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2.経理部、田中A子

☆その10、田中A子は酒池肉林②

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そう言って、あろうことか指を突き立てられる。お尻の、穴に! いやだ、本当に怖い。それまでと違う、爪のかたい感覚に身体がすくんでしまう。

息を呑む私に、腰に回っていた腕の力が弱まる。恐るおそる見上げると、彼はこらえるように唇を強く結んでいた。視線が合って、ふはっと息が漏れる音。


「ごめんごめん、冗談」
「~~ッ! こ、の、ド変態!」


はらたつ!
裸の胸をグーで殴ると、ベチベチと鈍い音がしていた。変態はケラケラと楽しげに笑っていて、それが余計に腹が立つ。

でも、結構強く殴っているのに、変態は痛いとかやめてとは言わなかった。しばらくベチベチやって、合間にキスをして、ふと見つけたので乳首をつまんでみたりして。変態はずっと笑ったままだ。うう……やっぱりイケメン。変態のくせに。


「かぁいい」
「かわいくないです」
「そう? でもほら、ここもトロトロで」
「んっ……」
「ねえ、今日は後ろからしてみよっか」
「いいですけど……」
「……怖い?」


なんで……分かるんだろう。

Uくんとのセックスは、あまり体位を変えることがなかった。そんな中でも正常位の次にくるのがバックで、いつも以上に痛かった。挿入時と、激しく動くときは特に。

痛いから痛いと言って、挿れ方を工夫してもらったり、ゆっくり動いてもらったりしたけどそれでも痛くて。もしかしたら私のナカはちょっとおかしいのかも知れない。Uくんにも「あんまり気持ちよくない」と言われて、試行錯誤するのも面倒になって、痛みも耐えれば慣れるとわかって言うのをやめた。5年経っても、結局痛いままだったけれど。

頭を撫でられる。からかうわけでなく、慈しむように。安心するなぁ。やっぱりイケメンだから、女の扱いはお手のものなんだ。それでもいい。セオリー通りだったとしても、欲しいものが与えられるのは心地いい。


「ん……大丈夫、です」
「……じゃあ、一回慣らしてみよっか。痛かったら教えて?」
「はい」
「いい子いい子」


四つ這いになって、と言われて指示どおりにする。後ろからかさついたフィルム音が聞こえて、挿れる準備をしているのだと分かった。と同時に愛液がとろりと太ももを濡らして、正直な身体だなぁ、なんて思ってしまう。どこのエロ漫画だ。オッサンか私は。

準備を終えたのだろう彼の、その先端がひたりと入口に当たる。……痛いのかな。でもこの間は気持ちよかったし、大丈夫。たぶん。ちょっとくらいなら我慢できるし。今までだってそうしてきたんだからーー

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