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プロローグ

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 学校生活で不満に思ったことはないだろうか。いじめや先生の不祥事、モンスターペアレントの対応、日々学校では大小さまざまな問題が渦巻いている。そんな問題を解決するための組織があることをご存じだろうか。

「EC(エターナルチルドレン)」と呼ばれる組織がそれらの問題を解決してくれる。問題解決に見合った代金を請求されるが、その代金さえ支払うことができるならば、学校内のあらゆる問題を解決してくれるようだ。

 学校問題に限定されているのには理由がある。依頼主が指定した学校に潜入して問題を見つけ、解決に導くのが子供だからだ。現場が小学校ならば小学生が、中学生なら中学生といったように、それぞれの学校に見合った子供を現場に派遣する。初めは依頼者も驚くのだが、彼らの功績を見ると納得する。

 子供をそんなことに使うなんて児童虐待だと訴えられても仕方がないことだと思うだろうが、残念ながら今まで訴えられたことはない。依頼主は自分のことに精一杯であり、彼らのことを気にかけている余裕はないのだ。たとえ、依頼が遂行されて周りを見る余裕が出てきたとしても、訴えることはできない。口外しないように依頼を受けた時点で、契約を結ぶからだ。

 依頼を遂行する彼らが子供なので「EC」と呼ばれているが、本当の理由は別にある。その名の通りに彼らはそれ以上成長しないのだ。小学生なら一生小学生のまま、中学生なら中学生のままなのである。

 そんな彼らは今日も依頼を遂行するために学校現場に足を運ぶ。彼らも仕事をしなければ生きていけない。子供の姿でも大人と同じように働いてお金を稼がないとならない。彼らの雇い主は子供の姿だからといって養ってくれるわけではないのだから。
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