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5章:エルフの国と軍師の策略
98:予期せぬ再会
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「貴様ら一体何者だ!」
俺たちが近づいていくと女騎士の方が声をあげる。
もう一人の女の子は少しおびえてるようだ。
だが、何と言っても今俺の目の前にいる二人の格好はひどいものだ。
局部は見えてないが、女騎士の方はよりをはがされ下の服も破れている。女の子の方はせっかくのきれいなドレスが千切れ、土で汚れている。
そんな状態で、手足を鎖で繋がれ、両手の鎖は上からつりさげられている感じだ。
俺はムラクモの柄へと手をかける。
「な、なにをする気だ!」
俺が女の子の方を見ると、女騎士が俺さらに声を張り上げる。
だが、俺はその静止を聞かずにムラクモを抜刀し、まっすぐ横に薙ぐ。
ガキンッ
そんな音と共に女の子は地面に倒れる。
それは体を支えていた両腕の鎖が外れたからだ。俺はそのまま足の鎖も切ってやる。
「フロン、この子を頼む」
俺はフロンにそう言って棺からもしもの時用に買ってあったノワールの服を取り出し渡す。
「わかりました」
フロンは服を受け取り、素早く女の子の対処を開始する。
そして俺は、女騎士の方へと向き直る。
「な、なんだ助けてくれるのか?」
「まぁな!」
俺は女騎士の両手両足の鎖もムラクモで断ち切る。
相当弱っていたようで、そのまま床へと倒れそうなところをどうにか支える。
「す、すまない」
顔の横から女騎士のそんな声が聞こえる。
この格好で男に支えられているのだ。きっと恥ずかしいのだろう。
俺は棺からティナの服を取り出し、女騎士へと渡す。
そのまま俺は女騎士を座らせると、反対を向いた。
「かたじけない」
「気にするな」
「ユウ様!」
すると、女の子を開放していたフロンがこっちに走ってくる。
「あの女の子どうやら、声が出ないようなんです」
俺はこの言葉を聞いてようやく納得がいった。
通りで、ここにたどり着いてからあの女の子が一言も言葉を発していないわけか。
「クシャーナ様は、幼少期に喉の病気にかかられてから言葉を発せなくなってしまったのだ。いつもは紙とペンを持っていてそれで意思疎通を図るのだが……」
ティナの服を着た女騎士が情報を足してくる。
多分オークの襲撃で、失くしてしまったのだろう。
「そういえば、まだ名前を言ってなかったな。私の名前はネル・ディーナ・ハインド。ネルと呼んでくれ」
片膝をつき、胸に手を当て首を垂れるネル。
よく見ると胸の部分が、ぶかぶかだ。俺はすぐに顔をそらす。
「俺はユウ・ツキカゲ。ユウでいい。こっちはフロン」
自己紹介されたら返すものだ。
「ご主人様の1番奴隷のフロン・フィールです」
俺のあとに続いて、フロンがネルに自己紹介をする。
「ど、奴隷だと。まさか私たちも、奴隷に!?」
スッと女騎士が後ろに下がり、身構える。
「フロンが余計なこと言うからだ。誤解を解いておいてくれ、俺は女の子のところに行ってくる」
「すみません」
「ふっ、冗談だ」
俺はフロンの頭をぽんと叩くと女の子の方へと向かった。
俺が女の子の方に近づくと、怯える様な表情を見せた。
こんな年の女の子が、オークに連れ去られたり、見知らぬものに助けられたり、怖がっても仕方がない。
「大丈夫だ。俺はお前に怖い思いをさせたりしない」
俺は女の子に対して話かける。
女の子はびくっと反応する。そして口を動かす。
だが、声が出せない女の子がいくら口を動かしても声が出ることは無い。
女の子が言った言葉話口の動きから予想がついていた。
たった3文字「ほんと?」だ。
「あーほんとだ。だから安心していい」
俺は優しく女の子の頭を撫でる。
撫で始めはびっくりしていた様だが、しばらく撫で続けているとその顔が緩んできた。気持ちよくなってくれているみたいだ。
女の子が落ち着いたところで本題に入ろうとしたとき、後ろから足音が聞こえる。
その足音は4つ。2つはフロンとネルだろう。
あとの二つは……。
「ご主人様、ネルさんの誤解を解きましたよ」
「あっユウ様、なかなか連絡来ないから心配してきちゃいましたよ」
まず、顔を出したのはフロンとティナ。それそれ、別の道・・・から現れる。
この洞窟は入り組んでいていくつか道がある。
そしてその2人のあとに続くようにまた別々の道から、フィリアとネルが顔を出し、そしてお互いの存在に気づき、顔を合わせる。
「ま、まさか。お前は……フィリアか?」
「っ!?」
すると、まず声を出したのはネルだった。だが、その声を聞き顔を確認したフィリアはその場から逃げるようにして洞窟の外へと走っていく。
「ちっ」
俺は思わず舌打ちしてしまう。
「おい、ネル。お前とフィリアはどういう関係だ!」
俺が少し声を強めにネルに質問を投げる。
「わ、私とフィリアは一緒の孤児院で暮らしていた。私はただ、フィリアに謝りたかっただけなのだ」
その言葉だけで何となく状況は察することができた。
「ティナとフロンはこの二人の護衛。このまま外に出てノワールと共に待機。俺はフィリアを追う」
「わかりました」
ティナがすぐに反応する。
そして俺は女の子の方に向かい頭に手をポンと乗せると優しく撫でる。
もう撫でられることに抵抗がなくなったのかその手を受け入れる。
「少し待っててくれ、俺がお前も助けてやる」
俺はそれだけ言い残すと、俺は足に力を入れ全力でフィリアのあとを追った。
俺たちが近づいていくと女騎士の方が声をあげる。
もう一人の女の子は少しおびえてるようだ。
だが、何と言っても今俺の目の前にいる二人の格好はひどいものだ。
局部は見えてないが、女騎士の方はよりをはがされ下の服も破れている。女の子の方はせっかくのきれいなドレスが千切れ、土で汚れている。
そんな状態で、手足を鎖で繋がれ、両手の鎖は上からつりさげられている感じだ。
俺はムラクモの柄へと手をかける。
「な、なにをする気だ!」
俺が女の子の方を見ると、女騎士が俺さらに声を張り上げる。
だが、俺はその静止を聞かずにムラクモを抜刀し、まっすぐ横に薙ぐ。
ガキンッ
そんな音と共に女の子は地面に倒れる。
それは体を支えていた両腕の鎖が外れたからだ。俺はそのまま足の鎖も切ってやる。
「フロン、この子を頼む」
俺はフロンにそう言って棺からもしもの時用に買ってあったノワールの服を取り出し渡す。
「わかりました」
フロンは服を受け取り、素早く女の子の対処を開始する。
そして俺は、女騎士の方へと向き直る。
「な、なんだ助けてくれるのか?」
「まぁな!」
俺は女騎士の両手両足の鎖もムラクモで断ち切る。
相当弱っていたようで、そのまま床へと倒れそうなところをどうにか支える。
「す、すまない」
顔の横から女騎士のそんな声が聞こえる。
この格好で男に支えられているのだ。きっと恥ずかしいのだろう。
俺は棺からティナの服を取り出し、女騎士へと渡す。
そのまま俺は女騎士を座らせると、反対を向いた。
「かたじけない」
「気にするな」
「ユウ様!」
すると、女の子を開放していたフロンがこっちに走ってくる。
「あの女の子どうやら、声が出ないようなんです」
俺はこの言葉を聞いてようやく納得がいった。
通りで、ここにたどり着いてからあの女の子が一言も言葉を発していないわけか。
「クシャーナ様は、幼少期に喉の病気にかかられてから言葉を発せなくなってしまったのだ。いつもは紙とペンを持っていてそれで意思疎通を図るのだが……」
ティナの服を着た女騎士が情報を足してくる。
多分オークの襲撃で、失くしてしまったのだろう。
「そういえば、まだ名前を言ってなかったな。私の名前はネル・ディーナ・ハインド。ネルと呼んでくれ」
片膝をつき、胸に手を当て首を垂れるネル。
よく見ると胸の部分が、ぶかぶかだ。俺はすぐに顔をそらす。
「俺はユウ・ツキカゲ。ユウでいい。こっちはフロン」
自己紹介されたら返すものだ。
「ご主人様の1番奴隷のフロン・フィールです」
俺のあとに続いて、フロンがネルに自己紹介をする。
「ど、奴隷だと。まさか私たちも、奴隷に!?」
スッと女騎士が後ろに下がり、身構える。
「フロンが余計なこと言うからだ。誤解を解いておいてくれ、俺は女の子のところに行ってくる」
「すみません」
「ふっ、冗談だ」
俺はフロンの頭をぽんと叩くと女の子の方へと向かった。
俺が女の子の方に近づくと、怯える様な表情を見せた。
こんな年の女の子が、オークに連れ去られたり、見知らぬものに助けられたり、怖がっても仕方がない。
「大丈夫だ。俺はお前に怖い思いをさせたりしない」
俺は女の子に対して話かける。
女の子はびくっと反応する。そして口を動かす。
だが、声が出せない女の子がいくら口を動かしても声が出ることは無い。
女の子が言った言葉話口の動きから予想がついていた。
たった3文字「ほんと?」だ。
「あーほんとだ。だから安心していい」
俺は優しく女の子の頭を撫でる。
撫で始めはびっくりしていた様だが、しばらく撫で続けているとその顔が緩んできた。気持ちよくなってくれているみたいだ。
女の子が落ち着いたところで本題に入ろうとしたとき、後ろから足音が聞こえる。
その足音は4つ。2つはフロンとネルだろう。
あとの二つは……。
「ご主人様、ネルさんの誤解を解きましたよ」
「あっユウ様、なかなか連絡来ないから心配してきちゃいましたよ」
まず、顔を出したのはフロンとティナ。それそれ、別の道・・・から現れる。
この洞窟は入り組んでいていくつか道がある。
そしてその2人のあとに続くようにまた別々の道から、フィリアとネルが顔を出し、そしてお互いの存在に気づき、顔を合わせる。
「ま、まさか。お前は……フィリアか?」
「っ!?」
すると、まず声を出したのはネルだった。だが、その声を聞き顔を確認したフィリアはその場から逃げるようにして洞窟の外へと走っていく。
「ちっ」
俺は思わず舌打ちしてしまう。
「おい、ネル。お前とフィリアはどういう関係だ!」
俺が少し声を強めにネルに質問を投げる。
「わ、私とフィリアは一緒の孤児院で暮らしていた。私はただ、フィリアに謝りたかっただけなのだ」
その言葉だけで何となく状況は察することができた。
「ティナとフロンはこの二人の護衛。このまま外に出てノワールと共に待機。俺はフィリアを追う」
「わかりました」
ティナがすぐに反応する。
そして俺は女の子の方に向かい頭に手をポンと乗せると優しく撫でる。
もう撫でられることに抵抗がなくなったのかその手を受け入れる。
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俺はそれだけ言い残すと、俺は足に力を入れ全力でフィリアのあとを追った。
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