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アルバイトの面接と生徒たちとの出会い③
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どんどん話がややこしくなっている。私が能力持ちだとは初めて聞いた。もし、私が能力を持っているとしたら、どんなすごい能力を持っているのだろうか。
想像してみた。攻撃系ではないだろう。炎も雷も氷も出せたことはない。となると、回復系か精神系の能力か。人より回復が少し早いような気がするが、それはただ単に健康だからという理由である気がする。精神系というと、他人を操ることができる能力か。そんな高度な技を持っていたら、もっと人生楽に生きていけた気がする。
それとも、他人の心が読める能力か。これはとても便利そうだ。他には何があるだろうか。欲しい能力といえば、瞬間移動はあったら移動が楽でよい。未来予知なんかもあれば何かと役に立つと思う。
とはいっても、そんな能力やはり私には存在していない。現に今までの人生で特殊能力が発動したことなんてない。そんな特殊能力が備わっていたら、私の人生はもっと違うものになっているに違いない。
私には未来予知が備わっている気がしないでもない。私が予想したとおりに物事が運ぶことがよくある。予知というより、こうなると思うということが実現する。今回の大学でのあの2人との出会いももしかしたら私が予想していた結果かもしれない。バイトもそうだ。よくわからない能力者たちが通う塾に私が採用されたのも予想していた結果なのかもしれない。
「自分が能力者であるということを自覚していただけましたか。ずいぶん熱心に考えているようでしたが。」
「瀧さんの思い違いではないですか。私に何か特殊能力が宿っているとは思えないのですが。」
「そんなことはありませんよ。私には能力者がわかる力があるのですよ。ちなみに私の能力は他人がどんな能力を持っているか相手の目を見ればわかる。そんな能力ですのであなたのことも目を見て判断しました。」
瀧さんが自ら能力者について話し出したので、予想はしていたが、やはり瀧さんは能力者であった。そうなると、能力者について詳しいことにも納得できる。
「では、お聞きしますけど、私の能力はどんな力ですか。差し支えなければ教えていただけると嬉しいのですが。」
「それは秘密です。教えてしまっては面白くないでしょう。ご自分で考えてください。そのうちに答えがわかると思いますよ。」
回答をはぐらかされた感じがする。いったい私の能力は何なのだろう。気になるが、今は自分の能力について考えている場合ではない。
「ただわかるというだけの能力ですが、この能力は私が人生を楽しく快適に過ごすためになくてはならないものです。危険能力者との接触を避けたり、うっかり能力者同士の争いに巻き込まれても、相手の能力さえわかれば、大抵のことはどうにかなる。さらには最終的にこの能力のお蔭で今の仕事につけたわけですから、この力があってこその人生です。」
自分の能力がどれほど役に立っているのかを主張する瀧さんある。この人はどこか頭のねじが緩んでいるのだろう。
「そんなに自分のことを話して大丈夫ですか。もし、万が一私が能力を発動して瀧さんを従わせるということを考えなかったのですか。」
そうだ。もし仮に私に特殊能力が存在して、真の力を発揮したら、瀧さんを操ることができるかもしれない。もし私が他人を操る能力を持っていた場合だが。それ以外でも攻撃系の能力を発動させることで瀧さんに危害を加えることもできるはずだ。
ただし、瀧さんがこうして普通に話しているということは、私の能力は瀧さんに特に被害が及ぶ能力ではないということだ。あくまで能力者という存在がこの世にいるという設定で、私もその一人ならばという仮定の話ではある。
「心配には及びません。これでも仕事上、たくさんの能力者にあってきました。能力者でも負けるつもりはありませんよ。」
それに私にはまだまだ生徒を集めることが必要ですから、能力者に負けていられないのですよ。小さくつぶやかれた言葉は私の耳には届かなかった。
「それに私の能力は相手が能力者だとわかるというよりも、相手の記憶も読むことで能力者であるかわかるということですし。相手の能力がわかり、弱点などもわかれば、どうとでもできるので負けることはないのですよ。」
何かとんでもないことを言っているが、この言葉はきかなかったことにしよう。
想像してみた。攻撃系ではないだろう。炎も雷も氷も出せたことはない。となると、回復系か精神系の能力か。人より回復が少し早いような気がするが、それはただ単に健康だからという理由である気がする。精神系というと、他人を操ることができる能力か。そんな高度な技を持っていたら、もっと人生楽に生きていけた気がする。
それとも、他人の心が読める能力か。これはとても便利そうだ。他には何があるだろうか。欲しい能力といえば、瞬間移動はあったら移動が楽でよい。未来予知なんかもあれば何かと役に立つと思う。
とはいっても、そんな能力やはり私には存在していない。現に今までの人生で特殊能力が発動したことなんてない。そんな特殊能力が備わっていたら、私の人生はもっと違うものになっているに違いない。
私には未来予知が備わっている気がしないでもない。私が予想したとおりに物事が運ぶことがよくある。予知というより、こうなると思うということが実現する。今回の大学でのあの2人との出会いももしかしたら私が予想していた結果かもしれない。バイトもそうだ。よくわからない能力者たちが通う塾に私が採用されたのも予想していた結果なのかもしれない。
「自分が能力者であるということを自覚していただけましたか。ずいぶん熱心に考えているようでしたが。」
「瀧さんの思い違いではないですか。私に何か特殊能力が宿っているとは思えないのですが。」
「そんなことはありませんよ。私には能力者がわかる力があるのですよ。ちなみに私の能力は他人がどんな能力を持っているか相手の目を見ればわかる。そんな能力ですのであなたのことも目を見て判断しました。」
瀧さんが自ら能力者について話し出したので、予想はしていたが、やはり瀧さんは能力者であった。そうなると、能力者について詳しいことにも納得できる。
「では、お聞きしますけど、私の能力はどんな力ですか。差し支えなければ教えていただけると嬉しいのですが。」
「それは秘密です。教えてしまっては面白くないでしょう。ご自分で考えてください。そのうちに答えがわかると思いますよ。」
回答をはぐらかされた感じがする。いったい私の能力は何なのだろう。気になるが、今は自分の能力について考えている場合ではない。
「ただわかるというだけの能力ですが、この能力は私が人生を楽しく快適に過ごすためになくてはならないものです。危険能力者との接触を避けたり、うっかり能力者同士の争いに巻き込まれても、相手の能力さえわかれば、大抵のことはどうにかなる。さらには最終的にこの能力のお蔭で今の仕事につけたわけですから、この力があってこその人生です。」
自分の能力がどれほど役に立っているのかを主張する瀧さんある。この人はどこか頭のねじが緩んでいるのだろう。
「そんなに自分のことを話して大丈夫ですか。もし、万が一私が能力を発動して瀧さんを従わせるということを考えなかったのですか。」
そうだ。もし仮に私に特殊能力が存在して、真の力を発揮したら、瀧さんを操ることができるかもしれない。もし私が他人を操る能力を持っていた場合だが。それ以外でも攻撃系の能力を発動させることで瀧さんに危害を加えることもできるはずだ。
ただし、瀧さんがこうして普通に話しているということは、私の能力は瀧さんに特に被害が及ぶ能力ではないということだ。あくまで能力者という存在がこの世にいるという設定で、私もその一人ならばという仮定の話ではある。
「心配には及びません。これでも仕事上、たくさんの能力者にあってきました。能力者でも負けるつもりはありませんよ。」
それに私にはまだまだ生徒を集めることが必要ですから、能力者に負けていられないのですよ。小さくつぶやかれた言葉は私の耳には届かなかった。
「それに私の能力は相手が能力者だとわかるというよりも、相手の記憶も読むことで能力者であるかわかるということですし。相手の能力がわかり、弱点などもわかれば、どうとでもできるので負けることはないのですよ。」
何かとんでもないことを言っているが、この言葉はきかなかったことにしよう。
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