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番外編【腰痛】1いきなりの家族イベント①~私たちに子供はいません~
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『急で悪いけど、私の子供と一緒に、田植えの体験イベントに参加してくれる?』
妹から突然、私のスマホに連絡が入った。皆がよく使っているSNSアプリが、妹からのメッセージを受信した。
「意味不明なんだけど」
「ブーブー」
私の独り言の直後、言葉よりも口で説明した方が早いと判断したのだろう。スマホが振動して、妹から着信が入った。
「もしもし」
「ああ、つながった。ええと、メッセージは届いていると思うけど、今週の土曜日に田植えの体験イベントがあるの。子供が楽しみにしていて、予約はしたんだけど……」
妹の説明によると、今年5歳になる妹の子供と一緒に、今週末に行われる、田植えの体験イベントに参加して欲しいとのことだった。子供に田植えの体験をさせたいと思って、妹と妹の旦那、子供の家族三人で予約をしたようだ。
それなのに、妹と妹の旦那が当日、急に仕事が入ってしまい、行けなくなったということらしい。家族三人の参加ということだが、自分たち親が二人とも参加できないので、キャンセルしようかどうか悩んでいた。しかし、子供はとても楽しみにしているので、何とかして参加したいとも思っていたようだ。そして、いい案を思いついたとばかりに、私に連絡が来たというわけだ。
「いや、自分の家のことでしょう。私を巻き込まないでくれる?」
「えええ!だって、どうせお姉ちゃん、今週の土曜日も暇でしょ。天気もいいっていうし、たまには外に出て遊ぶのもいいと思うけどな」
「余計なお世話だ」
「そこを何とかお願いします。子供が楽しみにしているの。ここで行かないとなると、子供が可哀想でしょう?」
「いやいや、そんなの私に関係ないでしょ。美鈴(みれい)ちゃんも、もう5歳でしょ。きちんと説明して行けないことをわからせないと。それに、私にだって予定はあるし。今日、何曜日だと思っているの?もう、月曜日だよ」
もちろん、万年土日引きこもりの私に、予定などない。しかも、今はGW(ゴールデンウィーク)真っ最中。それなのに、こうして妹と電話している時点で、予定がないのはそう言うことだ。
「どうしたんですか?何か、もめているようですが」
私と妹が議論を交わしていると、私の声が大きかったのか、大鷹さんが怪訝そうに話しかけてきた。私は自分の部屋ではなく、リビングで電話していたことを思い出す。慌てて、また後で電話すると妹に告げて、一度電話を切る。
「いや、妹が私に無理難題を押し付けてきて、それを断ろうと、つい興奮して大声を出してしまいました」
「そうですか?紗々さんに用事とは珍しい。もしよかったら、用事が何か聞いてもいいですか?」
「それは、はっ!」
妹の無理難題は、大鷹さんにも関わってくる。そのことに気付いた私は、大鷹さんに迷惑が掛からないように、何としてでも、この話を断ろうと決意した。
「どうしたんですか」
「ええと、妹の無理難題に、大鷹さんを巻き込んでしまうかもしれないと思いまして。妹にはなんとしてでも、この難題をお断りしようと考えていました」
私の決意の言葉を聞き、しばらく大鷹さんは顎に手を当てて考え込んでいた。その間に私は、この無理難題を断るためには、大鷹さんに力を貸してもらうのが正解だと思い、正直に妹との会話を大鷹さんに話すことにした。
「私には、二人妹がいるのは大鷹さんも知っていると思いますけど、そのうちの一人が、今週の土曜日に、妹と旦那、子供の三人で田植えイベントに出かける予定みたいです。勝手に出かければいいと思うんですが、妹も旦那も、突然当日に急に仕事が入ったみたいで、代わりに私に参加しろというはな」
「行きましょう!」
考え込んでいたかと思われた大鷹さんが、私の話を遮り、宣言する。私は断る気満々でいたのに、これは一体どういうことだろう。
「行きましょう?いやいや、妹の子とは言え、大鷹さんにご迷惑は」
「いえいえ、迷惑ではありません。義妹さんのご夫婦ともにいけないとなれば、僕と紗々さんが代わりに行くしかないでしょう」
「私は別に行くつもりはないのですが」
「義妹さんには、僕も一緒に行けますと伝えて下さい」
そんな私の言うことが耳に入らないのか、急にご機嫌になった大鷹さんは、ちょうど土曜日の予定はなかったと言って、自分の部屋にこもってしまった。そういえば、大鷹さんは今日は家に居て、私と一緒にのんびりと過ごしていた。彼はGWに誰かと遊ぶ約束はしていないのだろうか。
『大鷹さんに相談したら、田植えイベント、参加してもいいと言われました』
仕方なく、私はSNSアプリで、妹に参加できるという旨を送った。すぐに既読マークがつき、再び私のスマホに着信が入った。
「もしもし」
「話の分かるお義兄さんだね。詳しいことはまた連絡入れておくから。ありがとう!」
「いや、私は断るつもりだったから、お礼を言うなら、大鷹さんに直接言ってくれる?」
「直接って、私、お義兄さんの連絡先知らないんだけど。ていうか、いまだに大鷹さん呼びとか、いい加減、名前で呼んであげたらどうなの?夫婦でしょ」
「今、その話は関係ないでしょ。とりあえず、私から妹がお礼を言っていたと伝えておくから」
私は、なぜか、今週末の土曜日に妹の子供、美鈴(みれい)ちゃんと一緒に田植えの体験イベントに参加することになってしまった。
妹から突然、私のスマホに連絡が入った。皆がよく使っているSNSアプリが、妹からのメッセージを受信した。
「意味不明なんだけど」
「ブーブー」
私の独り言の直後、言葉よりも口で説明した方が早いと判断したのだろう。スマホが振動して、妹から着信が入った。
「もしもし」
「ああ、つながった。ええと、メッセージは届いていると思うけど、今週の土曜日に田植えの体験イベントがあるの。子供が楽しみにしていて、予約はしたんだけど……」
妹の説明によると、今年5歳になる妹の子供と一緒に、今週末に行われる、田植えの体験イベントに参加して欲しいとのことだった。子供に田植えの体験をさせたいと思って、妹と妹の旦那、子供の家族三人で予約をしたようだ。
それなのに、妹と妹の旦那が当日、急に仕事が入ってしまい、行けなくなったということらしい。家族三人の参加ということだが、自分たち親が二人とも参加できないので、キャンセルしようかどうか悩んでいた。しかし、子供はとても楽しみにしているので、何とかして参加したいとも思っていたようだ。そして、いい案を思いついたとばかりに、私に連絡が来たというわけだ。
「いや、自分の家のことでしょう。私を巻き込まないでくれる?」
「えええ!だって、どうせお姉ちゃん、今週の土曜日も暇でしょ。天気もいいっていうし、たまには外に出て遊ぶのもいいと思うけどな」
「余計なお世話だ」
「そこを何とかお願いします。子供が楽しみにしているの。ここで行かないとなると、子供が可哀想でしょう?」
「いやいや、そんなの私に関係ないでしょ。美鈴(みれい)ちゃんも、もう5歳でしょ。きちんと説明して行けないことをわからせないと。それに、私にだって予定はあるし。今日、何曜日だと思っているの?もう、月曜日だよ」
もちろん、万年土日引きこもりの私に、予定などない。しかも、今はGW(ゴールデンウィーク)真っ最中。それなのに、こうして妹と電話している時点で、予定がないのはそう言うことだ。
「どうしたんですか?何か、もめているようですが」
私と妹が議論を交わしていると、私の声が大きかったのか、大鷹さんが怪訝そうに話しかけてきた。私は自分の部屋ではなく、リビングで電話していたことを思い出す。慌てて、また後で電話すると妹に告げて、一度電話を切る。
「いや、妹が私に無理難題を押し付けてきて、それを断ろうと、つい興奮して大声を出してしまいました」
「そうですか?紗々さんに用事とは珍しい。もしよかったら、用事が何か聞いてもいいですか?」
「それは、はっ!」
妹の無理難題は、大鷹さんにも関わってくる。そのことに気付いた私は、大鷹さんに迷惑が掛からないように、何としてでも、この話を断ろうと決意した。
「どうしたんですか」
「ええと、妹の無理難題に、大鷹さんを巻き込んでしまうかもしれないと思いまして。妹にはなんとしてでも、この難題をお断りしようと考えていました」
私の決意の言葉を聞き、しばらく大鷹さんは顎に手を当てて考え込んでいた。その間に私は、この無理難題を断るためには、大鷹さんに力を貸してもらうのが正解だと思い、正直に妹との会話を大鷹さんに話すことにした。
「私には、二人妹がいるのは大鷹さんも知っていると思いますけど、そのうちの一人が、今週の土曜日に、妹と旦那、子供の三人で田植えイベントに出かける予定みたいです。勝手に出かければいいと思うんですが、妹も旦那も、突然当日に急に仕事が入ったみたいで、代わりに私に参加しろというはな」
「行きましょう!」
考え込んでいたかと思われた大鷹さんが、私の話を遮り、宣言する。私は断る気満々でいたのに、これは一体どういうことだろう。
「行きましょう?いやいや、妹の子とは言え、大鷹さんにご迷惑は」
「いえいえ、迷惑ではありません。義妹さんのご夫婦ともにいけないとなれば、僕と紗々さんが代わりに行くしかないでしょう」
「私は別に行くつもりはないのですが」
「義妹さんには、僕も一緒に行けますと伝えて下さい」
そんな私の言うことが耳に入らないのか、急にご機嫌になった大鷹さんは、ちょうど土曜日の予定はなかったと言って、自分の部屋にこもってしまった。そういえば、大鷹さんは今日は家に居て、私と一緒にのんびりと過ごしていた。彼はGWに誰かと遊ぶ約束はしていないのだろうか。
『大鷹さんに相談したら、田植えイベント、参加してもいいと言われました』
仕方なく、私はSNSアプリで、妹に参加できるという旨を送った。すぐに既読マークがつき、再び私のスマホに着信が入った。
「もしもし」
「話の分かるお義兄さんだね。詳しいことはまた連絡入れておくから。ありがとう!」
「いや、私は断るつもりだったから、お礼を言うなら、大鷹さんに直接言ってくれる?」
「直接って、私、お義兄さんの連絡先知らないんだけど。ていうか、いまだに大鷹さん呼びとか、いい加減、名前で呼んであげたらどうなの?夫婦でしょ」
「今、その話は関係ないでしょ。とりあえず、私から妹がお礼を言っていたと伝えておくから」
私は、なぜか、今週末の土曜日に妹の子供、美鈴(みれい)ちゃんと一緒に田植えの体験イベントに参加することになってしまった。
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