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第一章 森の中の転生姫は王子と密会する

7.王子と婚約印

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もー、本当に!なんなんだ、この王子は。


「ちょっと、ほんとあんたどんなプレイボーイよ!初対面でキスしてきて!」


王子はしょぼんとして、

「僕とキスするのは嫌だったかい?」

と子犬のように言われて怯む。


「っ!私のファーストキスだったのよ!」


そういうと何故か王子は嬉しそうに、

「…へぇ。エミリは恋人がいたことないの?それは好都合。それにね、僕はプレイボーイじゃないし、ファーストキスの責任は取るつもりだよ?」


「どっ、どうゆう…」


動揺していたらまた王子はキスをしてきた。


「ふふ。これでエミリは僕の婚約者。」


その途端、腕にズキッとした痛みがしたと思うと、左腕には緑の樹々の腕輪のような刺青が出来ていた。


「なに、これ。それに婚約者?」


「これはね、儀式の一部。緑の精霊持ちの王族と水色の精霊持ちの転生姫の婚約印。」


「儀式…。と言うことは二つの世界を救うための儀式は私達の結婚?」

「ううん。結婚もその一部だけど、世界を救う為には緑と水の精霊持ちの子供が必要なんだ。」

私は色々と衝撃的な情報が多すぎて頭がパンクしそうだった。

「あのぉ。つまり、私はテオドール様と婚約、結婚その末に子供をもうけよと言うことであってます?」

「そう、しかも5年以内にね。」


その言葉を聴き私は卒倒しそうになった。



°・°・°・°・°・



その後王子は王様に無事婚約印を結んだ旨を伝えに一度お城へと戻っていった。


帰り際に、


「もっとエミリと共にいてお互いを知りたいが、焦って嫌われてしまったら元も子もない。
週の末日にまたくる。それまでに頭の中の整頓をしておくといい。」


そう言っていたのと、


「前転生姫はお城へ連れ帰ったが頭のおかしい犯罪者に殺されかけたことがあった。
この精霊の森は精霊持ちの王族しか入れなくて安全だからあと5年間はこの森に住んでもらうことになる。」


とのこと。


いやいや。待って?二つの世界の命運がかかってるとはいえ、急に婚約とか結婚とか子ども…。


「うわぁあああ///」


そんな、恋愛経験ゼロに等しい私が5年以内に結婚して子供?


いやでも元は25歳、5年後は30歳だから子供がいてもおかしくないか。


「はぁ。」


「「どうしたんだいー?えみり!」」


「ロン?!」

「「ひっさしぶりー⭐︎ どう?森の生活は慣れた?」」

「おかげさまで精霊達に助けてもらって楽しく暮らしてるよ…けどね、
私が王子と結婚しなきゃ世界が滅ぶって、先に教えてくれてもよくない??
心の準備ってもんがあるでしょう」


私が鼻息荒く叫んだもんだから

「「落ち着いて落ち着いて!それはあやまるけど、えみりの運命は最初から決まっていたんだ。受け入れるしかないよ⭐︎」」

(こやつ…他人事だと思って…)

「「王子はどうだった?君たちの相性は良いはずなんだけど、タイプじゃなかったの?」」

「それは…。恥ずかしいけど一目惚れしたわ。だけどそれは一目惚れ。1日しか会ってないんだもの。恋愛感情があるかなんてわからないわ。」

「「えみりは難しいんだね。」」

と苦笑された。

「悪かったわね。」


ロンはその後世間話をした後また彼方へと消えて行った。


ロンはオーちゃんに会いたがってたけどオーちゃんが見当たらない。どこにいったんだろ?


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ありがとうございました。






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