死に戻り悪役令息は二人の恋を応援…するはずだった…。

一章

お兄様に会いに

「じゃあ、早速行こう！」　

そう言い僕達が僕達が向かった場所は…


お兄様の部屋だった。　　　



何故お兄様の部屋に行くのかって？　　

…実はこの世界では、未成年の貴族の場合は外出に親からの許可がいるのだ。

誘拐されないようにするため。だそうだ。


親ではなくなぜ兄なのか？

僕の親は既に他界しているんだ。

両親は自殺して死んだ。でも自業自得だとおもっている。

ー何故か？

…質問が多いね。


両親は僕を虐待していたのだ。それが発覚し、捕まり、牢屋に入れられた。

きっとあれでも一応貴族だったから、牢屋での生活に堪えられなかったのだろう。　それで自殺したのだ。

自分のことを虐待していた奴が自殺したと聞いても全く悲しくはならなかった。むしろ喜びの方が強かったと思う。









ー虐待されていることに気付いてくれたのは殿下だった。

殿下は虐待により精神が崩壊しかけていた僕に対して優しく接してくれた。

そんな人を好きにならないわけがなく、僕はすぐに殿下に惚れた。　　　

でも、誰だって好きになると思う。あんなイケメンに毎日毎日可愛い。可愛い。なんて言われていたら。


きっと殿下は優しいから、親のいない僕のことを心配しているだけで、他意はないのだろう。

なのに、前世の僕は〃厚意〃を〃好意〃と勘違いして、殿下に近づくもの全員に〃制裁〃を下した。　

盲目的に殿下のことを愛していた。そして、殿下も自身のことが好きだと思い込んでいた。

でも、殿下は僕に対して距離が近かったり、可愛いなどと言ってくれるが、一言も〃好き〃や〃愛してる〃なんて言葉は一度もなかった。

前世の僕は何て愚かなんだろうか。





ーでも、殿下のリュカを見る目はそこまで優しくなかったように感じる。

これは、自惚れかもしれないが、リュカを見る目よりも僕を見る目の方が優しく感じる。


殿下は好きな相手には少し冷たくなるタイプなのだろうか。