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しおりを挟む 薄暗い父の寝室に入ったのは初めてだった。両親の寝室には子供の頃入ったことがあるけれど、父のそれは立ち入り禁止と子どもの頃からきつく言い聞かせられていたからだけど……
「この絵……お姉様……?」
最初に目に入ったのは壁に所狭しと飾られている金の髪をした女性の絵姿だった。大きさは様々で子どもの姿もあれば成人したものもある。どれも似たような雰囲気だから同一人物かしら。姉に似ているけれど素顔はもっと大人びて綺麗に見えるし、衣装からして姉ではないわね。姉はあんなシンプルなドレスなんか着ないもの。
「旦那様っ?!」
バナンが悲鳴のような声を上げて私の後ろから駆け出し、床に転がっている誰かの側に膝をついた。ベッドの脇にあるサイドテーブルの側に誰かが倒れていた。その近くにはワインの空き瓶が無造作に転がって床に赤黒いシミを広げていた。バナンが抱き起すと声を詰まらせる音が耳に届いた。
「……っ!!」
「お父様?」
抱き起して顔を上に向けたのは確かに父だったわ。だけどその額は赤く塗りつぶされていて後ろから侍女たちの悲鳴が上がった。
「侍医を、誰か先生を呼んできて!!」
「……は、はいっ!!」
近くにいた使用人が一瞬の間の後、弾けるように飛び出していった。
「とにかく旦那様をベッドへ。誰か手を貸してくれ!」
「は、はい」
バナンの声を聞きつけて駆けつけた侍女たちがその声に促されて部屋に入ってきた。バナンと侍女二人の三人がかりで父をベッドに運んだ。額は血で染まっているけれど既に固まっているようでそれほどの出血ではなさそうに見えるわ。床には小さな血のシミが出来ているくらいで、その事実に安堵する自分がいた。あんな人でも父親なのだなと変なことに感心していた。
それと同時に部屋に入った時から感じていた薄気味悪さが湧き上がってきた。父の向こう側にある絵の人物と目が合ったせいかしら。どの絵もこちらを見ている様に見える。それが気持ち悪い……
ふと床に散らばった紙が目についたので拾い上げるとそれは領地にいる兄からの手紙だった。他の二枚をロッテが拾って渡してくれた。人の手紙を見るのはマナー違反だけど今は緊急時だからいいわよね。何か手掛かりがあるかもしれない。
「お姉様……」
その中に記されていたのは……姉の妊娠の報告だった。クラウス様のお子だろう。純潔を捧げたと言っていたから可能性はあると思っていたわ。
でも、あれから一月以上経ったけれどそんな話は出てこなかったのでもう大丈夫だと思っていたわ。手紙の内容からして姉はその事実を隠していたみたいね。元より生理不順で、だからリシェル様の薬も飲んでいたから気付かなかったかもしれないけれど。母もいつものことだし今は精神的なショックを受けているからと調べようともしなかったのでしょうね。
嬉しいはずの子の誕生も時と場合によるのね。お腹の子に罪はないけれどアルトナーの血を引く子……扱いに困るわ。知られたらアルトナーは引き渡せというでしょうね、殺すために。罪人になった者の血なんか残せないもの。これは口外出来ないわね。でもヴォルフ様には報告しないと……
父はまだ目を覚まさない。バナンがお湯に浸した布で父の額の血をゆっくりと拭っていった。思ったより傷は大きくなさそうね。これは打撲かしら? 酒瓶が転がっていたしムッとする程の酒臭い息を吐く父は泥酔して転び、サイドボードにでも頭をぶつけたってとこかしら? 誰かに殴られた……ようには見えないわね。
「ザーラ、念のためヴォルフ様にも報告してくれる?」
「はい、イルーゼ様」
多分大したことはないのだろうけれど、何かあったら直ぐに知らせるように言われているものね。何もしなくても誰かが報告してくれるだろうけれど、自ら知らせようとしたのは不安だったからかもしれない。あんな父でも当主だもの。
程なくして侍医が駆けつけてくれた。もう暗くなっていたのに申し訳ないけれど来てくれて気が楽になったわ。既に父の顔の血は綺麗に拭き取られ、侍医が傷口を消毒して薬を塗ってくれた。処置が終わったので侍女と護衛を残して近くの客間に移動した。侍医と向かい合わせに座るとバナンがお茶を淹れてくれた。お茶を一口含む。喉が渇いていたらしく一気に飲み干したいのを我慢して少しずつ喉へ流し込んだ。
「傷自体は大したことはございません。既に血も止まっております。ただ……」
「ただ?」
「頭をぶつけておられるようです。直ぐに目を覚まして下さればいいのですが……」
侍医が眉の間に皴を刻んで言葉を濁した。
「それは……このまま目を覚まさない可能性もあると?」
「何とも申し上げられません。あくまでも可能性でございますれば……それよりも……」
「まだ何かあると?」
不安が心を灰色に染めていくのを感じた。先日の診察ではどこも悪いところはないと言われていたわよ?
「酒の飲み過ぎです。傷よりもこちらの方が問題かもしれません」
「お酒?」
「はい、酒も飲み過ぎれば中毒を起こして死を招くこともあります。旦那様はそれほどお強くありませんから……」
「そ、そう……」
どんな深刻なことかと思ったらお酒の飲み過ぎだなんて……いえ、それで命に関わるのは問題だけど、子供でもあるまいしそんな指摘を受けるなんて情けなくなってくるわよ。
「このままでは危険です。お許しを頂けるので今夜は私がお側に控えても? 少しでも水分をとっていただきたいので」
「そうしてくれると助かるわ。ごめんなさいね、こんな夜に急に」
「いえ、これが私の役目でございますから」
バナンに頼んで父の部屋の一角に簡易のソファを運び込んで貰った。今夜は侍女と護衛を寝ずの番に付けて様子を見ることになったわ。後は侍医が看てくれると言うし、私も顔色が悪いから休んだ方がいいと言われたので自室に戻った。
バナンやザーラたちと共に部屋に戻っていつものソファに座ると一気に力が抜けたわ。目の前にマルガが淹れてくれたお茶が湯気を立てていた。
「イルーゼ様、気持ちが落ち着くお茶です」
「ありがとう」
まださっきの光景が目に焼き付いていて目を閉じても消えてくれなかった。その残像を振り払うように頭を振ってカップを手にした。あの部屋の臭いもまだ鼻にこびりついているような気がする。カップを顔に近付けて湯気と共に立ち上る花の香りを胸に吸い込んだ。このままこの香りだけを記憶に残したいわ。
「バナン、あの絵の女性は誰?」
父のことは先生に任せるしかないし、姉の妊娠をここで話していいのかもわからないわね。その件は私が決められる話じゃないもの。そうなると気になったのはあの壁一面に飾られた女性の絵だった。姉に似ているけれど姉じゃないあの人は一体……
「それは……」
口籠ったバナンに、彼があの絵の女性を知っているのだとわかった。わざわざ寝室にあんなに絵を飾るってことはもしかして父の想い人なのかしら? そんな話を聞いたことはなかったけれどあんなに飾っているのなら相当に執着しているように見えるわ。母は知っているのかしら? 自分の夫があんなにも他の女性の絵を寝室に飾っていると知ったら……私だったら気持ち悪く感じてしまうし信頼関係も失せるわね。
ヴォルフ様の寝室はどうかしら? 絶対に結ばれることが出来ない秘めた想い人がいて、その上で愛や恋を求めるなと仰っている可能性は……ないとは言えないわよね。私よりずっと大人で怖そうに見えるけれど実際は優しくて素敵な方だもの……
「この絵……お姉様……?」
最初に目に入ったのは壁に所狭しと飾られている金の髪をした女性の絵姿だった。大きさは様々で子どもの姿もあれば成人したものもある。どれも似たような雰囲気だから同一人物かしら。姉に似ているけれど素顔はもっと大人びて綺麗に見えるし、衣装からして姉ではないわね。姉はあんなシンプルなドレスなんか着ないもの。
「旦那様っ?!」
バナンが悲鳴のような声を上げて私の後ろから駆け出し、床に転がっている誰かの側に膝をついた。ベッドの脇にあるサイドテーブルの側に誰かが倒れていた。その近くにはワインの空き瓶が無造作に転がって床に赤黒いシミを広げていた。バナンが抱き起すと声を詰まらせる音が耳に届いた。
「……っ!!」
「お父様?」
抱き起して顔を上に向けたのは確かに父だったわ。だけどその額は赤く塗りつぶされていて後ろから侍女たちの悲鳴が上がった。
「侍医を、誰か先生を呼んできて!!」
「……は、はいっ!!」
近くにいた使用人が一瞬の間の後、弾けるように飛び出していった。
「とにかく旦那様をベッドへ。誰か手を貸してくれ!」
「は、はい」
バナンの声を聞きつけて駆けつけた侍女たちがその声に促されて部屋に入ってきた。バナンと侍女二人の三人がかりで父をベッドに運んだ。額は血で染まっているけれど既に固まっているようでそれほどの出血ではなさそうに見えるわ。床には小さな血のシミが出来ているくらいで、その事実に安堵する自分がいた。あんな人でも父親なのだなと変なことに感心していた。
それと同時に部屋に入った時から感じていた薄気味悪さが湧き上がってきた。父の向こう側にある絵の人物と目が合ったせいかしら。どの絵もこちらを見ている様に見える。それが気持ち悪い……
ふと床に散らばった紙が目についたので拾い上げるとそれは領地にいる兄からの手紙だった。他の二枚をロッテが拾って渡してくれた。人の手紙を見るのはマナー違反だけど今は緊急時だからいいわよね。何か手掛かりがあるかもしれない。
「お姉様……」
その中に記されていたのは……姉の妊娠の報告だった。クラウス様のお子だろう。純潔を捧げたと言っていたから可能性はあると思っていたわ。
でも、あれから一月以上経ったけれどそんな話は出てこなかったのでもう大丈夫だと思っていたわ。手紙の内容からして姉はその事実を隠していたみたいね。元より生理不順で、だからリシェル様の薬も飲んでいたから気付かなかったかもしれないけれど。母もいつものことだし今は精神的なショックを受けているからと調べようともしなかったのでしょうね。
嬉しいはずの子の誕生も時と場合によるのね。お腹の子に罪はないけれどアルトナーの血を引く子……扱いに困るわ。知られたらアルトナーは引き渡せというでしょうね、殺すために。罪人になった者の血なんか残せないもの。これは口外出来ないわね。でもヴォルフ様には報告しないと……
父はまだ目を覚まさない。バナンがお湯に浸した布で父の額の血をゆっくりと拭っていった。思ったより傷は大きくなさそうね。これは打撲かしら? 酒瓶が転がっていたしムッとする程の酒臭い息を吐く父は泥酔して転び、サイドボードにでも頭をぶつけたってとこかしら? 誰かに殴られた……ようには見えないわね。
「ザーラ、念のためヴォルフ様にも報告してくれる?」
「はい、イルーゼ様」
多分大したことはないのだろうけれど、何かあったら直ぐに知らせるように言われているものね。何もしなくても誰かが報告してくれるだろうけれど、自ら知らせようとしたのは不安だったからかもしれない。あんな父でも当主だもの。
程なくして侍医が駆けつけてくれた。もう暗くなっていたのに申し訳ないけれど来てくれて気が楽になったわ。既に父の顔の血は綺麗に拭き取られ、侍医が傷口を消毒して薬を塗ってくれた。処置が終わったので侍女と護衛を残して近くの客間に移動した。侍医と向かい合わせに座るとバナンがお茶を淹れてくれた。お茶を一口含む。喉が渇いていたらしく一気に飲み干したいのを我慢して少しずつ喉へ流し込んだ。
「傷自体は大したことはございません。既に血も止まっております。ただ……」
「ただ?」
「頭をぶつけておられるようです。直ぐに目を覚まして下さればいいのですが……」
侍医が眉の間に皴を刻んで言葉を濁した。
「それは……このまま目を覚まさない可能性もあると?」
「何とも申し上げられません。あくまでも可能性でございますれば……それよりも……」
「まだ何かあると?」
不安が心を灰色に染めていくのを感じた。先日の診察ではどこも悪いところはないと言われていたわよ?
「酒の飲み過ぎです。傷よりもこちらの方が問題かもしれません」
「お酒?」
「はい、酒も飲み過ぎれば中毒を起こして死を招くこともあります。旦那様はそれほどお強くありませんから……」
「そ、そう……」
どんな深刻なことかと思ったらお酒の飲み過ぎだなんて……いえ、それで命に関わるのは問題だけど、子供でもあるまいしそんな指摘を受けるなんて情けなくなってくるわよ。
「このままでは危険です。お許しを頂けるので今夜は私がお側に控えても? 少しでも水分をとっていただきたいので」
「そうしてくれると助かるわ。ごめんなさいね、こんな夜に急に」
「いえ、これが私の役目でございますから」
バナンに頼んで父の部屋の一角に簡易のソファを運び込んで貰った。今夜は侍女と護衛を寝ずの番に付けて様子を見ることになったわ。後は侍医が看てくれると言うし、私も顔色が悪いから休んだ方がいいと言われたので自室に戻った。
バナンやザーラたちと共に部屋に戻っていつものソファに座ると一気に力が抜けたわ。目の前にマルガが淹れてくれたお茶が湯気を立てていた。
「イルーゼ様、気持ちが落ち着くお茶です」
「ありがとう」
まださっきの光景が目に焼き付いていて目を閉じても消えてくれなかった。その残像を振り払うように頭を振ってカップを手にした。あの部屋の臭いもまだ鼻にこびりついているような気がする。カップを顔に近付けて湯気と共に立ち上る花の香りを胸に吸い込んだ。このままこの香りだけを記憶に残したいわ。
「バナン、あの絵の女性は誰?」
父のことは先生に任せるしかないし、姉の妊娠をここで話していいのかもわからないわね。その件は私が決められる話じゃないもの。そうなると気になったのはあの壁一面に飾られた女性の絵だった。姉に似ているけれど姉じゃないあの人は一体……
「それは……」
口籠ったバナンに、彼があの絵の女性を知っているのだとわかった。わざわざ寝室にあんなに絵を飾るってことはもしかして父の想い人なのかしら? そんな話を聞いたことはなかったけれどあんなに飾っているのなら相当に執着しているように見えるわ。母は知っているのかしら? 自分の夫があんなにも他の女性の絵を寝室に飾っていると知ったら……私だったら気持ち悪く感じてしまうし信頼関係も失せるわね。
ヴォルフ様の寝室はどうかしら? 絶対に結ばれることが出来ない秘めた想い人がいて、その上で愛や恋を求めるなと仰っている可能性は……ないとは言えないわよね。私よりずっと大人で怖そうに見えるけれど実際は優しくて素敵な方だもの……
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