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3デートに出かけました~イケメン歩けばなんとやら④~
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千沙さんに続き、今日は大鷹さんの知り合いにやたらと遭遇した。千沙さんと出会ったときに考えた選択肢すべてを網羅するくらいの勢いで、いろいろな女性に遭遇した。いや、振り返ると、選択肢すべての女性と出会っている。
「イケメンも歩けば、女性にあたる。」
ぼそっとつぶやいてしまうくらいには出会ってしまった。選択肢をもとに説明していこう。
①元カノ
私と付き合う前の彼女と出会った。別れてからすでに3年らしい。美人だったが、押しが強そうな女性だった。新しい彼氏と一緒で気まずい空気になってしまった。新しい彼氏と仲がよさそうだったので、元カノが大鷹さんとどうこう、よりを戻そうということにはならなそうで安心する自分がいた。
②妹または姉、それに類似する血縁者(いとこなども含む)
これは千沙さんの出会いで網羅している。大鷹さんに姉や妹はいないらしい。弟がひとりいるようだが、今日は会うことはなかった。いとこにも女性はいないようだ。
③職場の同僚
大鷹さんと同じ部署の事務の女性に出会った。どうやら、自分の友達数人と来ていたらしい。大鷹さんに出会えたことがうれしいようで、奥さん、つまり私がいるにも関わらず、一緒に来ていた友達に自慢げに大鷹さんのことを紹介していた。私のことは眼中にないようで、一緒に写真も撮ろうと誘っていたが、丁重に大鷹さんが断っていた。写真を断る大鷹さんにほっとする自分がいて、反省した。
④浮気相手もしくは不倫相手
幸薄そうなはかなげ美人と遭遇した。大鷹さんを見つけると抱き着いていた。大鷹さんが以前に道を聞かれて、親切に教えたことがあるらしい。その後、旦那らしき男性が引きはがし、そのまま歩き去っていった。大鷹さんは首をかしげていたので、不倫相手にはならないだろう。
⑤学生時代の友人(部活やサークルの仲間を含む)
大鷹さんの大学時代の部活のマネージャー(陸上部だったよう)に出会った。健康的で、マネージャーよりも自分が選手といってもいいくらいの身体をしていた。職場の同僚と同じで、私のことはアウトオブ眼中で、大鷹さんと一緒に写真を撮ろうとしていたが、これも大鷹さんは丁重にお断りしていた。彼女は高校の時の部活のメンバーと来ていたらしく、数人の男女が興味深そうに私たちを見つめていた。私はいたたまれなくて、その場に小さく息をひそめていた。
⑥その他
その他の女性、逆ナンする女性たちは大勢いた。私に存在感がないのか、大鷹さんと釣り合わな過ぎて、問題視されていないのか。男女2人で来ていると見ればわかりそうなものだが、わらわらと若い女性が近づいてきた。そのたびに大鷹さんは自分には妻がいる、と説明していたが、全然効果はなかった。私を見つめる女性の目は明らかに私を見下していた。それに気づいた大鷹さんが低い声で、妻に何か、とけん制していた。女性は大鷹さんの怒りに気付いてすごすご引き返していった。
今日一日で出会った女性(ここでいう出会った女性とは、大鷹さんの知り合い、大鷹さん目当ての女性になる)はいったい何人だろうか。大鷹さんの交友関係には驚かされる。それにしても、こうもたくさんの大鷹さんの知り合いに出会ったのに、私の知り合いには誰一人として会うことはなかった。
この差がコミュ障ボッチとリア充の差なのだろうか。自分で言っていて悲しくなってしまう。
もちろん、女性ばかりではなかった。同じくらいの数の大鷹さんの知り合いの男性にも遭遇した。同僚や、学生時代の友人、部活の仲間など、人種は様々だった。その中にはやけに親しそうな男性もいて、これが噂のBLかと期待したのだが、そうでもないらしい。相手はすでに既婚者であった。
ということで、たくさんの出会いをして、アトラクションを待つのが苦痛ではなかった。次々と迫りくる大鷹さんの知り合いに対応していると、時間はあっという間に過ぎていく。
あっという間に夜になり、家に帰る時間になってしまった。
「なんか今日はすいません。僕の知り合いがたくさん来ていて、紗々さんとせっかくの二人きりの時間が少なくなってしまいました。」
今日は何度も謝る姿を見ている。謝る必要はないと言おうとしたが、口から出たのはそれとは真逆の言葉だった。
「そうですね。せっかくのデートだったのに、大鷹さんは私以外の人とばかり話していました。大鷹さんは私と違ってモテモテのリア充ですから。」
うん、わかっている。これはいわゆる、ツンデレというやつだ。この後デレテおけば大鷹さんもきっと私に夢中になるはずだ。
「べ、別に私はそれを寂しいとは思っていませんけどね。」
猛烈に今の自分の言葉を取り消したい。どう考えても、30歳のコミュ障ボッチの女子力ゼロの腐女子であり、性別上女子でしかない私にその手の萌えキャラは務まらない。
ちらと大鷹さんを見ると、顔を手で覆っている。手から覗く顔は赤くなっている。大鷹さんの将来が心配になってきた。これは、早いところ、私が大鷹さんの相手を見つけて、離婚の手続きを開始しないとやばいだろう。
私ごときのツンデレで赤くなっていては、今後の女性関係が不安で仕方ない。
こうして、私たちのデートは終了した。大鷹さんの知り合いとの出会いが多すぎて、精神を消耗したが、それでも、とても楽しいデートだった。
夢の国のキャラクターと一緒に写真を撮ったり、頭にキャラクターのカチューシャを大鷹さんと一緒につけて園内をまわったりした。パレードもしっかりと見ることができたし、アトラクションも2時間待ちのものもあったが、並んだ甲斐があった。
「誘ってくれてありがとうございました。次は大阪のテーマパークにも行きたいです。」
帰りの新幹線の中、隣でぐっすりと寝ている大鷹さんに、次の催促をつぶやいてしまうほどに、大鷹さんとのデートは思い出に残るものになった。
「イケメンも歩けば、女性にあたる。」
ぼそっとつぶやいてしまうくらいには出会ってしまった。選択肢をもとに説明していこう。
①元カノ
私と付き合う前の彼女と出会った。別れてからすでに3年らしい。美人だったが、押しが強そうな女性だった。新しい彼氏と一緒で気まずい空気になってしまった。新しい彼氏と仲がよさそうだったので、元カノが大鷹さんとどうこう、よりを戻そうということにはならなそうで安心する自分がいた。
②妹または姉、それに類似する血縁者(いとこなども含む)
これは千沙さんの出会いで網羅している。大鷹さんに姉や妹はいないらしい。弟がひとりいるようだが、今日は会うことはなかった。いとこにも女性はいないようだ。
③職場の同僚
大鷹さんと同じ部署の事務の女性に出会った。どうやら、自分の友達数人と来ていたらしい。大鷹さんに出会えたことがうれしいようで、奥さん、つまり私がいるにも関わらず、一緒に来ていた友達に自慢げに大鷹さんのことを紹介していた。私のことは眼中にないようで、一緒に写真も撮ろうと誘っていたが、丁重に大鷹さんが断っていた。写真を断る大鷹さんにほっとする自分がいて、反省した。
④浮気相手もしくは不倫相手
幸薄そうなはかなげ美人と遭遇した。大鷹さんを見つけると抱き着いていた。大鷹さんが以前に道を聞かれて、親切に教えたことがあるらしい。その後、旦那らしき男性が引きはがし、そのまま歩き去っていった。大鷹さんは首をかしげていたので、不倫相手にはならないだろう。
⑤学生時代の友人(部活やサークルの仲間を含む)
大鷹さんの大学時代の部活のマネージャー(陸上部だったよう)に出会った。健康的で、マネージャーよりも自分が選手といってもいいくらいの身体をしていた。職場の同僚と同じで、私のことはアウトオブ眼中で、大鷹さんと一緒に写真を撮ろうとしていたが、これも大鷹さんは丁重にお断りしていた。彼女は高校の時の部活のメンバーと来ていたらしく、数人の男女が興味深そうに私たちを見つめていた。私はいたたまれなくて、その場に小さく息をひそめていた。
⑥その他
その他の女性、逆ナンする女性たちは大勢いた。私に存在感がないのか、大鷹さんと釣り合わな過ぎて、問題視されていないのか。男女2人で来ていると見ればわかりそうなものだが、わらわらと若い女性が近づいてきた。そのたびに大鷹さんは自分には妻がいる、と説明していたが、全然効果はなかった。私を見つめる女性の目は明らかに私を見下していた。それに気づいた大鷹さんが低い声で、妻に何か、とけん制していた。女性は大鷹さんの怒りに気付いてすごすご引き返していった。
今日一日で出会った女性(ここでいう出会った女性とは、大鷹さんの知り合い、大鷹さん目当ての女性になる)はいったい何人だろうか。大鷹さんの交友関係には驚かされる。それにしても、こうもたくさんの大鷹さんの知り合いに出会ったのに、私の知り合いには誰一人として会うことはなかった。
この差がコミュ障ボッチとリア充の差なのだろうか。自分で言っていて悲しくなってしまう。
もちろん、女性ばかりではなかった。同じくらいの数の大鷹さんの知り合いの男性にも遭遇した。同僚や、学生時代の友人、部活の仲間など、人種は様々だった。その中にはやけに親しそうな男性もいて、これが噂のBLかと期待したのだが、そうでもないらしい。相手はすでに既婚者であった。
ということで、たくさんの出会いをして、アトラクションを待つのが苦痛ではなかった。次々と迫りくる大鷹さんの知り合いに対応していると、時間はあっという間に過ぎていく。
あっという間に夜になり、家に帰る時間になってしまった。
「なんか今日はすいません。僕の知り合いがたくさん来ていて、紗々さんとせっかくの二人きりの時間が少なくなってしまいました。」
今日は何度も謝る姿を見ている。謝る必要はないと言おうとしたが、口から出たのはそれとは真逆の言葉だった。
「そうですね。せっかくのデートだったのに、大鷹さんは私以外の人とばかり話していました。大鷹さんは私と違ってモテモテのリア充ですから。」
うん、わかっている。これはいわゆる、ツンデレというやつだ。この後デレテおけば大鷹さんもきっと私に夢中になるはずだ。
「べ、別に私はそれを寂しいとは思っていませんけどね。」
猛烈に今の自分の言葉を取り消したい。どう考えても、30歳のコミュ障ボッチの女子力ゼロの腐女子であり、性別上女子でしかない私にその手の萌えキャラは務まらない。
ちらと大鷹さんを見ると、顔を手で覆っている。手から覗く顔は赤くなっている。大鷹さんの将来が心配になってきた。これは、早いところ、私が大鷹さんの相手を見つけて、離婚の手続きを開始しないとやばいだろう。
私ごときのツンデレで赤くなっていては、今後の女性関係が不安で仕方ない。
こうして、私たちのデートは終了した。大鷹さんの知り合いとの出会いが多すぎて、精神を消耗したが、それでも、とても楽しいデートだった。
夢の国のキャラクターと一緒に写真を撮ったり、頭にキャラクターのカチューシャを大鷹さんと一緒につけて園内をまわったりした。パレードもしっかりと見ることができたし、アトラクションも2時間待ちのものもあったが、並んだ甲斐があった。
「誘ってくれてありがとうございました。次は大阪のテーマパークにも行きたいです。」
帰りの新幹線の中、隣でぐっすりと寝ている大鷹さんに、次の催促をつぶやいてしまうほどに、大鷹さんとのデートは思い出に残るものになった。
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