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3章 アドルファス帝国編
42話 アドルファス帝国へ突撃です
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星降り祭りの余波が終わって我に返ったのだが、魔鋼鉄製の研究工場どころではなく周囲一帯が惨状であった。
うん、やりすぎたな。直径一キロの被害ってこんなに広いんだな……。
クレーターにクレーターが重なり、地面が抉れて熱も帯びていて、とんでもないことになっている。それに、周りの森も大方消し飛んでいるな。
「オサム殿が魔法を使えなかったのは、神のお導きだったのかも知れませんね」
「私はとても有意義な時間でしたが、この威力を見ますと……オサム様は世界を滅ぼす魔法とかも作れそうですわ」
世界を滅ぼす、か。
「そういえば、触手魔人と何か話したようだったけど、何か言ってたか?」
「うん、世界を滅ぼすって。神の声が聞こえるって言ってた……」
美砂はまだなんか落ち込んでるみたいだな。
それより……触手魔人達はなんで世界を滅ぼしたがるんだろうか、降魔薬の副作用なのかな。
よし、爆風から美砂が守ってくれていたからな。とりあえず迷える仔羊たちとオハナシしようか。
「さて、研究者の皆さんフラグ立てに感謝する。しっかり回収させてもらって、君たちの誇る研究工場はあのざまだ。素直に、質問に答える気はあるかい?」
「このバケモノどもめ!いきなり攻撃してきて、一体何が目的だ!」
「目的は人体実験なんてやってる気に食わない施設を潰すことだよ。君たちこそ世界を滅ぼそうとする触手魔人なんて作って、一体何が目的なのかな?」
「確かに降魔薬に適合した魔人達は口を揃えて世界を滅ぼすというが、私達は女神様のご神託で世界を救おうとしているんだ!それを……なんて事をしてくれたんだ!」
「女神の神託?女神アフロディーテか?」
「そうだ。あの方が女神様から神託を受け、我々に神言を教えてくれるのだ」
「ふーん?それにそう、そのあの方とやらの話しも聞きたかったんだよ。あの方ってのは誰だ、帝国の皇帝か?」
「ふんっ!既に帝国があの方のものであるという点ではその通りだ。今頃帝都は既にあの方の手に落ちているだろうからな!」
「その口振りでは帝国の人間ではなさそうだね?勿体ぶってないで教えてくれよ。女神の声が聞こえるあの方とやらは、俺たちに名前を知られた程度で邪魔されるほど弱い存在なのか?」
「何を!?いいだろう、教えてやる!女神様のご神託を受けこれから世界を救うお方の名はアレス教国の枢機卿、エイデン・ホワイト様だ」
ちょろ過ぎて草生えるわ。
それにしてもアレス教国の枢機卿か、トップである教皇の一つ下の役職だったな。ソイツが麻薬騒動一連の黒幕か。
さて、戦争騒ぎから一転、麻薬騒動も繋がってきた。
俺はこの麻薬関連の黒幕は許さないと決めている。俺一人なら帝都に乗り込んで枢機卿とやらをぶっ飛ばしたい所だが……。
皆を見ると、俺の考えていることが伝わっているのか、無言で頷く。そうだったな、今回は皆の強さも見せて貰ったんだ。
「帝都に行こう」
「うん!」
「ええ」
「ですわね」
「デストローイ、なのです!」
リオンが変な言葉を覚えてしまい、皆に白い目で見られた。いや、前々から言ってたと思うよ?それにいいんだよ、子供はこうやって大人になっていくんだよ……。
俺たちは帝都に向けて移動する。
途中、皆に気を遣わせまいとしているが、未だに様子のおかしい美砂に話し掛けてみる。
「触手魔人の件、まだ気にしてるのか?」
「え!?あ……いや、べ、別に気にしてないんだよ?でも、何か助ける方法が無かったかなって。命を奪わずに済む方法無いのかなって……」
美砂は慌てたような顔をしていたが、話しながらどんどん暗い表情へと変化していく。
ハッキリ言えば、四人で戦った触手魔人戦で美砂は何もしていない。
まあ俺は空気が読めるからそんなことは言わないが、エリーズにウォーターカッターという知識を教えただけでダメージを食らってるのか。
残念ながらこれっぽっちも気持ちが理解できないが、フォローはしておこう。
「まあ、美砂が教えた魔法で皆が無事だったのは事実だし、地球でも大した意味の無い殺生は沢山見てきたはずだぞ?」
「地球でも?」
「牛肉、豚肉、鶏肉。肉ってあんなに種類必要か?確かに酪農や畜産だって立派な仕事だよ、でも本質は人間のワガママだろう?」
「例えば牛だけでも良いでしょ、ってこと?」
「ああ、肉も一番とれるしな。命の重さに違いを付けないなら、鶏の大量虐殺はやめて牛一本でも良かったはずだ。それに、食べ物が足りないなら人間を間引けばいいだろ」
「そう……だね……。命の重さに違いがあるって言いたいんだね?」
「野菜を殺して野菜を食べてる、魚を殺して魚を食べてる。そしてそれは生きるためではなく、食事を楽しむためだ。生きるためならサプリだけだっていいんだ」
「うん……」
「俺が言いたいのは、今回は生きるための闘争が行われて、触手魔人は殺されたということだ。これは楽しむためですらなく、自然界における弱肉強食に近い現象だと思う。何が問題だ?」
「そう……なんだけどね……」
「お前はアルバイトしたお金を、お小遣いやお年玉で貰ったお金を、全て寄付していたか?そうすれば何人もの人間の命を救えたのにも関わらず、お前は好きに使わなかったか?」
「それは……」
「そのお金で他人を助けられることを知っていたのに、自分の欲望を優先して、頑張ってその日を生き延びようとしている他人の命を軽んじたわけだ。じゃあ美砂はサイコパスな人殺しだな?」
「ち……違うよ!」
「そう、違うな。理想は大いに結構だけど、俺は仲間の命の方が大事だし、全てを救えるなんて思ってもいない。美砂も、優先順位は間違えないでくれよ」
「うん……分かった。ごめんね」
美砂と離れた後、エリーズとエドモンが渋い顔をしながら話しかけてくる。
「ビックリした、あなたフォロー下手過ぎですわ」
「ド正論でしたが、フォローのつもりで部下の心を折ってしまうタイプなのでしょう」
酷い言われようだ。俺だって頑張ってフォローしたつもりなんだぞ!
「人生経験が豊富な訳じゃないんでね、そう思うならフォローしといてくれ」
一時気まずい雰囲気も流れたような気がしたが、エリーズとエドモンがフォローしてくれたおかげか、何事もなく終わった。
それからしばらくで、俺たちはアドルファス帝国の帝都へと到着したのだが……。
俺たちは今はなぜか城の地下牢で捕らえられており、向かいの牢屋に剣聖が連れて来られた所だ。
あまりの展開に何コマか飛ばしたように感じるが間違っちゃいない。
俺たちは帝都に着いてすぐ城へ向かった。
門衛に、剣聖から呼ばれて来たことを伝えると城の中へ案内して貰えたのだが、目的地が牢屋だったのだ。
暴れることも出来たんだが、如何せん情報が足りないからな、大人しく鎖に繋がれておくことにしていたら、向かいの牢屋に剣聖が連れてこられたんだ。
「さて剣聖、理由を聞こうか?」
俺は、俺たちの向かいの牢屋に捕らえられている剣聖に疑問をぶつける。
「理由?」
「やることが済んだら是非帝都へ来て欲しい、って言ってただろ!なんでお前は捕らえられてて、俺たちまで捕えられなきゃいかんのだ」
「確かに申したが……やる事を済ませるはずのお主らがなぜ拙者よりも先に牢屋へ入れらているでござるか!」
「やる事が済んだからだぞ」
何を言っている、それ以外にないだろうが。
「だからそれが……フゥ。まず拙者は枢機卿が怪しいことを皇帝に直談判したでござる」
「ああ、枢機卿が黒幕で麻薬騒動の元凶らしいな。恐らく王国との戦争もだろう」
「なにぃ!?なにゆえ知っておる!?」
「後で話すよ、それで?」
「あ、ああ。したらば反逆者扱いされてしまってな、謁見の間で部下相手に暴れる訳にも行かず、捕らえられてしまったでござる」
めちゃくちゃ簡潔に伝えてきたな。
「じゃあ、皇帝も既に抱き込まれてる感じ?」
「言いづらいが……今の皇帝は暗愚であるがゆえ、抱き込まれてるというよりは操られているといった所でござる」
「それ大して変わんねえだろ……。とりあえず捕らえられた理由も何となく分かったし、俺たちは出る。枢機卿をぶっ飛ばさないといけないからな」
「お前達!さっきから何を言って「うるさい!」
俺は鎖を引きちぎり、檻をへし折って看守に首トンする。看守を気絶させたので、俺は仲間全員の手錠を外してやる。
「剣聖ストークス。お前はどうする?」
「反逆者になるつもりであるか?」
「全員殺せば、反逆者は向こうだ」
「ハハハハハハハ!そうであるな、その通りでござる。ただ兵士は私の部下達なのだ、なるべく殺さないでくれるか?」
そう言いながら剣聖も鎖を引きちぎり、牢屋の外に出てくる。
「皆でぶっころなのです!」
「さ、最強タッグが出来てしまいましたわ」
「帝国には同情を禁じ得ませんね」
「うん!行こう!」
しばらく考え事をしていた美砂も何か強い決心をしたようだ。
俺たちは地下牢を出て、枢機卿がいるであろう謁見の間へ向かう。
「脱獄者だー!」
「捕らえろ!」
「しかし……剣聖様です」
「皇帝からの命令だ!逆らうようなら殺して構わん」
俺たちは出てくる騎士たちを片っ端から気絶させ、先へ進んでいく。というか、剣聖とリオンが並んで楽しそうに戦っているのを見ているだけだ。
珍しい、リオンがやたら懐いてる。
おっ、そんなことを考えていると謁見の間の前まで来れたようだ。
「王よ、失礼する」
挨拶をし、扉を開いて入っていく剣聖の後ろに付き、俺たちも謁見の間へ入っていった。
うん、やりすぎたな。直径一キロの被害ってこんなに広いんだな……。
クレーターにクレーターが重なり、地面が抉れて熱も帯びていて、とんでもないことになっている。それに、周りの森も大方消し飛んでいるな。
「オサム殿が魔法を使えなかったのは、神のお導きだったのかも知れませんね」
「私はとても有意義な時間でしたが、この威力を見ますと……オサム様は世界を滅ぼす魔法とかも作れそうですわ」
世界を滅ぼす、か。
「そういえば、触手魔人と何か話したようだったけど、何か言ってたか?」
「うん、世界を滅ぼすって。神の声が聞こえるって言ってた……」
美砂はまだなんか落ち込んでるみたいだな。
それより……触手魔人達はなんで世界を滅ぼしたがるんだろうか、降魔薬の副作用なのかな。
よし、爆風から美砂が守ってくれていたからな。とりあえず迷える仔羊たちとオハナシしようか。
「さて、研究者の皆さんフラグ立てに感謝する。しっかり回収させてもらって、君たちの誇る研究工場はあのざまだ。素直に、質問に答える気はあるかい?」
「このバケモノどもめ!いきなり攻撃してきて、一体何が目的だ!」
「目的は人体実験なんてやってる気に食わない施設を潰すことだよ。君たちこそ世界を滅ぼそうとする触手魔人なんて作って、一体何が目的なのかな?」
「確かに降魔薬に適合した魔人達は口を揃えて世界を滅ぼすというが、私達は女神様のご神託で世界を救おうとしているんだ!それを……なんて事をしてくれたんだ!」
「女神の神託?女神アフロディーテか?」
「そうだ。あの方が女神様から神託を受け、我々に神言を教えてくれるのだ」
「ふーん?それにそう、そのあの方とやらの話しも聞きたかったんだよ。あの方ってのは誰だ、帝国の皇帝か?」
「ふんっ!既に帝国があの方のものであるという点ではその通りだ。今頃帝都は既にあの方の手に落ちているだろうからな!」
「その口振りでは帝国の人間ではなさそうだね?勿体ぶってないで教えてくれよ。女神の声が聞こえるあの方とやらは、俺たちに名前を知られた程度で邪魔されるほど弱い存在なのか?」
「何を!?いいだろう、教えてやる!女神様のご神託を受けこれから世界を救うお方の名はアレス教国の枢機卿、エイデン・ホワイト様だ」
ちょろ過ぎて草生えるわ。
それにしてもアレス教国の枢機卿か、トップである教皇の一つ下の役職だったな。ソイツが麻薬騒動一連の黒幕か。
さて、戦争騒ぎから一転、麻薬騒動も繋がってきた。
俺はこの麻薬関連の黒幕は許さないと決めている。俺一人なら帝都に乗り込んで枢機卿とやらをぶっ飛ばしたい所だが……。
皆を見ると、俺の考えていることが伝わっているのか、無言で頷く。そうだったな、今回は皆の強さも見せて貰ったんだ。
「帝都に行こう」
「うん!」
「ええ」
「ですわね」
「デストローイ、なのです!」
リオンが変な言葉を覚えてしまい、皆に白い目で見られた。いや、前々から言ってたと思うよ?それにいいんだよ、子供はこうやって大人になっていくんだよ……。
俺たちは帝都に向けて移動する。
途中、皆に気を遣わせまいとしているが、未だに様子のおかしい美砂に話し掛けてみる。
「触手魔人の件、まだ気にしてるのか?」
「え!?あ……いや、べ、別に気にしてないんだよ?でも、何か助ける方法が無かったかなって。命を奪わずに済む方法無いのかなって……」
美砂は慌てたような顔をしていたが、話しながらどんどん暗い表情へと変化していく。
ハッキリ言えば、四人で戦った触手魔人戦で美砂は何もしていない。
まあ俺は空気が読めるからそんなことは言わないが、エリーズにウォーターカッターという知識を教えただけでダメージを食らってるのか。
残念ながらこれっぽっちも気持ちが理解できないが、フォローはしておこう。
「まあ、美砂が教えた魔法で皆が無事だったのは事実だし、地球でも大した意味の無い殺生は沢山見てきたはずだぞ?」
「地球でも?」
「牛肉、豚肉、鶏肉。肉ってあんなに種類必要か?確かに酪農や畜産だって立派な仕事だよ、でも本質は人間のワガママだろう?」
「例えば牛だけでも良いでしょ、ってこと?」
「ああ、肉も一番とれるしな。命の重さに違いを付けないなら、鶏の大量虐殺はやめて牛一本でも良かったはずだ。それに、食べ物が足りないなら人間を間引けばいいだろ」
「そう……だね……。命の重さに違いがあるって言いたいんだね?」
「野菜を殺して野菜を食べてる、魚を殺して魚を食べてる。そしてそれは生きるためではなく、食事を楽しむためだ。生きるためならサプリだけだっていいんだ」
「うん……」
「俺が言いたいのは、今回は生きるための闘争が行われて、触手魔人は殺されたということだ。これは楽しむためですらなく、自然界における弱肉強食に近い現象だと思う。何が問題だ?」
「そう……なんだけどね……」
「お前はアルバイトしたお金を、お小遣いやお年玉で貰ったお金を、全て寄付していたか?そうすれば何人もの人間の命を救えたのにも関わらず、お前は好きに使わなかったか?」
「それは……」
「そのお金で他人を助けられることを知っていたのに、自分の欲望を優先して、頑張ってその日を生き延びようとしている他人の命を軽んじたわけだ。じゃあ美砂はサイコパスな人殺しだな?」
「ち……違うよ!」
「そう、違うな。理想は大いに結構だけど、俺は仲間の命の方が大事だし、全てを救えるなんて思ってもいない。美砂も、優先順位は間違えないでくれよ」
「うん……分かった。ごめんね」
美砂と離れた後、エリーズとエドモンが渋い顔をしながら話しかけてくる。
「ビックリした、あなたフォロー下手過ぎですわ」
「ド正論でしたが、フォローのつもりで部下の心を折ってしまうタイプなのでしょう」
酷い言われようだ。俺だって頑張ってフォローしたつもりなんだぞ!
「人生経験が豊富な訳じゃないんでね、そう思うならフォローしといてくれ」
一時気まずい雰囲気も流れたような気がしたが、エリーズとエドモンがフォローしてくれたおかげか、何事もなく終わった。
それからしばらくで、俺たちはアドルファス帝国の帝都へと到着したのだが……。
俺たちは今はなぜか城の地下牢で捕らえられており、向かいの牢屋に剣聖が連れて来られた所だ。
あまりの展開に何コマか飛ばしたように感じるが間違っちゃいない。
俺たちは帝都に着いてすぐ城へ向かった。
門衛に、剣聖から呼ばれて来たことを伝えると城の中へ案内して貰えたのだが、目的地が牢屋だったのだ。
暴れることも出来たんだが、如何せん情報が足りないからな、大人しく鎖に繋がれておくことにしていたら、向かいの牢屋に剣聖が連れてこられたんだ。
「さて剣聖、理由を聞こうか?」
俺は、俺たちの向かいの牢屋に捕らえられている剣聖に疑問をぶつける。
「理由?」
「やることが済んだら是非帝都へ来て欲しい、って言ってただろ!なんでお前は捕らえられてて、俺たちまで捕えられなきゃいかんのだ」
「確かに申したが……やる事を済ませるはずのお主らがなぜ拙者よりも先に牢屋へ入れらているでござるか!」
「やる事が済んだからだぞ」
何を言っている、それ以外にないだろうが。
「だからそれが……フゥ。まず拙者は枢機卿が怪しいことを皇帝に直談判したでござる」
「ああ、枢機卿が黒幕で麻薬騒動の元凶らしいな。恐らく王国との戦争もだろう」
「なにぃ!?なにゆえ知っておる!?」
「後で話すよ、それで?」
「あ、ああ。したらば反逆者扱いされてしまってな、謁見の間で部下相手に暴れる訳にも行かず、捕らえられてしまったでござる」
めちゃくちゃ簡潔に伝えてきたな。
「じゃあ、皇帝も既に抱き込まれてる感じ?」
「言いづらいが……今の皇帝は暗愚であるがゆえ、抱き込まれてるというよりは操られているといった所でござる」
「それ大して変わんねえだろ……。とりあえず捕らえられた理由も何となく分かったし、俺たちは出る。枢機卿をぶっ飛ばさないといけないからな」
「お前達!さっきから何を言って「うるさい!」
俺は鎖を引きちぎり、檻をへし折って看守に首トンする。看守を気絶させたので、俺は仲間全員の手錠を外してやる。
「剣聖ストークス。お前はどうする?」
「反逆者になるつもりであるか?」
「全員殺せば、反逆者は向こうだ」
「ハハハハハハハ!そうであるな、その通りでござる。ただ兵士は私の部下達なのだ、なるべく殺さないでくれるか?」
そう言いながら剣聖も鎖を引きちぎり、牢屋の外に出てくる。
「皆でぶっころなのです!」
「さ、最強タッグが出来てしまいましたわ」
「帝国には同情を禁じ得ませんね」
「うん!行こう!」
しばらく考え事をしていた美砂も何か強い決心をしたようだ。
俺たちは地下牢を出て、枢機卿がいるであろう謁見の間へ向かう。
「脱獄者だー!」
「捕らえろ!」
「しかし……剣聖様です」
「皇帝からの命令だ!逆らうようなら殺して構わん」
俺たちは出てくる騎士たちを片っ端から気絶させ、先へ進んでいく。というか、剣聖とリオンが並んで楽しそうに戦っているのを見ているだけだ。
珍しい、リオンがやたら懐いてる。
おっ、そんなことを考えていると謁見の間の前まで来れたようだ。
「王よ、失礼する」
挨拶をし、扉を開いて入っていく剣聖の後ろに付き、俺たちも謁見の間へ入っていった。
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