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第1章 こんな学校嫌だ
4時間割~どうしてこんなに授業が多いのか~
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高校に入学して、数日がたった。飯島蓮人は授業のあまりの多さに驚いていた。中学の時も思っていたが、この世界は授業が多すぎる。時間割を見て絶望した。どうやら、彼は自分が進学校と呼ばれる高校に入学したことを忘れているようだった。
とはいえ、前世でも彼は一応、進学校と呼ばれる高校に通っていたのだ。しかし、そこで彼は大して勉強をしてこなかった。授業中寝ているのは当たり前で、さらには何かとつけて授業をさぼっていた。そのため、まともに授業を受けたためしがない。
時間割には授業がびっしり詰まっていた。何より驚いたのは週に2日、7時間目まで授業があることだ。午前に4時間、午後に3時間となっていた。これでは放課後遊ぶ時間が少なくなるではないか。
飯島蓮人は、前世では何もしなくても周りから声をかけられたり、遊びに誘われたりしていた。いわゆる人気者である。自分から相手に話しかけなくてもよい立場だった。
しかし、そんな都合の良いことはなくなった。中学の時は仕方なく自分から相手に話しかけるように努力したが、たかだか3年ぐらいで性格は変わらない。高校では相手から話しかけてくれる人気者に戻ると期待した。そして、あわよくば、かわいい女の子が声をかけてきて付き合えるところまで行きたいと考えていた。
前世では学校で人気のかわいい女子たちが皆、彼に夢中になって話しかけてきた。そうして、飯島蓮人はその女子たち全員と付き合うことになったのだった。
さて、時間割の話に戻そう。飯島蓮人は前世でもててはいたが、頭の出来は良くなかった。
彼はクラスメイトに時間割の密度の多さを訴えた。たまたま自分の隣の席にいた女子に話しかけてみた。すると彼女は呆れた顔をした。
「そんなことは入学する前からわかっていたでしょう。だって、うちの高校は一応進学校。授業が多いのは当たり前。といっても、天才が集まる学校でもない。県内トップ3に入るほど優秀でもないから、授業が多いのは仕方ないでしょう。だって私たちは天才ではないから。少しでもたくさん勉強しないと、良い大学に入れないことはわかりきったこと。」
続けて、彼にとってはさらに最悪な情報を彼女は言い渡した。
「7限目だけに目を奪われているようだけど、そのほかにも朝の課外授業、放課後の補習もあるからね。」
そう言った彼女はまるで生ごみを見るような目で彼のことを見ていた。その視線に耐えられず、彼はありがとうと礼を言って教室を出た。
彼女だけが授業に対して不満を持っていないのだと思って、何人かの生徒にも同じ質問をしてみた。しかし、帰ってくるのは皆同じような回答ばかりだった。
「そりゃあ、授業が多いのは大変だけど、この学校に来た時点で仕方ないよね。」
「進学校なんだから当たり前じゃない。」
「むしろ、進学校に授業数が少なかったら驚きだよね。」
「私たちは天才ではないんだから、勉強しなくちゃいけない.」
彼はすでに学校を辞めたくなった。しかし、退学をするのは容易ではないことはわかっていた。両親がそう簡単に許すとは思えないからだ。
仕方なく、彼は何か学校生活での楽しみを見つけようとするのだった。しかし、高校生活を数日を終えてこんなに絶望ばかりで、この先、楽しいことが見つかるのだろうかと不安も抱える飯島蓮人であった。
とはいえ、前世でも彼は一応、進学校と呼ばれる高校に通っていたのだ。しかし、そこで彼は大して勉強をしてこなかった。授業中寝ているのは当たり前で、さらには何かとつけて授業をさぼっていた。そのため、まともに授業を受けたためしがない。
時間割には授業がびっしり詰まっていた。何より驚いたのは週に2日、7時間目まで授業があることだ。午前に4時間、午後に3時間となっていた。これでは放課後遊ぶ時間が少なくなるではないか。
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しかし、そんな都合の良いことはなくなった。中学の時は仕方なく自分から相手に話しかけるように努力したが、たかだか3年ぐらいで性格は変わらない。高校では相手から話しかけてくれる人気者に戻ると期待した。そして、あわよくば、かわいい女の子が声をかけてきて付き合えるところまで行きたいと考えていた。
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「そんなことは入学する前からわかっていたでしょう。だって、うちの高校は一応進学校。授業が多いのは当たり前。といっても、天才が集まる学校でもない。県内トップ3に入るほど優秀でもないから、授業が多いのは仕方ないでしょう。だって私たちは天才ではないから。少しでもたくさん勉強しないと、良い大学に入れないことはわかりきったこと。」
続けて、彼にとってはさらに最悪な情報を彼女は言い渡した。
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そう言った彼女はまるで生ごみを見るような目で彼のことを見ていた。その視線に耐えられず、彼はありがとうと礼を言って教室を出た。
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仕方なく、彼は何か学校生活での楽しみを見つけようとするのだった。しかし、高校生活を数日を終えてこんなに絶望ばかりで、この先、楽しいことが見つかるのだろうかと不安も抱える飯島蓮人であった。
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