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番外編【バレンタイン】4いざ作りましょう~紗々さんが欲しいもの~
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その日は、話がまとまると同時にお開きとなった。予定より早く、亨の嫁、李江さんが帰宅したためだ。オレは今、帰宅途中にある本屋に来ていた。
紗々さんに手作りチョコを作ろうと決めたはいいが、何を作るかまでは決めることができなかった。ネットでも調べることができるが、本屋にあるお菓子のレシピ本でも立ち読みしようかと思った。本屋に入り、お菓子のレシピ本を探していると、ふと漫画コーナーが目に入る。
その時のオレは少し血迷っていたのかもしれない。なぜか、漫画コーナーにふらふらと吸い寄せられるように足が自然と向かった。そこには、少年マンガや少年マンガの他に、紗々さんが大好物のBL漫画も置かれていた。
「うん、結構目につくところに堂々と置かれているんだな。」
当然のように堂々とBL漫画はその場を占拠していた。人目につかないひっそりとした本屋の片隅に置かれていると思っていたが、そうでもないようだ。その中の数冊をとり、表紙や裏表紙をよく見ると、そこに書かれていたのは、少女漫画顔負けの言葉の数々だった。
「オレがお前の身体も心も溶かしてやる」
「オレ様社長攻めと反抗的ヤンキー受け、二人の攻防が今始まる」
「オレだって男なのに……」
「性別なんて関係ない、お前だから好きになった」
「それにしても、BLにも多種多様なジャンルがあるとは知らなかった。」
数あるBL漫画の内の一冊に、今の季節にぴったりのバレンタインネタが入っているものがあった。紗々さんの話通り、受けの男性が恋人である男性にチョコをあげるかあげないかで悩んでいる様子だった。表紙を眺めるだけで、時間がつぶせそうだ。しかし、今はそんなことをしている時ではない。
「あの人、真剣にBL読んでる。」
「今時の男性だね。腐男子ってやつかな。」
それ以前に、ゆっくりとBL漫画を眺めていることをできない状況だ。オレの後ろからひそひそとささやかれる声に、この場に居づらくなり、足早に本屋を出ることになった。
今度、紗々さんにおすすめBL漫画を教えてもらおうか。冬休みに一緒に見たBLアニメは案外、男の自分でも楽しむことができた。
「オレも、実は腐男子だったということか。」
紗々さんと一緒に居ることができるのならば、完全な腐男子になってもいいのかもしれない。オレが完全腐男子を極めた姿を見て、紗々さんが喜ぶ姿を想像して、一人にやにやとするオレを不審に見る通行人がいた気がしたが、オレは気にすることなく、愛する妻がいる家に向かって足を進めた。
「ああ、せっかく本屋によったのに、肝心のお菓子のレシピ本を見るの忘れた。」
もう少しで自宅だという頃になって、オレは本屋に入った目的を思い出した。しかし、すでに自宅の方が近くなっていた。チョコのレシピはネットで調べればいいかと思い、そのまま自宅に帰った。
次の日、オレ達は今度は守の家にお邪魔していた。三連休で、千沙さんはオレの母親と一緒に二泊三日の温泉旅行に行っているようだ。二泊三日も温泉につかるのか謎だったが、それでも家にいないのはありがたい。そのおかげで男4人が集まってお菓子作りをすることができる。亨の家には今日は李江さんが居るため、守の家に集まることになった。
「それで、何を作ることにしたんだよ。」
守の家のキッチンにオレ、守、享、大輔さんの4人が居て、全員が持参したエプロンをつけて立っていた。はたから見たらどう映るのか想像したくないが、誰に見られることもないので、気にしないことにした。
「それなんだが、ただチョコを溶かして固めただけじゃ、面白味も工夫もないから、ガトーショコラとか、パウンドケーキとか、マフィンとか、クッキーでも作ろうかと思っているんだが。」
「オレ達、まるっきり女子だな。だが、今年は李江のご機嫌取りもかかっている。できるだけ豪華に見えるやつがいい。」
「僕は毎年、千沙さんの希望のお菓子を作っているよ。今年はなぜか指定されなかったけど。大抵のお菓子はレシピさえあれば作れるよ。」
「オレは何でもいいが、腹にたまるのがいいな。どうせ、オレ達も食べるんだから。」
それぞれが意見を言うが、具体性がない。はて、何を作ったらいいだろうか。
「ううん。」
お菓子など、この中だと守くらいしか作ったことがなかった。守に何が無難に作れるのか聞こうとした時だった。
「このまま悩んでも仕方ないから、この本から選ぶのはどう。ネットで探してもいいけど、たくさんありすぎて決めれなさそうだし。」
守が一冊の本を出してきた。どうやら、守はこの本の中の指定があったお菓子を毎年千紗さんに作っているようだ。なんだか作り手と送り手が逆な気がするが、そこは気にしないことにした。オレ達も今から同じようなことをするのだ。
「そうだな。おっ、これなんかどうだ。チョコだし、結構ボリュームありそうだ。」
大輔さんが提案したのはガトーショコラだった。
「オレは、無難にマフィンとかがいいな。一個ずつカップに入っていると、なんか凝っている感じがするだろう。」
亨はマフィンがいいようだ。
「僕は3人の意見に合わせるよ。大抵はできるからどれでも好きにして。おさむ君はどうするの。」
ううむ、たくさんのおいしそうなお菓子の写真を見て、すぐには決められそうにない。紗々さんがもし作るとしたら、何を選択するだろうか。何をあげたらうれしいだろうか。
「お菓子ですか。それなら、お酒入りのチョコがいいですね。それか、チョコプレイ用の溶かしたチョコレート。」
「理由を聞いてもいいですか。」
「ああ、大鷹さんにはまだ早かったかもしれませんね。大抵、BL漫画の受けはお酒に弱いと相場が決まっているのですよ。あくまで、私の持論ですが。」
亨の家でお菓子作りを決めた日、ひそかに、もし紗々さんが男で、チョコをもらえるとしたら何が欲しいのか聞いてみたのだ。そして、斜め上を行く回答を得ることができた。紗々さんらしいとは思ったが、どこまでも頭がBL脳で腐っていたようだ。
「酒が弱いということで、一口、ないしはにおいをかぐだけでヘロヘロに酔っぱらうキャラもいるくらいなんですよ。さらには、酔っぱらうと理性をなくすことが多いので、受けたちは普段は押し隠している本音を恋人に話し出す。そういった点で、酒入りチョコは贈り物として最適なわけです。」
「でも、BLでは、受けはチョコを準備するけど、攻めは準備しないんじゃなかったでしたっけ。」
「そうですよ。そこでアクシデントが起きるわけです。前にも話しましたが、攻めである恋人はモテ男です。だから、バレンタイン当日、たくさんのチョコを家に持ち帰ります。それをよく思わない受けは、本人の確認も取らずにモテ男が持ち帰ったチョコの箱を一つ開けてしまうんです。」
まるで、本当に見てきた出来事のように詳しく話し出す紗々さんには、毎度驚くばかりである。実はBL世界に行ったことがあるのではないのかという話っぷりである。
「たまたま、数あるチョコの中でも酒入りのものを口にする受け。案の定、一粒食べただけでヘロヘロに泥酔します。そこからは、なし崩し的にチョコプレイに発展します。」
嬉しそうにチョコプレイと話す紗々さんはキラキラ輝いていた。いつもは無表情であまり笑顔を見せないのだが、ことBLの話になると、途端に笑顔でキラキラしだすから困ってしまう。いずれは、僕の言葉や行動でこのキラキラした笑顔を引き出したいものである。
「兄貴、何をにやにやしてるんだよ。どうせ、義姉さんのことだろうけど、その顔はないわ。キモいぞ。」
「むっつりスケベということだね。」
「いいねえ。若さを感じる。」
紗々さんとのやり取を思い出し、知らず知らずのうちににやけていたようだ。慌てて顔をもとに戻したがすでに遅かったようだ。
「ごほん。」
咳ばらいをして落ち着こうと試みる。さて、紗々さんが欲しいものはわかったが、それは手作りとは別に買うことにしよう。チョコプレイ用のチョコはどうしようもないので、買うのはやめておくことにした。
「守と大輔さんの意見でいいですよ。それに加えて、クッキーでも作ろうと思います。紗々さんはかわいいものが好きですから、型抜きしてかわいいものも作れたらなと……。」
「ふうん。かわいいものね。」
「意外に乙女なんだな。」
「いいよ、じゃあ、まずは買いものに行こう。」
やっとのことで、作るものが決まった。材料をそろえるためにオレ達は4人で近くのスーパーに行き、お菓子の材料と、ラッピングの材料を購入するのだった。
紗々さんに手作りチョコを作ろうと決めたはいいが、何を作るかまでは決めることができなかった。ネットでも調べることができるが、本屋にあるお菓子のレシピ本でも立ち読みしようかと思った。本屋に入り、お菓子のレシピ本を探していると、ふと漫画コーナーが目に入る。
その時のオレは少し血迷っていたのかもしれない。なぜか、漫画コーナーにふらふらと吸い寄せられるように足が自然と向かった。そこには、少年マンガや少年マンガの他に、紗々さんが大好物のBL漫画も置かれていた。
「うん、結構目につくところに堂々と置かれているんだな。」
当然のように堂々とBL漫画はその場を占拠していた。人目につかないひっそりとした本屋の片隅に置かれていると思っていたが、そうでもないようだ。その中の数冊をとり、表紙や裏表紙をよく見ると、そこに書かれていたのは、少女漫画顔負けの言葉の数々だった。
「オレがお前の身体も心も溶かしてやる」
「オレ様社長攻めと反抗的ヤンキー受け、二人の攻防が今始まる」
「オレだって男なのに……」
「性別なんて関係ない、お前だから好きになった」
「それにしても、BLにも多種多様なジャンルがあるとは知らなかった。」
数あるBL漫画の内の一冊に、今の季節にぴったりのバレンタインネタが入っているものがあった。紗々さんの話通り、受けの男性が恋人である男性にチョコをあげるかあげないかで悩んでいる様子だった。表紙を眺めるだけで、時間がつぶせそうだ。しかし、今はそんなことをしている時ではない。
「あの人、真剣にBL読んでる。」
「今時の男性だね。腐男子ってやつかな。」
それ以前に、ゆっくりとBL漫画を眺めていることをできない状況だ。オレの後ろからひそひそとささやかれる声に、この場に居づらくなり、足早に本屋を出ることになった。
今度、紗々さんにおすすめBL漫画を教えてもらおうか。冬休みに一緒に見たBLアニメは案外、男の自分でも楽しむことができた。
「オレも、実は腐男子だったということか。」
紗々さんと一緒に居ることができるのならば、完全な腐男子になってもいいのかもしれない。オレが完全腐男子を極めた姿を見て、紗々さんが喜ぶ姿を想像して、一人にやにやとするオレを不審に見る通行人がいた気がしたが、オレは気にすることなく、愛する妻がいる家に向かって足を進めた。
「ああ、せっかく本屋によったのに、肝心のお菓子のレシピ本を見るの忘れた。」
もう少しで自宅だという頃になって、オレは本屋に入った目的を思い出した。しかし、すでに自宅の方が近くなっていた。チョコのレシピはネットで調べればいいかと思い、そのまま自宅に帰った。
次の日、オレ達は今度は守の家にお邪魔していた。三連休で、千沙さんはオレの母親と一緒に二泊三日の温泉旅行に行っているようだ。二泊三日も温泉につかるのか謎だったが、それでも家にいないのはありがたい。そのおかげで男4人が集まってお菓子作りをすることができる。亨の家には今日は李江さんが居るため、守の家に集まることになった。
「それで、何を作ることにしたんだよ。」
守の家のキッチンにオレ、守、享、大輔さんの4人が居て、全員が持参したエプロンをつけて立っていた。はたから見たらどう映るのか想像したくないが、誰に見られることもないので、気にしないことにした。
「それなんだが、ただチョコを溶かして固めただけじゃ、面白味も工夫もないから、ガトーショコラとか、パウンドケーキとか、マフィンとか、クッキーでも作ろうかと思っているんだが。」
「オレ達、まるっきり女子だな。だが、今年は李江のご機嫌取りもかかっている。できるだけ豪華に見えるやつがいい。」
「僕は毎年、千沙さんの希望のお菓子を作っているよ。今年はなぜか指定されなかったけど。大抵のお菓子はレシピさえあれば作れるよ。」
「オレは何でもいいが、腹にたまるのがいいな。どうせ、オレ達も食べるんだから。」
それぞれが意見を言うが、具体性がない。はて、何を作ったらいいだろうか。
「ううん。」
お菓子など、この中だと守くらいしか作ったことがなかった。守に何が無難に作れるのか聞こうとした時だった。
「このまま悩んでも仕方ないから、この本から選ぶのはどう。ネットで探してもいいけど、たくさんありすぎて決めれなさそうだし。」
守が一冊の本を出してきた。どうやら、守はこの本の中の指定があったお菓子を毎年千紗さんに作っているようだ。なんだか作り手と送り手が逆な気がするが、そこは気にしないことにした。オレ達も今から同じようなことをするのだ。
「そうだな。おっ、これなんかどうだ。チョコだし、結構ボリュームありそうだ。」
大輔さんが提案したのはガトーショコラだった。
「オレは、無難にマフィンとかがいいな。一個ずつカップに入っていると、なんか凝っている感じがするだろう。」
亨はマフィンがいいようだ。
「僕は3人の意見に合わせるよ。大抵はできるからどれでも好きにして。おさむ君はどうするの。」
ううむ、たくさんのおいしそうなお菓子の写真を見て、すぐには決められそうにない。紗々さんがもし作るとしたら、何を選択するだろうか。何をあげたらうれしいだろうか。
「お菓子ですか。それなら、お酒入りのチョコがいいですね。それか、チョコプレイ用の溶かしたチョコレート。」
「理由を聞いてもいいですか。」
「ああ、大鷹さんにはまだ早かったかもしれませんね。大抵、BL漫画の受けはお酒に弱いと相場が決まっているのですよ。あくまで、私の持論ですが。」
亨の家でお菓子作りを決めた日、ひそかに、もし紗々さんが男で、チョコをもらえるとしたら何が欲しいのか聞いてみたのだ。そして、斜め上を行く回答を得ることができた。紗々さんらしいとは思ったが、どこまでも頭がBL脳で腐っていたようだ。
「酒が弱いということで、一口、ないしはにおいをかぐだけでヘロヘロに酔っぱらうキャラもいるくらいなんですよ。さらには、酔っぱらうと理性をなくすことが多いので、受けたちは普段は押し隠している本音を恋人に話し出す。そういった点で、酒入りチョコは贈り物として最適なわけです。」
「でも、BLでは、受けはチョコを準備するけど、攻めは準備しないんじゃなかったでしたっけ。」
「そうですよ。そこでアクシデントが起きるわけです。前にも話しましたが、攻めである恋人はモテ男です。だから、バレンタイン当日、たくさんのチョコを家に持ち帰ります。それをよく思わない受けは、本人の確認も取らずにモテ男が持ち帰ったチョコの箱を一つ開けてしまうんです。」
まるで、本当に見てきた出来事のように詳しく話し出す紗々さんには、毎度驚くばかりである。実はBL世界に行ったことがあるのではないのかという話っぷりである。
「たまたま、数あるチョコの中でも酒入りのものを口にする受け。案の定、一粒食べただけでヘロヘロに泥酔します。そこからは、なし崩し的にチョコプレイに発展します。」
嬉しそうにチョコプレイと話す紗々さんはキラキラ輝いていた。いつもは無表情であまり笑顔を見せないのだが、ことBLの話になると、途端に笑顔でキラキラしだすから困ってしまう。いずれは、僕の言葉や行動でこのキラキラした笑顔を引き出したいものである。
「兄貴、何をにやにやしてるんだよ。どうせ、義姉さんのことだろうけど、その顔はないわ。キモいぞ。」
「むっつりスケベということだね。」
「いいねえ。若さを感じる。」
紗々さんとのやり取を思い出し、知らず知らずのうちににやけていたようだ。慌てて顔をもとに戻したがすでに遅かったようだ。
「ごほん。」
咳ばらいをして落ち着こうと試みる。さて、紗々さんが欲しいものはわかったが、それは手作りとは別に買うことにしよう。チョコプレイ用のチョコはどうしようもないので、買うのはやめておくことにした。
「守と大輔さんの意見でいいですよ。それに加えて、クッキーでも作ろうと思います。紗々さんはかわいいものが好きですから、型抜きしてかわいいものも作れたらなと……。」
「ふうん。かわいいものね。」
「意外に乙女なんだな。」
「いいよ、じゃあ、まずは買いものに行こう。」
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