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第25話 トリガーハッピー
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黙って処刑されてやる義理もないので、地下牢脱出後は適当にぶらぶら。
第一発見侍女へ仲間の安否を尋ねてみたが、答える前に走り去ろうとしたので近くを銃撃。
顔色を青くすると同時に素直になった年かさの侍女は、俺が地下牢を脱出しないかの監視役でもあったのか、意外にも重要な情報も知っていた。
アニータたちはまとめて他の牢にいるらしく、侍女に案内させながら駆け寄る騎士たちをショットガンで吹っ飛ばしつつ目的の牢へ到達。
するとどうしたことか。忍者でございますといった感じの黒ずくめが騒ぎに乗じてナスターシアの牢の鍵を開けていた。
「もしかしてナスターシアさんの家の生き残りでしょうか。それでしたら、私の仲間の脱出もお願いします」
騎士から奪っていた鍵束を放り投げ、出入口に集結し始めている連中を問答無用で撃ちまくる。
銃声と悲鳴を聞きつけ、城に詰めている兵士がわらわらと集まってくる。
その中心にショットガンをぶっ放せば、衝撃でもって複数人が吹き飛ぶ。
なんと爽快感溢れる光景だろうか。
「フフフ、ウフフ、アーハッハッハ!」
楽しくなって微笑んだつもりが、いつの間にやら高笑い。
侍女服のアニータや元山賊団は慣れてきたのかあまり驚いていないが、レイナードや黒ずくめはドン引き中である。
というかレイナードは、どうして女性陣と一緒の牢にいるんだろう。
俺の訝しげな視線に気付いたのか、レイナードは軟禁されていた部屋を自力で脱出後、ナスターシアを助けようとして捕まったのだという。
「兵士がどんどん湧いてきますし、それも罠だったかもしれませんね」
「そういうことだ!」
声がして、中年婿養子が登場。相変わらず偉そうに王冠を被っている。
ふわふわもこもこのファーみたいなのが首回りについたマントを翻し、金色中心の細工が施されたお高そうな服で、腰に手を当てたりなどしている。
性格はアレだが、顔はイケメンなので意外に絵になってるな、ちくしょう。
待て。今の俺の外見はベアトリーチェだ。前世では到底似合わなかったポーズをとっても、白い目で見られたりはしないのではなかろうか。
「レイナードさんをわざと逃がし!」
悲しむように額に手を当て、作った影で目元を隠す。
「ナスターシアさんと合流させた上で、母子ともども逃亡罪で始末するつもりだったのですね!」
大仰に腕を払う動作からの一回転を決め、頬に流れてきた髪の毛をかき上げながらの右手の人差し指でビシッと示す。
どうだ。漫画とかアニメみたいだろう。
だのに周囲はえ? なにやってんのこいつみたいな空気で満ちている。
「……こほん。とにかく! そう簡単にあなたの思い通りにはなりませんよ」
新たに刻んでしまった黒歴史をなかったことにして、いつもよりもキリリッとした表情と作る。
……が、婿養子はなかなか反応せず、ずっと目を見開いたままだ。
電池が切れたのだろうか。
「ベアトリーチェ、貴様……」
あ、違った。
「今、なんと言った? ナスターシアとレイナードが母子だと?」
格好をつけるのに夢中で、うっかり秘密を暴露してしまってたぞ。
さてどうしようとナスターシアを見てみるが、処置なしとばかりに首を横に振られた。
黒ずくめも顔が見えないながら、呆れているのが雰囲気で伝わってくる。
「あー……ベアトリーチェ様の記憶によると、人に取り入るしか能がなく、権力を持てば偉そうに振る舞うことしか考えられない愚か者に肌を許すなどありえない。死んだ方がマシということで、代役を立てました」
どう説明していいかわからなかったので、ありのままを伝えたら、婿養子が顔を真っ赤にして震えだした。噴火寸前の火山みたいだな。
「他人事みたいに言いおって! ずっと余をたばかっておったのだな! この性悪女が! 今すぐこの手で殺してくれる!」
婿養子激おこ。
近衛騎士のひとりから剣を奪おうとするのを、周囲がさすがにそれはマズイと止める。
処刑ならまだしも、正統な王家の血を引くベアトリーチェを王自らが殺害するのはだめらしい。俺からするとどっちも同じ気がするんだが。
「怒るのはごもっともです。私も申し訳なく思っているのですよ。主にナスターシアさんに対して。好きでもない男の相手をさせてしまったのですから」
「お気になさらないでください。父親など所詮は種を製造するのが役目。顔を見なければどなたが相手でもさほど変わりません。大切なのは我が子のみです」
つらつらと辛辣な台詞を並べ、婿養子の顔を見るなり床に唾を吐く。ナスターシアはナスターシアで、奴に思うところがあったらしい。
レイナードが実母のヤンキーじみた行動に目を丸くしていたが、気を取り直して仲裁を試みようと顔と手を上げ、どうしようもなさそうにおろおろしだした。
黙っていれば女性にしか見えない顔立ちなので、どうにも可愛らしくて困る。
いけない扉が開きそうだ。頑丈な鍵がかかっているのを祈りたい。
「どいつもこいつも余をコケにしおって! いいから殺せ! 殺してしまえ!」
さらに顔面紅潮な婿養子。この調子で煽り続けたら、手を下すまでもなく血管が切れて故人になるのではなかろうか。
「姉御!」
危険を感じたのか、アニータが傍へくる。身を挺して俺を守ろうとするよりは、背中に隠れて盾にしている感じだが。
「悪い! 武器を奪われちまった!」
ナスターシアに短期間で仕込まれた侍女らしい言葉遣いも忘れ、悔しそうに顔をしかめる。
「それなら心配はいりません。グレネードランチャー、カムヒア!」
どこぞのヒーローよろしく、決めポーズ付きでグレネードランチャーを召喚。
呆気に取られる周囲へ声をかけるより先に、瞬く間に盛り上がる破壊衝動のままに発射。
兵士のひとりに直撃するなり、周囲を巻き込んで焼夷弾が燃え盛る。
「アアッハハハアアア! 城の中で見るキャンプファイヤーも乙なものですねえええ! 陛下もそうは思いませんかあああ!?」
グレネードランチャーの乱射で強引に道を作り、婿養子の膝を蹴って跪かせる。
「貴様、本当にベアトリーチェなのか?」
「ずいぶんなお言葉ですね。これでも長い年月夫婦であったではないですか。もっとも記憶にそうだという事実が残っているだけで、実感などありませんが」
相手が怒りに支配される前に、周囲に焼夷弾を巻き散らす。着々と完成していく地獄絵図に、背筋どころか下腹の奥までゾクゾクしてくる。
「ねえ、陛下あああ……私にそう呼ばれて、くそくだらない自尊心を満足させたかったのでしょう? 望みが叶った気分はどうですか? 最高ですか? このまま死んでも構わないくらいにうっとりしてますかあああ!?」
駆け寄ろうとする近衛騎士を手当たり次第に燃やし、泣きべそをかく一秒前の婿養子の顔面に靴の痕をくっきりとつける。
「もっと抵抗してくださいよおおお! 動かない的に当てても楽しくないんですよおおお! ほら、やり直しさせてあげますからあああ!」
立ち上がらなければ爆風で吹き飛ばし、興奮のしすぎで垂れてきたよだれを手の甲で拭う。
「貴様、こんなことをしてただで済むと思ってるのか!?」
「そんなの知ったことかあああ! さっさと逃げろよおおお! 楽しい気分に浸ってるのに、いらいらさせないでくれますかあああ!?」
「ひい、ひいいッ!」
勇気ある近衛兵はすでに倒れており、ナスターシアとレイナード、それに元山賊団の面々が牢の方へ引きずっては応急処置を行っていた。
レイナードが王位を継ぐ可能性を考えれば、世間的に実母となっている俺が城で大量虐殺を行うのは問題があるのかもしれない。
どうなのだろう。どうするべきだろう。
よし。とりあえず撃ってから考えよう。そうしよう。
「アアッハハハアアア! 早く逃げないとこんがり焼けてしまいますよおおお!? 不味そうなので誰も食べないでしょうけれど」
「やめろ! くるな! こっちにくるなあああ!」
「嫌わないでくださいよおおお! 悲しくてもっともっと撃ちたくなるじゃないですかあああ! ねえ、陛下……陛下あああ!」
「うわあああ! 誰でもいい! 余を助けろおおお!」
婿養子が四つん這いで逃げる。
グレネードランチャーが周囲に着弾するたび、情けない声を上げて頭を抱えるのが傑作だった。
「ああ……今の陛下は素敵ですよ。とっても輝いてますよ! 私、胸がキュンキュンして惚れてしまいそうですよおおお! 陛下もそれを望んでたんですよねえええ!? 嬉しいですよねえええ!?」
「すまなかった! 余が悪かった! もう勘弁してくれえええ!」
涙だらだら。鼻水どばどば。股間辺りがじんわり湿っているようにも見える。
「私たちにはお互いを理解する機会が足りなかったんです。なのでそこらを埋めるためにも踊りませんか? もちろん陛下おひとりで、ですけどねえええ!」
「うぎゃあああ!」
「おやおや、うっかり命中させてしまいました。でも、ああ……炎に包まれて踊る陛下は、今まで見てきた中で一番美しいですよおおお」
「お母様、やりすぎです! 早く衛生兵をもっと呼んでください!」
「メルティ! 姉御から武器を奪うよ!」
レイナードが呆然としている兵士たちを動かす。
アニータが仲間たちと、俺の背中にしがみついて体の自由を奪う。
俺はひたすら高笑い。
だって楽しいんだもの。
凄く楽しいんだもの。
「アアッハハハアアア!」
でも、まだ終わらない。
アニータたちには悪いが、獲物はまだ残っている。
第一発見侍女へ仲間の安否を尋ねてみたが、答える前に走り去ろうとしたので近くを銃撃。
顔色を青くすると同時に素直になった年かさの侍女は、俺が地下牢を脱出しないかの監視役でもあったのか、意外にも重要な情報も知っていた。
アニータたちはまとめて他の牢にいるらしく、侍女に案内させながら駆け寄る騎士たちをショットガンで吹っ飛ばしつつ目的の牢へ到達。
するとどうしたことか。忍者でございますといった感じの黒ずくめが騒ぎに乗じてナスターシアの牢の鍵を開けていた。
「もしかしてナスターシアさんの家の生き残りでしょうか。それでしたら、私の仲間の脱出もお願いします」
騎士から奪っていた鍵束を放り投げ、出入口に集結し始めている連中を問答無用で撃ちまくる。
銃声と悲鳴を聞きつけ、城に詰めている兵士がわらわらと集まってくる。
その中心にショットガンをぶっ放せば、衝撃でもって複数人が吹き飛ぶ。
なんと爽快感溢れる光景だろうか。
「フフフ、ウフフ、アーハッハッハ!」
楽しくなって微笑んだつもりが、いつの間にやら高笑い。
侍女服のアニータや元山賊団は慣れてきたのかあまり驚いていないが、レイナードや黒ずくめはドン引き中である。
というかレイナードは、どうして女性陣と一緒の牢にいるんだろう。
俺の訝しげな視線に気付いたのか、レイナードは軟禁されていた部屋を自力で脱出後、ナスターシアを助けようとして捕まったのだという。
「兵士がどんどん湧いてきますし、それも罠だったかもしれませんね」
「そういうことだ!」
声がして、中年婿養子が登場。相変わらず偉そうに王冠を被っている。
ふわふわもこもこのファーみたいなのが首回りについたマントを翻し、金色中心の細工が施されたお高そうな服で、腰に手を当てたりなどしている。
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待て。今の俺の外見はベアトリーチェだ。前世では到底似合わなかったポーズをとっても、白い目で見られたりはしないのではなかろうか。
「レイナードさんをわざと逃がし!」
悲しむように額に手を当て、作った影で目元を隠す。
「ナスターシアさんと合流させた上で、母子ともども逃亡罪で始末するつもりだったのですね!」
大仰に腕を払う動作からの一回転を決め、頬に流れてきた髪の毛をかき上げながらの右手の人差し指でビシッと示す。
どうだ。漫画とかアニメみたいだろう。
だのに周囲はえ? なにやってんのこいつみたいな空気で満ちている。
「……こほん。とにかく! そう簡単にあなたの思い通りにはなりませんよ」
新たに刻んでしまった黒歴史をなかったことにして、いつもよりもキリリッとした表情と作る。
……が、婿養子はなかなか反応せず、ずっと目を見開いたままだ。
電池が切れたのだろうか。
「ベアトリーチェ、貴様……」
あ、違った。
「今、なんと言った? ナスターシアとレイナードが母子だと?」
格好をつけるのに夢中で、うっかり秘密を暴露してしまってたぞ。
さてどうしようとナスターシアを見てみるが、処置なしとばかりに首を横に振られた。
黒ずくめも顔が見えないながら、呆れているのが雰囲気で伝わってくる。
「あー……ベアトリーチェ様の記憶によると、人に取り入るしか能がなく、権力を持てば偉そうに振る舞うことしか考えられない愚か者に肌を許すなどありえない。死んだ方がマシということで、代役を立てました」
どう説明していいかわからなかったので、ありのままを伝えたら、婿養子が顔を真っ赤にして震えだした。噴火寸前の火山みたいだな。
「他人事みたいに言いおって! ずっと余をたばかっておったのだな! この性悪女が! 今すぐこの手で殺してくれる!」
婿養子激おこ。
近衛騎士のひとりから剣を奪おうとするのを、周囲がさすがにそれはマズイと止める。
処刑ならまだしも、正統な王家の血を引くベアトリーチェを王自らが殺害するのはだめらしい。俺からするとどっちも同じ気がするんだが。
「怒るのはごもっともです。私も申し訳なく思っているのですよ。主にナスターシアさんに対して。好きでもない男の相手をさせてしまったのですから」
「お気になさらないでください。父親など所詮は種を製造するのが役目。顔を見なければどなたが相手でもさほど変わりません。大切なのは我が子のみです」
つらつらと辛辣な台詞を並べ、婿養子の顔を見るなり床に唾を吐く。ナスターシアはナスターシアで、奴に思うところがあったらしい。
レイナードが実母のヤンキーじみた行動に目を丸くしていたが、気を取り直して仲裁を試みようと顔と手を上げ、どうしようもなさそうにおろおろしだした。
黙っていれば女性にしか見えない顔立ちなので、どうにも可愛らしくて困る。
いけない扉が開きそうだ。頑丈な鍵がかかっているのを祈りたい。
「どいつもこいつも余をコケにしおって! いいから殺せ! 殺してしまえ!」
さらに顔面紅潮な婿養子。この調子で煽り続けたら、手を下すまでもなく血管が切れて故人になるのではなかろうか。
「姉御!」
危険を感じたのか、アニータが傍へくる。身を挺して俺を守ろうとするよりは、背中に隠れて盾にしている感じだが。
「悪い! 武器を奪われちまった!」
ナスターシアに短期間で仕込まれた侍女らしい言葉遣いも忘れ、悔しそうに顔をしかめる。
「それなら心配はいりません。グレネードランチャー、カムヒア!」
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呆気に取られる周囲へ声をかけるより先に、瞬く間に盛り上がる破壊衝動のままに発射。
兵士のひとりに直撃するなり、周囲を巻き込んで焼夷弾が燃え盛る。
「アアッハハハアアア! 城の中で見るキャンプファイヤーも乙なものですねえええ! 陛下もそうは思いませんかあああ!?」
グレネードランチャーの乱射で強引に道を作り、婿養子の膝を蹴って跪かせる。
「貴様、本当にベアトリーチェなのか?」
「ずいぶんなお言葉ですね。これでも長い年月夫婦であったではないですか。もっとも記憶にそうだという事実が残っているだけで、実感などありませんが」
相手が怒りに支配される前に、周囲に焼夷弾を巻き散らす。着々と完成していく地獄絵図に、背筋どころか下腹の奥までゾクゾクしてくる。
「ねえ、陛下あああ……私にそう呼ばれて、くそくだらない自尊心を満足させたかったのでしょう? 望みが叶った気分はどうですか? 最高ですか? このまま死んでも構わないくらいにうっとりしてますかあああ!?」
駆け寄ろうとする近衛騎士を手当たり次第に燃やし、泣きべそをかく一秒前の婿養子の顔面に靴の痕をくっきりとつける。
「もっと抵抗してくださいよおおお! 動かない的に当てても楽しくないんですよおおお! ほら、やり直しさせてあげますからあああ!」
立ち上がらなければ爆風で吹き飛ばし、興奮のしすぎで垂れてきたよだれを手の甲で拭う。
「貴様、こんなことをしてただで済むと思ってるのか!?」
「そんなの知ったことかあああ! さっさと逃げろよおおお! 楽しい気分に浸ってるのに、いらいらさせないでくれますかあああ!?」
「ひい、ひいいッ!」
勇気ある近衛兵はすでに倒れており、ナスターシアとレイナード、それに元山賊団の面々が牢の方へ引きずっては応急処置を行っていた。
レイナードが王位を継ぐ可能性を考えれば、世間的に実母となっている俺が城で大量虐殺を行うのは問題があるのかもしれない。
どうなのだろう。どうするべきだろう。
よし。とりあえず撃ってから考えよう。そうしよう。
「アアッハハハアアア! 早く逃げないとこんがり焼けてしまいますよおおお!? 不味そうなので誰も食べないでしょうけれど」
「やめろ! くるな! こっちにくるなあああ!」
「嫌わないでくださいよおおお! 悲しくてもっともっと撃ちたくなるじゃないですかあああ! ねえ、陛下……陛下あああ!」
「うわあああ! 誰でもいい! 余を助けろおおお!」
婿養子が四つん這いで逃げる。
グレネードランチャーが周囲に着弾するたび、情けない声を上げて頭を抱えるのが傑作だった。
「ああ……今の陛下は素敵ですよ。とっても輝いてますよ! 私、胸がキュンキュンして惚れてしまいそうですよおおお! 陛下もそれを望んでたんですよねえええ!? 嬉しいですよねえええ!?」
「すまなかった! 余が悪かった! もう勘弁してくれえええ!」
涙だらだら。鼻水どばどば。股間辺りがじんわり湿っているようにも見える。
「私たちにはお互いを理解する機会が足りなかったんです。なのでそこらを埋めるためにも踊りませんか? もちろん陛下おひとりで、ですけどねえええ!」
「うぎゃあああ!」
「おやおや、うっかり命中させてしまいました。でも、ああ……炎に包まれて踊る陛下は、今まで見てきた中で一番美しいですよおおお」
「お母様、やりすぎです! 早く衛生兵をもっと呼んでください!」
「メルティ! 姉御から武器を奪うよ!」
レイナードが呆然としている兵士たちを動かす。
アニータが仲間たちと、俺の背中にしがみついて体の自由を奪う。
俺はひたすら高笑い。
だって楽しいんだもの。
凄く楽しいんだもの。
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でも、まだ終わらない。
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