4 / 13
年下とのキス
しおりを挟む
「あっあのあの、一目見た時から好きです! ぜひわたしと付き合ってください!」
…ツッコミどころの多い告白だな。
思わず冷静に思ってしまった。
……と言うかまず、ツッこむところが一つ。
「あの、アタシ、女なんだけど…」
「はいっ! 知っています! 先輩っ!」
………そうか。男には見られていなかったことに、ひとまずほっとした。
まあ髪の長い男はあんまりいないからな~。
などと考えている場合じゃないか。
相手はアタシと同じ制服だけど、色が違う。
この色は一学年下…。そういえば「先輩」って呼ばれたっけ?
目の前にいる彼女は、入学当時から目立っていた。
理由は可愛いから。
そして………かなりのブリッ子だから。
それを隠そうともしないのが、ある意味、潔い。
「ええっと、ゴメン。あなたと関わった記憶が無いんだけど…」
「えっ…。…そうなんですか」
彼女は見て分かるほどに落ち込んだ。
「ゴメンね。でも言ってくれたら思い出すかも…」
「あっ、はい! 実はですね!」
…立ち直りの早いコだ。
そして彼女が言うには一ヶ月前、学校の帰り道でしつこくナンパされていたところを、アタシが助け出したという。
「…あ~。確か廊下で二年の男子に絡まれてた…」
「はいっ! あの時はちゃんとお礼もしないで、すみませんでした」
頭を下げられ、慌てた。
「うっううん、良いのよ。結構アタシ、ケンカっ早いからさ」
そのせいか……男よりも、女の子に人気がある。
彼女みたいに告白する子も、一ヶ月に一人はいる。
ちなみに男だと一年に一人いるかいないか…。
無表情で、男10人相手してもへっちゃらなせいだろうな。
「先輩、困っている女の子を見て見ぬフリはできないんですよね。ステキです!」
…まあそれもあるけど。
血の気が多いのが原因だろう。
「そんな先輩の、特別な女の子になりたいんです!」
うわ~、ハッキリ言うコだなぁ。
でもまあ悪い気はしない。
アタシ元々、恋愛対象で性別こだわらないしなぁ。
「でもアタシと付き合ってもおもしろくないと思うわよ? 格闘技が趣味だし、ガサツだし」
「全っ然構いません! 先輩はそのままで良いんです! ただわたしを好きになってくれれば!」
こっ拳をつくって力説されてもなぁ。
このコ、確かにブリッ子だけど憎めない可愛さがある。
付き合ったら、アタシが人付き合いがヘタな分、フォローしてくれそうだな。
…って、いけないいけない。
「でっでもね…」
「ダメですか?」
うっ…。今度は大きな目に涙をうるうるさせて、見上げてきた。
…そうか、こうされたら女でも弱いんだ。
「ダメってことはないけど…。あなた、可愛いし。明るくて楽しい子だから」
「じゃあ、OKですか!」
どっどーしてそうなる?
「大丈夫です! 先輩を幸せにする自信あります! だから…」
ふわっと彼女の良い匂いがした。
…と思ったら。
「~~~っ!」
キス、された。
とっ唐突な子だ…。
「わたしだけのお姉様になってください!」
「おっお姉様?」
なっ何か違う…。
「はい! わたしだけの愛しい人…」
うっとりして、見上げる目から逃げられない。
「ぜぇ~ったいっ! わたしが幸せにします!」
コレは………カクゴするしかないのか?
「よっよろしくお願いします」
「はい♪」
ヤバイだろう…ヤバイけど、この子からは逃げられる気がしない。
いや、もういろんな意味で。
捕らえられたのは彼女ではなく、アタシの方…?
…ツッコミどころの多い告白だな。
思わず冷静に思ってしまった。
……と言うかまず、ツッこむところが一つ。
「あの、アタシ、女なんだけど…」
「はいっ! 知っています! 先輩っ!」
………そうか。男には見られていなかったことに、ひとまずほっとした。
まあ髪の長い男はあんまりいないからな~。
などと考えている場合じゃないか。
相手はアタシと同じ制服だけど、色が違う。
この色は一学年下…。そういえば「先輩」って呼ばれたっけ?
目の前にいる彼女は、入学当時から目立っていた。
理由は可愛いから。
そして………かなりのブリッ子だから。
それを隠そうともしないのが、ある意味、潔い。
「ええっと、ゴメン。あなたと関わった記憶が無いんだけど…」
「えっ…。…そうなんですか」
彼女は見て分かるほどに落ち込んだ。
「ゴメンね。でも言ってくれたら思い出すかも…」
「あっ、はい! 実はですね!」
…立ち直りの早いコだ。
そして彼女が言うには一ヶ月前、学校の帰り道でしつこくナンパされていたところを、アタシが助け出したという。
「…あ~。確か廊下で二年の男子に絡まれてた…」
「はいっ! あの時はちゃんとお礼もしないで、すみませんでした」
頭を下げられ、慌てた。
「うっううん、良いのよ。結構アタシ、ケンカっ早いからさ」
そのせいか……男よりも、女の子に人気がある。
彼女みたいに告白する子も、一ヶ月に一人はいる。
ちなみに男だと一年に一人いるかいないか…。
無表情で、男10人相手してもへっちゃらなせいだろうな。
「先輩、困っている女の子を見て見ぬフリはできないんですよね。ステキです!」
…まあそれもあるけど。
血の気が多いのが原因だろう。
「そんな先輩の、特別な女の子になりたいんです!」
うわ~、ハッキリ言うコだなぁ。
でもまあ悪い気はしない。
アタシ元々、恋愛対象で性別こだわらないしなぁ。
「でもアタシと付き合ってもおもしろくないと思うわよ? 格闘技が趣味だし、ガサツだし」
「全っ然構いません! 先輩はそのままで良いんです! ただわたしを好きになってくれれば!」
こっ拳をつくって力説されてもなぁ。
このコ、確かにブリッ子だけど憎めない可愛さがある。
付き合ったら、アタシが人付き合いがヘタな分、フォローしてくれそうだな。
…って、いけないいけない。
「でっでもね…」
「ダメですか?」
うっ…。今度は大きな目に涙をうるうるさせて、見上げてきた。
…そうか、こうされたら女でも弱いんだ。
「ダメってことはないけど…。あなた、可愛いし。明るくて楽しい子だから」
「じゃあ、OKですか!」
どっどーしてそうなる?
「大丈夫です! 先輩を幸せにする自信あります! だから…」
ふわっと彼女の良い匂いがした。
…と思ったら。
「~~~っ!」
キス、された。
とっ唐突な子だ…。
「わたしだけのお姉様になってください!」
「おっお姉様?」
なっ何か違う…。
「はい! わたしだけの愛しい人…」
うっとりして、見上げる目から逃げられない。
「ぜぇ~ったいっ! わたしが幸せにします!」
コレは………カクゴするしかないのか?
「よっよろしくお願いします」
「はい♪」
ヤバイだろう…ヤバイけど、この子からは逃げられる気がしない。
いや、もういろんな意味で。
捕らえられたのは彼女ではなく、アタシの方…?
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
一人用声劇台本
ふゎ
恋愛
一人用声劇台本です。
男性向け女性用シチュエーションです。
私自身声の仕事をしており、
自分の好きな台本を書いてみようという気持ちで書いたものなので自己満のものになります。
ご使用したい方がいましたらお気軽にどうぞ
片思い台本作品集(二人用声劇台本)
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
今まで投稿した事のある一人用の声劇台本を二人用に書き直してみました。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。タイトル変更も禁止です。
※こちらの作品は男女入れ替えNGとなりますのでご注意ください。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい
👨一人用声劇台本「寝落ち通話」
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。
続編「遊園地デート」もあり。
ジャンル:恋愛
所要時間:5分以内
男性一人用の声劇台本になります。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
【完結】【R18百合】会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました
千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。
レズビアンの月岡美波が起きると、会社の後輩女子の桜庭ハルナと共にベッドで寝ていた。
一体何があったのか? 桜庭ハルナはどういうつもりなのか? 月岡美波はどんな選択をするのか?
おすすめシチュエーション
・後輩に振り回される先輩
・先輩が大好きな後輩
続きは「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」にて掲載しています。
だいぶ毛色が変わるのでシーズン2として別作品で登録することにしました。
読んでやってくれると幸いです。
「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/615873195
※タイトル画像はAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる