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第一章 森の中の転生姫は王子と密会する
12. 闇の精霊との戦い
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(このままじゃ闇の精霊を解放してしまうっ!)
じりじりと詰め寄る男から逃げるように部屋の中を走り回る。
「お嬢ちゃん。往生際が悪いね。残念だけど逃げられないよ。」
魔法でベットに飛ばされて動けない。
「お嬢ちゃん可愛いね。アイツが熱を上げるのも分かる。このまま俺のモノになるんだから可愛がってあげるよ。」
男はそう言い私に触れた。
その瞬間に黒い霧が立ち込めて禍々しい渦を巻く。
「嬢ちゃんを捕まえた時には反応しなかったから光の加護は最近授かったようだな。それ
にしても力が湧き上がってくる。」
(嘘…。わたしが闇の力を開放させてしまった…。テオ、ロン…そうだ!婚約印!)
「テオ!助けて!」
私が叫ぶと手の婚約印が光る。
そしてその時絶望していたオーちゃんと緑の精霊の瞳に光が宿った。
と同時に凄まじい音が鳴り壁を壊した。
「くそっ!遅かったか。えみり大丈夫か?」
ロンは光を放ち黒い霧を吹き飛ばしていく。
「…おい、サティ。エミリから離れろ。」
見たこともない憤怒の表情をした王子が男を睨む。
「よぉテオ。久しぶりだなあ。俺を追い出して以来か?」
王子は更に憤怒の表情を強くし睨む。
「いいから離れろ!!!」
緑色の光を放つ王子は木の蔦を自在に操り私を捕まえた。
「テオ、助けに来てくれたのね。」
「…エミリっ!僕を呼ぶのが遅すぎるよ!本当に心配した。」
テオは私を強く抱きしめる。
「感動の再会かい?でもそれもすぐ終わりだぜ。俺には闇の力が手に入ったんだからな!」
男は黒い霧をまた出し始めて渦を巻く。
ロンはすぐに白い羽で霧を飛ばす。
「アウアオー!そして緑の精霊達!黒い霧を止め続けるよ!僕たちが時間稼ぎしている間にえみりは光の精霊と心を通わせるように頑張ってみて!!」
ロンが皆んなに指示を出すと全員頷き黒い霧を吹き飛ばしていく。
「エミリ。今は他の事は考えず自分の心の中と対話してみて。光の精霊と対話する間に僕がエミリを守るから。」
「テオ…。ありがとう。頑張るわ」
私は目を瞑り集中した。
目を瞑るとすぐに真っ暗闇の中から光が見えた。目を凝らすと光の中に光り輝く女神のような女性がいた。
「えみりさん。初めましてね。私は光の精霊王のリュエルです。」
リュエルは美しい金髪のロングヘアを靡かせ語りかけた。
「初めまして、リュエルさん。私緊急で闇の精霊王の封印方法を知りたいんです!!」
リュエルは微笑む。
「ええ。分かっているわ。でもね私が貴方に加護を与えたのは闇の精霊王を封印ではなく私の所に呼び寄せて欲しかったからなの。」
リュエルは頬を何故か赤らめてそう言った。
(おいおい、まさかこの精霊王…恋してるのか?)
「あの…。こちらに呼び寄せたら闇の精霊王は世界を支配する事はなくなりますか?」
「あら。こちらに呼ぶと闇の力は消滅するのよ。それに今の闇の精霊王は元々光の精霊だったの。私達は両思いだったのに彼は何故か振られたと思い込んで闇落ちしてしまったの。」
「は?!そんな理由で簡単に闇落ちしちゃうの?!」
「光と闇は表裏一体。そうゆうものなの。」
(まじですかい。闇落ち理由しょうもなっ!)
思わず突っ込みたくなったが、光の精霊王に協力する事を決めた。
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