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街外れのアンティークショップ
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「えっ? アンティークショップ?」
「うん、そお♪ この間、ステキなお店見つけちゃって。マカ、今日一緒に行かない?」
マカの頭の中に、従兄の経営するあの店が浮かんだ。
「良いけど…。そこって小物専門?」
「う~ん…。人形とか家具専門かな?」
あの店のイメージに、思いっきり大きな×印を付けた。
「なら、良いわよ。たまには息抜きしないとね」
「やった! じゃあ行こう!」
ミナの案内で、マカはとあるアンティークショップに案内された。
店は街外れの住宅地の中に、ぽつんとあった。
「あっ、ここよここ!」
ミナははしゃいだ様子で、ショーウィンドウの中を覗き込む。
「ここのお人形に惹かれたの! マカも見てみて!」
「はいはい」
あんまりにミナが楽しそうにするので、マカは苦笑しながらショーウィンドウの中の人形を見た。
しかし人形をその眼に映した一瞬、マカの眼が赤くなった。
だがそれは瞬きする間のことで、ミナは気付かなかった。
「ねっ、キレイでしょ? 可愛いでしょう?」
「…そうだね」
マカは答えながらも、目線は人形に向けていた。
飾られているのは3体のアンティークドールだ。
一体は黒い巻き髪で、茶色の瞳を持つ少女。
そしてウェーブの金髪で、緑色の瞳を持つ少女。
ショートの赤髪で、橙色の瞳を持つ少女。
それぞれタイプは違えど、美しいアンティークドールだ。
「中もスゴイんだよぉ。入ろうよ」
ミナに手を引かれ、マカは店内に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ。…おや、ミナさん」
「こんにちは、カガミさん」
店内には1人の青年がいた。
優しい顔付きをしており、メガネをかけた長身の青年だ。
「今日は親友のマカを連れて来たの!」
「それはそれは」
青年はマカを見て、にっこり微笑んだ。
「はじめまして、マカさん。わたしはこの店の店主をしております、カガミと申します。ミナさんからお噂はかねがね」
「それはそれは。どうせロクでもないことでしょうけど」
マカは顔で笑いながらも、眼は笑っていなかった。
「ひっどぉい! ちゃんと親友だって、言ってたもん!」
「はいはい。それよりお気に入りを見せてよ。その為に連れて来てくれたんでしょ?」
「あっ、そうだった! あのね、家具もステキなんだよ。カガミさん、良い?」
「どうぞ、ミナさんは見てくれる常連さんですからね」
「んもう! だってお店の商品、高いんだもん」
「コレは失礼。しかしわたしの店の物は全て1点ものですからね。値が張るのはしょうがないんですよ」
マカは店内を一通り、見た。
そして感じていた。
この身が疼く感覚を…。
「あっ、マカ、こっちよ!」
ミナはマカの異変に気付かず、無邪気に案内をする。
案内される途中で、マカの眼には様々な商品が映る。
ナチュラルな白さの食器達、美しい糸のようなモノで繊細な刺繍をされたハンカチ、そして文字通り血石のアクセサリー達。
「うん、そお♪ この間、ステキなお店見つけちゃって。マカ、今日一緒に行かない?」
マカの頭の中に、従兄の経営するあの店が浮かんだ。
「良いけど…。そこって小物専門?」
「う~ん…。人形とか家具専門かな?」
あの店のイメージに、思いっきり大きな×印を付けた。
「なら、良いわよ。たまには息抜きしないとね」
「やった! じゃあ行こう!」
ミナの案内で、マカはとあるアンティークショップに案内された。
店は街外れの住宅地の中に、ぽつんとあった。
「あっ、ここよここ!」
ミナははしゃいだ様子で、ショーウィンドウの中を覗き込む。
「ここのお人形に惹かれたの! マカも見てみて!」
「はいはい」
あんまりにミナが楽しそうにするので、マカは苦笑しながらショーウィンドウの中の人形を見た。
しかし人形をその眼に映した一瞬、マカの眼が赤くなった。
だがそれは瞬きする間のことで、ミナは気付かなかった。
「ねっ、キレイでしょ? 可愛いでしょう?」
「…そうだね」
マカは答えながらも、目線は人形に向けていた。
飾られているのは3体のアンティークドールだ。
一体は黒い巻き髪で、茶色の瞳を持つ少女。
そしてウェーブの金髪で、緑色の瞳を持つ少女。
ショートの赤髪で、橙色の瞳を持つ少女。
それぞれタイプは違えど、美しいアンティークドールだ。
「中もスゴイんだよぉ。入ろうよ」
ミナに手を引かれ、マカは店内に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ。…おや、ミナさん」
「こんにちは、カガミさん」
店内には1人の青年がいた。
優しい顔付きをしており、メガネをかけた長身の青年だ。
「今日は親友のマカを連れて来たの!」
「それはそれは」
青年はマカを見て、にっこり微笑んだ。
「はじめまして、マカさん。わたしはこの店の店主をしております、カガミと申します。ミナさんからお噂はかねがね」
「それはそれは。どうせロクでもないことでしょうけど」
マカは顔で笑いながらも、眼は笑っていなかった。
「ひっどぉい! ちゃんと親友だって、言ってたもん!」
「はいはい。それよりお気に入りを見せてよ。その為に連れて来てくれたんでしょ?」
「あっ、そうだった! あのね、家具もステキなんだよ。カガミさん、良い?」
「どうぞ、ミナさんは見てくれる常連さんですからね」
「んもう! だってお店の商品、高いんだもん」
「コレは失礼。しかしわたしの店の物は全て1点ものですからね。値が張るのはしょうがないんですよ」
マカは店内を一通り、見た。
そして感じていた。
この身が疼く感覚を…。
「あっ、マカ、こっちよ!」
ミナはマカの異変に気付かず、無邪気に案内をする。
案内される途中で、マカの眼には様々な商品が映る。
ナチュラルな白さの食器達、美しい糸のようなモノで繊細な刺繍をされたハンカチ、そして文字通り血石のアクセサリー達。
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