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プロローグ
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公爵令嬢として生まれたアンジェリカには双子の妹のアンジェラがいる。彼女は兎に角自分本位の我儘で手が付けられない。
がそれは姉であるアンジェリカの前でだけだった。両親にも親戚や友人などには兎に角絵に描いたような淑女を演じる。それはもう別人にしか見えないほどに…。
不器用な性格のアンジェリカと同じ双子とは思えないほど器用な性格でたまに羨ましくなるが、アンジェラの様にはなりたくない。
そして遂にアンジェラは念願叶って王太子との結婚に漕ぎ着けたらしい。いつの間にそんな事になったのか…不思議だ。社交の場でも何時も一緒にいたのに。ある意味尊敬に値する。
これで晴れてアンジェラは王太子妃となり、アンジェリカとは一気に住む世界が変わる。また両親に「アンジェラを見習いなさい」と言われる事だろう。
まあ、元々アンジェリカは期待をされていないので適当に聞き流せばいい。だがアンジェラが嫁ぐ事が決まってから両親は煩いくらいにお見合い話をアンジェリカにしてくる。
正直誰でもいい。特に希望なし。結婚など家同士の契約だ。ああだこうだ言っても結局は両親のお眼鏡に叶う相手の元へ嫁がされる。
いっその事何処か遠くに行って誰も知らない場所で静かに暮らしたい…。
「もう直ぐ、アンジェラの婚儀ね…」
まあ、アンジェラがこの屋敷からいなくなるだけでも気が軽くなるので良しとしよう。アンジェラには本当に苦労をさせられた。一刻も早く嫁いで欲しい。そして今後自分には関わらないで欲しい。
そう言えば…。これまでアンジェラにされた様々な事を思い出した。何をしても全てアンジェリカの所為にされ、両親もアンジェラの言葉を鵜呑みにした。
何だか、今更ながらに腹が立ってきた。
このままアンジェラは念願の王太子に嫁ぎ幸せになるだろう。アンジェリカはこれまでアンジェラに散々な目に合わせられたのに…赦せない。
なら最後くらい、今度はアンジェリカがアンジェラの事を邪魔をしてやる。別に破談にさせたい訳ではないが。少しくらい痛い目を見て貰っても良いわよね…。
アンジェリカは便箋とペンを取り出し、アンジェラ宛に手紙を書き出した。
がそれは姉であるアンジェリカの前でだけだった。両親にも親戚や友人などには兎に角絵に描いたような淑女を演じる。それはもう別人にしか見えないほどに…。
不器用な性格のアンジェリカと同じ双子とは思えないほど器用な性格でたまに羨ましくなるが、アンジェラの様にはなりたくない。
そして遂にアンジェラは念願叶って王太子との結婚に漕ぎ着けたらしい。いつの間にそんな事になったのか…不思議だ。社交の場でも何時も一緒にいたのに。ある意味尊敬に値する。
これで晴れてアンジェラは王太子妃となり、アンジェリカとは一気に住む世界が変わる。また両親に「アンジェラを見習いなさい」と言われる事だろう。
まあ、元々アンジェリカは期待をされていないので適当に聞き流せばいい。だがアンジェラが嫁ぐ事が決まってから両親は煩いくらいにお見合い話をアンジェリカにしてくる。
正直誰でもいい。特に希望なし。結婚など家同士の契約だ。ああだこうだ言っても結局は両親のお眼鏡に叶う相手の元へ嫁がされる。
いっその事何処か遠くに行って誰も知らない場所で静かに暮らしたい…。
「もう直ぐ、アンジェラの婚儀ね…」
まあ、アンジェラがこの屋敷からいなくなるだけでも気が軽くなるので良しとしよう。アンジェラには本当に苦労をさせられた。一刻も早く嫁いで欲しい。そして今後自分には関わらないで欲しい。
そう言えば…。これまでアンジェラにされた様々な事を思い出した。何をしても全てアンジェリカの所為にされ、両親もアンジェラの言葉を鵜呑みにした。
何だか、今更ながらに腹が立ってきた。
このままアンジェラは念願の王太子に嫁ぎ幸せになるだろう。アンジェリカはこれまでアンジェラに散々な目に合わせられたのに…赦せない。
なら最後くらい、今度はアンジェリカがアンジェラの事を邪魔をしてやる。別に破談にさせたい訳ではないが。少しくらい痛い目を見て貰っても良いわよね…。
アンジェリカは便箋とペンを取り出し、アンジェラ宛に手紙を書き出した。
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