レイティア

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フワフワする
あったかい

『起きたのか?』

ニャァ?

『もう少し寝ていても良いぞ。』

とっても柔らかくて優しい声
安心する

スリスリ

『ククッ』

優しい笑い声に目を開くと、グランデの優しい目と目があった。

『もう起きるか?』
『うん』

グランデは僕をグルーミングしてくれた。
耳の裏を舐められるのはとっても気持ちいい


それから僕はグランデと歩き回った。

でも…知ってる場所はなかった…

お腹も空いたよ…
ご主人様…会いたいよ…

『腹が減ったな…
来い…飯にしよう。』

グランデは僕が泣きそうになったのに気付いたのか、僕の顔を舐めてくれた。

ご飯は魚だった。
グランデが川辺の橋下で僕に待っているように言い、川の中に入っていった。
最初はびっくりして焦ったけど、グランデは上手に魚を加えて僕の元に戻ってきた。
グランデはあっという間に4匹の魚を取ってきた。

『ほら食え。』
『…』
『どうした?』

グランデは不思議そうに僕を見る。
僕は魚を見て困っていた。

『僕…魚食べた事ない…どう食べれば良いの?』
『…見本を見せてやる。
同じように食え。』
『うん』

グランデはとっても上手に魚を食べていた。
僕は同じように食べたのに、グチャグチャになっちゃった。
初めての魚は血の匂いに頭がクラクラした。
食べ終わった僕は顔に魚の血がいっぱいついて、グランデが舐めとってくれた。

次の日も、その次の日も…グランデは僕に付き合ってご主人様のお家を探してくれた。
でも…僕は初めて外に出たから、どれが見たことあるのかもよくわからなくなっていた。

『…そう落ち込むな。
そのうちリシュータの主人が見つけてくれるだろ。』
『ッ‼︎…し…ない。』
『どうした?』
『探してないよ!きっと…』
グス
『どうした?何があった?』
泣き出した僕を優しく舐めながら、グランデは労わるように聞いてくる。

『だって…だって僕‼︎ご主人様に外に出ちゃダメって言われたのに、勝手に出て…何日も帰ってない…きっとご主人様怒って僕なんて…僕なんていらないって忘れてる‼︎』

グスグス泣く僕をグランデは静かに舐めて抱きしめてくれていた。

不意にグランデが静かに言った。

『言いつけを守らなかったリシュータは悪い。』
ズキ
胸が痛くなる
『けど、そんな事でリシュータを捨てるような酷い主人なのか?』
『違う‼︎ご主人様はとっても優しんだ!とっても…とっても……会い…たいよぉ~…グス』
『なら、明日も探してみよう。
もし本当に要らないって言われたなら、これからも一緒にいればいい。』
『うん』

僕はグランデの胸に頭をグリグリしながら、いつの間にか眠っていた。
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