7 / 32
第7話 顔がいいと褒められたのです
しおりを挟む
悪事を働くにはリスクの高い町で堂々と……かどうかは不明だが、盗みを働いたのであれば、それなりの自信があるということになる。もしかしなくとも、三人の実力はカイルより上だろう。
本来なら隠れているべきだったかもしれないが、賊を目の前で黙って逃がして怯えていたとなれば、冒険者としての名前に傷がつく。
ギルドで仕事を請けるにも、本当にできるのかと疑われて紹介すらしてもらえなくなるかもしれない。冒険者として生きていくには、突発的なアクシデントを解決して名を上げるのも重要だ。
やるしかないか。覚悟を決めてカイルは衛兵に協力すると告げる。三人の男たちは、すでにこちらに気づいている。無関係を装おうにも、目撃者は殺すいう展開になる可能性も十分にある。
それならば衛兵と協力した方が、幾分かはマシな状況で戦える。上手く捕らえれば恩も売れる。
「俺は冒険者で戦士のカイル。隣は盗賊のサレッタ。あとは……」
「ナナはどらごんなのです。えっへん」
やはりどらごんだと自慢を開始したナナ。着ぐるみ姿で胸を張り、即座に現れたばかりの三人の男たちを見下ろそうとする。
当人は威圧感たっぷりの威嚇のつもりかもしれないが、相手からすれば着ぐるみを着た子供が遊んでいるようにしか見えない。案の定、目をパチクリされたあとで、腹を抱えて笑われる。
「おいおい。何の冗談だ。もしかして、俺たちの戦意を削ぐためのマスコットか? だとしたら作戦は成功だな。たっぷり笑わせてもらったぜ」
「むーっ。恐るべきどらごんのナナを笑うと、後悔するのです」
「へへへ。だったら、させてみろよ。ただし、できなかったらおとなしく捕まってもらうぜ? 男の方はいらねえが、そっちの女と嬢ちゃんはなかなかの面をしてるからな。たっぷり稼がせてもらおうか」
腹立たしい発言をした男たちに憤怒を感じて、腰のロングソードに手をかける。カイルの動きを見て、隣に立ってくれた衛兵も槍を持つ手に力を込める。
「冒険者カイル。協力に感謝をする。だが妻はともかく、子は逃がした方がいいのではないか? その、変わった子供ではあるが……」
カイルもそうしたいのだが、生憎とその二人が逃げようとしてくれない。それどころか――。
「えへへ。顔がいいと褒められたのです。あの人たちは、なかなか見どころがあるのです」
「そうね。なんといっても、ナナちゃんは私――お母さん似だもんね」
売られるという部分は聞こえなかったのか、なかなかの面をしてると言われて、満面の笑みで喜んでいる。
迂闊な反応を注意するべきなのに、一方のサレッタは褒められたと喜ぶナナの姿にでれでれだ。こういうのを親ばかというのだろう。
「ククク、いいねぇ。そうやって客の前でも、幸せそうな笑顔を浮かべててくれよ。そうすりゃ、痛い目にもあわねえだろ。そこに立ってる衛兵と冒険者の男みたいにな」
瞬間的に場を包む緊張感が膨れ上がる。先ほどまでは戦う気にすらなっていなかったのがよくわかる。
相手は三人。こちらはサレッタを数に入れて三人。数は互角で実力は向こうが上。町の出入口に近く、周囲には住居がない。物陰に隠れて、死角から敵を狙うのも不可能。まさに四面楚歌である。
頼りは隣の衛兵だけだが、さすがに三対一では分が悪い。カイルとサレッタが、敵のひとりをなんとか抑え込めても二対一だ。不利な状況には変わりない。
「他の衛兵が戻ってくるのを待つつもりなら無駄だぜ。そっちは陽動班が上手く引き付けてくれているからな」
布袋を抱えたままの男がニヤリとする。どうやら、三人の中で中央に立つその男こそがリーダーみたいだった。
「貴様ら……どこの盗賊団だ?」
緊張で頬に汗を流す衛兵が、槍を構えながら中央の男に低い声で聞いた。
「教える理由はねえんだが、死にゆくお前らへの餞別代りだ。俺たちは悪の牙。想像どおり盗賊団だ。それもつい先月、結成したばかりのな」
中央の男の説明を、その男から見て左前にいる仲間が引き継ぐ。顔を隠していても、外見から三人ともが男なのは一目瞭然だ。
「できたばかりだからって、侮ってもらっちゃ困るぜ。これまで単独で行動していた腕利きの連中が集まったんだ。いわば最強の盗賊団よ!」
「町にある金持ち商人の屋敷でひと盗みしてやったついでに、通行人の身ぐるみも剥がしてやったのさ」
仲良く三人全員が順番に発言したあと、声を揃えて笑う。まるで下手な芝居を見ているみたいだが、そうじゃないのはカイルの背中にかいている汗の量でわかる。
騒ぎを起こさずに盗みを終えるのは簡単だったが、つまらないからあえて騒ぎを起こした。目の前にいる連中はそう言ったのだ。
「裏事情を知れてよかったな。あの世で他の奴らに自慢していいぜ。例えば、俺にあっさり始末された商人の屋敷を護衛していた奴らとかにな」
人を殺したことすら、当たり前のように自慢してくる。こんな連中にやられたくないと剣を構えるが、簡単に実力の差を埋められるとは思えない。
では、どうするか。必死になって頭を働かせるが、知略に優れているわけでもないカイルには妙案が浮かばなかった。
「くそ……こうなったら、お前らだけでも逃げろ!」
盗賊連中から目を離さないようにしながら、カイルはサレッタとナナに言った。
「俺がなんとか時間を稼ぐ。その間に、冒険者ギルドに駆け込むんだ」
盗賊たちの仲間は陽動で動いているといった。この場から逃げたサレッタに気付けないだろうし、構っている余裕もないはずだ。
リーダー格の男が、見えている口元を歪めながら拍手をした。
「自らの命を犠牲にして、女を逃がすか。素晴らしい精神だ。冒険者を辞めて、騎士にでもなったらいいんじゃないか?」
リーダーの発言に、他の二人がゲラゲラ笑う。
カイルが睨みつけたところで、下衆な笑い声は止められない。
「立派な騎士道精神に敬意を表して、お前の目の前でそこの女を慰み者にしてやるよ。よかったな!」
「へへへ。さすがリーダーだ。そうこなくっちゃな。俺の見立てでは、あの女は処女だぜ」
「処女? ガキを連れてるのにか? ま、女に関してはお前の鼻は正確だからな。せいぜい楽しませてもらうとするか」
リーダー格の男の提案を拒否する者は誰もいない。揃いも揃って、不愉快極まりない視線をサレッタに向ける。
気色悪そうに全身をブルリとさせたサレッタは、いつになく両目を吊り上げて盗賊連中を怒鳴りつける。
「貴方たちみたいな下衆に、体を許すなんて絶対に嫌よ!」
「そりゃ、酷いな。俺のガラスのハートが傷ついたぜ。お詫びに、組織のマスコットになってもらうぜ。どういう役割があるかは……言わなくてもわかるよな?」
大切な幼馴染を悲惨な目にあわせてたまるかと、カイルは奥歯を強く噛んだ。こうなったら玉砕覚悟で突っ込むしかない。
「そっちのガキは貴族にでも売りつけるか。奴ら、意外に変態が多いからな」
「変なのを着てるが、ブロンドの髪や青い瞳はなかなかだしな。顔立ちもいい。高く売れそうだ」
連中は舌なめずりをしながら、サレッタの足元にいるナナをも見た。
「狂ってやがる……」
無意識に、そんな呟きがカイルの口から漏れた。怒りは沸点にまで到達しており、今すぐにでも飛びかかってやりたいくらいだ。そうしないのは、戦士として相手との力量差を把握してるからに他ならない。
勝利するのが難しいなら、なんとかサレッタとナナが逃げる時間を稼ぐ。隣にいる兵士に申し訳ないと思ってチラリと見る。カイルの視線を感じて目が合った兵士は、全部わかっているとばかりに笑みを浮かべた。どうやら彼も協力してくれるらしい。
「くくく。どうやら二人揃って覚悟を決めたみたいだが、甘すぎる。こっちはこの場に多くの衛兵が残ってる可能性も考慮して、盗賊団の中でも最強の三人で来たんだ。お前らごときが敵うどころか、時間稼ぎすらできる相手じゃねえんだよ」
「やってみなければわからない!」
「わかるんだよ」
リーダー格の男が言うなり、左右にいた二人がいきなり動いた。
黒い服が闇夜に紛れても、口元を出しているのだから目で追えるはず。そう考えたカイルの予想は甘かった。連中のスピードはまさしく圧倒的だった。
「カイル、後ろ!」
盗賊技能を持つサレッタの言葉を聞くなり、カイルは反射的に頭から前方へ飛んだ。
直後、どこからか繰り出された短剣が後頭部の髪の毛を数本切り落とした。
「よくかわしたな。愛の力ってやつか?」
ニヤニヤ笑いながら、一瞬にしてカイルの背後に回った盗賊のひとりが、追撃の蹴りを放ってくる。
倒れたまま転がって距離を取ろうとしたカイルの脇腹に、草鎧の上から衝撃が襲う。
「ぐあっ!」
二度、三度と蹴られ、次に顔面を狙われる。腕でなんとか防ぐものの、簡単には跳ね返せないほどの劣勢になってしまった。
本来なら隠れているべきだったかもしれないが、賊を目の前で黙って逃がして怯えていたとなれば、冒険者としての名前に傷がつく。
ギルドで仕事を請けるにも、本当にできるのかと疑われて紹介すらしてもらえなくなるかもしれない。冒険者として生きていくには、突発的なアクシデントを解決して名を上げるのも重要だ。
やるしかないか。覚悟を決めてカイルは衛兵に協力すると告げる。三人の男たちは、すでにこちらに気づいている。無関係を装おうにも、目撃者は殺すいう展開になる可能性も十分にある。
それならば衛兵と協力した方が、幾分かはマシな状況で戦える。上手く捕らえれば恩も売れる。
「俺は冒険者で戦士のカイル。隣は盗賊のサレッタ。あとは……」
「ナナはどらごんなのです。えっへん」
やはりどらごんだと自慢を開始したナナ。着ぐるみ姿で胸を張り、即座に現れたばかりの三人の男たちを見下ろそうとする。
当人は威圧感たっぷりの威嚇のつもりかもしれないが、相手からすれば着ぐるみを着た子供が遊んでいるようにしか見えない。案の定、目をパチクリされたあとで、腹を抱えて笑われる。
「おいおい。何の冗談だ。もしかして、俺たちの戦意を削ぐためのマスコットか? だとしたら作戦は成功だな。たっぷり笑わせてもらったぜ」
「むーっ。恐るべきどらごんのナナを笑うと、後悔するのです」
「へへへ。だったら、させてみろよ。ただし、できなかったらおとなしく捕まってもらうぜ? 男の方はいらねえが、そっちの女と嬢ちゃんはなかなかの面をしてるからな。たっぷり稼がせてもらおうか」
腹立たしい発言をした男たちに憤怒を感じて、腰のロングソードに手をかける。カイルの動きを見て、隣に立ってくれた衛兵も槍を持つ手に力を込める。
「冒険者カイル。協力に感謝をする。だが妻はともかく、子は逃がした方がいいのではないか? その、変わった子供ではあるが……」
カイルもそうしたいのだが、生憎とその二人が逃げようとしてくれない。それどころか――。
「えへへ。顔がいいと褒められたのです。あの人たちは、なかなか見どころがあるのです」
「そうね。なんといっても、ナナちゃんは私――お母さん似だもんね」
売られるという部分は聞こえなかったのか、なかなかの面をしてると言われて、満面の笑みで喜んでいる。
迂闊な反応を注意するべきなのに、一方のサレッタは褒められたと喜ぶナナの姿にでれでれだ。こういうのを親ばかというのだろう。
「ククク、いいねぇ。そうやって客の前でも、幸せそうな笑顔を浮かべててくれよ。そうすりゃ、痛い目にもあわねえだろ。そこに立ってる衛兵と冒険者の男みたいにな」
瞬間的に場を包む緊張感が膨れ上がる。先ほどまでは戦う気にすらなっていなかったのがよくわかる。
相手は三人。こちらはサレッタを数に入れて三人。数は互角で実力は向こうが上。町の出入口に近く、周囲には住居がない。物陰に隠れて、死角から敵を狙うのも不可能。まさに四面楚歌である。
頼りは隣の衛兵だけだが、さすがに三対一では分が悪い。カイルとサレッタが、敵のひとりをなんとか抑え込めても二対一だ。不利な状況には変わりない。
「他の衛兵が戻ってくるのを待つつもりなら無駄だぜ。そっちは陽動班が上手く引き付けてくれているからな」
布袋を抱えたままの男がニヤリとする。どうやら、三人の中で中央に立つその男こそがリーダーみたいだった。
「貴様ら……どこの盗賊団だ?」
緊張で頬に汗を流す衛兵が、槍を構えながら中央の男に低い声で聞いた。
「教える理由はねえんだが、死にゆくお前らへの餞別代りだ。俺たちは悪の牙。想像どおり盗賊団だ。それもつい先月、結成したばかりのな」
中央の男の説明を、その男から見て左前にいる仲間が引き継ぐ。顔を隠していても、外見から三人ともが男なのは一目瞭然だ。
「できたばかりだからって、侮ってもらっちゃ困るぜ。これまで単独で行動していた腕利きの連中が集まったんだ。いわば最強の盗賊団よ!」
「町にある金持ち商人の屋敷でひと盗みしてやったついでに、通行人の身ぐるみも剥がしてやったのさ」
仲良く三人全員が順番に発言したあと、声を揃えて笑う。まるで下手な芝居を見ているみたいだが、そうじゃないのはカイルの背中にかいている汗の量でわかる。
騒ぎを起こさずに盗みを終えるのは簡単だったが、つまらないからあえて騒ぎを起こした。目の前にいる連中はそう言ったのだ。
「裏事情を知れてよかったな。あの世で他の奴らに自慢していいぜ。例えば、俺にあっさり始末された商人の屋敷を護衛していた奴らとかにな」
人を殺したことすら、当たり前のように自慢してくる。こんな連中にやられたくないと剣を構えるが、簡単に実力の差を埋められるとは思えない。
では、どうするか。必死になって頭を働かせるが、知略に優れているわけでもないカイルには妙案が浮かばなかった。
「くそ……こうなったら、お前らだけでも逃げろ!」
盗賊連中から目を離さないようにしながら、カイルはサレッタとナナに言った。
「俺がなんとか時間を稼ぐ。その間に、冒険者ギルドに駆け込むんだ」
盗賊たちの仲間は陽動で動いているといった。この場から逃げたサレッタに気付けないだろうし、構っている余裕もないはずだ。
リーダー格の男が、見えている口元を歪めながら拍手をした。
「自らの命を犠牲にして、女を逃がすか。素晴らしい精神だ。冒険者を辞めて、騎士にでもなったらいいんじゃないか?」
リーダーの発言に、他の二人がゲラゲラ笑う。
カイルが睨みつけたところで、下衆な笑い声は止められない。
「立派な騎士道精神に敬意を表して、お前の目の前でそこの女を慰み者にしてやるよ。よかったな!」
「へへへ。さすがリーダーだ。そうこなくっちゃな。俺の見立てでは、あの女は処女だぜ」
「処女? ガキを連れてるのにか? ま、女に関してはお前の鼻は正確だからな。せいぜい楽しませてもらうとするか」
リーダー格の男の提案を拒否する者は誰もいない。揃いも揃って、不愉快極まりない視線をサレッタに向ける。
気色悪そうに全身をブルリとさせたサレッタは、いつになく両目を吊り上げて盗賊連中を怒鳴りつける。
「貴方たちみたいな下衆に、体を許すなんて絶対に嫌よ!」
「そりゃ、酷いな。俺のガラスのハートが傷ついたぜ。お詫びに、組織のマスコットになってもらうぜ。どういう役割があるかは……言わなくてもわかるよな?」
大切な幼馴染を悲惨な目にあわせてたまるかと、カイルは奥歯を強く噛んだ。こうなったら玉砕覚悟で突っ込むしかない。
「そっちのガキは貴族にでも売りつけるか。奴ら、意外に変態が多いからな」
「変なのを着てるが、ブロンドの髪や青い瞳はなかなかだしな。顔立ちもいい。高く売れそうだ」
連中は舌なめずりをしながら、サレッタの足元にいるナナをも見た。
「狂ってやがる……」
無意識に、そんな呟きがカイルの口から漏れた。怒りは沸点にまで到達しており、今すぐにでも飛びかかってやりたいくらいだ。そうしないのは、戦士として相手との力量差を把握してるからに他ならない。
勝利するのが難しいなら、なんとかサレッタとナナが逃げる時間を稼ぐ。隣にいる兵士に申し訳ないと思ってチラリと見る。カイルの視線を感じて目が合った兵士は、全部わかっているとばかりに笑みを浮かべた。どうやら彼も協力してくれるらしい。
「くくく。どうやら二人揃って覚悟を決めたみたいだが、甘すぎる。こっちはこの場に多くの衛兵が残ってる可能性も考慮して、盗賊団の中でも最強の三人で来たんだ。お前らごときが敵うどころか、時間稼ぎすらできる相手じゃねえんだよ」
「やってみなければわからない!」
「わかるんだよ」
リーダー格の男が言うなり、左右にいた二人がいきなり動いた。
黒い服が闇夜に紛れても、口元を出しているのだから目で追えるはず。そう考えたカイルの予想は甘かった。連中のスピードはまさしく圧倒的だった。
「カイル、後ろ!」
盗賊技能を持つサレッタの言葉を聞くなり、カイルは反射的に頭から前方へ飛んだ。
直後、どこからか繰り出された短剣が後頭部の髪の毛を数本切り落とした。
「よくかわしたな。愛の力ってやつか?」
ニヤニヤ笑いながら、一瞬にしてカイルの背後に回った盗賊のひとりが、追撃の蹴りを放ってくる。
倒れたまま転がって距離を取ろうとしたカイルの脇腹に、草鎧の上から衝撃が襲う。
「ぐあっ!」
二度、三度と蹴られ、次に顔面を狙われる。腕でなんとか防ぐものの、簡単には跳ね返せないほどの劣勢になってしまった。
10
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
転校してきてクラスメイトになったのが着ぐるみ美少女だった件について
ジャン・幸田
恋愛
転校生は着ぐるみ美少女? 新しいクラスメイト・雛乃は着ぐるみ美少女のマスクを被り一切しゃべることがなかった!
そんな彼女に恋をした新荘剛の恋の行方は? そもそも彼女は男それとも人間なのか? 謎は深まるばかり!
*奇数章では剛の、偶数章では雛乃の心情を描写していきます。
*着ぐるみは苦手という方は閲覧を回避してください。予定では原稿用紙150枚程度の中編になります。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
人形娘沙羅・いま遊園地勤務してます!
ジャン・幸田
ファンタジー
派遣社員をしていた沙羅は契約打ち切りに合い失業してしまった。次の仕事までのつなぎのつもりで、友人の紹介でとある派遣会社にいったら、いきなり人形の”中の人”にされたしまった!
遊園地で働く事になったが、中の人なのでまったく自分の思うどおりに出来なくなった沙羅の驚異に満ちた遊園地勤務が始る!
その人形は生身の人間をコントロールして稼動する機能があり文字通り”中の人”として強制的に働かされてしまうことになった。
*小説家になろうで『代わりに着ぐるみバイトに行ったら人形娘の姿に閉じ込められた』として投降している作品のリテイクです。思いつきで書いていたので遊園地のエピソードを丁寧にやっていくつもりです。
【完結済】姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
冒険野郎ども。
月芝
ファンタジー
女神さまからの祝福も、生まれ持った才能もありゃしない。
あるのは鍛え上げた肉体と、こつこつ積んだ経験、叩き上げた技術のみ。
でもそれが当たり前。そもそも冒険者の大半はそういうモノ。
世界には凡人が溢れかえっており、社会はそいつらで回っている。
これはそんな世界で足掻き続ける、おっさんたちの物語。
諸事情によって所属していたパーティーが解散。
路頭に迷うことになった三人のおっさんが、最後にひと花咲かせようぜと手を組んだ。
ずっと中堅どころで燻ぶっていた男たちの逆襲が、いま始まる!
※本作についての注意事項。
かわいいヒロイン?
いません。いてもおっさんには縁がありません。
かわいいマスコット?
いません。冒険に忙しいのでペットは飼えません。
じゃあいったい何があるのさ?
飛び散る男汁、漂う漢臭とか。あとは冒険、トラブル、熱き血潮と友情、ときおり女難。
そんなわけで、ここから先は男だらけの世界につき、
ハーレムだのチートだのと、夢見るボウヤは回れ右して、とっとと帰んな。
ただし、覚悟があるのならば一歩を踏み出せ。
さぁ、冒険の時間だ。
もふもふの銀猫は公爵令嬢に恋をする
松石 愛弓
恋愛
公爵令嬢シャルルは魔法学校に通っている。美形でタラシの王太子と婚約したばかりに、嫉妬に狂う令嬢たちから嫌がらせを受けることに。親同士が決めた婚約で、シャルルは王太子妃になりたいとは思っていない。しかし、王太子は婚約破棄もしてくれない。困っていると、同級生サファーロがシャルルを助けてくれた。サファーロは優しくて、なぜか懐かしい感じがした。実は、サファーロとシャルルは前世でも知り合いで、前世の日本でサファーロはずっとシャルルに片思いしていた。しかし、サファーロは辺境伯爵の次男。家督も継げないし、シャルルとは立場が釣り合わないと思っている。今世での2人の恋の行方は…? 序盤はかわいそうな感じなのですが、狐の和み亭あたりからコメディ路線になる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる