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第19話 ほとんど気づいてたし
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「目を背けたくともできぬ現実を、一時とはいえ忘れさせてくれるのが小説だった。特にお主の書く本には心が踊った。血生臭いのは好かぬが、民の暮らしを描いているところなどは、実際にその光景が浮かんでくるようであった」
「だったら一緒に民主化の話でも書くか。何でも書けるのが小説家の特権だ。リアの理想を心置きなく描いてみろよ」
驚いたようにカケルを見上げるリア。綺麗な瞳を輝かせるように涙が浮かぶ。頬が僅かに赤らみ、唇が震える。
何ともいえない雰囲気が流れ、無意識にカケルは喉を鳴らした。
ドアの向こうから「あっ」とか「ちょっと」とか聞こえてきたのは、そんな時だった。
「話は聞かせてもらった!」
「待ちなさいって、ああ、遅かった」
ノックもせずに勢いよく扉を開け放ったクオリアの腰に、暴挙を思い止まらせようとしていたらしいアーシャがしがみついていた。
聞き耳を立てていたのかとか、貴族の息子としてこの行動はどうなのとか、ツッコミどころがたくさんありすぎて、リアともども呆然とするカケルの手が、クオリアに両手で握られた。
「悲しむ姫君に手を差し伸べるのは、実に英雄たる僕に相応しい。機会を与えてくれた我が友に感謝しよう!」
油の切れた機械みたいに頭を動かしたカケルは、どうしてこうなったと言わんばかりの目で女商人を見る。
「た、たまたま廊下に出たらクオリアと遭遇して、ついうっかり事情を知られちゃって……」
要するに聞き耳を立てるのに集中していて、クオリアの接近に気がつかず、不意に声をかけられて反射的に事態を教えてしまったらしい。
「商人らしくない失態だな」
「う……! そ、そうかもしれないけど、結局は皆の問題でしょ。リアは王女様としてじゃなく、仲間らしく接して欲しがってるんだから!」
「苦しい言い訳だな」
「細かい男は嫌われるわよ! ほら、本を書くならアタシも手伝うわ。もう知ってると思うけど、意外に絵心があるんだから!」
リアが理想を語り、クオリアが書き、アーシャが挿絵を描く。
ワイワイと楽しげな空気が流れる室内を羨ましそうに一瞥したあと、寂しげに人影がそっと離れた。
※
「一緒に遊ばないのか?」
城から出たばかりの背中に、カケルは声をかけた。
「自分がいても邪魔になるであります」
「リアはきっと待ってるそ」
城門を出るとあとは一本道だ。帝都全体が壁に囲まれており、敵が攻め込んできた際は王城も含めて強固な防衛装置に早変わりするのだろう。
帝都の門まで続く舗装された長い石道の両脇には、来る時に馬車の窓から見た通りに店が並んでいた。
「どこまでついてくるつもりでありますか」
「町を見学したいだけだ。繁華街っていうほど賑わってないけどな」
もうすぐ夕方へ差し掛かろうというのに、行き交う人々の数は増える気配を見せない。
見回りにしては物々しい装備の兵士が油断なく周囲に視線を走らせ、お約束のように売値が高いと各店に文句を言っている。
「あれは……」
ふとセベカが足を止めた。ロックオンされたみたいに、視線が路地裏へ続く入口から動かない。
カケルも目を凝らすと、派手めの女性が羽振りの良さそうな商人の腕に、露わにした胸元を押しつけていた。
「客引きか」
「男に媚びを売り、尻を振り、餌を貰う卑しい牝犬。見てるだけで反吐が出そうであります」
何もそこまでと言おうとして、慌ててやめる。女性同士でしかわからない嫌悪みたいな感情があるのかもしれない。
カケルの視線に気づいたセベカが、力なく息を吐いた。
「取り乱したであります。ああいう場面に遭遇すると、どうにも我慢できないであります。自分の母親を見てるみたいで」
男と女が連れ立って消えた路地裏を睨んだまま、セベカは言葉を続ける。
「物心ついた時には父はいなかったであります。浮気が別離の原因らしいのに、自分を連れた母が選んだのは、笑えることに男に抱かれて金を稼ぐ道だったのであります」
何て言ったらいいかわからず、カケルは黙って彼女の話を聞く。
「そんな大嫌いな母とは違い、王女殿下は聡明で純真で……初めてお会いした時に、自分の理想そのものだと思ったのであります」
崇拝するアイドルを語るように、両手を組んでセベカは空を見上げる。
「だから生涯をかけて支えのであります。それだけが自分の望みなのであります!」
「……俺なんかに言われたくないかもしれないけどさ、お母さんだって好きでその仕事を選んだわけじゃ……」
「そんなのはわかってるであります! だから……大嫌いなのであります……」
侍女の頬を透明な滴が伝った。
「嫌ってた母のおかげで自分は教育を受けられたであります。侍女に取り立てられ、王女殿下と知り合えたのもそうであります」
セベカ自身、決して努力を怠ってはいないだろうが、他の裕福な家庭に混ざって高等な教育を受けていなければ、今の道に進めていた可能性は低い。
「母は旧貴族だった父に嫁いだ平民であります。最初は他の貴族に援助を願い出たみたいですが、弄ばれて終わっただけだと後で知ったであります」
不愉快そうに顔をしかめたカケルに、セベカは旧貴族の扱いなんてそんなものでありますと零した。
「そんな境遇だったので、娼婦に身を堕とすしかなかったのも理解してるであります。ですが周りの貴族から指を差され、雇った講師に侮られ、母ともども襲われそうになったことは一度や二度ではなかったであります」
周囲から蔑まれる辛さはカケルもよく知っている。それだけに過去のセベカの境遇が身に染みて、気がつけば涙を流していた。
その様子を見たセベカはギョッとして、すぐに相好を崩した。
「自分のために泣いてくれるなんて、本当にカケル殿は変な人でありますね」
布製のハンカチをカケルに手渡し、セベカは唇を引き結ぶ。
「ですが……自分にそんな資格はないのであります。何故なら、大嫌いだと公言する母に、そんな真似をさせてきたのは他ならぬ自分なのであります!」
「セベカ……」
涙を止められなくなったセベカが、カケルの肩を掴んだ。
「カケル殿に夜這いをかけたあの日、自分も女だと思い知ったのであります! なのに母を嫌って……考えた末にさっきの結論に辿り着いて……もう何がなんだか……!」
頭突きするようにカケルの胸に顔を埋めたセベカが、人目も構わずに嗚咽を漏らす。
通り過ぎる兵士が怪訝そうに見るだけで、住人は気にも止めない。ドライさに戸惑うものの、今は都合が良かった。
「王女殿下を好きで……カケル殿に奪われたくなくて、男の汚い一面を知れば嫌ってもらえると、あんな真似をしたであります。軽蔑したでありますよね……」
「いや、そもそもリアはほとんど気づいてたし」
「――ッ!? そ、それは本当でありますか!?」
よほど衝撃的だったのか、セベカの涙が一時的に止まった。
「いっそ、自分を曝け出してリアにぶつかってみろよ。きっと彼女もそれを望んでる」
「……どうしてそう思うのでありますか?」
一歩離れたセベカが、首を傾げた。
「俺が小説でリアを主役にすれば、何より友達を求めるだろうから」
「……プッ。カケル殿は本当に小説のことしか頭にないのでありますね。さすがにアーシャ殿が不憫に思えてきたであります」
「何でアーシャの名前が出るんだ?」
「秘密であります」
スキップするようにセベカが歩き出す。追いかけるカケルを振り返った彼女は、とても生き生きとした悪戯っぽい笑顔を浮かべていた。
「だったら一緒に民主化の話でも書くか。何でも書けるのが小説家の特権だ。リアの理想を心置きなく描いてみろよ」
驚いたようにカケルを見上げるリア。綺麗な瞳を輝かせるように涙が浮かぶ。頬が僅かに赤らみ、唇が震える。
何ともいえない雰囲気が流れ、無意識にカケルは喉を鳴らした。
ドアの向こうから「あっ」とか「ちょっと」とか聞こえてきたのは、そんな時だった。
「話は聞かせてもらった!」
「待ちなさいって、ああ、遅かった」
ノックもせずに勢いよく扉を開け放ったクオリアの腰に、暴挙を思い止まらせようとしていたらしいアーシャがしがみついていた。
聞き耳を立てていたのかとか、貴族の息子としてこの行動はどうなのとか、ツッコミどころがたくさんありすぎて、リアともども呆然とするカケルの手が、クオリアに両手で握られた。
「悲しむ姫君に手を差し伸べるのは、実に英雄たる僕に相応しい。機会を与えてくれた我が友に感謝しよう!」
油の切れた機械みたいに頭を動かしたカケルは、どうしてこうなったと言わんばかりの目で女商人を見る。
「た、たまたま廊下に出たらクオリアと遭遇して、ついうっかり事情を知られちゃって……」
要するに聞き耳を立てるのに集中していて、クオリアの接近に気がつかず、不意に声をかけられて反射的に事態を教えてしまったらしい。
「商人らしくない失態だな」
「う……! そ、そうかもしれないけど、結局は皆の問題でしょ。リアは王女様としてじゃなく、仲間らしく接して欲しがってるんだから!」
「苦しい言い訳だな」
「細かい男は嫌われるわよ! ほら、本を書くならアタシも手伝うわ。もう知ってると思うけど、意外に絵心があるんだから!」
リアが理想を語り、クオリアが書き、アーシャが挿絵を描く。
ワイワイと楽しげな空気が流れる室内を羨ましそうに一瞥したあと、寂しげに人影がそっと離れた。
※
「一緒に遊ばないのか?」
城から出たばかりの背中に、カケルは声をかけた。
「自分がいても邪魔になるであります」
「リアはきっと待ってるそ」
城門を出るとあとは一本道だ。帝都全体が壁に囲まれており、敵が攻め込んできた際は王城も含めて強固な防衛装置に早変わりするのだろう。
帝都の門まで続く舗装された長い石道の両脇には、来る時に馬車の窓から見た通りに店が並んでいた。
「どこまでついてくるつもりでありますか」
「町を見学したいだけだ。繁華街っていうほど賑わってないけどな」
もうすぐ夕方へ差し掛かろうというのに、行き交う人々の数は増える気配を見せない。
見回りにしては物々しい装備の兵士が油断なく周囲に視線を走らせ、お約束のように売値が高いと各店に文句を言っている。
「あれは……」
ふとセベカが足を止めた。ロックオンされたみたいに、視線が路地裏へ続く入口から動かない。
カケルも目を凝らすと、派手めの女性が羽振りの良さそうな商人の腕に、露わにした胸元を押しつけていた。
「客引きか」
「男に媚びを売り、尻を振り、餌を貰う卑しい牝犬。見てるだけで反吐が出そうであります」
何もそこまでと言おうとして、慌ててやめる。女性同士でしかわからない嫌悪みたいな感情があるのかもしれない。
カケルの視線に気づいたセベカが、力なく息を吐いた。
「取り乱したであります。ああいう場面に遭遇すると、どうにも我慢できないであります。自分の母親を見てるみたいで」
男と女が連れ立って消えた路地裏を睨んだまま、セベカは言葉を続ける。
「物心ついた時には父はいなかったであります。浮気が別離の原因らしいのに、自分を連れた母が選んだのは、笑えることに男に抱かれて金を稼ぐ道だったのであります」
何て言ったらいいかわからず、カケルは黙って彼女の話を聞く。
「そんな大嫌いな母とは違い、王女殿下は聡明で純真で……初めてお会いした時に、自分の理想そのものだと思ったのであります」
崇拝するアイドルを語るように、両手を組んでセベカは空を見上げる。
「だから生涯をかけて支えのであります。それだけが自分の望みなのであります!」
「……俺なんかに言われたくないかもしれないけどさ、お母さんだって好きでその仕事を選んだわけじゃ……」
「そんなのはわかってるであります! だから……大嫌いなのであります……」
侍女の頬を透明な滴が伝った。
「嫌ってた母のおかげで自分は教育を受けられたであります。侍女に取り立てられ、王女殿下と知り合えたのもそうであります」
セベカ自身、決して努力を怠ってはいないだろうが、他の裕福な家庭に混ざって高等な教育を受けていなければ、今の道に進めていた可能性は低い。
「母は旧貴族だった父に嫁いだ平民であります。最初は他の貴族に援助を願い出たみたいですが、弄ばれて終わっただけだと後で知ったであります」
不愉快そうに顔をしかめたカケルに、セベカは旧貴族の扱いなんてそんなものでありますと零した。
「そんな境遇だったので、娼婦に身を堕とすしかなかったのも理解してるであります。ですが周りの貴族から指を差され、雇った講師に侮られ、母ともども襲われそうになったことは一度や二度ではなかったであります」
周囲から蔑まれる辛さはカケルもよく知っている。それだけに過去のセベカの境遇が身に染みて、気がつけば涙を流していた。
その様子を見たセベカはギョッとして、すぐに相好を崩した。
「自分のために泣いてくれるなんて、本当にカケル殿は変な人でありますね」
布製のハンカチをカケルに手渡し、セベカは唇を引き結ぶ。
「ですが……自分にそんな資格はないのであります。何故なら、大嫌いだと公言する母に、そんな真似をさせてきたのは他ならぬ自分なのであります!」
「セベカ……」
涙を止められなくなったセベカが、カケルの肩を掴んだ。
「カケル殿に夜這いをかけたあの日、自分も女だと思い知ったのであります! なのに母を嫌って……考えた末にさっきの結論に辿り着いて……もう何がなんだか……!」
頭突きするようにカケルの胸に顔を埋めたセベカが、人目も構わずに嗚咽を漏らす。
通り過ぎる兵士が怪訝そうに見るだけで、住人は気にも止めない。ドライさに戸惑うものの、今は都合が良かった。
「王女殿下を好きで……カケル殿に奪われたくなくて、男の汚い一面を知れば嫌ってもらえると、あんな真似をしたであります。軽蔑したでありますよね……」
「いや、そもそもリアはほとんど気づいてたし」
「――ッ!? そ、それは本当でありますか!?」
よほど衝撃的だったのか、セベカの涙が一時的に止まった。
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「……どうしてそう思うのでありますか?」
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「……プッ。カケル殿は本当に小説のことしか頭にないのでありますね。さすがにアーシャ殿が不憫に思えてきたであります」
「何でアーシャの名前が出るんだ?」
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