携帯彼氏の災難!?【マカシリーズ・6】

hosimure

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―翌朝。

「ふあぁあ」

「大きな欠伸ですね。マカさん」

「ホント。女子高校生とは思えないわね」

朝の8時。

喫茶店で、キシとヒミカと会っていた。

二人は早速、今朝の7時に連絡を寄越してきた。

キシが情報を掴んだという。

…今日が休みで良かった。

「はい、どうぞ」

キシは雑誌サイズの茶封筒を寄越してきた。

「携帯彼氏のサイトのことを詳しく調べましたら、彼等の仕組みが理論上、分かりました。そのことについて書いています」

「理論上?」

「ボクにはアナタ方のような力は持っていませんので、何とも」

そう言って肩を竦めて見せる。

「そうだな。まっ、ありがたく貰っておく」

私は茶封筒をカバンに突っ込んだ。

「…あんまりありがたなくそうね」

「そうでもないさ。解決の方法を探る手段は、多いにこしたことはない。特に製造方法は知っておきたいところだった」

それを半日もせずに調べ上げるとは…。

…ヒミカはとんでもない男に好かれたものだ。

「話には聞いていたが、優秀な男だな。キシ」

「次期当主にお褒めいただけるなんて、嬉しいですね。一度お会いしたかったんですよ、マカさん」

初対面にも関わらず、何だかはじめて会った気はしない。

「どーせヒミカからは嫌味しか聞いていないだろ?」

「それはボクのことも、でしょう?」

「お前ら…! アタシのことを何だと思ってる!」

「天邪鬼」

「もちろん、ボクの最愛の人ですよ」

「んがー!」

「騒ぐな、周りに迷惑だ」

悶絶しているヒミカを横目に、私はコーヒーを飲んだ。

「う~。目がチカチカするな」

眉間を揉むも、あんまり効果はない。

「徹夜でゲームするもんじゃないな」

「何のゲームをしてたんです?」

「パソコンゲームの神経衰弱。コイツと一緒に」

そう言ってテーブルに置いていた自分のケータイを指さす。

ちなみに今はたたんでいるので、ハズミの姿は見えない。

「おや、そんなことまで出来るんですか?」

「テレビ電話みたいなもんだからな」

「…今はパソコンででも出来ますよ?」

「ああ、そうなのか」

パソコンは機械さえあれば、何だって出来るんだな。

「でも楽しそうで。案外、このままでも良いと思われているのでは?」

「さてな」

こめかみを指で押さえながら、私は答えを濁した。

キシの意見を、すぐには否定出来なかった。
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