死に戻り悪役令息は二人の恋を応援…するはずだった…。

ましろ

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三章

お風呂3

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僕は動揺することしかできなかった。


そのまま、殿下の顔がゆっくりと近付いてきた。 



ゆっくりと、ゆっくりと…僕の唇と殿下の唇があと少しで触れる…



ーという瞬間、扉が勢い良く開いた。 



「トワー!お兄ちゃんも風呂に入れてくれ…って、2人とも…!」 

シャンプー、ポディ-ソープ、タオル、

…そして何故かあひるのおもちゃの入った桶を足元に落としたお兄様はどんどん顔が青ざめていく。

「も、もしかしてー!?」 


「あ、あの、お兄さ…誤解で…「のぼせてしまったのか!大変だ!」 


ーうん、我ながら僕のお兄様は天然だなぁ。ま、そんなところが好きなんだけど。


けど、正直殿下が何を考えていたのか、そういうシーンだったのか。

ー僕には何も分からない。 


「そ、そう…かな!目眩がして倒れちゃったんだ!大丈夫だよ!お兄ちゃん!」 

そう言って体を起こそうとすると殿下に手を差しのべられる。 



「…あ、ありがとう、殿下。」 

「どういたしまして。」 



少し見つめ合っていると、お兄様に声を掛けられたので、殿下の体を洗うことに集中した。


___________________________




「やっぱり、トワちゃん…あいつ殿下のこと好きなのかな…」

手を握りしめ。力が強すぎたのか、手に血が滲む。

ーが、その声の主はそのことを気にしていない様子でトワとレオンハルトの様子を物陰から睨んでいた。

(好きなのならば殺してやろうか。)

「かもしれないですねぇ~!リュカ様ぁ!」

「!」

「おやおや?そんなに驚かなくてもいいじゃないですかぁ~!」

突然現れた声の主はノアだった。いつの間に背後にいたのか…。全く気配がしなかった。

何を考えているのか全く分からないため、リュカは得意ではないタイプの人間だ。

「の、ノアちゃん。どうしたの?」


「僕もリュカ様のお気持ちは分かりますよぉ~!

ですが、もし、殺してしまおうとお考えなら止めてくださいねぇ~?

きっと、あなたの愛しの彼もぉ

…そんなことをお望みではありません。

それに、もしその考えを実行しようとお考えでしたらぁ…

ーリュカ、あなたを殺しますよぉ?」


いつもの様子とは想像もできないほどの冷たい目をリュカに向けた。リュカがノアの真顔を見るのは初めてだ。

(ノアがあんな低い声を出すなんて…)


「…ではでは、リュカ様。また後で一緒にお風呂に入りましょ~ねぇ~!」

去り際に投げキッスをしながらウインクをするノア。

そんな彼に対しリュカは恐怖で体ががくがくと震えていた。


敵に回してはいけないタイプである。

そのことを本能で感じた。


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本当に筆が遅く、内容もゴミだし、文章下手くそですが、読んでくださり、本当にありがとうございます。感想などあればコメントください。もっとこうした方がいいなどあれば書いてくださると出来る範囲であれば改善します。
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