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続編~中学校編②~
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オレは「幼馴染」がいいとは思わない。よく、少年マンガとかで、主人公には幼馴染がいることがある。その設定を見るたびに嫌な気持ちになった。
それもそうだ。だって、オレにも幼馴染といえる同い年の女子がいるが、幼馴染がいていいことがあった試しがないのだ。
まず、よくある家が隣同士で、寝起きの悪い主人公を幼馴染の女が起こしに行くというシチュエーション。家が隣同士とはいえ、しょせんは赤の他人である。それなのに、わざわざ貴重な朝の時間を他人のために割く理由がわからない。
そのまま起こしたついでに一緒に学校にいく。これも気持ちが悪い。小学校までは集団登校で、児童が集まる場所までは二人きりでの登校で、仕方なく一緒にそこまで行く。すると、集合場所にいた小学校の連中に、お前らは付き合っているのかとはやされて、嫌な思いをした。付き合っていないのに、そのようなことを言われることに腹がたった。あれは苦痛でしかなかった。
誰もかれもが、オレとあのくそ女が、幼馴染のお似合いカップルとはやし立てるのだ。もし、彼女のことが好きだったのならうれしいのかもしれないが、あいにく、オレはあいつのことを好きでも何でもない、むしろ嫌いな部類に入るので、そんなことを言われるのは願い下げだった。
しかし、あのくそ女は、彼らの言葉にいい気になって、オレとの仲を自慢する。腕を絡みつけてきたり、付き合っていないことを違うと否定しつつも、照れ隠しのように笑ったりする。その姿が余計にオレ達を幼馴染カップル確固たるものにしていることに、あの女は気づいているのかいないのか。
あのくそ女と呼んでいるのが、オレの幼馴染だ。そいつは大の男好きで、昔から顔と頭もそこそこよかったから、男子にはもちろん、女子からも人気があった。
そんな幼馴染をくそ女と呼んでいるのには、もちろん理由がある。くそ女だけではなく、あいつの家族は狂ったように男好きだ。あいつの母親や姉もそうだが、あいつら家族は小学校のころから、同じクラスの男子に媚を売りまくっていた。明らかに男と女の前で態度が違っていた。
くそ女は、女の前だと態度が大きくなり、クラスメイトの女子を自分の下僕か何かのように扱っている。あれもってこい、これやれと、見ていて気持ちの良いものではない。しかし、それが当たり前になっている女子たちは、反論せずに、ホイホイと命令に従っている。
反対に、男子の前だと、自分がかわいいアピールを全力でするようになる。本当はか弱くも何ともない。むしろその逆で、丈夫過ぎて風邪などひいたことがないくらいの健康体そのものだ。それなのに、わざとか弱いふりをして、男子の心を揺さぶろうとしている。
彼女の行動を見ていると、気色悪すぎて吐きそうになる。よく、小学校高学年くらいからは、女子の方が精神的に成熟するとか言うけれど、あのくそ女に限っては、それが影響しているのかどうか。
母親も姉も男好きと言ったが、本当にそうとしか思えない。彼女の母親は、男性の先生に対して、ねっとりと甘い声を出して媚びている。自分の娘が少しでも学校生活に不満がないように、全力で男性教師を落としにかかっている。逆に女性の先生に対しては、モンスターペアレント丸出しで、ヒステリック気味に、あることないことなりふり構わず怒鳴り散らしている。姉については割愛だが、似たようなものだ。
どうして、幼馴染とは言え、そんな他人の家族事情を知っているかと言うと、オレの運が悪いからとした言いようがない。たまたま、面談の様子を目撃してしまったり、たまたまくそ女の姉を町で見かけたりしてしまうのだ。そのせいで、くそ女の母親の行動やその姉の行動を把握してしまっている。
それにしても、どうしてそんなくそ女に、男も女も近寄っていくのか、不思議でならない。誰か理由を教えて欲しいものである。あいつの周りにはなぜか、常に人が集まっている。顔が良くて、愛想はいいからだろうか。性格は最悪だと思うのだが。
さて、くそ女は女子より男子が好きということで、くそ女一人に、男子が数人で遊ぶこともしょっちゅうあった。その遊び相手の男子に、オレが入ることはなかった。そのことについては、不幸中の幸いだった。
あいつは、オレと幼馴染カップルとして噂されるのは平気で、自らもそれを肯定しているにもかかわらず、なぜかオレを遊びに誘いはしなかった。
くそ女には行動に一貫性がない。自由気ままに、その時の気分で行動しているようなものだ。そんな奴とは、付き合いたくないのは当然のことだろう。
こんな時、漫画とかでは、転校生などがやってきて、何とかしてくれることもある。まあ、たいがいの転校生は、幼馴染カップルの仲を深めるための雑魚キャラとしてしか登場しないのが悲しいことだ。
現実と二次元を一緒にするつもりはないが、このまま何もなければ、幼馴染との結婚ルートも十分考えられる危機的状況だ。なぜかというと、オレとあのくそ女の両親の仲が良いからだ。
オレが彼女を作れば問題はないのだが、いかんせん、あのくそ女のせいで、どうも女というものに不信感が芽生えてどうしようもないのだ。
それならいっそ、転校生が来て、今のオレたちの関係を完膚なきまでに壊してくれないか。そう考えていた矢先にそいつは転校してきた。
これはチャンスだ。そう思ったオレを誰が責めることができようか。
それもそうだ。だって、オレにも幼馴染といえる同い年の女子がいるが、幼馴染がいていいことがあった試しがないのだ。
まず、よくある家が隣同士で、寝起きの悪い主人公を幼馴染の女が起こしに行くというシチュエーション。家が隣同士とはいえ、しょせんは赤の他人である。それなのに、わざわざ貴重な朝の時間を他人のために割く理由がわからない。
そのまま起こしたついでに一緒に学校にいく。これも気持ちが悪い。小学校までは集団登校で、児童が集まる場所までは二人きりでの登校で、仕方なく一緒にそこまで行く。すると、集合場所にいた小学校の連中に、お前らは付き合っているのかとはやされて、嫌な思いをした。付き合っていないのに、そのようなことを言われることに腹がたった。あれは苦痛でしかなかった。
誰もかれもが、オレとあのくそ女が、幼馴染のお似合いカップルとはやし立てるのだ。もし、彼女のことが好きだったのならうれしいのかもしれないが、あいにく、オレはあいつのことを好きでも何でもない、むしろ嫌いな部類に入るので、そんなことを言われるのは願い下げだった。
しかし、あのくそ女は、彼らの言葉にいい気になって、オレとの仲を自慢する。腕を絡みつけてきたり、付き合っていないことを違うと否定しつつも、照れ隠しのように笑ったりする。その姿が余計にオレ達を幼馴染カップル確固たるものにしていることに、あの女は気づいているのかいないのか。
あのくそ女と呼んでいるのが、オレの幼馴染だ。そいつは大の男好きで、昔から顔と頭もそこそこよかったから、男子にはもちろん、女子からも人気があった。
そんな幼馴染をくそ女と呼んでいるのには、もちろん理由がある。くそ女だけではなく、あいつの家族は狂ったように男好きだ。あいつの母親や姉もそうだが、あいつら家族は小学校のころから、同じクラスの男子に媚を売りまくっていた。明らかに男と女の前で態度が違っていた。
くそ女は、女の前だと態度が大きくなり、クラスメイトの女子を自分の下僕か何かのように扱っている。あれもってこい、これやれと、見ていて気持ちの良いものではない。しかし、それが当たり前になっている女子たちは、反論せずに、ホイホイと命令に従っている。
反対に、男子の前だと、自分がかわいいアピールを全力でするようになる。本当はか弱くも何ともない。むしろその逆で、丈夫過ぎて風邪などひいたことがないくらいの健康体そのものだ。それなのに、わざとか弱いふりをして、男子の心を揺さぶろうとしている。
彼女の行動を見ていると、気色悪すぎて吐きそうになる。よく、小学校高学年くらいからは、女子の方が精神的に成熟するとか言うけれど、あのくそ女に限っては、それが影響しているのかどうか。
母親も姉も男好きと言ったが、本当にそうとしか思えない。彼女の母親は、男性の先生に対して、ねっとりと甘い声を出して媚びている。自分の娘が少しでも学校生活に不満がないように、全力で男性教師を落としにかかっている。逆に女性の先生に対しては、モンスターペアレント丸出しで、ヒステリック気味に、あることないことなりふり構わず怒鳴り散らしている。姉については割愛だが、似たようなものだ。
どうして、幼馴染とは言え、そんな他人の家族事情を知っているかと言うと、オレの運が悪いからとした言いようがない。たまたま、面談の様子を目撃してしまったり、たまたまくそ女の姉を町で見かけたりしてしまうのだ。そのせいで、くそ女の母親の行動やその姉の行動を把握してしまっている。
それにしても、どうしてそんなくそ女に、男も女も近寄っていくのか、不思議でならない。誰か理由を教えて欲しいものである。あいつの周りにはなぜか、常に人が集まっている。顔が良くて、愛想はいいからだろうか。性格は最悪だと思うのだが。
さて、くそ女は女子より男子が好きということで、くそ女一人に、男子が数人で遊ぶこともしょっちゅうあった。その遊び相手の男子に、オレが入ることはなかった。そのことについては、不幸中の幸いだった。
あいつは、オレと幼馴染カップルとして噂されるのは平気で、自らもそれを肯定しているにもかかわらず、なぜかオレを遊びに誘いはしなかった。
くそ女には行動に一貫性がない。自由気ままに、その時の気分で行動しているようなものだ。そんな奴とは、付き合いたくないのは当然のことだろう。
こんな時、漫画とかでは、転校生などがやってきて、何とかしてくれることもある。まあ、たいがいの転校生は、幼馴染カップルの仲を深めるための雑魚キャラとしてしか登場しないのが悲しいことだ。
現実と二次元を一緒にするつもりはないが、このまま何もなければ、幼馴染との結婚ルートも十分考えられる危機的状況だ。なぜかというと、オレとあのくそ女の両親の仲が良いからだ。
オレが彼女を作れば問題はないのだが、いかんせん、あのくそ女のせいで、どうも女というものに不信感が芽生えてどうしようもないのだ。
それならいっそ、転校生が来て、今のオレたちの関係を完膚なきまでに壊してくれないか。そう考えていた矢先にそいつは転校してきた。
これはチャンスだ。そう思ったオレを誰が責めることができようか。
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