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占いをしてもらった女の子達
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これは『あたし』が体験した話です。
『あたし』は当時高校生で、仲の良かった女友達がいました。
『あたし』達は当時ウワサになっている占い師の元を訪れました。
そこは最近駅前にできたビルの中にあります。
さまざまな占い屋が入っていることが評判となり、数多くの女性達が毎日訪れていました。
『あたし』達も友達や周囲の評判を聞いて、興味を持ってここを訪れました。
「ねぇねぇ、どこから行く?」
「いろいろあるよね~」
たくさんの女の子達が行き来する中、『あたし』達はフロアを見回しました。
タロットカードや四柱推命、星座占いなど、数多くの占い屋がフロアに所狭しと並んでいます。
「ところで占ってもらう内容、決めた?」
「あたしは運勢のことかな。何か最近、パっとしないし」
「じゃあアタシもそうしよっと。なら、あそこのタロットカード占いがよくない?」
彼女が指さしたのは、『あたし』達からはそう遠くない所にあり、あまり待っている人もいませんでした。
なので『あたし』は賛成し、列に並ぶことにしたのです。
ほどなく順番は回ってきました。
『あたし』と彼女は二人で中に入りました。
「いらっしゃい」
占い師は穏やかな雰囲気の男性でした。
まだ三十代ぐらいに見えましたが、彼のまとう空気がとても清らかに感じられました。
『あたし』達は彼の向かいのイスに座るように言われ、腰を下ろしました。
「さて、お二人は今日はどのようなことを占ってほしいですか?」
「えっと、あたしはこれからの運勢のことを」
「アタシも一緒です」
「分かりました。では先にこちらのお嬢さんから占いますね」
その後、彼はタロットカードを使い、『あたし』の悩みを次々と明らかにしていきました。
どうやら占いの腕は本物みたいでした。
口コミで広がったウワサだったので、半信半疑でしたが、本当にびっくりするほど当たっていました。
彼は最後に、平凡ながらも順調な生活を送れるだろうと言ってくれました。
大きな波は無いものの、平凡が一番だと言っていました。
次に彼女の番でした。
しかし新たにタロットカードを使う彼の表情が、一瞬暗くなったのを見ました。
でもそれはすぐ一瞬のことで、すぐに彼は笑顔になり、こう言いました。
「あなたはこれから三か月間、とても幸福になれるでしょう」
「ホントですか!?」
彼の言葉に、彼女はとても喜びました。
「ええ。人生の幸せを全て凝縮したような、夢のような三か月間を過ごすでしょう」
「やったー!」
無邪気に喜ぶ彼女でしたが、『あたし』は占い師の彼が浮かべた暗い表情が気になりました。
しかしわざわざ彼女の喜びに水を差すことは躊躇われ、その場は黙っていることにしました。
料金を払い、『あたし』達は出ました。
「ねぇ、さっきの占いだけど…何かウマ過ぎない?」
「そお? ならもう一軒ぐらい、行ってみる?」
彼女はすっかり上機嫌で浮かれていました。
占いの料金は高校生ということもあり、安く済みます。
なので思いきって、『あたし』達はもう一軒行くことにしました。
今度は水晶占いで、五十代ぐらいの優しそうな女性が占い師でした。
『あたし』は先程と同じ内容のことを占ってもらいました。
女性から言われたことは、タロットカード占いの男性から言われたこととほとんど同じでした。
そして彼女の番になり、女性は水晶を見て一瞬目を見開きました。
しかし次に出た言葉は、やはり彼女は今から三か月、幸せになれると言うこと。
彼女は二人目の占い師から言われた言葉に、すっかり興奮してしまいました。
『あたし』は念の為に、本当なのかと尋ねてみました。
けれど女性は優しく微笑み、ウソは一つもないと言い切りました。
なので料金を払い、『あたし』達は出て行きました。
「スッゴイなぁ。二人の占い師から幸せになれるって言われるなんて!」
「うん…そうだね」
「ねぇねぇ、手相占いもやってみない?」
「えっ? あっ、うん…」
その後、勧められるままにさまざまな占い屋を巡りました。
しかしどの占い屋でも、彼女はこれから三か月間、幸せになれるとのこと。
占い師達も笑顔で宣言します。
だから『あたし』も信じることにしました。
占い師達が彼女のことを占う時に、一瞬…表情を変えることも、あまりに良過ぎる運命にビックリしたのだろうと、考えることにしました。
お小遣いをスッカラカンにして、『あたし』達はビルを出ました。
彼女はそれでも幸せそうな表情を浮かべています。
「何だかアタシ、生きていくのが楽しくなった!」
「そう、良かったわね」
『あたし』はこう答えるしかありません。
これ以上何か言えば、平凡だと言われた『あたし』のひがみにしか聞こえないだろうと思ったからです。
それからのことは、まるで光陰矢のごとく過ぎていきました。
『あたし』は当時高校生で、仲の良かった女友達がいました。
『あたし』達は当時ウワサになっている占い師の元を訪れました。
そこは最近駅前にできたビルの中にあります。
さまざまな占い屋が入っていることが評判となり、数多くの女性達が毎日訪れていました。
『あたし』達も友達や周囲の評判を聞いて、興味を持ってここを訪れました。
「ねぇねぇ、どこから行く?」
「いろいろあるよね~」
たくさんの女の子達が行き来する中、『あたし』達はフロアを見回しました。
タロットカードや四柱推命、星座占いなど、数多くの占い屋がフロアに所狭しと並んでいます。
「ところで占ってもらう内容、決めた?」
「あたしは運勢のことかな。何か最近、パっとしないし」
「じゃあアタシもそうしよっと。なら、あそこのタロットカード占いがよくない?」
彼女が指さしたのは、『あたし』達からはそう遠くない所にあり、あまり待っている人もいませんでした。
なので『あたし』は賛成し、列に並ぶことにしたのです。
ほどなく順番は回ってきました。
『あたし』と彼女は二人で中に入りました。
「いらっしゃい」
占い師は穏やかな雰囲気の男性でした。
まだ三十代ぐらいに見えましたが、彼のまとう空気がとても清らかに感じられました。
『あたし』達は彼の向かいのイスに座るように言われ、腰を下ろしました。
「さて、お二人は今日はどのようなことを占ってほしいですか?」
「えっと、あたしはこれからの運勢のことを」
「アタシも一緒です」
「分かりました。では先にこちらのお嬢さんから占いますね」
その後、彼はタロットカードを使い、『あたし』の悩みを次々と明らかにしていきました。
どうやら占いの腕は本物みたいでした。
口コミで広がったウワサだったので、半信半疑でしたが、本当にびっくりするほど当たっていました。
彼は最後に、平凡ながらも順調な生活を送れるだろうと言ってくれました。
大きな波は無いものの、平凡が一番だと言っていました。
次に彼女の番でした。
しかし新たにタロットカードを使う彼の表情が、一瞬暗くなったのを見ました。
でもそれはすぐ一瞬のことで、すぐに彼は笑顔になり、こう言いました。
「あなたはこれから三か月間、とても幸福になれるでしょう」
「ホントですか!?」
彼の言葉に、彼女はとても喜びました。
「ええ。人生の幸せを全て凝縮したような、夢のような三か月間を過ごすでしょう」
「やったー!」
無邪気に喜ぶ彼女でしたが、『あたし』は占い師の彼が浮かべた暗い表情が気になりました。
しかしわざわざ彼女の喜びに水を差すことは躊躇われ、その場は黙っていることにしました。
料金を払い、『あたし』達は出ました。
「ねぇ、さっきの占いだけど…何かウマ過ぎない?」
「そお? ならもう一軒ぐらい、行ってみる?」
彼女はすっかり上機嫌で浮かれていました。
占いの料金は高校生ということもあり、安く済みます。
なので思いきって、『あたし』達はもう一軒行くことにしました。
今度は水晶占いで、五十代ぐらいの優しそうな女性が占い師でした。
『あたし』は先程と同じ内容のことを占ってもらいました。
女性から言われたことは、タロットカード占いの男性から言われたこととほとんど同じでした。
そして彼女の番になり、女性は水晶を見て一瞬目を見開きました。
しかし次に出た言葉は、やはり彼女は今から三か月、幸せになれると言うこと。
彼女は二人目の占い師から言われた言葉に、すっかり興奮してしまいました。
『あたし』は念の為に、本当なのかと尋ねてみました。
けれど女性は優しく微笑み、ウソは一つもないと言い切りました。
なので料金を払い、『あたし』達は出て行きました。
「スッゴイなぁ。二人の占い師から幸せになれるって言われるなんて!」
「うん…そうだね」
「ねぇねぇ、手相占いもやってみない?」
「えっ? あっ、うん…」
その後、勧められるままにさまざまな占い屋を巡りました。
しかしどの占い屋でも、彼女はこれから三か月間、幸せになれるとのこと。
占い師達も笑顔で宣言します。
だから『あたし』も信じることにしました。
占い師達が彼女のことを占う時に、一瞬…表情を変えることも、あまりに良過ぎる運命にビックリしたのだろうと、考えることにしました。
お小遣いをスッカラカンにして、『あたし』達はビルを出ました。
彼女はそれでも幸せそうな表情を浮かべています。
「何だかアタシ、生きていくのが楽しくなった!」
「そう、良かったわね」
『あたし』はこう答えるしかありません。
これ以上何か言えば、平凡だと言われた『あたし』のひがみにしか聞こえないだろうと思ったからです。
それからのことは、まるで光陰矢のごとく過ぎていきました。
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