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不審がっていると、ある日、女の子から呼び出された。
学校の裏庭に行くと、彼女は1人だった。
「―わたしに話って何?」
「あっあの、ゴメンなさい!」
突然頭を下げてきた。
「今まで嫌がらせしてきて…。最近、頭が冷めてきて、自分がとんでもないことをしてきたことに気付いたの。あなたには本当に申し訳ないことを…」
「うっううん、別にいいんだけど…」
彼女やファンクラブの女の子達が何かするたび、クラスメート達がそれとなくフォローしてくれた。
だから気に留めることはなかったんだけど…。
「本当にゴメンなさい。コレ、返すわね」
そう言って彼女は、わたしのプレゼントを差し出してきた。
「あっ、コレ」
プレゼントの包装紙は、少しグシャグシャになっていた。
「お詫びに…コレも受け取ってくれる?」
そして彼女はもう一つ、プレゼントを差し出してきた。
「えっと…。あっ、うん」
この場合、素直に受け取った方が良いだろう。
「あのっ、それであなたに一つ、お願いがあるの!」
「えっ、何?」
彼女は目を輝かせて、わたしの手を握ってきた。
「良かったら、友達になってくれない?」
「はっ?」
「あっ、やっぱりダメかな?」
途端にしょぼくれてしまう。
「うっううん、別に良いケド…」
「ホント? 嬉しい! ありがとう! それじゃあこれからよろしくね!」
女の子は輝かんばかりの笑顔を浮かべると、校舎に向かって走って行った。
後に残されたわたしがポカーンとしていると…。
「あの変わり方はおかしいね」
「わあ!? あっアオイ!」
校舎の影から、アオイが出てきた。
「あのコ、何かあったのかな? 最近おとなしくなってたことは良かったと思ってたんだけど」
「…多分、コレのせいね」
わたしは自分のプレゼントの方の中身を取り出した。
「ああ、やっぱり…」
わたしのプレゼントは、六角水晶のペンダント。
本来ならクリスタルなので透明なハズだけど、今は真っ黒になっている。
「何、それ?」
アオイが水晶を見て、首を傾げた。
「アオイにプレゼントしようとした物。本当は透明なクリスタルだったんだけどね」
深く息を吐くと、わたしはペンダントを袋に入れた。
「…この水晶、実は特殊な物でね」
わたしはアオイに説明した。
この水晶には『気』が込められる。
わたしは水晶に、アオイを思う気持ちを『気』にして込めた。
そうすれば、このペンダントを身につけたアオイが万が一何か不幸が起こっても、この水晶が守ってくれるハズ…だった。
「定期的に『気』を入れなきゃいけないけど、ほとんど一緒に毎日いるし、良いプレゼントだと思ったんだけどね」
「でもそれは彼女の手に渡り、黒く染まってしまった。その意味は?」
学校の裏庭に行くと、彼女は1人だった。
「―わたしに話って何?」
「あっあの、ゴメンなさい!」
突然頭を下げてきた。
「今まで嫌がらせしてきて…。最近、頭が冷めてきて、自分がとんでもないことをしてきたことに気付いたの。あなたには本当に申し訳ないことを…」
「うっううん、別にいいんだけど…」
彼女やファンクラブの女の子達が何かするたび、クラスメート達がそれとなくフォローしてくれた。
だから気に留めることはなかったんだけど…。
「本当にゴメンなさい。コレ、返すわね」
そう言って彼女は、わたしのプレゼントを差し出してきた。
「あっ、コレ」
プレゼントの包装紙は、少しグシャグシャになっていた。
「お詫びに…コレも受け取ってくれる?」
そして彼女はもう一つ、プレゼントを差し出してきた。
「えっと…。あっ、うん」
この場合、素直に受け取った方が良いだろう。
「あのっ、それであなたに一つ、お願いがあるの!」
「えっ、何?」
彼女は目を輝かせて、わたしの手を握ってきた。
「良かったら、友達になってくれない?」
「はっ?」
「あっ、やっぱりダメかな?」
途端にしょぼくれてしまう。
「うっううん、別に良いケド…」
「ホント? 嬉しい! ありがとう! それじゃあこれからよろしくね!」
女の子は輝かんばかりの笑顔を浮かべると、校舎に向かって走って行った。
後に残されたわたしがポカーンとしていると…。
「あの変わり方はおかしいね」
「わあ!? あっアオイ!」
校舎の影から、アオイが出てきた。
「あのコ、何かあったのかな? 最近おとなしくなってたことは良かったと思ってたんだけど」
「…多分、コレのせいね」
わたしは自分のプレゼントの方の中身を取り出した。
「ああ、やっぱり…」
わたしのプレゼントは、六角水晶のペンダント。
本来ならクリスタルなので透明なハズだけど、今は真っ黒になっている。
「何、それ?」
アオイが水晶を見て、首を傾げた。
「アオイにプレゼントしようとした物。本当は透明なクリスタルだったんだけどね」
深く息を吐くと、わたしはペンダントを袋に入れた。
「…この水晶、実は特殊な物でね」
わたしはアオイに説明した。
この水晶には『気』が込められる。
わたしは水晶に、アオイを思う気持ちを『気』にして込めた。
そうすれば、このペンダントを身につけたアオイが万が一何か不幸が起こっても、この水晶が守ってくれるハズ…だった。
「定期的に『気』を入れなきゃいけないけど、ほとんど一緒に毎日いるし、良いプレゼントだと思ったんだけどね」
「でもそれは彼女の手に渡り、黒く染まってしまった。その意味は?」
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