71 / 133
3章:王都招集
66:合格
しおりを挟む
俺が目にしたのは、白髪の王様らしき人とその護衛であろう男。そして黒髪のお姫様だった。
俺が一人ずつ目を合わせる。王様、堂々としていて王様らしい赤マントを羽織っていた。
お姫様、俺が目を合わせると姫様は驚いて様な反応を示した。俺が何かしたのだろうか?
そして最後に護衛。俺が目を合わせると同時に魔力の波動を感じる。
圧迫されるような感覚、上の相手に感じる威圧。それより上のものを感じる
後ろを向くと、ティナが崩れた。苦しそうな表情だ。フロンも同様だった。
《覇気のスキルを感知》
俺の頭の中にエルの声が流れる。そして俺はティナとフロンの元へ向かう。そして俺はその男を睨めつける。
「ふっ合格だ」
その男はそういった。
「お父様! 早く止めてあげてください」
レジーナがその男に向かってそういった。
そういえば、二人とも金髪だ。まさか親子だとは。
「試すような真似をして済まない。お嬢さん方大丈夫かな?」
男はそう言って、俺たちに対して腰を折った。
「私の前はラース。ラース・テル・ティリーナ。そこにいるレジーナの親だよ。そして元SSランク冒険者。今では騎士団長なんてものをやらせてもらっている」
ラースはそう言って、一歩下がる。そして王にこういった。
「そこにいる男はたいした逸材ですよ」と
すると、王は笑った。
「そうかそうか、実に面白い。元とは言えSSランク冒険者であるラースの覇気に耐えるか」
「お父様。まずは自己紹介を」
するとそんな笑っている王にお姫様が、注意を促す。
「そうだったな。名前はノイビス・セイン・レルフォードと言う」
「俺はユウ・ツキカゲという。礼儀には疎い。流してもらえると助かる」
「構わんよ。謁見というわけでもないしな」
愉快な王様だ。そして俺のあとに続くように、ティナとフロンが自己紹介を済ませる。さっきの覇気ももう大丈夫そうだった。
「最後は私ですわね。アイリス・セイン・レルフォードと言います。以後お見知りおきを」
アイリスはドレスの裾をとり、軽くお辞儀する。
そして王が口を開いた。
「早速だが、用件を済ませよう。黒竜を撃退したというのは本当か?」
「本当だ」
俺が肯定を示すと、アイリスは驚きの表情を見せる。
「黒竜というと、SSランク指定ではありませんか!」
「いや、俺が戦ったのは幼体だ。Aランクだな」
まぁ暴走してはいたが、それでもAランク。知性がないからな。
「ユウ殿は確か今Cランクだったな」
レジーナが俺の情報を足す。
「それで、黒竜を撃退したときはFランクと聞いたな」
「そうか、やはり査定が必要だな」
ラースは俺にそう言った。
査定。つまり俺のランクの見直し。Cランクの腕前ではないからだろう。
「だが、その前に聞きたいことがある」
王様が会話に割って入ってくる。
「そなたは何者だ? その黒い髪。この世界のものか?」
今のは可能性の二択だ。この世界にも黒髪はいる。だがごく少数だ。
可能性の一つは異世界人であること。勇者召喚とかで呼ばれてきたりするのがいい例だ。
そしてもう一つ。その異世界人の子孫だ。
「アイリスの髪が黒いのは先祖返りだ。儲けでも呼ばれた勇者と結ばれたことは多い。ここ最近ではなかったから先祖返りというわけだ」
「俺は異世界人の方だ」
嘘を言うのもめんどくさいし、ばれたら後々面倒だ。
「やはりか、どういう経緯かは」
「悪いが答えられない」
混合神のことは話すと余計に話がこじれる。
「そうか、黒髪と聞いて気になっていたのだ。今代呼ばれた勇者の髪は黒かった。今は経験稼ぎで町の外に出ているがな」
「人数は?」
「4人だ」
まぁ、妥当な人数か。
今気になることはたくさんある。だが後回しだ。ステータスが読めないそこの化け物が一番怖い。
「査定の方法だが、そこのレジーナと一対一で戦ってもらう」
レジーナは嬉しそうな顔をしていた。
なんだ、そんなに戦いたかったのか? 普通の俺では頑張って五分五分だ。負ける確率の方が高い。ステータスも完全に読めてないしな。
「じゃあ、仲介人は私が務めよう」
ラースは勝手に名乗りを上げた。
「それではこれより王城の騎士団訓練場にてランクの査定模擬試験を行う」
王はそう言い残すと赤マントを翻し、部屋を出て行った。そのあとをラースが付き、アイリスもそれを追う。
部屋を出る直前。アイリスと目があった気がした。
俺が一人ずつ目を合わせる。王様、堂々としていて王様らしい赤マントを羽織っていた。
お姫様、俺が目を合わせると姫様は驚いて様な反応を示した。俺が何かしたのだろうか?
そして最後に護衛。俺が目を合わせると同時に魔力の波動を感じる。
圧迫されるような感覚、上の相手に感じる威圧。それより上のものを感じる
後ろを向くと、ティナが崩れた。苦しそうな表情だ。フロンも同様だった。
《覇気のスキルを感知》
俺の頭の中にエルの声が流れる。そして俺はティナとフロンの元へ向かう。そして俺はその男を睨めつける。
「ふっ合格だ」
その男はそういった。
「お父様! 早く止めてあげてください」
レジーナがその男に向かってそういった。
そういえば、二人とも金髪だ。まさか親子だとは。
「試すような真似をして済まない。お嬢さん方大丈夫かな?」
男はそう言って、俺たちに対して腰を折った。
「私の前はラース。ラース・テル・ティリーナ。そこにいるレジーナの親だよ。そして元SSランク冒険者。今では騎士団長なんてものをやらせてもらっている」
ラースはそう言って、一歩下がる。そして王にこういった。
「そこにいる男はたいした逸材ですよ」と
すると、王は笑った。
「そうかそうか、実に面白い。元とは言えSSランク冒険者であるラースの覇気に耐えるか」
「お父様。まずは自己紹介を」
するとそんな笑っている王にお姫様が、注意を促す。
「そうだったな。名前はノイビス・セイン・レルフォードと言う」
「俺はユウ・ツキカゲという。礼儀には疎い。流してもらえると助かる」
「構わんよ。謁見というわけでもないしな」
愉快な王様だ。そして俺のあとに続くように、ティナとフロンが自己紹介を済ませる。さっきの覇気ももう大丈夫そうだった。
「最後は私ですわね。アイリス・セイン・レルフォードと言います。以後お見知りおきを」
アイリスはドレスの裾をとり、軽くお辞儀する。
そして王が口を開いた。
「早速だが、用件を済ませよう。黒竜を撃退したというのは本当か?」
「本当だ」
俺が肯定を示すと、アイリスは驚きの表情を見せる。
「黒竜というと、SSランク指定ではありませんか!」
「いや、俺が戦ったのは幼体だ。Aランクだな」
まぁ暴走してはいたが、それでもAランク。知性がないからな。
「ユウ殿は確か今Cランクだったな」
レジーナが俺の情報を足す。
「それで、黒竜を撃退したときはFランクと聞いたな」
「そうか、やはり査定が必要だな」
ラースは俺にそう言った。
査定。つまり俺のランクの見直し。Cランクの腕前ではないからだろう。
「だが、その前に聞きたいことがある」
王様が会話に割って入ってくる。
「そなたは何者だ? その黒い髪。この世界のものか?」
今のは可能性の二択だ。この世界にも黒髪はいる。だがごく少数だ。
可能性の一つは異世界人であること。勇者召喚とかで呼ばれてきたりするのがいい例だ。
そしてもう一つ。その異世界人の子孫だ。
「アイリスの髪が黒いのは先祖返りだ。儲けでも呼ばれた勇者と結ばれたことは多い。ここ最近ではなかったから先祖返りというわけだ」
「俺は異世界人の方だ」
嘘を言うのもめんどくさいし、ばれたら後々面倒だ。
「やはりか、どういう経緯かは」
「悪いが答えられない」
混合神のことは話すと余計に話がこじれる。
「そうか、黒髪と聞いて気になっていたのだ。今代呼ばれた勇者の髪は黒かった。今は経験稼ぎで町の外に出ているがな」
「人数は?」
「4人だ」
まぁ、妥当な人数か。
今気になることはたくさんある。だが後回しだ。ステータスが読めないそこの化け物が一番怖い。
「査定の方法だが、そこのレジーナと一対一で戦ってもらう」
レジーナは嬉しそうな顔をしていた。
なんだ、そんなに戦いたかったのか? 普通の俺では頑張って五分五分だ。負ける確率の方が高い。ステータスも完全に読めてないしな。
「じゃあ、仲介人は私が務めよう」
ラースは勝手に名乗りを上げた。
「それではこれより王城の騎士団訓練場にてランクの査定模擬試験を行う」
王はそう言い残すと赤マントを翻し、部屋を出て行った。そのあとをラースが付き、アイリスもそれを追う。
部屋を出る直前。アイリスと目があった気がした。
22
お気に入りに追加
2,544
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

流石に異世界でもこのチートはやばくない?
裏おきな
ファンタジー
片桐蓮《かたぎりれん》40歳独身駄目サラリーマンが趣味のリサイクルとレストアの資材集めに解体業者の資材置き場に行ったらまさかの異世界転移してしまった!そこに現れたのが守護神獣になっていた昔飼っていた犬のラクス。
異世界転移で手に入れた無限鍛冶
のチート能力で異世界を生きて行く事になった!
この作品は約1年半前に初めて「なろう」で書いた物を加筆修正して上げていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる