ユキバナの咲く地へ

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終章

25

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 その日がやってきた。
 エルザ、ゾル、ルアドの三人は洞窟に戻ってきた。
 二匹の使い魔、メルとピピも連れて来ている。

 作戦を決行する。

 三人はインヴィジビリティの魔法で、姿を消した。
 下級の悪魔には、見破られることはないはずだ。

 使い魔も同様にインヴィジビリティの効果を受けており、空から悪魔の動向を主人に伝えている。

 悪魔共はあまり警戒している様子はなかった。
 やはり攻めて来る者がいるとは考えないようだ。

 ルアドの案内で、都市ウルに侵入する。

 街路を抜けて、地下水路へと入った。

 ここからクリスタル宮殿へと侵入する。
 メルとピピも上手くこちらにやってきた。

 ルアドに続いて、三人は水路を進む。

 やがて、クリスタル宮殿の内部に出ることができた。
 魔法ですぐさま服を乾かす。

 宮殿内部の構造は把握している。
 ルアドに続いて、エルザとゾルは移動する。

 普通のダンジョンなら罠や魔物などを警戒するのだが、宮殿にはそうした仕掛けはないようだ。

 ルアドが、安全なルートを全て知っていた。

 風のような速さで、謁見の間へと向かう。

 謁見の間の扉の前でゾルは闘神憑依を使い、アデフィッドを虚空から抜いた。ルアドもまた宝剣を抜く。
 エルザも惚れ薬ラブ・ポーションを片手に握る。

 もっとも足が速いのは闘神憑依の状態でいるゾルだ。
 エルザはゾルの後ろに身を隠しながらバズゥに接近するつもりでいる。

 三人は息を合わせる。
 タイミングを合わせる。

 荒々しく扉を開けて、謁見の間に侵入した。

 禍々しい形をした玉座にバズゥが腰掛けていた。
 体長は五メートル程あり、全身が黒く硬い皮膚で覆われて黒い翼が生えている。凶悪な目つきをしており瞳は赤く輝きを放ち、上顎からは牙が二本のぞいていた。

 666シックスハンドレッド&シックスティーンシックスのナンバー001、上級悪魔バズゥ。
 奴は大木の幹のような腕を組み、微動だにすることなくこちらを睨みつけている。

 三人は全力でバズゥに向かって走る。

 バズゥの赤い眼光が魔法で姿を消している侵入者を捕らえている。

 バズゥは余裕と貫禄を感じさせた。
 蠅や鼠と同等としかこちらを見ていないのだと思わせられた。
 部屋の空気がまるで全身に重圧がかけられているように重く感じられた。

 バズゥはすっくと立ち上がり身構え、盾となる悪魔を召喚しようとした。
 巨体にも関わらず身のこなしが素早い。

 だがゾルの魔眼が、バズゥの召喚術の効果をかき消した。

 バズゥはすぐさま魔法攻撃を放とうとする。これをルアドがカウンター・マジックでかき消す。

 再びバズゥが魔法を放とうとするが、今度はまたゾルの魔眼が魔法をかき消した。

 その刹那の攻防を制し、ゾルはバズゥの目の前で足を止める。

 鬼の表情で歯を噛み締め、ゾルはアディフィッドの一撃を繰り出した。
 バズゥの巨大な身体を斬り裂く。
 バズゥにも攻撃が通じる。
 ゾルは手応えを感じる。

 だが、すぐにバズゥの自己治癒が働いた。
 身体の傷が癒えていく。

 この一撃に、バズゥは怒りを露わにした。
 バズゥが怒りの咆哮を上げた。

「ウオォォォォーーー!!!」

 ゾルの全身を震わす声量だった。
 驚いたメルが、捨て身の突撃をしようとしていた。

 ルアドがゾルにわずかに遅れて追いつく。
 ルアドはまるで後ろを走るエルザの盾になろうとするように、ゾルの隣で剣を構えた。

 バズゥに魔法は効かないと思った方がいい。
 魔法剣での全力接近攻撃しか、ダメージを与える手段はない。

 ゾルとルアドは体勢を整え、バズゥに剣を向ける。

「私たちの勝ちだ」

 後ろからエルザの声が聞こえた。
 バズゥが咆哮を上げたその隙をエルザは見逃さなかった。
 身を低くして走っていたエルザが、ゾルの肩に足をかけ跳んでいた。
 エルザはバズゥの至近距離で、腕を振るう。

 ナイフ投げの要領で、エルザは蓋を開いた惚れ薬をバズゥの口の中に投げ込んだ。

 ゴクリ。
 バズゥは惚れ薬を飲み込んだ。

 まさかの。
 作戦成功。

(薬は効くのか?)

 ゾルは八連撃を繰り出す体勢に入る。
 ルアドも相手の動きに神経を研ぎ澄ませている。

 バズゥは、巨体をピタリと静止させた。

「お、お、お……おぉぉぉぉ!!!」

 と、バズゥは巨大な悪魔にしては可愛い声を上げた。
 何か、悶えるような、変な声音にも思える。
 …………。
 数秒が、数分にも数時間にも感じる間だった。

 …………。

 バズゥが、クルリとエルザの方を向いて言った。

「私は今、生まれてから今日まででもっとも良い気分です」

 なんだか、紳士的な目をしてエルザを見ている。
 先程までと雰囲気が違う。

(さすが、メザイアが作った薬だな)

 どうやら惚れ薬は効バズゥにも効果があるらしい。

「バズゥ。私に従え」

 エルザは腕を振り、バズゥにそう命令する。

「はい。一生お従え致します。いえ、お従えさせて下さい」

 バズゥは姿勢を正し、執事のように頭を垂れた。
 完全にエルザに魅了されている。
 いや、魅了と言うより、これは操られている状態と言うべきか。と、ゾルはバズゥの様子を見て思う。

「よし。まずはお前の部下、666たちを全て奈落へ向かわせろ。私たちのことは上手く伏せるんだ」

「かしこまりました」

 奈落。
 神々と敵対するフィーンドの住まう場所だ。
 666に地獄に戻られても厄介なので、そこに向かわせる。
 悪属性同士で、争い合うことだろう。

 バズゥは早速エルザの指示に取り掛かった。
 恐らく念話かメッセージのような魔法を使っている。

「ふん」

 とエルザは鼻を鳴らす。
 こんなものか、とでも言うように。

「都市奪還成功だな」

 ゾルは喜びの感情が混ざった声でエルザに言葉をかけた。

「我が娘よ」

 ルアドも表情を明るくして誇らしそうにそう言った。

 ゾルとルアドは巨大な悪魔を従わせるエルザを見て、感情のたかぶりを覚えていた。




 バズゥが謁見の間で部下に指示を出している間に、三人はクリスタル宮殿の地下へと降りる。

 この地下へは隠し通路で行けるようになっており、謁見の間の玉座の裏に入り口は隠されていた。

 とてつもなく巨大な地下空間だった。

「な、なんだ、これは……」

 と、ゾルはその場にあった物に思わず目を疑った。

 エンキの石碑があるとは聞いていたが。
 その数は数百にも及び、空洞の奥には飛び抜けて巨大な石碑があった。

 ひとまず、その石碑群を避けつつ、先に進む。
 地下湖が見えてきた。

「あの湖がアガペーだよ」

 ゾルには何の変哲もない地下湖に見える。

「何か、変な装置があるぞ?」

 と、エルザが眉を顰める。
 よく分からない構造物が湖のそばにある。外周が十メートル程のドーム状のもので、表面はルーン文字で埋め尽くされていた。
 ルーン文字は赤い光を放っている。
 どうもルーンを使った魔法が稼働しているようだ。

「元はなかった物だよ。恐らく、バラドナの作った物だろうね」

「どんな目的があるんだ?」

「分からない。でも、アガペーに何か影響が出るのは間違いない」

「バズゥなら、詳しく知っているんじゃないか?」

 とゾルは聞くが、エルザはドームを睨みルアドに言った。

「面倒だ。……ルアド、破壊できるか?」

「やってみる」

 ルアドは宝剣を構え、走り出す。ドームを周回しつつ斬りつけた。
 頑丈ではあるようだが、ルアドの攻撃でルーンは切り裂かれ赤い光も消えた。ドームは機能を停止させたと思ってよさそうだ。

「よし、いいだろう」

 何となくだが、エルザにもこの仕掛けの予想はついているようだ。
 このドームで、アガペーの何かしらの能力を利用している。
 それが悪魔共がこの都市を占拠した目的だったのだ。
 さっさと、今のうちに壊しておいた方がいい。
 



 湖の前で、エルザは立ち止まった。 

「アガペー、私の呼びかけに応えろ」

 と、エルザは湖に向かって声を上げた。

 湖の表面から、人が浮き出てきた。
 純白のベールを纏う、女神のような人物だった。

「私に呼びかけたのは、あなたですか?」

「ああ。話がしたい」

 女神はすすっと水面を移動して、エルザに近寄った。
 
「古代神とは何だ? お前は何者だ?」

「私は記憶の海。古代神とは原初の存在のことです」

「うーん?」

 なんか、ミアーサもそんなこと言っていたけど。
 意味がよく分からない。
 と言うか、神々の話は何だか理解できないことが多い気がする。

 あまり気にしても、先に進まないか。
 エルザは質問を続ける。

「なぜ、お前たちは滅びた?」

「滅びたのではありません。交代したのです」

「今の神々とか?」

「はい。古代神とは〈混沌〉と〈秩序〉の属性を両方合わせ持った存在でした。昔、人々は、その混じり合った世界の中で暮らしていたのです」

「古代王国のことか?」

「それより、前の時代です」

「うーん」

「……」

「バラドナはお前を利用していたのか?」

「私の、記憶、を使っていました」

「記憶?」

 女神のような人物は、水に溶けて消えた。
 そして、今度は違う人物が出てきた。

「赤い髪の女……」

 と、ゾルは思わず、呟いた。
 ゾルの追っている女が水面に出現したている。

「こいつが、そうなのか?」

「ああ、間違いない。どういうことだ?」

 獣のような赤い髪の女は話す。

「私は、記憶、を基に古代神を再現することができる」

 口調や声色が変わっていた。言葉遣いも先程の人物より、荒い感じがする。
 だが、中身はアガペーのままだ。
 アガペー自身は姿を持たないのかもしれない。
 会話をするために、他の古代神の姿を作り出しているのだろう。

「バラドナがアガペーをあの装置で操っていたんだな。その女も古代神か?」

「そうだ」

「その女をアガペーの記憶から再現し、エルキア王国に出現させ、古代魔法を使ったんだな」

「ああ。虫けら共を燃やし尽くしてやった」

 と言い、女の顔からたくさんの目が出現した。

「……」

 ゾルは言葉が出なかった。
 仇がそこにいるのに。
 これでは、戦う意味がない。
 膝から崩れ落ちそうだった。

「その女はもういいから、さっきの人物に変えてくれ」

 エルザはゾルの様子を気にしたのか、アガペーにそう伝えた。
 赤い髪の女は水に溶けるようにして消えた。再び先程の人物が出現した。

「赤い髪の女の正体は、アガペーでいいんだな」

「はい。私が記憶から再現しました」

「古代魔法の燃料には何を使った?」

「大量の魔力。人の魂でしょう」

「なぜ、砦を滅ぼした?」

「理由は分かりません」

「確認したい事がある」

「はい」

「お前には地獄を支配し管理するだけの力があるか? 例えば、魔力が豊富にあるとして、その記憶の能力を使って。悪魔の代わりに古代神が地獄を管理できないか?」

「魔力があれば可能でしょう」

「分かった。ゾルは何か聞いておくことはあるか?」

「……アガペーよ。なぜ俺だけ古代魔法の対象から外したのか教えてくれないか?」

「あなたが古代神エンキの契約者だったからでしょう。上位の神の力を与えられたあなたに、攻撃ができなかったのだと思います」

「そうか……」

「他には何か?」

「いや……それが分かって満足したよ」

 ゾルの追っていた赤い髪の女の正体は、バラドナに操られたアガペーの記憶から作られたものだった。
 まるで亡霊のような存在だとゾルは思う。
 人でも神でも悪魔でもない。例えるなら、やはり道具のようなものなのかもしれない。
 
 砦を守っていたときゾルが古代魔法で攻撃されなかったのは、アガペーが古代神エンキの力をゾルから感じ取り、意図せず魔法の対象から外したと言うだけのことだった。

 何か目的があったり、誰かの意思が介在していたのではない。

 それが分かり、ゾルは少しだけ胸のつかえが下りた。

「ありがとう、アガペー。もう用は済んだ」

「はい」

 水面に浮かぶ人物は、姿を消した。
 ルアドがエルザを見て言った。

「アガペーは、人の呼びかけに応えない。僕もアガペーの声を聞いたことはなかった。エルザは気に入られたみたいだね」

 エルザは湖のに視線をやったまま首を振った。

「導かれたのは、私たちの方かもしれない」




 ゾルは、巨大なエンキの石碑の前で契約を始めた。

『汝に問う』

 ゾルの心に、エンキが語りかけてきた。
 初めてのことだ。

「は」

『力を欲するか?』

「は」

らば我が力を与ふ。汝が身滅びし時まで闘い続けよ』

「は。覚悟の上」

『我が契約者よ。虚無の戦士たれ』

「は」

 ゾルは、能力値が上がった。
 ゾルは、魔眼の効果が増えた。闘神威圧の効果範囲が増えた。闘神解放、闘神憑依の持続時間が増えた。
 ゾルは、神気到来しんきとうらいを覚えた。
 ゾルは、虚空移動こくういどうを覚えた。
 ゾルは、虚無きょむの構えを修得した。
 ゾルは、十六連斬りを修得した。
 ゾルは、第三位階魔法、スローを覚えた。
 ゾルは、第四位階魔法、バニッシュメントを覚えた。
 ゾルは、第五位階魔法、ホールド・モンスターを覚えた。

 本来ならこれらの技や術を扱えるようになるには訓練が必要だが、ゾルが十分に力を身につけていたからか、その必要は感じられなかった。
 今の自分ならすぐにでも技を使うことができると、ゾルは自信に満ちていた。
 
 ゾルはエルザに向き直った。

「エルザ。改めて言わせてくれ」

「うん」

「俺の仇は、赤い髪の女ではなくなった」

「……」

「魔王子バラドナ。奴こそ、仇だ」

 ゾルは真っ直ぐエルザを見つめた。
 エルザはその視線を受け止め、頷いた。

「バラドナは私の故郷を滅ぼし、アガペーの能力を手に入れた。そしてその力を使いゾルの仲間を、ターラム砦を焼いた」

「俺は必ずバラドナを討つ。仲間の仇を取る」

 ゾルは決意に満ちた目をエルザに向ける。

「私もバラドナを許さない。奴はお母さんを連れ去っている。必ず取り戻し、私の怒りを思い知らせる」

「クァー!」

 エルザの感情の高ぶりが、メルにも伝わったようだった。
 いつでも捨て身の突撃をするっす、といった感じの凜々しい目をしている。

「僕も、その輪に入っていいかな」

 とルアドは二人に、控えめに言った。

「当たり前だ。父親のお前が一番頑張らないでどうする」

「頑張るよ! 我が娘よ!」

 父親と呼ばれて、ルアドは嬉しそうだ。

「ルアドさん、これは俺の私情も含まれているんです。感情的になってしまいました」

「ゾルさん、分かりますよ。僕もバラドナには同じ気持ちだ」

 考えてみれば、ルアドがもっともバラドナを憎んでいるのかもしれない。
 国を滅ぼされ、仲間と家族を失ったのだから。

 三人は拳を突き合わせ、団結した。

「必ず、バラドナを討つぞ」

 エルザの力強い瞳と声は、ゾルの身を引き締めた。

「「おう!」」
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