のあるピエールよりもダニエルの方が領主に相応しいと考えていた。
そのためにダニエルの地位をあげるため、国に直々に私信を送った。
しかしそれの勘づいたピエールは書簡が届く前に前領主を殺害し、まんまと領主の地位を確保した。
これが不幸の始まりだった。
ピエールの賄賂によって、前領主の送った私信はうやむやにされ、ダニエルはピエールの死を待つ以外に領主になることはできなくなった。
それがガーミラ侯によってなされたことを利用して、正当に領主の座に着いたというわけだ。
「セトとノーラもお疲れ様!」
「大したことしてないよ」
「私も武具制作の練習ができて、むしろありがたかった」
探鉱のせいで傷だらけだった孤児たちを健康にさせたのは、セトの魔法だった。
回復魔法で癒し、更にまともな食事を与え、年相応の健全な身体つきに戻した。
ノーラは、孤児の探鉱用の武具や工具を作り揃えた。
時間が無い中でも、手を抜かずどれもきちんと実用に耐えうる出来栄えだ。
もしガーミラ侯が無作為に手に取ったとしても、騙すために作ったとは思わなかっただろう。
それほどまでにノーラの鍛冶師としての基本はできていた。
「おいおい。俺らだってがんばったんだぞ」
「そうだぞ。私たちには労いの言葉は無いのか?」
「ああ。ごめんごめん。ジルバとククルもありがとう。お疲れ様」
ジルバとククルは、孤児の周りで見張っていた者たちを一時的に拘束し、退場願った。
孤児を健康に戻すためにはそれなりの時間が必要で、どうしてもその間の探鉱は中断させる必要があったからだ。
その他にもテイラーは自分のツテを使って、町中の者に根回しをした。
つまりガーミラ侯が来た時になるべく被害が少なくなるようにだ。
そうでなければピエールを殺され、領民をも殺されてしまった場合、ダニエルはそのままガーミラ侯を帰すのが難しくなってしまう。
この作戦の肝は、ガーミラ侯にピエール殺させ、特にいさかうことなくダニエルが領主になることだった。
「ミトラには全く頭が上がらないな。改めて礼を言うよ」
「いいえ。ダニエル様が孤児たちを含めて、領民にとっての幸せな領地運営をしていただければと」
「うん。そうだな……それについて一つ提案があるんだが――」
「え!? それは……」
☆
「ようやく約束が果たせる時が来たようだね。ミトラ。いや、ミトラ侯」
「お久しぶりです。ダニエル様」
「様はよしてくれ。君だってもう子爵だろう?」
「いえいえ。それでもダニエル様は伯爵ですからね」
ダニエルの屋敷に呼ばれたミトラは、恭しく礼をする。
しかし、今後は立場が逆になるのだと、お互いが知っているのだ。
「クランの方は順調なのかな? 一度顔を出せればと思ったんだが、なかなか難しくてね」
「はい。ジルバやセトがよくやってくれています。それにここの孤児院を出た者達が続々と加入してくれていますからね。今じゃあ、一、二を争う規模ですよ」
「それは良かった。それで、昔の約束。問題ないね?」
「本当によろしいのですか?」
ダニエルの言葉にミトラは念の為、確認をする。
あの日、ダニエルが提案した話を一時も忘れたことはなかった。
ミトラの夢に実現。
それをダニエルが叶えると言い出したのだから。
「当たり前じゃないか! むしろ待ち遠しかったよ。それにね。実を言うと私には器じゃないと痛感させられる毎日だったよ。今まで持ったのはテイラーを始め、良い部下に恵まれたからだ」
「そう言えるだけで、ダニエル様がここを統治されるのには十分なのでは?」
「まぁ、そう言うな。押し問答してもしょうがないだろう? 書類はここに用意してある。既に私のサインも王の承認もな。後はミトラ侯、君のだけだよ。受け取ってくれるね?」
「ありがたくっ!」
ミトラはダニエルが用意した羊皮紙にサインをした。
この瞬間、この街マルメリアを含めたダニエルの領地はミトラのものとなった。
ダニエルがミトラに提案したもの、それはミトラへ領地と爵位を譲渡するということだった。
跡継ぎが居ない領主にのみ許される行為で、もちろん国王の承認が必要だった。
また、譲渡する相手も当然な事ながら誰でもいい訳ではなく、爵位を持つものもしくはその血縁で、かつ領地を持っていない者に限られた。
それをミトラが満たしたため、この日ようやく約束が果たされたのだ。
「ありがとう。これで肩の荷が降りたよ。いや、今からは敬語を使わないといけないのかな?」
「ご冗談を。それでは、全身全霊をもって、この領地を楽園にすることを誓います!」
「うん。頼むよ。そうだった。忘れるところだ。ククルとの挙式はいつやるんだね?」
「う……何故それを?」
「だって、ほら」
「ミトラ! 私を置いていこうなんてうるさないぞ!!」
柱の影からククルが顔を出す。
その顔は口調に似合わず満面の笑みを浮かべている。
「めでたいことが続くな! さて、これからは君が領主だ!! 君の思い描く楽園とやらを楽しみにしてるよ」
「はい! 頑張ります!!」
こうして、ミトラは孤児たちを含めて住む人に楽園と呼ばれる領地運営を成した。
妻となったククルとも生涯幸せに暮らした。
☆☆☆
ということで、最後走りましたがここで完結とさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
合わせて、新作VRを書き始めました。
旧作VRと共にそちらもよろしければお願いします。
種明かしは簡単だった。
ピエールの指示で酷い待遇にいた孤児たちを救うため、ミトラたちはできる限りのことをした。
一番大きかったのは、テイラーと出逢えたこと。
これがあったからこその作戦だった。
そこで知ったピエールの腹違いの弟、ダニエルのことを知った。
ピエールとは異なり、前領主の信念をきちんと受け継いだ善人だった。
「ダニエル様が居たからこの作戦を思いついたのです」
「とは言ってもまさかあのガーミラ侯をダシに使うとは。思い出しただけでも脚が震えるよ」
本来長男が家督を継ぐのが正当だが、前領主は人格に問題のあるピエールよりもダニエルの方が領主に相応しいと考えていた。
そのためにダニエルの地位をあげるため、国に直々に私信を送った。
しかしそれの勘づいたピエールは書簡が届く前に前領主を殺害し、まんまと領主の地位を確保した。
これが不幸の始まりだった。
ピエールの賄賂によって、前領主の送った私信はうやむやにされ、ダニエルはピエールの死を待つ以外に領主になることはできなくなった。
それがガーミラ侯によってなされたことを利用して、正当に領主の座に着いたというわけだ。
「セトとノーラもお疲れ様!」
「大したことしてないよ」
「私も武具制作の練習ができて、むしろありがたかった」
探鉱のせいで傷だらけだった孤児たちを健康にさせたのは、セトの魔法だった。
回復魔法で癒し、更にまともな食事を与え、年相応の健全な身体つきに戻した。
ノーラは、孤児の探鉱用の武具や工具を作り揃えた。
時間が無い中でも、手を抜かずどれもきちんと実用に耐えうる出来栄えだ。
もしガーミラ侯が無作為に手に取ったとしても、騙すために作ったとは思わなかっただろう。
それほどまでにノーラの鍛冶師としての基本はできていた。
「おいおい。俺らだってがんばったんだぞ」
「そうだぞ。私たちには労いの言葉は無いのか?」
「ああ。ごめんごめん。ジルバとククルもありがとう。お疲れ様」
ジルバとククルは、孤児の周りで見張っていた者たちを一時的に拘束し、退場願った。
孤児を健康に戻すためにはそれなりの時間が必要で、どうしてもその間の探鉱は中断させる必要があったからだ。
その他にもテイラーは自分のツテを使って、町中の者に根回しをした。
つまりガーミラ侯が来た時になるべく被害が少なくなるようにだ。
そうでなければピエールを殺され、領民をも殺されてしまった場合、ダニエルはそのままガーミラ侯を帰すのが難しくなってしまう。
この作戦の肝は、ガーミラ侯にピエール殺させ、特にいさかうことなくダニエルが領主になることだった。
「ミトラには全く頭が上がらないな。改めて礼を言うよ」
「いいえ。ダニエル様が孤児たちを含めて、領民にとっての幸せな領地運営をしていただければと」
「うん。そうだな……それについて一つ提案があるんだが――」
「え!? それは……」
☆
「ようやく約束が果たせる時が来たようだね。ミトラ。いや、ミトラ侯」
「お久しぶりです。ダニエル様」
「様はよしてくれ。君だってもう子爵だろう?」
「いえいえ。それでもダニエル様は伯爵ですからね」
ダニエルの屋敷に呼ばれたミトラは、恭しく礼をする。
しかし、今後は立場が逆になるのだと、お互いが知っているのだ。
「クランの方は順調なのかな? 一度顔を出せればと思ったんだが、なかなか難しくてね」
「はい。ジルバやセトがよくやってくれています。それにここの孤児院を出た者達が続々と加入してくれていますからね。今じゃあ、一、二を争う規模ですよ」
「それは良かった。それで、昔の約束。問題ないね?」
「本当によろしいのですか?」
ダニエルの言葉にミトラは念の為、確認をする。
あの日、ダニエルが提案した話を一時も忘れたことはなかった。
ミトラの夢に実現。
それをダニエルが叶えると言い出したのだから。
「当たり前じゃないか! むしろ待ち遠しかったよ。それにね。実を言うと私には器じゃないと痛感させられる毎日だったよ。今まで持ったのはテイラーを始め、良い部下に恵まれたからだ」
「そう言えるだけで、ダニエル様がここを統治されるのには十分なのでは?」
「まぁ、そう言うな。押し問答してもしょうがないだろう? 書類はここに用意してある。既に私のサインも王の承認もな。後はミトラ侯、君のだけだよ。受け取ってくれるね?」
「ありがたくっ!」
ミトラはダニエルが用意した羊皮紙にサインをした。
この瞬間、この街マルメリアを含めたダニエルの領地はミトラのものとなった。
ダニエルがミトラに提案したもの、それはミトラへ領地と爵位を譲渡するということだった。
跡継ぎが居ない領主にのみ許される行為で、もちろん国王の承認が必要だった。
また、譲渡する相手も当然な事ながら誰でもいい訳ではなく、爵位を持つものもしくはその血縁で、かつ領地を持っていない者に限られた。
それをミトラが満たしたため、この日ようやく約束が果たされたのだ。
「ありがとう。これで肩の荷が降りたよ。いや、今からは敬語を使わないといけないのかな?」
「ご冗談を。それでは、全身全霊をもって、この領地を楽園にすることを誓います!」
「うん。頼むよ。そうだった。忘れるところだ。ククルとの挙式はいつやるんだね?」
「う……何故それを?」
「だって、ほら」
「ミトラ! 私を置いていこうなんてうるさないぞ!!」
柱の影からククルが顔を出す。
その顔は口調に似合わず満面の笑みを浮かべている。
「めでたいことが続くな! さて、これからは君が領主だ!! 君の思い描く楽園とやらを楽しみにしてるよ」
「はい! 頑張ります!!」
こうして、ミトラは孤児たちを含めて住む人に楽園と呼ばれる領地運営を成した。
妻となったククルとも生涯幸せに暮らした。
☆☆☆
ということで、最後走りましたがここで完結とさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
合わせて、新作VRを書き始めました。
旧作VRと共にそちらもよろしければお願いします。
0
お気に入りに追加
58
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!
桜井正宗
ファンタジー
辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。
そんな努力もついに報われる日が。
ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。
日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。
仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。
※HOTランキング1位ありがとうございます!
※ファンタジー7位ありがとうございます!
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる