悪役子息転生〜乙女ゲームなんて知りません〜

レイティア

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本編

諦め

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記憶が戻る前のルシェリオは、両親に愛されてる兄を見て、愛されたがっていた

が…あれはダメだ

前世の母がそうだったけど、ルシェリオの両親も僕の母も、僕達を家族とは見てない

それどころか、犯罪者のように思っている

僕達の罪は簡単で、たった1つ

僕の母は父の浮気相手で、父の遊びの末にできた僕は、邪魔でしかなく、母共々拒否された

母からすれば、僕が産まれたから拒否されたと思ってる

ルシェリオの両親は、母が身篭ってることを盛大に周りに言ってたから、黒でもお披露目しなければならず、家の顔に泥を塗ったと思われてる

要は、親の思い通りにならなかった事が僕達の罪だ

僕のおじいちゃんとおばあちゃんは、優しくて、でも厳しくて、しっかりとした、地に足がついた"人"だった

そんな祖父母に育てられて、僕は愛情も、優しさも、理不尽も知って、考える事の大切さを教えられてきたから、八つ当たりみたいなものだと、愛されようとしても無駄だと、諦めもついた

むしろ、ほんとに母は祖父母から産まれたのかと疑っていたくらいに

でも、ルシェリオの世界はこの家だけで、それが八つ当たりみたいなものだなんて気付けずに、ずっと自分が悪いと思ってた

自分が悪いから愛されないと思いながらも、愛されることを望んでいた



まぁ、思い出した以上、両親になんの未練もないけどね
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