【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕

hosimure

文字の大きさ
上 下
15 / 15
彼と僕

15

しおりを挟む
「うっ」
 それを言われると、アレだけど…。
「永河はオレが選んだヤツなんだから」
「ずっと不思議に思ってたんだけど…いつから僕のことを?」
「ん? そうだなぁ…。まずは入学式で一目見てから、何か気になってたんだよな。そしたら体力測定やテストで、見た目よりスゴイ成績出しただろう? それで一気に興味を持ったんだ」
 見た目よりって、かなりいらない言葉だと思うけど…。
 確かにクラスで上位に入るぐらいの成績は残した。…けれど彼はその上をはるかにいったものだから、自分の成績なんてあまり頭に残っていなかった。
「正直なことを言うと、マンションに招待した時点では抱こうと思っていなかった。でも話をしているうちに、もっと気に入った。だから抱きたくなったんだ」
「それって…いわゆる一目惚れってこと?」
「まあそうだな。生まれて始めてのことで、自覚するまで時間がかかったけど。永河、お前だってそうだろう?」
 自信ありげに微笑む彼に、反論ができない。
「まあ、ね」
 入学式が行われた講堂で、新入生代表として挨拶をする彼を見て、一目で心を奪われた。
 けれどそれは僕に限らなかっただろうし、まさか紗神も僕と同じ気持ちになっていることなんて、今まで知らなかった。
「だから信じろよ。オレの愛と、お前のことを」
「うん…、信じるよ」
 僕は彼の眼を真っ直ぐに見て、誓った。
「ああ、それで良い」
 紗神は満足そうに微笑み、二度目のキスをした。
 誓いのキスを。
「…あっ、そうだ。急だったから指輪にしたんだが」
「うん?」
 結婚式と言えば、指輪だろう。
 しかし彼は次の瞬間、輝く笑顔で言った。
「首輪の方が良かったな」
「…はい?」
「オレのデザインで、特注で作らせるか。世界に一つしかない、豪華で立派なヤツ」
 …やっぱり彼は、どこまでいっても彼だった。
 そして僕も…。
「うん…そうだね」
 どこまでいっても僕だった。



【END】
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

紅月
2019.10.21 紅月

開発しようがある→開発しがいがある

自分が無知なだけかもしれませんが、ちょっと気になったので送らせてもらいました。

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】催眠なんてかかるはずないと思っていた時が俺にもありました!

隅枝 輝羽
BL
大学の同期生が催眠音声とやらを作っているのを知った。なにそれって思うじゃん。でも、試し聞きしてもこんなもんかーって感じ。催眠なんてそう簡単にかかるわけないよな。って、なんだよこれー!! ムーンさんでも投稿してます。

支配者に囚われる

藍沢真啓/庚あき
BL
大学で講師を勤める総は、長年飲んでいた強い抑制剤をやめ、初めて訪れたヒートを解消する為に、ヒートオメガ専用のデリヘルを利用する。 そこのキャストである龍蘭に次第に惹かれた総は、一年後のヒートの時、今回限りで契約を終了しようと彼に告げたが── ※オメガバースシリーズですが、こちらだけでも楽しめると思い

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

可愛い可愛い俺の恋人

隅枝 輝羽
BL
攻め:遥。小柄で可愛い泣き虫の18歳。 受け:裕貴。大柄で子供の頃から遥を守ってきた男前18歳。 2人は同級生で恋人同士になってから初めての……イチャイチャ中。 まあ、ヤッてるだけですね。やや強気受け? オラネコタグつけていいかどうかわからないけど、主催者の夏芽玉さんが「作者が『これはオラネコです』と言えばオラネコです」というので自重しません。

【完結】姉の彼氏がAV男優だった

白霧雪。
BL
二卵性双生児の鳴現と恵夢。何処へ行くにも何をするにも一緒だった双子だけれど、ある日、姉の鳴現が彼氏を連れてやってくる。暁と名乗った五つも年上の色男は「よろしくね」と柔らかく笑った。*2017/01/10本編完結*

【完結】友人のオオカミ獣人は俺の事が好きらしい

れると
BL
ずっと腐れ縁の友人だと思っていた。高卒で進学せず就職した俺に、大学進学して有名な企業にし就職したアイツは、ちょこまかと連絡をくれて、たまに遊びに行くような仲の良いヤツ。それくらいの認識だったんだけどな。・・・あれ?え?そういう事ってどういうこと??

お客様と商品

あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。