【R18】だれがフィクションだと言った 〜圧倒的モブ田中A子のセフレ生活〜

3.彼らの関係

その20、恋人の話はよく聞こう②

セックスも沢山したいけど、それと同じくらい、エンボちゃんと色々出かけて楽しみたい。


「ん、じゃあなんか取ろう。ピザでも寿司でも。あ、うなぎは？　高くてもいいからさ」


でも無理強いはしたくなかった。慣れればそのうち、そういう機会だってあるだろうし。エンボちゃんのペースに合わせることに決めている。

うなぎ、と言うと彼女の顔がぱっと華やいだ。


「あー……おなかすいてきた」
「ぶ、今じゃねえよ」


つい笑ってしまう。
どうやらうなぎが良いらしい。かわいい。


「分かってますよ！」


よかった。元気が出たらしい。
それから彼女は冷蔵庫の余り物でチャーハンを作ると言ってキッチンに立った。俺のスウェットの上だけを着てちょこまかと動いている。彼シャツならぬ、彼スウェット。いつも以上に華奢に見えるし、生足は目に猛毒。

エンボちゃんのおさんどんは手際がいいから、ついつい後ろから覗き込んで、じっくり見ていたくなる。そのうちキッチンには玉ねぎやウィンナーの焼ける香ばしい匂いが充満して、こういう日々が続けばいいのにって、ふと思う。


料理上手な子が、かつていなかったわけではない。でもなんというか、エンボちゃんの作る料理は今までの子と違うように感じていた。惚れた欲目もあるだろう。でも、それだけでもない。

家庭的、という言葉が浮かんで。

思わずごくんと喉が鳴った。よかった、彼女は料理に夢中だ。一度意識してしまうとなかなか離れてくれそうにない単語が、頭の中をぐるぐる回る。まさか。


ああ、でも。それも。
アリ、なのか？


彼女がちいさな手を止めて、俺も一度、考えを頭の隅に置くことにした。どっちにせよまだ早すぎる。そういうことはお互い、一緒に過ごしていろいろ見極めてからだと思うし。

まあ、まずは。
身体の相性からってことで。


「それじゃあ」
「わっ、ちょっと！」
「エンボちゃんかるーい。さらいます」
「さらいません！　飢えてんだから軽いに決まってます」


抱き上げたエンボちゃんの真っ赤な顔。
腹が減ったら性欲が強くなるって研究、あれほんとだと思うな。赤く熟れた彼女を食べてしまいたくて、可愛くて仕方がない。


「いただきます」
「ゔぅ……」
「ほら、こういう時はなんて言うの？」
「……めしあがれ」


無事お許しもいただいたので、それから、エンボちゃんをきっちり食べさせてもらった。身体の相性は言わずもがな。