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榊/講堂の怪談

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昔、講堂は演劇部が使っていた。

演劇に力をそそいでいた部員達は、大会が近いと講堂で寝泊りするほど夢中になっていた。

ところがある日の夜。

講堂が燃えた。

原因は講堂の熱源が古くなっており、漏電した為だった。

しかし練習で疲れていた部員達は気付くのが遅く、全員炎に飲み込まれてしまった。

その後、新しい講堂が建てられた。

ところが……。

毎年、演劇部の大会が近くになるにつれ、講堂からおかしな現象が起こるようになった。

誰もいないはずの講堂から、声がすると言う。

火事の一件から、教師達は学校で寝泊りすることを禁じた。

それなのに夜中、講堂には光が満ち、中からは人の声がする。

不審に思い、中を覗くと……。

半透明の演劇部員達が、劇を上演しているのだ。

心半ばで亡くなった者達だったが、こちらの言い分を聞いてくれた。

それは年に一度、封印が解けた日にだけ、上演をするということ。

その時、必ず観客がいることが、彼等の出した条件だった。

なので年に一度の公演には、オカルト研究部の部員達が見に行く。

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