かくれんぼ

hosimure

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机に倒れんでいる先生、床に倒れている先生。

みんな、みんな、血を流しています。

もう、生きた人間はわたししかいないことを、理解してしまいました。

わたしは校舎から逃げ出しました。

荷物も持たず、上履きのままで。

誰かに助けを求めたかったんです。

でも…町の中にも、異変は続いていました。

町の中にも、血を流している人達が倒れていたんです。

わたしは自分の家に向かいました。

無我夢中で走る中、これが夢であるように、覚めるようにと願いながら…。

しかし家の中に入ったわたしは、悪夢が続いていることを知りました。

家族もまた、血を流しながら、倒れていたからです。

…わたしは隠れています。

何もかもが真っ白な部屋の中で。

何日も、何ヶ月も…。

「かくれんぼ、終わったよ!」

と言われるまで、わたしは隠れ続けます。

かくれんぼは、鬼さんが降参するまで、終わることはないのですから。

無理やりここから出されても、わたしはまた隠れます。

例え人に何と言われようが、かくれんぼはわたし達がはじめたことですから。

終わりの声がかかるまで、わたしはずっと隠れ続けます。

ずっと、

ずっと…

待っています。

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