27 / 29
三章
リュカside 恋バナ
しおりを挟む「ノアちゃんがお兄さんを好きなのは少し意外でした。」
リュカはそう前置きをしてから本題に入る。
「リュカは、《リュカ》になる前までは貴族って言う生き物自体嫌いだった。
あいつらはリュカ達平民のことを生き物だとすら思ってない。
よく貴族に性的なことに使われた。
ーでも、リュカはそれを笑って受け入れるしかなかった。
お金を稼ぐにはそうするしかなかった。
それに、あいつらは魔法が使えて、抵抗したところで負けるだけだから。
本当は嫌だった。毎日毎日体を売る生活なんて。
殴られることだってあった。
ーだから、貴族のことは嫌い。」
思い出すと胸が苦しくなる。
「ー嫌い、だった。でも、皆が皆、そうじゃないって分かった。
少なくとも、トワちゃんは…。
助けてもらったとき、輝いて見えたんだ。」
ただそれだけの理由かよって、しょうもない、って、思われてしまうかもしれない。
だけど、リュカにとってはそれだけで充分だった。
「そうだったんですね…。大変だったでしょう。リュカ様。」
いつもの喋り方でなくなっているノアはリュカの頭をただひたすら撫でてくれた。
ノアも元は貴族で、何かしらの理由があって現在こうなっているということもリュカには何となく分かっていた。
魔法を使っている姿を見て確信した。
ノアは貴族だったのだと。
だから、あの時、ノアがひどく恐ろしく見えたのだ。
「僕にも分かります。リュカ様の気持ちが。だから僕は今、ここにいるわけですし。」
(でも、今のノアを見ていると、勘違いしていたのだと思う)
何があったのかは分からないが、
ーノアはあの貴族達とは違う。
そう思った。
「ありがとう…。話聞いてくれて。」
「いえいえ~!大丈夫ですよぉ~?リュカ様ぁ~!疲れちゃったでしょうしそろそろ寝ましょぉかぁ~!」
いつもの喋り方に戻ったノアはそのまま部屋の灯りを消した。
(きっと、ノアの期待した恋バナではないんだろうな)
ノアに対し申し訳ない、と思いながらも、すっきりした気持ちに
なったリュカは、そのまま眠りに落ちた。
32
お気に入りに追加
189
あなたにおすすめの小説
賢者となって逆行したら「稀代のたらし」だと言われるようになりました。
かるぼん
BL
********************
ヴィンセント・ウィンバークの最悪の人生はやはり最悪の形で終わりを迎えた。
監禁され、牢獄の中で誰にも看取られず、ひとり悲しくこの生を終える。
もう一度、やり直せたなら…
そう思いながら遠のく意識に身をゆだね……
気が付くと「最悪」の始まりだった子ども時代に逆行していた。
逆行したヴィンセントは今回こそ、後悔のない人生を送ることを固く決意し二度目となる新たな人生を歩み始めた。
自分の最悪だった人生を回収していく過程で、逆行前には得られなかった多くの大事な人と出会う。
孤独だったヴィンセントにとって、とても貴重でありがたい存在。
しかし彼らは口をそろえてこう言うのだ
「君は稀代のたらしだね。」
ほのかにBLが漂う、逆行やり直し系ファンタジー!
よろしくお願い致します!!
********************
暴君王子の顔が良すぎる!
すももゆず
BL
気がついたら異世界で生きていたジェード。現実世界での記憶はあるものの、特に困ることなく平和に過ごしていた。
とある日、王族のパレードで王子を見た瞬間ジェードは全てを理解した。
あの王子の顔……! 見たことがある……!
その王子はジェードが現実世界で顔に一目惚れした、BLゲームの登場人物、イーディス王子そのものだった。
ここが異世界じゃなくてBLゲームの世界だと気づいたジェードは超ド好みのイーディス王子の顔面を拝むため、城の従者として働くことを決意する。
……が、イーディス王子は見た目からは想像できないほど傲慢でえらそうな暴君王子だった……!?
でも顔がいいから許す!!!
恥ずかしくてゲームは未プレイだったジェードがなんだかんだ初見プレイで王子を攻略していく話。(予定)
転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
俺の死亡フラグは完全に回避された!
・・・と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ラブコメが描きたかったので書きました。
嫌われ悪役令息に転生したけど手遅れでした。
ゆゆり
BL
俺、成海 流唯 (なるみ るい)は今流行りの異世界転生をするも転生先の悪役令息はもう断罪された後。せめて断罪中とかじゃない⁉︎
騎士団長×悪役令息
処女作で作者が学生なこともあり、投稿頻度が乏しいです。誤字脱字など等がたくさんあると思いますが、あたたかいめで見てくださればなと思います!物語はそんなに長くする予定ではないです。
隠し攻略対象者に転生したので恋愛相談に乗ってみた。~『愛の女神』なんて言う不本意な称号を付けないでください‼~
黒雨
BL
罰ゲームでやっていた乙女ゲーム『君と出会えた奇跡に感謝を』の隠し攻略対象者に転生してしまった⁉
攻略対象者ではなくモブとして平凡平穏に生きたい...でも、無理そうなんでサポートキャラとして生きていきたいと思います!
………ちょっ、なんでヒロインや攻略対象、モブの恋のサポートをしたら『愛の女神』なんて言う不本意な称号を付けるんですか⁈
これは、暇つぶしをかねてヒロインや攻略対象の恋愛相談に乗っていたら『愛の女神』などと不本意な称号を付けられた主人公の話です。
◆注意◆
本作品はムーンライトノベルズさん、エブリスタさんにも投稿しております。同一の作者なのでご了承ください。アルファポリスさんが先行投稿です。
少し題名をわかりやすいように変更しました。無駄に長くてすいませんね(笑)
それから、これは処女作です。つたない文章で申し訳ないですが、ゆっくり投稿していこうと思います。間違いや感想、アドバイスなどお待ちしております。ではではお楽しみくださいませ。
悪役令息の死ぬ前に
ゆるり
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」
ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。
彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。
さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。
青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。
「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」
男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。
元魔王様は今世こそ平凡スローライフを開拓したい、、、のですが、元勇者(今世王子)が離れません!!!〜ベタつき具合はスライム並みです〜
しおりんごん
BL
いきなりだけど、『魔王』って聞いて思い浮かぶイメージはどんなのがある?
残虐?恐ろしい?人間をいたぶる?やばい奴?怖い?
うんうん、、、大体はそんな感じだよね
え?魔王、、、受け?勇者攻め?、、、何を言ってる?
と、とりあえず、、、なんかこわーい存在ってのはある程度の共有認識なんだと思う
、、、けどさ
俺はそんなことなかったから!!!!!!!!!!
確かに前任魔王(父)は道すがら人街を潰してきたり、秘境のドラゴンいたぶって舎弟にしたり、でっかい森を人間たちへの嫌がらせで更地にしたりしてたけど!
俺は争い事とか、痛いこととか、辛いこととか、魚を食べることとか、、、
全然好まないし、人間ともラブアンドピースで生きて行きたかったわけ!!!
と、まぁ過去形だから、もう俺の魔王としての生涯は終わったんだけど
だけども気が付けばなんと二度目の人生スタートしちゃってて!!
俺は念願の人として生まれることができたのなら、人が溢れる街から遠くの田舎町で牛に囲まれて、自給自足のスローライフで一生をゆっくり終えたいわけさ!
だから俺の理想のスローライフを開拓するため、、、とにかく活動開始だ〜!!
って、、、うん?前世帰り?魔導学校?元勇者の第二王子?!?!
あ、あの頭のネジが二桁は外れてる、イカれ勇者の生まれ変わり?!
おい!そんなの聞いてなっ、、、「あー、、、みぃつけた、キィちゃん♡」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!!」
俺の念願の人生、、、どうやら波乱確定らしいです
前世から激重感情持ちの前世勇者、今世第二王子の攻め×前世から念願の自由な人生を獲得するも、今世でも攻めに振り回され、逃げられない元魔王受け(チートではある)
【完】俺の嫁はどうも悪役令息にしては優し過ぎる。
福の島
BL
日本でのびのび大学生やってたはずの俺が、異世界に産まれて早16年、ついに婚約者(笑)が出来た。
そこそこ有名貴族の実家だからか、婚約者になりたいっていう輩は居たんだが…俺の意見的には絶対NO。
理由としては…まぁ前世の記憶を思い返しても女の人に良いイメージがねぇから。
だが人生そう甘くない、長男の為にも早く家を出て欲しい両親VS婚約者ヤダー俺の勝負は、俺がちゃんと学校に行って婚約者を探すことで落ち着いた。
なんかいい人居ねぇかなとか思ってたら婚約者に虐められちゃってる悪役令息がいるじゃんと…
俺はソイツを貰うことにした。
怠慢だけど実はハイスペックスパダリ×フハハハ系美人悪役令息
弱ざまぁ(?)
1万字短編完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる