パワーストーンの使い方にはご注意!【マカシリーズ・12】

hosimure

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「…多分、彼女の『気』が入っちゃったんでしょうね。わたしへの嫉妬心がぎっしり入っちゃってる」




奪ったはいいけれど、捨てるに捨てられず、ずっと持っていたんだろう。




水晶は強い『気』に反応する。




彼女の負の感情を水晶は吸い続け…、彼女は負の感情がなくなり、スッキリしてしまった。




「良いことなのか、悪いことなのか…」




またとんでもない方向に、水晶が作用してしまった。




「ふぅん…。で、そっちのは?」




アオイが彼女がくれたプレゼントを指さしてきたので、わたしは開けた。




「あっ、キレイ」




ピンクのビーズで飾られたヘアゴムが2つ、入っていた。




「まったく…。最初っから僕に相談すればよかったのに」




「よく言うわね! 全然口出ししなかったクセに!」




「男の僕が口を出す方が、もめるんだよ」




「そっそれはそうだけど…」




だからと言って、ノーリアクションは無いと思う。




わたしがどんな目にあっても、アオイはニコニコしながら女の子達の相手をしていた。




それがまたムカツク。




「まっ、ルナのことを信用していたしね」




「どういう意味よ?」




「どんなことがあろうと、ちゃんとできるってね。それがムリなら、僕を頼るだろう?」




「うっ…」




「キミは基本的に、誰かを頼ろうとはしない。でも彼氏の僕なら、話は別。そうだろう?」




「…よく分かっていること」


「そりゃあ僕は、ルナの彼氏だから」




そう言って笑って、キスをしてくる。




「んっ…」




久々に感じるアオイの唇は、少し冷たかった。




「…貸して」




アオイは二つのヘアゴムを手に取ると、わたしの髪を結んでくれた。




「あはは、ウサギみたいで可愛いよ」




「んもう…」




無邪気に笑う彼を見ると、怒る気も失せてしまう。




「ねっ、ルナ」




「何よ?」




「今度の週末、僕の家に泊まりに来ない?」




「…誘い方が、ストレート過ぎると思うんだけど」




「そりゃ、年上を誘っているからね。それに余裕がないんだよ」




アオイは弱々しく微笑むと、わたしを強く抱き締めてきた。




「キミが足りないから。プレゼントよりも、キミが欲しいんだ」




「…分かったわよ」




わたしの方が年上だしね。




…ちょっとぐらいのワガママは、目を閉じましょう。




こうなるとプレゼントって…わたし自身の方がいいのかしら?




でもそれって…寒いオヤジギャグよね。







<終わり>


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