37 / 60
37今回の事件についていろいろ知ることができました
しおりを挟む
「犬史君とはどうやって出会ったのですか?」
私は、鬼崎さんに一つずつ疑問に思ったことを質問することにした。まずは、GW中に会いたいと思っている犬史君について聞いてみることにした。今までの情報からだと、彼女と犬史君はつながっているらしいことはわかっている。
「犬史を紹介してくれたのは、駒沢教授でした」
私の言霊の能力に従って、鬼崎さんが正直に質問に答えてくれたが、その回答の中に驚くべき人の名前が挙げられた。私が驚いている様子に構うことなく、鬼崎さんは淡々と答えていく。
「駒沢教授が、私が非科学的なものに興味を持っていることを知り、犬史を紹介してくれました。駒沢教授が、私の興味を満たせるよう、配慮してくれたのです。初めて出会ったのは、4月の入学式が終わった次の日で、駒沢教授に言われるままに、私は犬史の家を訪問しました。そこで、犬史と初めて出会いました」
ここで言葉を止める。そのまま私の顔をじっと見つめる鬼崎さん。質問に答えたということだろう。まさか、こんなにすぐに鬼崎さんの背後にいる人物を知ることができるとは思わなかった。
「じゃ、じゃあ、犬史君にお兄さんに会えるといったのはなぜ?お兄さんは死んでいる、もしくは行方不明ということになっていたでしょう?」
混乱する頭で、次の質問をする。彼女にかけた言霊の力が亡くなってしまう前に、どんどん答えてもらおう。考えるのは、後回しにすることにした。疑問に思ったことはこの場で余すことなく聞くことにした。
「駒沢先生が教えてくれました。犬史のお兄さん的存在は、すでに亡くなっている可能性が高いと。しかし、遺体は見つかっていないから、まだ生きている可能性はあると先生は言っていました。そこで、駒沢先生は、ある仮説を立てました。それが、『お兄さんは死んでいるが、幽霊か何か、別の存在としてこの世に存在しているのではないか』というものでした」
「それは、いったい」
「駒沢先生も、私と同じく、非科学的な出来事に興味をお持ちで、最近は、朔夜蒼紗のことが研究対象として面白そうだと常々話していました。そして、朔夜蒼紗の周りで起きた不思議な出来事を詳しく調べているそうです。その中で、一年前に起きた連続不審死という事件の謎を解こうと必死になっていた彼の元に、面白い情報が入ってきたようです」
一年前の連続不審死。それは、私が九尾たちと出会うきっかけになった事件であり、多大な被害者が出た痛ましい事件だ。駒沢が調べていたとは思ってもいなかった。あの事件の被害者の遺体は全て、証拠が残らないように、九尾が瀧のお寺ごと燃やしてしまった。その場には何も残らなかったはずだ。
そして、その寺の記憶は人々の中から消えてしまったはずだ。九尾が消してしまった。被害者を調べれば不審な点だらけとなって、確かに不可解で調べてみたくはなるが、そこからどうやって、犬史君にまでたどり着けたのだろうか。どうして犬史君に接触しようと考えたのかも謎である。
「被害者を調べていくうちに、被害者によく似た幼い子供が目撃されていることがわかりました。そして、それは朔夜蒼紗の周りに出没することも」
どんどん衝撃の事実が暴露されていく。いったい、どこまで駒沢は私たちの秘密に近づいているのだろうか。不安が募っていくが、鬼崎さんの話を止めることなく、私は彼女の話を最後まで聞くことにした。
「最初に目を付けたのは、宇佐美翼。彼の元同棲相手に話を聞いて、彼女が今も彼に未練を残していることを知りました。しかし、彼女の精神はすでに彼がいなくなったことで不安定になっており、駒沢先生の思い通りにはことが運びませんでした。彼女は精神を病んで、その後はわかりません」
翼君の彼女を翼君に向かわせたのは、駒沢ではなかったようだ。とはいえ、彼女は翼君の少年姿を見かけて私の家まで追ってきた。彼女の翼君に関する記憶は消去された。ということは、次に駒沢が目を着けたのが。
「次に目を付けたのは、紅狼貴という男性でした。彼を調べていくうちに、身内に幼い犬史がいることがわかり、目をつけました。彼はまだ幼く、お兄さんが死んだことを信じておらず、彼をおとりとして使えば、もしかしたら、本当に死んだはずの男が会いに来るかもしれないと言い出しました。私は、その話に乗ることにしました」
そこからは、私の知っている話となった。狼貴君が出そうな場所を探して予想をつけて鬼崎さんに向かわせて探す。そんな日々が続いたそうだ。そして、狼貴君に会うための最短ルートを見つけ出した。
「飲み会に朔夜蒼紗を誘ったのは、賭けでした。駒沢先生は、これだけ探しても見つからないとなれば、彼らは誰かの家に居候していると推測しました。そして、その居候先は」
「私、というわけですね。そして、私を危険に晒せば、おそらく彼らが出てくると予想した」
「飲み会に誘えたのは素晴らしい幸運でした。私は朔夜さんがまさか、彼らを連れてくるとは思っていませんでした。もしかしたらと期待はしていましたが。とはいえ、彼らのために、駒沢先生はあるものを私に渡してくれました」
嫌な予感がした。九尾たちは人間ではないので、酒に酔うということはない。それなのに、あの日、彼らは例外なく酔っぱらって本性を出してしまっていた。それは、飲み物に意図的に、彼らに効果のあるものにすり替えられていたということだ。その薬はジャスミンのような能力者にも効果があるものだった。
私が考えている間にも、話は続いていく。彼女は私の予想通りのことを話していく。
「私は駒沢先生に、ある水をもらいました。それは、何でも先生が探しに探して手に入れた、秘蔵のお酒らしく、普通の人間であれば、ただの水でしかない。ただし、能力者や人外には絶大な効果を発揮する代物だったそうです」
話はそれからも続いていく。九尾は薬と言っていたが、実際にはお酒だったようだ。その怪しいお酒を九尾たちが飲むだろう飲み物に混ぜて、まんまと飲んでしまった九尾たちの変化を鬼崎さんはスマホに収めることにした。そして、その写真をSNSで拡散。もちろん、協力者である駒沢にも写真を見せたようだ。
ちらりと外の様子をうかがうと、外はだいぶ暗くなっていた。これ以上長居をしていると、他の部員たちが部屋に入ってくるかもしれない。もしくは、下校時刻だと先生が見回りに来るかもしれない。最後に私は一つ質問した。
「鬼崎さんは、どうして非科学的なものに興味を」
「トントン、あれ、蒼紗さんに鬼崎さん。二人で珍しいですね。いや二人で話したいと言っていましたね。ですが、もうそろそろ下校時刻ですよ。この部屋の鍵、閉めてもいいですか?今日は私がカギ当番なので」
ちょうど質問を仕掛けたタイミングで、綾崎さんが部屋から顔を出した。時間切れということらしい。とりあえず、聞きたいことはあらかた聞くことができた。残りの話はGW最終日にじっくり聞くことにした。
「すいません。後少しで話は終わりますから、少しだけ部屋を借りてもいいですか。一分もかかりませんので」
「蒼紗さんの頼みなら仕方ありませんね。すぐに終わらせてくださいよ。外で待っていますから」
綾崎さんを部屋から追い出し、念のため、私は彼女にもう一度能力を使った。
『今、私と話したことは忘れてください』
言霊の力が発動され、鬼崎さんは正気に戻ったようだ。
「あれ、私は今まで何を。朔夜先輩、私たちのサークルに入ってくれるのですか?」
「鬼崎さん、そろそろ下校時刻だそうですので、とりあえず、部屋を出ましょう。外で綾崎さんが待っています」
鬼崎さんは今の状況を理解できず混乱しているようだが、部屋から無理やり出すと、外で待っていた綾崎さんに押し付ける。
「では、私は帰りますので、良いお二人とも残りのGWを楽しんでください。鬼崎さんはGGW最終日に会いましょう」
私は、家に帰って九尾たちに相談すべきことがたくさんあるので、さっさと帰ることにした。
私は、鬼崎さんに一つずつ疑問に思ったことを質問することにした。まずは、GW中に会いたいと思っている犬史君について聞いてみることにした。今までの情報からだと、彼女と犬史君はつながっているらしいことはわかっている。
「犬史を紹介してくれたのは、駒沢教授でした」
私の言霊の能力に従って、鬼崎さんが正直に質問に答えてくれたが、その回答の中に驚くべき人の名前が挙げられた。私が驚いている様子に構うことなく、鬼崎さんは淡々と答えていく。
「駒沢教授が、私が非科学的なものに興味を持っていることを知り、犬史を紹介してくれました。駒沢教授が、私の興味を満たせるよう、配慮してくれたのです。初めて出会ったのは、4月の入学式が終わった次の日で、駒沢教授に言われるままに、私は犬史の家を訪問しました。そこで、犬史と初めて出会いました」
ここで言葉を止める。そのまま私の顔をじっと見つめる鬼崎さん。質問に答えたということだろう。まさか、こんなにすぐに鬼崎さんの背後にいる人物を知ることができるとは思わなかった。
「じゃ、じゃあ、犬史君にお兄さんに会えるといったのはなぜ?お兄さんは死んでいる、もしくは行方不明ということになっていたでしょう?」
混乱する頭で、次の質問をする。彼女にかけた言霊の力が亡くなってしまう前に、どんどん答えてもらおう。考えるのは、後回しにすることにした。疑問に思ったことはこの場で余すことなく聞くことにした。
「駒沢先生が教えてくれました。犬史のお兄さん的存在は、すでに亡くなっている可能性が高いと。しかし、遺体は見つかっていないから、まだ生きている可能性はあると先生は言っていました。そこで、駒沢先生は、ある仮説を立てました。それが、『お兄さんは死んでいるが、幽霊か何か、別の存在としてこの世に存在しているのではないか』というものでした」
「それは、いったい」
「駒沢先生も、私と同じく、非科学的な出来事に興味をお持ちで、最近は、朔夜蒼紗のことが研究対象として面白そうだと常々話していました。そして、朔夜蒼紗の周りで起きた不思議な出来事を詳しく調べているそうです。その中で、一年前に起きた連続不審死という事件の謎を解こうと必死になっていた彼の元に、面白い情報が入ってきたようです」
一年前の連続不審死。それは、私が九尾たちと出会うきっかけになった事件であり、多大な被害者が出た痛ましい事件だ。駒沢が調べていたとは思ってもいなかった。あの事件の被害者の遺体は全て、証拠が残らないように、九尾が瀧のお寺ごと燃やしてしまった。その場には何も残らなかったはずだ。
そして、その寺の記憶は人々の中から消えてしまったはずだ。九尾が消してしまった。被害者を調べれば不審な点だらけとなって、確かに不可解で調べてみたくはなるが、そこからどうやって、犬史君にまでたどり着けたのだろうか。どうして犬史君に接触しようと考えたのかも謎である。
「被害者を調べていくうちに、被害者によく似た幼い子供が目撃されていることがわかりました。そして、それは朔夜蒼紗の周りに出没することも」
どんどん衝撃の事実が暴露されていく。いったい、どこまで駒沢は私たちの秘密に近づいているのだろうか。不安が募っていくが、鬼崎さんの話を止めることなく、私は彼女の話を最後まで聞くことにした。
「最初に目を付けたのは、宇佐美翼。彼の元同棲相手に話を聞いて、彼女が今も彼に未練を残していることを知りました。しかし、彼女の精神はすでに彼がいなくなったことで不安定になっており、駒沢先生の思い通りにはことが運びませんでした。彼女は精神を病んで、その後はわかりません」
翼君の彼女を翼君に向かわせたのは、駒沢ではなかったようだ。とはいえ、彼女は翼君の少年姿を見かけて私の家まで追ってきた。彼女の翼君に関する記憶は消去された。ということは、次に駒沢が目を着けたのが。
「次に目を付けたのは、紅狼貴という男性でした。彼を調べていくうちに、身内に幼い犬史がいることがわかり、目をつけました。彼はまだ幼く、お兄さんが死んだことを信じておらず、彼をおとりとして使えば、もしかしたら、本当に死んだはずの男が会いに来るかもしれないと言い出しました。私は、その話に乗ることにしました」
そこからは、私の知っている話となった。狼貴君が出そうな場所を探して予想をつけて鬼崎さんに向かわせて探す。そんな日々が続いたそうだ。そして、狼貴君に会うための最短ルートを見つけ出した。
「飲み会に朔夜蒼紗を誘ったのは、賭けでした。駒沢先生は、これだけ探しても見つからないとなれば、彼らは誰かの家に居候していると推測しました。そして、その居候先は」
「私、というわけですね。そして、私を危険に晒せば、おそらく彼らが出てくると予想した」
「飲み会に誘えたのは素晴らしい幸運でした。私は朔夜さんがまさか、彼らを連れてくるとは思っていませんでした。もしかしたらと期待はしていましたが。とはいえ、彼らのために、駒沢先生はあるものを私に渡してくれました」
嫌な予感がした。九尾たちは人間ではないので、酒に酔うということはない。それなのに、あの日、彼らは例外なく酔っぱらって本性を出してしまっていた。それは、飲み物に意図的に、彼らに効果のあるものにすり替えられていたということだ。その薬はジャスミンのような能力者にも効果があるものだった。
私が考えている間にも、話は続いていく。彼女は私の予想通りのことを話していく。
「私は駒沢先生に、ある水をもらいました。それは、何でも先生が探しに探して手に入れた、秘蔵のお酒らしく、普通の人間であれば、ただの水でしかない。ただし、能力者や人外には絶大な効果を発揮する代物だったそうです」
話はそれからも続いていく。九尾は薬と言っていたが、実際にはお酒だったようだ。その怪しいお酒を九尾たちが飲むだろう飲み物に混ぜて、まんまと飲んでしまった九尾たちの変化を鬼崎さんはスマホに収めることにした。そして、その写真をSNSで拡散。もちろん、協力者である駒沢にも写真を見せたようだ。
ちらりと外の様子をうかがうと、外はだいぶ暗くなっていた。これ以上長居をしていると、他の部員たちが部屋に入ってくるかもしれない。もしくは、下校時刻だと先生が見回りに来るかもしれない。最後に私は一つ質問した。
「鬼崎さんは、どうして非科学的なものに興味を」
「トントン、あれ、蒼紗さんに鬼崎さん。二人で珍しいですね。いや二人で話したいと言っていましたね。ですが、もうそろそろ下校時刻ですよ。この部屋の鍵、閉めてもいいですか?今日は私がカギ当番なので」
ちょうど質問を仕掛けたタイミングで、綾崎さんが部屋から顔を出した。時間切れということらしい。とりあえず、聞きたいことはあらかた聞くことができた。残りの話はGW最終日にじっくり聞くことにした。
「すいません。後少しで話は終わりますから、少しだけ部屋を借りてもいいですか。一分もかかりませんので」
「蒼紗さんの頼みなら仕方ありませんね。すぐに終わらせてくださいよ。外で待っていますから」
綾崎さんを部屋から追い出し、念のため、私は彼女にもう一度能力を使った。
『今、私と話したことは忘れてください』
言霊の力が発動され、鬼崎さんは正気に戻ったようだ。
「あれ、私は今まで何を。朔夜先輩、私たちのサークルに入ってくれるのですか?」
「鬼崎さん、そろそろ下校時刻だそうですので、とりあえず、部屋を出ましょう。外で綾崎さんが待っています」
鬼崎さんは今の状況を理解できず混乱しているようだが、部屋から無理やり出すと、外で待っていた綾崎さんに押し付ける。
「では、私は帰りますので、良いお二人とも残りのGWを楽しんでください。鬼崎さんはGGW最終日に会いましょう」
私は、家に帰って九尾たちに相談すべきことがたくさんあるので、さっさと帰ることにした。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
朔夜蒼紗の大学生活⑥
折原さゆみ
キャラ文芸
大学二年の夏休みが終わり、後期が始まった。後期最初のイベントいえば文化祭。そこにある特別ゲストが参加するらしい。彼の名前は【西炎(さいえん)】。二年目の後期も波乱に満ちたものになりそうだ。
朔夜蒼紗の大学生活シリーズ第6作目になります。サブタイトルは決まり次第、付け加えます。
初見の方は、ぜひ1作目から目を通していただけると嬉しいです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
朔夜蒼紗の大学生活③~気まぐれ狐は人々を翻弄する~
折原さゆみ
キャラ文芸
朔夜蒼紗(さくやあおさ)は、今日も平穏な大学生活を望んでいた。しかし、彼女のもとに平穏な生活が訪れることはない。
「私、この度、彼氏ができました!」ジャスミンの唐突な彼氏宣言。
「先生は、サンタを信じている?」
「受験の悪魔がいるんだって」塾での怪しい噂。
塾に来た新しい生徒に、西園寺家次期当主を名乗る、謎の人物。怪しい人物だらけで、朔夜蒼紗の周りは今日もとてもにぎやかだ。
「まったく、お主は面白いのう」
朔夜蒼紗は今回、どのような騒動に巻き込まれるのだろうか。始まりは狐。狐は人々を今日も翻弄していく。
※朔夜蒼紗の大学生活シリーズ三作目となります。
朔夜蒼紗の大学生活~幽霊だって勉強したい~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/16490205/842219471
朔夜蒼紗の大学生活②~死神は退屈を持て余す~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/16490205/579224814
三作目もどうぞよろしくお願いします。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる