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第2章
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「で、連れ帰って来てしまったと」
青年達が着いた先は村落だった。それからアルレットは村外れにある建物に連れて行かれる。そこは村に建ち並ぶ小さな家々とは違い屋敷と呼べる程の大きさがあり立派な建物だった。
青年達の後に続きアルレットも中に入ると長身の眼鏡をかけた鋭い目付きの男が出迎え、睨まれた。身体をビクりと震わせアルレットは思わず青年の背に隠れる。
すると青年は軽く笑いアルレットの頭を撫でてくれた。
「大丈夫、怖くないよ。彼は元々こういった顔なんだ」
悪びれる事なく笑顔で話す青年にアルレットは苦笑いを浮かべた。悪気は無さそうだが…。
その後アルレットは応接間へ連れて行かれた。そして今に至る。長椅子に座る様に促され、アルレットは身を縮こませちょこんと座った。
此処まで一緒だった青年もその連れの2人も皆優しい雰囲気だったが、今目前にいる男からは明らかに厳しさが伝わってくる。しかもアルレットをずっと睨みつけてくる。
「空から降って来た天使かなんだか知りませんが、それを安易に拾って来るなどありえません。何時も小動物を拾って来てはいけないと言ってますよね?」
小動物…アルレットは自身の事かと目を丸くした。確かに小柄ではあるが小動物に例えられるなど心外だ。
「そもそも、その娘があの野蛮な男の間者であったらどうなさるおつもりですか」
「あー、それは考えてなかったな。でも、大丈夫だよ。彼女は間者ではない」
青年はアルレットを見て笑った。
「その根拠は」
「ないよ」
「ノエル様…貴方って方は」
ノエルの言葉に男は呆れた表情を浮かべ頭を抱えている。ノエルの連れていた2人からも苦笑が漏れた。
「彼女からは悪意を感じられない。だから大丈夫だよ、ね?」
ノエルは不思議な人だと思う。なんと言うか変わってる。悪い意味ではないが…お人好しとでも言えばいいだろうか。
アルレットはノエルから一緒にいた2人を紹介された。フォルカーはガタイが良く少し豪快な感じの青年で、レフィは人好きのする笑みが印象的な青年だ。
そして、ノエル達を出迎えた眼鏡を掛けた鋭い目付きの青年の名はハンネス。彼はアルレットを訝しげに見ていた。きっと間者だと疑われている。ノエルは違うと否定してくれたが、確証がないのが現状だ。
「アルレット、今度は君の話を聞かせて欲しいな。君は何処の誰で、何故空から降ってきたの」
空から降って来た訳ではないのだが…いつの間にかそう言う話になっている…。先程も天使が…とか言っていたし、話が微妙に変わっている。アルレットはノエル達をじっと見遣る。どうするべきか悩む。本当の事を言うべきか、それとも。
「…私は、隣国からサロモン様と仰る方に拐われて来ました」
アルレットは隣国の人間だと言う事、サロモンに拐われて来た事、その後ひと月程城の部屋で監禁されていた事、昨晩舞踏会で手薄になる時を見計らって逃げる為に窓から脱出を試みた事、などを伝えた。無論天使などではない事も、念の為付け加えた。
「成る程、天使じゃなかったんだね」
当たり前です。とアルレットは心の中で思った。
「でも何故サロモンは君を拐って来たのだろう」
ノエルは顎に手を当てて考える素振りをした。
「あの…実は私は、隣国の、その…王太子妃様、の…侍女なんです。なので、王太子妃様と…間違われた、かと…」
アルレットはノエル達に嘘を吐いた。隣国の王太子妃の侍女で自分は間違えられただけだと。サロモンは明らかにアルレット自身を狙い拐って来たのは明白だった。王の花嫁だと言い、セブランの妃に迎えると言った。
未だにアルレットには王の花嫁が意味するものが何なのかは分からない。だが、もしノエル達にこの事を伝えたら…ノエル達の素性が分からない以上は真実を話す事は得策ではないと考えた。
だが、仕方がないとはいえ嘘を吐いた事で罪悪感に苛まれる。アルレットは生まれて初めて、嘘を吐いてしまった。嘘を吐く事でこんなに胸が痛くなるとは思わなかった。
「侍女、ですか。それは丁度良かったです」
意外にもハンネスはアルレットの言葉を信じた様子で、笑みを浮かべた。だが意外な言葉が聞こえた。丁度良い、とは…。
「実は人手不足なものでして。是非ともお手伝い願いたいですね」
アルレットは呆然と立ち尽くしていた。目前には緩やかに流れる川が見える。
「では、洗濯をお願い出来ますか」
「洗濯、ですか…」
何故こんな事に。アルレットの顔からは嫌な汗が流れ落ちた。どうもこの村は人手不足もとい女性が不足しているらしい。屋敷までの道中、村の中を抜けて来たが確かに余り女性の姿を見かけなかった。それに男性達は皆装備を付けており異様な雰囲気が漂っているのを感じた。
「ハンネス、幾ら何でも客人にそんな事やらせるなよ」
見兼ねたフォルカーはハンネスを嗜めるが。
「客人も何もありません。働かざる者食うべからず、ですよ」
その言葉にアルレットはハッとして、妙に納得した。そして神妙な面持ちで答える。
「分かりました」
桶に水を入れるのがこんなに大変なんて知らなかった。アルレットの額には汗が滲んでいる。川の水を小さな桶を使って大きい桶に汲んでいく。
「ふぅ…」
水を汲んだだけで何故か達成感が出た。アルレットは息を吐く。後は洗い物を。
ポチャン。
水を張った桶に入れた。
「……」
そのままアルレットはその場にしゃがみ込み、
じっと数分見守った。ノエル達もその様子を見守っている。
数分後アルレットは水から洗い物を取り出すと、絞る事なくそのままの状態で木の左右にに引っ掛けた棒に干そうとする。だが背が足りずに届かない。懸命に背伸びをする姿が微笑ましい。
「僕がやるよ」
「あ、ありがとうございます」
ノエルはアルレットからびしょびしょの洗い物を受け取り干した。そこでハンネスが声を上げた。
「ノエル様!何普通に干すのをお手伝いなさってるんですか⁈根本的に間違っている事を先ずは指摘して下さい!」
アルレットはきょとんとしてノエルを見た。
その後屋敷に戻りアルレットは掃除、調理をする様に言われた。箒を渡されたアルレットは取り敢えず掃いてみた。侍女がこれを使っているのを見た事があった故真似してみた。だがずっと同じ場所ばかりを掃いていて意味がないとハンネスに叱られ、アルレットは落ち込んだ様に項垂れる。すると透かさずノエルが手を差し伸べた。
「僕が手伝うよ」
厨房ではアルレットは火のつけ方から分からない。火をつけると言う発想がなかったので、取り敢えず厨房の中を火元になりそうな物を隈なく探すもとい散らかす。そして荒れ果てた厨房の様子にハンネスはため息を吐く。透かさずノエルが手を差し伸べる。
「アルレット、僕がやるよ」
最後にお茶淹れ。流石にお茶を淹れる事が出来ない侍女などいる筈がない。…お湯はノエルに沸かして貰えた。流石のアルレットもお茶の淹れ方くらい分かる。
アルレットはミランがお茶を淹れてくれていた時の事を思い出す。…そう言えばミランはどうなったのだろうか。無事だろうか…アルレットは急に不安に襲われた。
「アルレット?大丈夫?」
ノエルの言葉にアルレットはハッとして首を振った。取り敢えず今すべき事をしなければ。
確か…ポットの中にお茶の葉を…どれくらい入れるのかしら。取り敢えず小匙10杯程入れて見たが。何となく少なく感じる。更に10杯追加した。ポットの大きさに比べ明らかに多く、一体何人分淹れるつもりだろうか。周りからは苦笑いが漏れる。震える手でポットにお湯を注ごうとして、それを止められる。
「はぁ…もう宜しいですよ」
「へ…」
ハンネスの言葉にアルレットは思わず間の抜けた声が出てしまい、急いで口を押さえた。はしたない…。ハンネスを見ると彼は深いため息を吐いている。ノエルやフォルカー、レフィは笑っていた。
「ごめんね、ちょっとした冗談のつもりだったんだ。でも君が余りにも一生懸命で、言い出し辛くなってしまって」
ノエルはアルレットの頭を優しく撫でる。
「君が侍女でない事は分かってるよ。漂う雰囲気や仕草話し方が全てを物語っているからね…君は何処ぞのご令嬢か姫君かな?それとも、君自身が王太子妃とか?」
ノエルもハンネスもアルレットが嘘を吐いている事は気付いていた。無論間者にも見えない。ノエルが話した様にアルレットはどう見ても侍女などには見えないし、話している時も明らかに挙動不審だった。
だが本人が侍女だと言い張るならば試してみようと考えた。世の中に絶対などあり得ないし、もしかすると間者と言う可能性も拭いきれない。だが間者と見るには余りにもお粗末過ぎるが…。これが演技ならば称賛に値するだろう。
アルレットはノエルを戸惑いながら見ると、優しく微笑んでくれる。その様子にアルレットは観念をして項垂れると、本当の事を話し出した。
「サロモン様は私を王の花嫁だと、言いました」
青年達が着いた先は村落だった。それからアルレットは村外れにある建物に連れて行かれる。そこは村に建ち並ぶ小さな家々とは違い屋敷と呼べる程の大きさがあり立派な建物だった。
青年達の後に続きアルレットも中に入ると長身の眼鏡をかけた鋭い目付きの男が出迎え、睨まれた。身体をビクりと震わせアルレットは思わず青年の背に隠れる。
すると青年は軽く笑いアルレットの頭を撫でてくれた。
「大丈夫、怖くないよ。彼は元々こういった顔なんだ」
悪びれる事なく笑顔で話す青年にアルレットは苦笑いを浮かべた。悪気は無さそうだが…。
その後アルレットは応接間へ連れて行かれた。そして今に至る。長椅子に座る様に促され、アルレットは身を縮こませちょこんと座った。
此処まで一緒だった青年もその連れの2人も皆優しい雰囲気だったが、今目前にいる男からは明らかに厳しさが伝わってくる。しかもアルレットをずっと睨みつけてくる。
「空から降って来た天使かなんだか知りませんが、それを安易に拾って来るなどありえません。何時も小動物を拾って来てはいけないと言ってますよね?」
小動物…アルレットは自身の事かと目を丸くした。確かに小柄ではあるが小動物に例えられるなど心外だ。
「そもそも、その娘があの野蛮な男の間者であったらどうなさるおつもりですか」
「あー、それは考えてなかったな。でも、大丈夫だよ。彼女は間者ではない」
青年はアルレットを見て笑った。
「その根拠は」
「ないよ」
「ノエル様…貴方って方は」
ノエルの言葉に男は呆れた表情を浮かべ頭を抱えている。ノエルの連れていた2人からも苦笑が漏れた。
「彼女からは悪意を感じられない。だから大丈夫だよ、ね?」
ノエルは不思議な人だと思う。なんと言うか変わってる。悪い意味ではないが…お人好しとでも言えばいいだろうか。
アルレットはノエルから一緒にいた2人を紹介された。フォルカーはガタイが良く少し豪快な感じの青年で、レフィは人好きのする笑みが印象的な青年だ。
そして、ノエル達を出迎えた眼鏡を掛けた鋭い目付きの青年の名はハンネス。彼はアルレットを訝しげに見ていた。きっと間者だと疑われている。ノエルは違うと否定してくれたが、確証がないのが現状だ。
「アルレット、今度は君の話を聞かせて欲しいな。君は何処の誰で、何故空から降ってきたの」
空から降って来た訳ではないのだが…いつの間にかそう言う話になっている…。先程も天使が…とか言っていたし、話が微妙に変わっている。アルレットはノエル達をじっと見遣る。どうするべきか悩む。本当の事を言うべきか、それとも。
「…私は、隣国からサロモン様と仰る方に拐われて来ました」
アルレットは隣国の人間だと言う事、サロモンに拐われて来た事、その後ひと月程城の部屋で監禁されていた事、昨晩舞踏会で手薄になる時を見計らって逃げる為に窓から脱出を試みた事、などを伝えた。無論天使などではない事も、念の為付け加えた。
「成る程、天使じゃなかったんだね」
当たり前です。とアルレットは心の中で思った。
「でも何故サロモンは君を拐って来たのだろう」
ノエルは顎に手を当てて考える素振りをした。
「あの…実は私は、隣国の、その…王太子妃様、の…侍女なんです。なので、王太子妃様と…間違われた、かと…」
アルレットはノエル達に嘘を吐いた。隣国の王太子妃の侍女で自分は間違えられただけだと。サロモンは明らかにアルレット自身を狙い拐って来たのは明白だった。王の花嫁だと言い、セブランの妃に迎えると言った。
未だにアルレットには王の花嫁が意味するものが何なのかは分からない。だが、もしノエル達にこの事を伝えたら…ノエル達の素性が分からない以上は真実を話す事は得策ではないと考えた。
だが、仕方がないとはいえ嘘を吐いた事で罪悪感に苛まれる。アルレットは生まれて初めて、嘘を吐いてしまった。嘘を吐く事でこんなに胸が痛くなるとは思わなかった。
「侍女、ですか。それは丁度良かったです」
意外にもハンネスはアルレットの言葉を信じた様子で、笑みを浮かべた。だが意外な言葉が聞こえた。丁度良い、とは…。
「実は人手不足なものでして。是非ともお手伝い願いたいですね」
アルレットは呆然と立ち尽くしていた。目前には緩やかに流れる川が見える。
「では、洗濯をお願い出来ますか」
「洗濯、ですか…」
何故こんな事に。アルレットの顔からは嫌な汗が流れ落ちた。どうもこの村は人手不足もとい女性が不足しているらしい。屋敷までの道中、村の中を抜けて来たが確かに余り女性の姿を見かけなかった。それに男性達は皆装備を付けており異様な雰囲気が漂っているのを感じた。
「ハンネス、幾ら何でも客人にそんな事やらせるなよ」
見兼ねたフォルカーはハンネスを嗜めるが。
「客人も何もありません。働かざる者食うべからず、ですよ」
その言葉にアルレットはハッとして、妙に納得した。そして神妙な面持ちで答える。
「分かりました」
桶に水を入れるのがこんなに大変なんて知らなかった。アルレットの額には汗が滲んでいる。川の水を小さな桶を使って大きい桶に汲んでいく。
「ふぅ…」
水を汲んだだけで何故か達成感が出た。アルレットは息を吐く。後は洗い物を。
ポチャン。
水を張った桶に入れた。
「……」
そのままアルレットはその場にしゃがみ込み、
じっと数分見守った。ノエル達もその様子を見守っている。
数分後アルレットは水から洗い物を取り出すと、絞る事なくそのままの状態で木の左右にに引っ掛けた棒に干そうとする。だが背が足りずに届かない。懸命に背伸びをする姿が微笑ましい。
「僕がやるよ」
「あ、ありがとうございます」
ノエルはアルレットからびしょびしょの洗い物を受け取り干した。そこでハンネスが声を上げた。
「ノエル様!何普通に干すのをお手伝いなさってるんですか⁈根本的に間違っている事を先ずは指摘して下さい!」
アルレットはきょとんとしてノエルを見た。
その後屋敷に戻りアルレットは掃除、調理をする様に言われた。箒を渡されたアルレットは取り敢えず掃いてみた。侍女がこれを使っているのを見た事があった故真似してみた。だがずっと同じ場所ばかりを掃いていて意味がないとハンネスに叱られ、アルレットは落ち込んだ様に項垂れる。すると透かさずノエルが手を差し伸べた。
「僕が手伝うよ」
厨房ではアルレットは火のつけ方から分からない。火をつけると言う発想がなかったので、取り敢えず厨房の中を火元になりそうな物を隈なく探すもとい散らかす。そして荒れ果てた厨房の様子にハンネスはため息を吐く。透かさずノエルが手を差し伸べる。
「アルレット、僕がやるよ」
最後にお茶淹れ。流石にお茶を淹れる事が出来ない侍女などいる筈がない。…お湯はノエルに沸かして貰えた。流石のアルレットもお茶の淹れ方くらい分かる。
アルレットはミランがお茶を淹れてくれていた時の事を思い出す。…そう言えばミランはどうなったのだろうか。無事だろうか…アルレットは急に不安に襲われた。
「アルレット?大丈夫?」
ノエルの言葉にアルレットはハッとして首を振った。取り敢えず今すべき事をしなければ。
確か…ポットの中にお茶の葉を…どれくらい入れるのかしら。取り敢えず小匙10杯程入れて見たが。何となく少なく感じる。更に10杯追加した。ポットの大きさに比べ明らかに多く、一体何人分淹れるつもりだろうか。周りからは苦笑いが漏れる。震える手でポットにお湯を注ごうとして、それを止められる。
「はぁ…もう宜しいですよ」
「へ…」
ハンネスの言葉にアルレットは思わず間の抜けた声が出てしまい、急いで口を押さえた。はしたない…。ハンネスを見ると彼は深いため息を吐いている。ノエルやフォルカー、レフィは笑っていた。
「ごめんね、ちょっとした冗談のつもりだったんだ。でも君が余りにも一生懸命で、言い出し辛くなってしまって」
ノエルはアルレットの頭を優しく撫でる。
「君が侍女でない事は分かってるよ。漂う雰囲気や仕草話し方が全てを物語っているからね…君は何処ぞのご令嬢か姫君かな?それとも、君自身が王太子妃とか?」
ノエルもハンネスもアルレットが嘘を吐いている事は気付いていた。無論間者にも見えない。ノエルが話した様にアルレットはどう見ても侍女などには見えないし、話している時も明らかに挙動不審だった。
だが本人が侍女だと言い張るならば試してみようと考えた。世の中に絶対などあり得ないし、もしかすると間者と言う可能性も拭いきれない。だが間者と見るには余りにもお粗末過ぎるが…。これが演技ならば称賛に値するだろう。
アルレットはノエルを戸惑いながら見ると、優しく微笑んでくれる。その様子にアルレットは観念をして項垂れると、本当の事を話し出した。
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