しがない俺が手にした力でやれること

hagedaijin

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3.スキル取得は異世界探索への第一歩

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 というわけで、本日の現場です。今日は昨日の工事現場ではなく、幹線道路の老朽化した橋の架け替え工事の現場に来ています。
 まずは河原に近傍から集めてきた土砂を用いて工事現場の足場固めからです。

 今日の俺の仕事内容は現場へと続く幹線道路から枝割れした道へと入る場所での10トンダンプの出入りを誘導警備することです。
 まぁ、ぶっちゃけトラックの運ちゃん(運転手、ドライバーのこと)達はベテラン勢なので勝手に曲がって現場に行くし、勝手に幹線道路に出てはいくんですけど……ここで俺らの仕事は、現場入り口で立哨(立っている)している同僚隊員と無線で通信しながら、幹線道路から現場まで至る狭い枝道で、ダンプどうしがかち合ってどちらも通れなくなるのを防ぐためにいるんですね。

 枝道内にも何本か枝道があるので、そこを出入りする一般車も視野に入れて、効率良くトラックの入れ替えを行うわけです。
 まっ、運ちゃんどうしも無線でやり取りしているので、かち合いなんてのは中々起こりえないんですけど、万が一があった時の保険として我々警備員が配置されている、ってのが現状です。

 でもね、その日のダンプは4台回しなんですけど、四六時中(しろくじちゅう)出入りするわけでなし。
 土砂運搬は往復で約40分かかるので、ぼーっと突っ立っている時間があるのです、これが。

 暇ですけど幹線道路そばなので人目があります。
 足が棒のようになろうとも座ることもできません。
 中にはパラソルとパイプ椅子を持ち込んで、悠々自適な空間をエンジョイする警備員もいますが、うちんとこの会社は外聞に厳しいのです。
 さりとて同僚と無駄話で時間をつぶすわけにもいかんのですよ。
 我々の勤務態度が会社のイメージを損なえば、最悪ここの仕事から自社が外されて仕事が無くなる事もあるわけです。
 ”そそう”をした我々自身は自業自得と、言えますが……この現場に入るかもしれない他の同僚たちから仕事を奪う結果になるわけで…自由度は限りなくありませんね。
 専属で同じ現場で勤務、というのはうちの会社内では稀(まれ)で、登録している全警備員50人余りの内5,6人ぐらいなんです。
 たまに彼らが何かの用事で休むことがあれば、臨時で他の隊員が入ることもあります。
 基本、俺たち警備員は毎日現場が違うこともざらにあり、今日もそんな一コマというわけです。


 で、何が言いたいかというと…ぶっちゃけ暇です。
 いつもは灰色の脳細胞のどこかに収納されている音楽データーを引っ張り出し、アニメの主題歌などの”はしり”の部分を引き出し、脳内演奏を楽しんだり(ちなみにCDとかPCの音源を記憶している)。
 自分が考えた異世界モノ小説のネタを推敲(すいこう)して設定にアラはないか?この場面の主人公の行動は、とかを考えていれば時間はおのずと過ぎていく。
 たまに集中しすぎて作業車両が近くに着てやっと気づく(仕事モードなら周囲確認を常にしているので、数10メートル先で確認している)、なんてこともある。

 せっかく【神様】から頂いた力。使わずして何とする、というわけ。まず、仕事環境からの改善って点から始める俺の小物感が際立っているね。
 
 まずは……この暑さ。こう暑くては仕事になりませんや。さっぱり。
 今も照り付ける灼熱と地面のアスファルトから反射する輻射熱(ふくしゃねつ)にあぶられ、夏服制服の下に着こんだTシャツは汗まみれで、頭にかぶったヘルメットの中は蒸し風呂もかくや。
 額からは滝のように垂れる汗が目に染みるのが現状です。

 こうなんていうか…太陽光線を隠す雲のようなものがいいか?
 それとも北海道との空間をつなげて俺の周りだけ涼しくするか?
……う~~む。うん、そうだ異世界モノ小説にある【温度調節機能】付与や【汚れ防止】を俺の制服にかけてみるか?
……でも、それほど執着あるわけじゃないんだよなぁ、この制服。

 あれこれと考えをめぐらす涼(りょう)は、いっその事自分の周囲の空間がいつも快適であれば、どんな服装にも対応できる、と考え【創造魔法】で新たなスキルを作成した。名付けて【快適空間】。
 周囲5メートルの範囲までが快適になるように調整する。ああ、気持ちがいい。

 先ほど土砂を積みに出たダンプ4台はしばらく戻ってこない。
 それは自身の視線の左側に投影されている周辺地図で確認できる。
 登録したモノを追跡する機能や接近時にアラーム音で知らせる機能なんかを盛り込んだ”万能地図”だ。
 他人からは見えない仕様なので他の人が今の俺を見ると左右へと視線を切り替え、警備しているように見えるだろう、と思う。
 ステータス画面を含め、【神様】から授かった【力】関係の現象や諸々は、【幻影魔法】による隠ぺいや【光学迷彩】スキルによる光の屈折を用いて誤魔化している。

……………………………………………………………………………………

 昨日、スキル作成を楽しんでいるときに思ったのだが、今の自分のやっていることを他人の視線から見てどう見えるか考えると、変人の何物でもない。
 空中に向かってブツブツ呟(つぶや)き、時には痛い独り言を叫(さけ)んでいる俺……変人の何物でもない。
 【魔法】を使う時も基本”無詠唱”か或(ある)いは【並列思考】スキルによる、別思考による魔術構成の方がいいな。
 後、せっかく力をもらったのにあっけなく死んじゃうのは無しにしたい。
 【状態異常無効】は鉄板として治癒系【魔法】、行動先でナビが何らかの事情で使えない時の為に【地図】があった方がいいな。
 でも、海外に行くことが無きにしも非(あら)ず、というわけで【世界地図】スキルを作る。
 目に入る範囲で気づければいいけど、死角や偶然や不意に…ということもある。
 ならば、現状を把握する為に【危機回避】【危険把握】【現状把握(げんじょうはあく)】スキルをetc……
 複数のスキルを作成していくうちに、それらが混ざり最適化され、【世界把握(せかいはあく)】スキルを手に入れた。

 この【世界把握】スキルは、身の回りはもとより現代地、日本国内とそれ以外の世界各国各地域の今現代の状況を瞬時に知ることができる、らしい。

 試しに使ってみると、脳内と言わず身体の奥底に何かが取り込まれる感覚を感じる。
 そして、涼は一瞬何か知ってはいけないものを知ったような気分を味わった。
 こう何と言えばいいのか、表現が難しい。
 でも、スキル発動前よりも体調はすこぶるいい。

 全盛期だったころに戻りたい思いと、年老いて死ぬことができる自由を得る為に作った【老若(ろうにゃく)魔法】により若返った10代後半の若々しい肉体も相まって、内側から力がみなぎってくる。
 このまま”世界を掌握”することも夢でないような気がする、のは気のせいだろう。

 現状は視界の左側に浮かぶ、自宅を中心とした市街地を俯瞰(ふかん)する平面地図(立体仕様にも切り替えられる)に危険対象の接近は見られない。
 また、右側に並行するように表示された、ステータス画面の肉体に異常を示す項目もない。
 これらの地図や画面はPC(パソコン)等のブラウザ機能にある、透過状態にしてみた。
 試しに裏側が見えるように調整すると当然のように反転した画面を見ることになる。
 こんなものは今の技術水準で存在するとは思えない。
 例え、あったとしても希少なものだろうし、悪戯(いたずら)に注目を集めるのはまずい。
 普通に波風なく暮らしたい俺からすると、十分な異常事態なので他人からは見えない対策が必要だろうな。

 そんなわけで《楽して仕事を完遂する》プロジェクトは完遂した。
 さて、次は魔法を…

 作業車両の接近等の雑事を【世界把握】スキルに任せた涼は、近くにある河川の堤防の土手に鬱蒼(うっそう)と生(は)えている雑草に対して、魔法スキルを試していく。

 【並行思考】スキルにより複数の魔法をそれぞれの思考内で構築し、【無詠唱】スキルを用いて現象を現していく。
 魔法構築の過程で飛距離と規模を調整し、”万能地図”で周囲確認を終えた人目が無い数百メートル先の雑草地帯を目標として魔法を行使した。

 そこでは雑草が蒼白(あおじろ)い炎で灰も残さず消滅し、ある場所では極限まで圧力をかけられた水と、空間を歪ませるほどの回転を加えられた風が雑草を刈り取る。
 また、ある場所では雑草が生えた地面に深い亀裂が走り、長さ10メートル幅3メートル深さ2メートルの溝(みぞ)が出現する。
 【光魔法】は何と無く【聖属性】ぽかったのでゾンビがいないので試せないので除外。
 【闇魔法】は某作品にある感覚拡張効果のある触手プレイが即座に思いついたりしたものの、今のところ店に行く予定もない。
 【重力魔法】は便利そうなので昨夜試してみると、無重力状態を楽しめはしたものの欠陥を思いついた。
 天候に左右される現場で自身に用いた姿を想像する、と分かるのだが、軽い風に吹かれても飛んで行ってしまいそうで使い道は限定される。
 物体を打ち出す【重力カタパルト】と物体を引き寄せる【重力アンカー】なんてのは攻撃に使えるだろうね。



 魔法の検証と効力を十分に楽しんだ涼は、仕事を終え帰宅し夕食後、ハードディスクに撮りためたアニメを3時間見た後、就寝した。


 確かにスキルによる事前確認による人目は無かったが、偶々(たまたま)魔法発動現場の上空を飛んでいた軽飛行機の乗客が写真に収めていたことが後に世間を騒がせる事になる。
 が、今はまだ規格外な力を得た涼の存在を知るものはほとんどいない。

 いや、現場監督が気付いていたかもしれない。
 彼は毎日の朝礼の時に見た警備員の一人が、よく見て20代はじめぐらいの若者であることに気付いた。
 しかし、すぐに思い過ごしかと流した。
 彼の所属する建設会社が契約している警備会社は、専属で現場に警備員を就(つ)かせる事は稀(まれ)で、毎日違う人員を派遣することは業界事情として知れ渡っていたので不思議に思わなかった。
(ああっ、また警備員を入れ替えてきたな。塩梅(あんばい)と仕事をしてくれるなら文句はないが…指導不足の新人でヘマをしでかしたら、一度抗議しとくか)そう思って、しばらくその警備員の行動を見ていた。
 数分の観察ののち昨日の警備員並みの能力だと判断した。
 そして問題ない、と現場作業に目を向けた。

……………………………………………………………………………………
……………………………………………………………………………………

 涼自身も……力を与えた【神】自身も気づいていない。




 【神】が与えたのはあらゆる魔法、あらゆるスキル、あらゆるモノを作り出す【創造魔法】ではあった。
 しかし、制限も設(もう)けられていた。
 この世界にあるもの及び、かって存在していたものに限られる、というものだ。

 神々がこれまで行った愚行の犠牲なってきた数多くの文明には、今この地球にある科学一辺倒の文明だけでなく、魔法や魔術が社会基盤になっていたものも含まれていた。
 それらの名残(なごり)が今の世にも陰陽師や”ふ術”、空想の産物とされた妖怪や怪物(モンスター)、竜や亜人etc……世界の様々な地域に伝承や都市伝説、あらゆる形で伝わっている。

 だから、いくら涼自身が増長し力をつけ暴走しようとも、【神達】の許容範囲で余興でしかなかった。
 ある程度は受け流し、絶望に打ち震えみじめな状態にしてから、圧倒的な力で黙殺するのが彼らのいつもの手だ。



 然(しか)るに涼は【創造】の部分を【ソウゾウ】と捉(とら)え、同じ読みの【想像】へと変換して新たなスキル作成へと昇華させていた。
 オカルト関連で言うところの言葉そのものに力が宿る、という考え…【言霊(ことだま)】をスキルとして手に入れていた。





 あの少年【神】が想定していたのは、この世界だけの限定能力でしかなかった。
 この世界以外に別世界があることを彼ら神々は知らされていないのだから仕方がないだろう。
 彼らに【神の座】を与え、世界運営を担(にな)わせている”存在”は、静観する…それが創造主たる主からの侵すべからざる命令であり、ソレの存在理由なのだ。
 この世界が崩壊しない限りは介入せず、【神々】という舞台演出装置の暴走で世界そのものにバグが生(しょう)じれば、リセットボタンを押す。
 そして【神々】の記憶は【神の座】に組み込まれたころに戻され、縄文時代まで戻された地球の生物たちの飼育観察業務に従事さる。
 これらを気の遠くなる長い長い時をかけて繰り返してきた。
 かの創造主がこの【世界】が去ってからも、ずーっと観察していた。
 いつか、遠い未来で主人に会えることを夢見て……だが、それが徒労である事実をソレは知っている。
 この世界の隣の世界でソレの主人は、その世界が望むまま力を行使し、不足分を自身の存在で補てんした挙句、拡散させ消滅。
 もう二度と出会うことはできない、もう声をかけてくれることもない、もう二度と命じられない。
 それでもソレは見続ける。

 偶然が必然を産み遠い過去の結実が世界に集約された時、待ち続けた存在が現れる。
 それはもう少し先、瞼を閉じて開くまでの僅(わず)かな瞬間に見つけた。

%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%
 中々進みませんが、どうぞよろしくお願いします。
 副題追加しました
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